宇宙戦艦ヤマト 時間断層工場を添えて   作:ss好き

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リメイクを見ていて思いついたものです。良ければ宜しくお願いします。


第一話 二つ目の希望

 無限に広がる大宇宙、静寂と光に満ちた世界

 

 

 

 死んでゆく星もあれば、生まれてくる星もある

 

 

 

 そうだ・・・宇宙は生きているのだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 西暦2199年10月8日 地球 日本列島 九州 坊ノ岬沖海底

 

 地球から14万8000光年彼方、大マゼラン星雲内の太陽系サンザーの第8番惑星ガミラスからの攻撃により、地球は滅亡の危機にさらされていた。圧倒的な科学技術をほこるガミラス艦隊を前に、地球の科学力の粋を集めて結成された地球防衛軍とその防衛艦隊は敗走に敗走を重ね、遂には太陽系の殆どを制圧され、地球に無数の遊星爆弾を降らせていた。遊星爆弾の威力と放射能を前に、海は干上がり大地は荒れ果て、地球人類は地下へと逃げのびた。しかし、放射能汚染は着実に地下をも侵し始めており、後1年で人類は滅亡すると予想がされていた。

 

 

 そんな絶望的な地球に一つの救いの手が現れた。同じく地球から14万8000光年彼方、大マゼラン星雲内の太陽系サンザー、ガミラスと二連星の双子星、同じく第8番惑星のイスカンダル。

 

 

 その星の女王スターシャよりもたらされた波動エンジンの設計図とメッセージ。メッセージには超光速外宇宙航行な波動エンジンを使い、イスカンダルにある放射能除去装置コスモクリーナーDを受け取りに来るようにと記されていた。設計図とメッセージを携えた使者であり、スターシャの妹サーシャは火星付近でガミラスに撃墜されてしまい、脱出するも火星の地表で命を落としてしまった。

 

 

 メッセージを受け取った地球は、直ちに地球脱出船として建造中だった1隻の船に波動エンジンを取り付け、宇宙戦艦に仕立て上げた。それこそが後に伝説として地球人類の記憶に深く刻み込まれる艦「宇宙戦艦ヤマト」の誕生である。

 

 

 ヤマトは遥かなる14万8000光年彼方にあるイスカンダルに向かって旅立った。史実ならば地球はヤマトが旅に出ている間はエネルギー不足による食糧難による飢えと病気、不安と恐怖に震えて待つしかなかった。しかし、この時空は少し違った。別の世界では「負の遺産」「蘇った地球が、美しい自然の中で密かに抱え込んだ闇」と評された存在。その存在を知る者の多くからはこう呼ばれていた。

 

 

 

 時間断層

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 西暦2199年12月31日 日本列島 某所

 

 ヤマトが太陽圏を離脱し通信不能になってから1ヶ月以上が経過した。それまでにヤマトは木星のガミラス浮遊大陸基地と冥王星基地を破壊する快挙を成し遂げていた。特に冥王星基地は遊星爆弾の発射基地だったため、これを破壊したことにより二度と遊星爆弾が地球に降り注ぐことはなくなった。人類はそのことに安堵し、猶予が僅かながらに伸びたことにヤマトへの希望強めていたが、時間とともに再び恐怖と不安が戻ってきた。それでも最後の希望であるヤマトを心の拠り所に希望を持ち続けていた。

 

 そんな日々に唐突に転機が訪れた。日本の某所を震源とした局所地震が発生した。それと同時に奇妙なエネルギー反応と空間が震源地より観測され、地球防衛軍司令部は調査のための科学者と空間騎兵隊が派遣され、速やかに調査を開始された。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 1ヶ月後 地球防衛軍司令部

 

 「では、例の地震と共に出現したエネルギー反応と空間についての調査結果が出たため、本会議でその実態と利用価値について話し合いたいと思う」

 

 

 防衛軍司令部の会議室の一番奥の席に座りながら、地球防衛軍司令長官[藤堂 平九郎]が軍高官と生き残った艦長や司令官と政治家たちの前でそう告げた。彼らも1ヶ月前の地震とともに出現したエネルギー反応と空間の報告は聞いていたが、その時点ではまだどの様なものなのか把握できていなかったために、詳しく知らされていなかった。そのため、今回の会議でようやく正体が掴めたと報告があり、不安と興味が混じった心情で出席していた。しかも、何かしらの利用価値まであるという話まであるではないか。

 

 「調査の結果、この空間は時間が通常の10倍の速度で時間が進む亜空間だと分かった」

 

 藤堂長官の言葉に会議室にどよめきが起こった。ガミラスを始めとした様々な出来事を経験してきたが、10倍の速度で時間が流れる空間などある意味では波動エンジンやワープ航法以上の驚きだった。

 

 「更にそれだけではなく、この空間内にはある巨大構造物と2隻の戦艦が存在し、現在も稼働中だということも分かった」

 

 藤堂長官はそこまで話すと手元にあるコンソールを操作して映像をスクリーンに映し出した。映し出された映像に全員が目を奪われていた。それは不思議な構造物だった。螺旋を描いたようなねじれにも見えるそれには無数のパイプや船台が、開口部から見える範囲には巨大なクレーンやエレベーターが存在した。戦艦の方も見慣れない形をしていた。全体的には箱型船体にロケットノズルを付け、ヤマトと同様に塔状の艦橋と三連装主砲を3基搭載し、艦首に波動砲口のような開口部があるが、装甲で塞がれていた。艦橋も窓が塞がれているため、何らかの特殊用途のための艦と思われた。これらの映像を見たすべての人間が直ぐに正体を見破った。巨大な工場兼造船所だと。

 

 「この構造物は無人で稼働する工場兼造船所であることが分かり、更にこれらの動力源も波動エンジンを利用した発電機を使用していることが判明した。しかも、驚くべきことに内部のシステムや装置の言語は地球のものだと報告が上がってきたのだ」

 

先程よりも大きなどよめきが起こった。そんな中一人の男が手を上げた。高い背丈と鋭い眼光を持っており、鬼を連想させるような強面の男だった。宇宙戦艦ヤマトの艦長[沖田 十三]の同期であり、宇宙戦士訓練学校の校長を務める男[土方 竜]は藤堂長官の発言許可を受け取り発言した。

 

 「地球の言語と言うことは地球製の施設ということなのですか?見た目はかなり変わった形をしていますが、細部を見れば確かに地球に存在する装置や建築の流れを組んでいることはわかりますが・・・それに通常の10倍の速度で時間が流れる空間に防護服を着ているとはいえ、生身の人間が入って大丈夫なのでしょうか?あの妙なカラーリングの艦も気になります」

 

 「その件に関してだが、時間経過速度の方はあの2隻の戦艦のワープシステムを応用した時間制御技術を使用して、生身の人間でも防護服を着用すれば問題ないことが判明した。施設もあの戦艦も地球製だ・・・ただし我々が暮らすこの宇宙とは別の宇宙の地球、正確には2203年の並行世界の地球のものだと判明した」

 

 「2203年!?」

 

 「並行世界とはいえ3年先の未来から来たものなのか!?」

 

 「一体何故・・・?」

 

 皆が皆それぞれの考えや思いを口にして、会議室は騒がしい様子に変わった。並行世界だけでも驚きだが、それが3年も先の未来のものということも拍車をかけた。藤堂長官は一喝し場を鎮めた。

 

 「落ち着けっ!まだ会議中だ!記録やデータは所々破損したりエラーを起こしているため現在サルベージ作業中だが、わかっている情報だけ有益な技術や情報や我々の世界との違いがよく分かるぞ」

 

 

 

 ・向こうの世界ではヤマト発進が10月8日ではなく2月11日である

 

 

 

 ・イスカンダルとの距離が2万光年向こうの世界のほうが遠い

 

 

 

 ・ガミラスとの戦争が太陽系内の領海侵犯により、地球側から先制攻撃をしてしまったこと

 

 

 

 ・ヤマトが地球帰還後からの3年ほどの歴史

 

 

 

 ・こちらの世界とはまた別の波動技術を応用した武器・防御手段

 

 

 

 ・ヤマト以前の旧型艦や小型艦に搭載可能な波動エンジンと波動砲

 

 

 

 ・AIを使った兵器の研究や試験、無人艦の制御

 

 

 

 ・オムシスを使った食料製造

 

 

 これらだけでも今の地球には宝の山のような情報だが、時間断層工場の存在もまた大きかった。通常の10倍の速度で時間が流れるということは10年掛かる様な事業や製造を1年で終わらせられるということだ。工場は民間向けの設備もあることから民間にも恩恵を受けさせることが可能。うまく使えば経済も10倍早く回復させられる可能性があるということだ。

 

 軍事は云わずに及ばず、軍事工場と造船所を使えば短期間でガミラス戦争前と同じく艦艇数まで回復することが可能なばかりか、それを大きく上回る数を建造出来るのだ。新技術も10年分の時間が1年で流れるのなら短期間での開発も可能だろう。

 

 何よりも工場の動力は波動エンジンのため、莫大な電力を各地下都市に分けることも可能であり、今のエネルギー不足にあえぐ地球にはこれだけでもありがたいものだった。

 

 「諸君、この時間断層工場が何故この世界に流れ着いたかは現状は不明だが、我々にはもう余裕はない、使えるものは使っていくしかない。まずは早急にエネルギーをあの工場から各地下都市に供給し、通信を始めとしたインフラの回復。食料と医療品の工場の再稼働。そして防衛軍艦隊の再編だ」

 

 

 

 その後、会議は暫く続き時間断層工場とその並行世界の未来技術をこの世界の技術と融合して使用し軍を再建。各都市の暫定的な復旧を終わらせ、軍艦と輸送船を建造し復興に必要な資源を速やかに運ぶ。汚染が深刻な都市は避難用のスペースコロニーを建造し、一時的にそこに避難する。この提案は満場一致で可決され、速やかに実施された。

 

 工場内にはまだかなりの数の資材や加工前の資源があったため、エネルギー供給の準備と並列で艦艇の建造も開始された。

 

 

 艦艇は、

 

 

 

 ・大型輸送船×多数(さらば、ヤマト2に登場した列車のように連結して航行していた宇宙船)

 

 

 ・改沖田艦型戦艦「えいゆう型戦艦」×20(2202の金剛改二型戦艦と能力は同じ)

 

 

 ・ヤマト型2番艦と3番艦「ムサシ、シナノ」(波動防壁を搭載している以外はヤマトと同性能)

 

 

 ・パシフィック級パトロール艦×48(2202と同スペック)

 

 

 ・護衛艦×150(2202と同スペック)

 

となった。

 

 

 

 こうして地球は史実よりも早くかつ強力な力を持って復興の道を歩み出し始めるのだった。

 

 




ヤマトキャラが崩壊していないか心配です。改沖田艦の艦名はノベル版SPACE BATORUSIPPU ヤマトの沖田艦から取りました。今は工場はフル稼働させず一部を使っており、まずはエネルギーを始めとした地下都市の復旧と艦隊再建、その後に資源輸送を行い少しずつ稼働を上げていく感じです。こんな作品でよろしければ、これからもよろしくお願いします
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