宇宙戦艦ヤマト 時間断層工場を添えて   作:ss好き

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劇場版第一作の流れを含みつつ、本作オリジナル要素を混ぜています。


第五話 ヤマトよ、地球は・・・

 宇宙戦艦ヤマト

 

 宇宙戦艦ヤマトは七色星団・ガミラス本土決戦を戦い抜き、イスカンダルに到着。スターシャ女王より放射能除去装置[コスモクリーナーD]を受領し、地球への帰路についていた。帰路はガミラスの妨害もなく、向かっていた時よりも穏やかに航海を行うことができていた。その途中で受領したコスモクリーナーDの組み立てを行い、実際に作動するかテストを行っていた。

 テストは成功し、実験室内の放射能を見事に除去することに成功した。組み立て指揮を行っていた真田 志郎工作班長を始めとしたヤマト乗組員は歓声をあげていた。その中には戦闘班長兼艦長代理の古代 進と生活班長の森 雪も混じっていた。そして数日後、ヤマトは間もなく太陽系に入ろうとしていた時だった、コスモレーダーに多数の艦船の反応が現れたのだ。

 

 「コスモレーダーに反応あり!本艦の前方十二時方向に多数の艦影が見られます!」

 

 「何!?メインパネルに出せ!」

 

レーダー主を務める雪の言葉に古代は驚きながらも艦影の確認のためメインパネルに捉えた艦影を映すように命令を発した。ひょっとしたらガミラスの残党が報復に来た可能性があったからだ。ガミラス本星はヤマトとの戦いで荒廃してしまい、その報復に来てもおかしくなかったからだ。そして、そこに映された物に、古代と雪は勿論、第一艦橋の全員が驚きの表情を浮かべた。

 

 「おい、あれって・・・ヤマトじゃないかっ!?」

 

 「それだけじゃないっ!!回りにいる艦は沖田艦じゃないかっ!?」

 

 「すげぇっ!巡洋艦に駆逐艦も沢山いるぞっ!!」

 

 「沖田艦型の艦首のあれは、小型だが波動砲か?巡洋艦と駆逐艦にも搭載されているが・・・」

 

 戦闘班副班長の南部 康雄・通信班長の相原 義一が、そして航海班副班長の太田健二郎が声を上げ、真田は艦の形から分析を行っていた。声こそ上げていないが、機関長の徳川 彦左衛門も驚愕の表情を浮かべていた。古代も驚きこそあるが、艦の形から地球の艦だろうと感じていた。通信を入れようと口を開きかけたときだった、ヤマトと同じ艦影、宇宙戦艦ムサシから通信が来た。

 

 「久しぶりだな、ヤマトの諸君。元気そうで何よりだ」

 

 メインパネルに映し出された男、土方 竜が笑みを浮かべながら声を掛けてきた。

 

 「先生っ!?土方先生ですか!?おっ、お久しぶりです!」

 

 「今は艦長兼司令だ。率直に伝えるが、この艦を始めとした艦船に地球の状況を説明したい。それに・・・沖田の見舞いもしたい。 かなり悪いのだろう・・・?今からそちらに向かう、受け入れ準備をしてくれ」

 

 「了解しました!お待ちしております!」

 

 土方の要請に古代は右手を胸のあたりで横に構えるヤマト式の敬礼を行なって応えた。メインパネルの映像とともに通信も切れる。艦橋内には戸惑の空気が流れた。が、古代が艦長代理として速やかに命令を発した。先程の空気は一瞬で霧散し、若いながらも歴戦の乗組員らしい無駄のない動きで受け入れ準備を始めた。十数分後に土方を乗せたコスモゼロがヤマトに着艦した。

 

 土方は古代と雪、艦医の佐渡 酒造と共に艦長室に向かった。先に沖田と古代達に地球の状況を伝え、次にヤマト全乗組に伝えるのだが、まずは艦長たる沖田に見舞いも兼ねた報告を行おうと向かったのだった。その間もヤマトは進み、ムサシ麾下の艦隊はヤマトを守るよう陣形を組み直し、地球に向けて航行していた。その途中で採掘した資源を回収に向かう資源輸送船団と護衛艦隊に遭遇し、再び驚きの雰囲気がヤマトを包んだ。更に地球から発進した長門型宇宙戦艦と阿賀野型宇宙巡洋艦、初春型宇宙駆逐艦の艦隊が司令部の指示により護衛に参加し、頼もしさよりも恐怖が第一艦橋を始め、各艦橋の乗組員に少し芽生えてしまった。出航前には見られなかった、見慣れない艦船に艦橋以外のヤマト乗組員もかなり驚いていた。ヤマトより大型の戦艦に加え、ヤマトより全長が短いが戦艦並みに大きい艦体と主砲を搭載した巡洋艦。更にはその数もかなりの数が揃っているのだから、驚きはより大きかった。

 火星付近まで来たときは第一艦橋だけではなく、第二艦橋・第三艦橋、手すきの乗組員達が展望室窓から外の景色を見て驚きと困惑、喜びと安堵が混じった顔でそれらを見つめていた。地球避難用コロニーの集まりだった。地球は一体これだけの規模と数のコロニーをどうやって用意できたの皆目検討もつかなかった。ヤマトの同型艦にヤマト以上の戦艦を始めとした艦船も気になったが、コロニーの近くまで来てより詳細に様子を見れるようになった時だった。あるもの見つけた乗組員達が皆泣き崩れたり、泣きながらも誇らしげに敬礼を、或いは手を大きく振っていた。

 コロニー外周と展望用窓には、宇宙服を着用した作業員と避難した市民が大きく笑みを浮かべながら手を振っていたのだ。市民の中には小さな子供も混じっており、少し崩れた文字である言葉が大きな横断幕に書かれていた。

 

              

               ヤマト!!お帰りなさいっ!!

 

 他の市民も同じように横断幕を掲げ、コロニー外周の作業員達も手旗信号や横断幕を広げてヤマトに歓声を贈っていた。ヤマトは相原以下通信班がコロニーの声を全艦放送で流していた。

 

 『お帰りなさい!!』

 

 『ヤマト!!ありがとう!!』

 

 『ヤマト!!この歓声が聞こえるかっ!?聞こえんとは言わせんぞっ!!ありがとう!!』

 

 『ヤマト!!本当にありがとう!!』

 

 これらの言葉はまだ地球に到着し放射能を除去していないが、確かに自分たちは使命を果たし、地球に帰って来たと思わせるには十分であり。動きこそ乱れてはいないが、数十分は乗組員は泣きながらも誇らしげに笑みを浮かべて作業を行っていた。

 

 

 

 

 西暦2200年9月5日 

 

 宇宙戦艦ヤマトは放射能除去装置を持って太陽系に帰還・・・

 

 生存者六七名 死亡者四七名

 

 地球が青さを取り戻す、少し前の出来事だった・・・




沖田艦:えいゆう型戦艦
巡洋艦:パシフィック級
駆逐艦:護衛艦
ヤマトクルーは知らないので勘違いしています。ヤマト2の駆逐艦は護衛艦の武装を減らして、波動砲を載せずに装甲を護衛艦より厚くした感じですから、重武装駆逐艦でも良さそうですね。
物語のヤマトはここで終わり、復興期間を書いてから、さらば/ヤマト2の物語に入りたいと思います。引き続き本作を宜しくお願いします。
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