[壱]
ラモンさんと色々と話した後、俺達はロザリーヒルに一軒だけある宿屋で休むことにした。勿論、宿のオーナーはラモンさんである。
また、ここの宿屋は、宿泊者全員が同じ場所で雑魚寝するタイプのモノであった。
広々とした床に茣蓙みたいなモノが敷いてあるだけで、個室やベッド、それから布団もない、簡易な宿泊施設なのである。
宿代は1人9ゴールド。なかなかの格安宿であった。
それと見回したところ、どうやら宿泊客は俺達だけのようだ。
デスピサロの件もあるので、人間はそうそう来ない……というか、排除されているのだろう。
まぁそれはさておき、外はもう夜の帳が降りており、真っ暗であった。
明かりは宿の中央に灯された燭台のみである。
つーわけで、俺はそんな宿の床に腰を下ろし、とりあえず休むことにした。
エドガンさんはピョンピョンと跳ねながら、宿の中を見回している。
そしてリバストはというと、ラモンさんから格安で売って貰った武具を装備している最中であった。
ラモンさん曰く、一応コレは数百年前の御礼と天空の鎧のお詫びだそうだ。
で、リバストが手に入れた武具だが、まどろみの剣とドラゴンメイル、それと鉄仮面であった。
それらは、俺がリバストにあげた破邪の剣と引き換えで手に入れたモノなので、ほぼタダ同然と言えるだろう。
因みにだが、リバストは身かわしの服に宿っている状態なので、ドラゴンメイルはその上から装備している。勿論、鉄仮面もだ。
そんなわけで、今のリバストは、歴戦の戦士という肩書きに相応しい姿なのであった。
なんといっても、鎧の素材に使われている緑色のドラゴンの皮や鱗が、かなり厳つい感じだ。
ゲームでは炎や吹雪に耐性があったので、この世界でもそれに期待である。
それと、まどろみの剣は初めて見るが、かなり歪な形をした美しい剣であった。
なぜなら、真ん中から先端部までは普通の刃なのだが、鍔の付近は螺旋を描くように渦を巻いてるからである。
それはまるで、刃が
そんなおかしな形状なので、当然、鞘もない。
抜き身の真剣状態で装備するしかないのだ。
ただ、リバストはこの剣を知っているのか、手慣れた感じで腰に装備をしていた。
もしかすると、生前はよく使っていた武具なのかもしれない。
とはいうものの、俺もゲームでは良く愛用していた武具であった。
これで攻撃すると、色んな敵が眠るので終盤でも重宝していたのだ。
以上の事からもわかるように、リバストが装備している武具は全て、ゲーム終盤でも通用するモノなのである。これは頼れる相棒となりそうだ。
話は変わるが、俺もその流れに便乗してお願いしてみた。
その時のやり取りはこんな感じだ――
「ラモン殿! 拙者にも、何か武具を格安で譲ってくだされッ! できれば、そこにあるドラゴンキラーを9割引きの1500ゴールドで!」
「ほほう……それならば……って、売るわけないじゃろがッ! これは儂の店にある最高級の武具じゃぞ。大体、お主に礼をする義理などないわい。リバスト殿は祖先の借りもあるからじゃ。ったく、調子に乗りおってからに……。それに……」
ラモンさんはそこで言葉を切り、俺が背負う摩利支天浄魔光剣に視線を向けたのである。
「お主が装備しておる、その剣……恐らく、このドラゴンキラーはそれには及ばぬと思うぞ。さっきから気になっていたのじゃよ……儂も初めて見る剣じゃしな。後生の為に、ちょっと見せてくれぬか?」
ラモンさんは俺の背中にある剣を指差した。
(色々と情報得られたし、まぁいいか……)
俺は剣を鞘から抜き、ラモンさんに手渡した。
ラモンさんは剣を手に取り、マジマジと眺める。
そして次第に、驚きの眼差しとなっていったのである。
「なんという……美しい剣じゃ。刃に浮かび上がる波打つ不思議な紋様……それを包み込むように帯びた澄んだ魔力の流れ。こんな剣があったとは……。お主、この剣をどこで手に入れた?」
「どこで手に入れたと言われましてもね……これは、俺が自分自身で打った剣なので」
「なにッ……これをお主が打ったじゃと!?」
「ええ、そうですよ。我が一族に伝わる秘伝の製法で打たれた、魔を祓う剣です。なので、俺にしか扱えぬ剣ですがね」
「なんとの……そうであったか。これは良いモノを見せてもろうたわい。ふむ、なるほどのぅ……エルの民が受け継ぐ武具よりも凄いかも知れぬ。色んな武具があるものじゃな……ほれ、返すぞ」
俺は剣を受け取った。
ラモンさんは続ける。
「このような剣を作るとはな……いや、剣だけではない。お主の着ている衣からもただならぬ気配を感じる。お主、一体何者じゃ?」
「とりあえず、今はただの旅人ですよ。ただし……目的地は天空城ですがね」
俺の言葉を聞き、ラモンさんは目を見開いた。
「何!? て、天空城じゃと……」
「なんと、ジュライ殿は天空城に行きたいのか」
「ほうほう、それはまた凄い目的ですな」
リバストとエドガンさんも同様であった。
そういえば、彼等に目的を話してなかったのを思い出した。
「ちょっと込み入った事情がありましてね。天空の神とやらに会わねばならぬのです。その時に、ドラゴンキラーがあると助かるんですよ。なので、格安販売してくれると嬉しいんですが……」
ラモンさんは首を傾げる。
「はぁ? そんなところでドラゴンキラーを何に使うんじゃ?」
俺は笑顔で答えた。
「それはですね……面倒に巻き込まれた挨拶代わりに、天空の神をドラゴンキラーで思いっきりシバいてみようかなぁ……なぁんて事を思いましてね。テへ……」
俺はそう言って、可愛く頭をポリポリかいた。
すると3人はポカンとしながら、暫く固まっていたのであった。
程なくして、ラモンさんが怯えたように捲し立ててきた。
「う、うう……売れるわけないじゃろ! というか、お主には絶対売らぬわァ! 儂にまで天罰くるじゃろうが! そんなに欲しいなら、他で買え!」――
とまぁ、そんなやり取りがあったのだ。
つい口を滑らせてしまったのが悔やむところである。
とはいえ、滑らせなくても失敗してたかもだが。
まぁそれはさておき、以上の事から俺は、通常価格でもラモンさんからドラゴンキラーを買えそうにない、残念な展開となったのである。
今後は余計な事を言わないよう注意せねば……と思う、今日この頃なのであった。
つーわけで話を戻そう。
武具を全て装備し終えたリバストは、静かに腰を下ろした。
かなり強そうな出で立ちである。
(リバストはこれで、かなりアップデートできたな。元々、凄腕の剣士だから、相当強くなったはずだ。おまけに、今日は思いのほか、良い情報を沢山仕入れられたしな。ここに来て良かったよ。お陰で、この世界の事が結構わかってきた。それはともかく……これからどうすっかな。とりあえず、塔の調査でもするか。ロザリーがいるのかどうかも知りたいし……ン?)
ふとそんな事を考えていると、エドガンさんが俺の前に来た。
「ジュライ殿……1つ訊いてよいかな?」
「なんです?」
「ジュライ殿はどうしてこの地に来たかったのだね? もしや、この地の事を知っているのかな? デスピサロがいるかもしれないというのに、妙に落ち着いてるのが気になっているだよ」
「そうなのか、ジュライ殿?」
エドガンさんは俺の様子を見て、少し違和感を覚えたんだろう。
なかなかに鋭い人なので、疑問に思うのは無理もない。
俺はとりあえず頷いておいた。
「ええ、まぁ知ってはいましたよ。とはいっても、このロザリーヒルに来るのは、俺も初めてですがね」
「やはりか……で、ここに来た理由はなんなのだね?」
特に理由はないのだが、ゲーム知識と言うわけにはいかないので、適当に答えておいた。
「実は以前、この辺りにデスピサロが住んでいたという噂を耳にした事があったのですよ。なので、なんとなく来てみただけです」
「ふむ、そういう事であったか。しかし……このような村があったのだな。それに、エルの民の話も非常に興味深い。加えて、今日はリバスト殿が戦った魔物の話も聞けたので、新たな世界を見た気分になったよ、私は」
「まぁ確かに、色んな話を聞けましたね。リバストさんの話は本当なんだと改めて思いました」
するとリバストは、心外だとばかりに、俺に振り返ったのである。
「私は嘘は言っておらぬぞ。とはいえ、確かに裏付けるものはなかったな……これも、ラモン殿のお陰か……まぁいい。それよりも……今の話にも出ていたが、デスピサロという魔族の王をジュライ殿は追っているのか?」
「ええ……奴とは少しばかり因縁もあるのでね。後で様子見に行こうかと思ってるところです。ラモンさんは、闇が最も深まる頃、奴は帰ってくるだろうと言ってましたのでね」
「ほう……ならば、我々はどうするとよい? 何かあるなら手伝うが……」
「私も手を貸そうか? 今の私はスライムだから、多少は魔物に近づけると思うが……」
ありがたい申し出ではあったが、俺は頭を振った。
相手はデスピサロなので、不測の事態を避ける為である。
「お2人は休んでいて下さって結構ですよ。偵察は1人の方がやりやすいのでね。ま、とりあえず、奴の状況や思惑を知りたいので、色々と探りを入れてくるつもりです」――
[弐]
夜が深まり、薄く靄が漂い始めた頃、俺は上に羽織る白い陣羽織風の衣服を脱ぎ、行動を開始した。
闇に紛れて行動するには、濃紺に染めた旅人の服の方が都合が良いからである。
コーミズ村で衣服の呪術処理をしていた時、諜報活動がしやすいように、この染料をチョイスしたのだ。
濃い紺色は忍者の衣のように、闇に紛れやすいからである。
まぁそれはさておき、俺は村の外れにある林に隠れ、そこから白い鳥の式神を飛ばし、塔の辺りを探った。
式を通して見た感じだと、塔の周辺には火が燃え盛る
お陰で魔物の警備体制は大体把握できた。
ラモンさんの言うとおり、塔の周囲には、かなり強そうな魔物が十数体ほど徘徊している。
また塔の屋上には、上から監視するミニデーモンが1体いた。
それだけではない。
塔の周囲にはお堀のように、青白く発光しながら火花が迸る何かが張り巡らされてるのであった。
つーわけで、ゲームと全然違う様相である。
(モンスターは、アンクルホーンと骸骨剣士みたいなのと、それから……爆弾岩みたいなのがいるな。おまけに、塔の周囲には青白い床が張り巡らされている。アレはもしかすると、バリア床かもな。さてどうすっか……ン?)
と、その時であった。
塔の上部に設けられたバルコニー状の窓口から、憂いた目で空を見つめる少女が姿を現したのである。
その少女は薄紫色のワンピース姿で、肩よりも長く伸びた桃色の髪から、長く尖った耳が見え隠れしていた。
モロにエルフのような見た目の少女であった。
(へぇ……可愛い子だな。シンシアと良い勝負してんじゃん。これがロザリーかもな。モシャスで化けた影武者の可能性もないとはいえんが……。つか、ドラクエⅣの勇者と魔王って、よく考えると境遇が似てんだよな。片や天空から追い出され……片や魔界から追放され……恋人は両方共にエルフっ娘だし。なんなんだろうな、コイツ等の境遇は……って、こんな事考えてる場合じゃないか。さてと、どうするかな。とりあえず……塔の屋上に行くか。ここからだと離れすぎていて、式で偵察しても話し声が聞こえないし……)
そう、式の秘紋法は術者からの距離によって、出来る事の制約があるのだ。
会話まで盗み聞くには、半径30メートルから40メートルくらいまで近寄らないと駄目なのである。
因みにだが、更に近付けたら、会話も可能だったりする。距離にして10メートルくらいだろうか。なので、なかなか使える呪術であった。
といっても、そこまで近付けるなら普通に話した方が早いが……。
まぁそれはさておき、今は塔にどうやって行くかである。
(塔の高さは15メートル程か……あのくらいの高さなら、鬼紋修咒の法を一時的に使えば、屋上まで飛翔できるな。面倒だけど、バリアトラップらしきモノもあるし……やるか。危険な術だが、情報収集の為だ)
つーわけで行動開始だ。
俺は式神を通じて、魔物の動きを確認し、塔へとゆっくり接近してゆく。
そして、塔の付近にある木の陰で身を隠しながら、俺は少し様子を窺ったのであった。
(ここから塔までの距離は、大体、50メートルくらいか……。屋上のミニデーモンと、この辺りの魔物が離れたタイミングで行くしかないな……)
というわけで、俺は静かにその時を待った。
すると程なくして、そのタイミングは訪れたのである。
俺は即座に印を組んで発動のマントラを唱え、鬼紋修咒の法を行使した。
その直後、俺の全身は青白い霊気のオーラで包まれる。
そして俺は、塔に向かってダッシュし、大地を蹴って飛翔したのである。
その飛翔力は流石であった。
全身に霊力のオーラを纏って身体能力を上げ、尚且つ、大地の霊力と反発するように霊力をコントロールして飛翔の力を得てるので、あっという間に屋上へと到達した。
因みにミニデーモンは、俺の接近に気付いていない。
侵入ミッション成功の瞬間であった。
まぁそれはさておき、俺はそこで術を解いた。
危険な術なので、流石に長時間行使するわけにはいかないのだ。
(ふぅ……よし、侵入成功。流石は鬼紋修咒の法だな。飛躍的に、身体能力と霊的干渉力がアップしたわ。まぁとはいえ、この術はそもそも結界術の影響下で行使するのが本来の使い方だから、あまり通常使用しないようにしよう。さてと、次はミニデーモンだな……)
俺は無防備に監視するミニデーモンの背後にそっと接近し、幽振掌を打った。
【ガッ……】
その直後、ミニデーモンは動きを止める。
俺はそこで更に不動術を施してミニデーモンの行動を縛り、周囲の様子を窺ったのである。
(さてと……今のところ周囲の異変はないな。じゃあ、ちょっとばかり、エルフっ娘ちゃんに式神を近付けてみるか)
俺はそこで印契を組んで式を操り、バルコニーの手摺に着陸させた。
すると、エルフっ娘が式に気付いたのである。
「あら……こんな夜更けに白い鳥が来るなんて珍しい。それに……この森にいる鳥じゃないわね。どこから来たのかしら?」
この式神は白い鳩のような見た目だが、こういう鳥は近辺にいないようだ。
ちょっと盲点であった。
だが、エルフっ娘はあまり気にした素振りもなく、こちらに向かって微笑んだのである。
「ウフフ……アナタはどこから来たの?」
俺は印を組み換え、鳥の首を傾げる動作をした。
「あら、アナタ……言葉がわかるの?」
俺は思わず、首を左右に振る操作をした。
「そう、わから……え? 首を振った……どういう事……」
するとエルフっ娘は、少し驚いた表情をしたのであった。
危ない、危ない。
この少女のほんわかペースに吊られて、思わず余計な動作をしてしまったようだ。
気をつけねばなるまい。
まぁそれはともかく、俺は全然関係ない、毛繕いの動作をした。
「そ、そうよね……普通の鳥よね。でも、珍しい鳥……もしかすると群れからはぐれちゃったのかしら」
と、その時であった。
野太い男の声が、奥から聞こえてきたのである。
【ロザリー様……そこに誰かいるのですかな?】
声の主は程なくして、こちらに姿を現した。
するとなんと、そこにいたのは、大灯台で俺が倒したヘルバトラーだったのである。
但し、以前と比べ、少し違和感があった。
なぜなら、殺気だった猛獣のような雰囲気は全く無く、憑き物が落ちたように、穏やかな表情をしていたからだ。
(お、おう……コイツはココにいたのか。コビット達が『ヘルバトラーの旦那』と言っていたから、いるんだろうなとは思っていたが……まさか、ここで遭うとはな。まぁいい。それはともかく、やはりこの子がロザリーのようだ。今は2人の会話に耳を傾けよう……)
ロザリーはヘルバトラーに振り向くと、こちらを指差した。
「いえ、誰もおりません。こんな夜更けに、白い鳥が来たものですから、見ていたのです。でも不思議な鳥です……まるで、私の言葉を理解しているような仕草をするのですから……」
ヘルバトラーもこちらに視線を向けた。
「ほう、白い鳥ですか。確かに珍しいですな。それはそうとロザリー様、デスピサロ様が到着したようです」
ヘルバトラーはそう言って奥の通路へと視線を向けた。
どうやらデスピサロが来るようだ。
ナイスタイミングである。
(さて……色々と盗聴させて貰うとするよ……デスピサロ君)
それから程なくして、いつぞや見た銀髪の美丈夫が姿を現したのであった。
因みにだが、山奥の村で見た時と同じ出で立ちである。
ナルシスト臭満載の格好だ。
デスピサロはロザリーの前に来ると、ヘルバトラーに視線を向けた。
【すまんが、外してくれるか? ロザリーと私だけで話がしたい】
ヘルバトラーは無言で一礼し、奥の通路へと消えていった。
デスピサロはそこでロザリーに向き直り、ニヒルな微笑を浮かべながら、彼女の頬を優しく撫でたのである。
キザな仕草なので、ちょっとムカッときたのは言うまでもない。
近くにいたら、ジャーマン・スープレックスを思い切りかましてたとこだ。
【良い子にしてたかい? ロザリー】
【ええ……ピサロ様】
【聞いてくれ、ロザリー。私は人間をみな滅ぼすことにした。私はその為に進化の秘法を使い、さらに偉大な存在になるつもりだ。邪魔する厄介な奴もいるが……間もなく、世界は裁きの炎に焼かれるであろう。私の仕事が終わるまで、ロザリー……お前はここに隠れているのだよ……】
デスピサロはそれだけを告げ、踵を返した。
【お、お待ちください、ピサロ様!】
ロザリーは慌ててデスピサロを呼び止めた。
そして俺はというと、そこで思わず突っ込みを入れてしまったのであった。
というか、突っ込まずにいられなかったのだ。
【聞いてくれ、ロザリー……って、バッカじゃねぇ~の! お前、自分がカッコイイと思って、完全に調子に乗ってんだろ。超キモイわッ。それに人間を滅ぼすだって? どこまでアホなんや! できるわけねぇんだよ! 鏡に向かって言ってろ、少女拉致監禁実行犯の変態魔王がよ。バーカ!】
【え?】
【なッ!?】
ロザリーとデスピサロは突然の声に驚き、目を丸くしながら、キョロキョロと周囲を見回していた。
だが、すぐにデスピサロはこちらに気付き、鋭い視線を向けてきたのである。
【そこか! 何者だッ!】
俺は適当に答えておいた。
【そんなに睨まないでくれよぉ~。僕は悪い鳩じゃないよ~。凄く良い鳩さ~。君を見てたら、ちょっとムカついたからさ~、ついつい突っ込んでしまったんだよ~。茶目っ気ってやつさぁ~。そんなに怒らないでくれよ~。悪気は結構あったんだよ~。だって、『良い子にしてたかい? ロザリー』なんて言うんだもんよ~。超ウケんだけど。もしかして、ロリコンすか、パイセン? ところで……ロザリーちゃんをこんな陰気な所に監禁して、どんな変態行為をするつもりだったんスか? 詳細を聞かせてほしいなぁ~……少女拉致監禁実行犯にして、ナルシストな変態ロリコン魔王のピスタチオ君さぁ~】
【貴様ァッ! 俺の名前はデスピ……!?】
するとデスピサロは、みるみる険しい表情へと変化していったのである。
【まさか、貴様……】――