【完結】最終戦国武闘伝 〜バイオレット・ダークネス〜   作:無敵ざかり

19 / 23
第二節 Secret-Hidden-Dragon

ネロ・グリフィスは小高い丘の上から戦場を見下ろしていた。

 

「これが……私達の招いた惨状……か……」

 

「ネロ様……」

 

フェルナンドはネロになんと言葉をかけていいか分からない。

 

「いや、いいのさ、これで。これで、Ⅱ世を守れるのなら……」

 

その時、ネロ・グリフィスの胸の内で、Ⅱ世の言葉が反響した。

 

(世界中の皆を、魔光が救うんだよ!)

 

ネロ・グリフィスの頭に、閃光のように素早く思考がよぎる。

 

いいのか? これで。

 

世界中を犠牲にして救われたとして、Ⅱ世は喜ぶのか?

 

違う、Ⅱ世は、Ⅱ世はそんな性格じゃない……!

 

Ⅱ世は、Ⅱ世は……!

 

私はどうすればいいのだ……答えは……答えは……!

 

ネロ・グリフィスは迷っていた。

 

「大帝様! 大帝様ー!」

 

その思考を、よく分からないナイトの派閥、爆獣の騎士ヴァルアーサーの言葉がさえぎった。

 

「我らは天雷のロレンツォ様より遊撃を任された、爆獣騎士団です! 最善の場所で最善の行動をせよと(おお)せつかっております! 我らが騎士団の一員に目の良い者がいて、遠方から大帝様とフェルナンド様を発見したため、馳せ参じました! この状況、お二人だけでは危険です! 差し支えなければ、我ら、お二人の護衛をさせて頂きたく存じます!」

 

「……ああ……爆獣とは、お前達のことか……」

 

「はい! 私達が爆獣騎士団でございます!」

 

爆獣騎士団は集合写真のように並んで敬礼をした。

 

「……ああ……そうか……ふむ……お前は、なかなか見込みがあるな……」

 

「そ、そうですか!?」

 

「さすがだー!」

 

「大帝様に褒められるなんて!」

 

「さすがヴァルアーサーだ!」

 

「ははは、おいよせって……!」

 

騒々しくヴァルアーサーに群がる爆獣騎士団。

 

「で、ではネロ様……私の仲間達は!?」

 

ヴァルアーサーは恐れ多くも仲間達の評価を聞く。

 

爆獣の騎士団の面々は不安と期待に包まれながらネロ・グリフィスを見つめていた。

 

「……まあ……お前達には未知の可能性があるな……火と自然の魔弾など……研究されていないからな……」

 

爆獣騎士団がまた沸き立つ。

 

「ありがとうございます! 実は私達は、レインボーの魔弾を開発したんですよ! 先程実戦でも活躍したところで!」

 

「……何? レインボーの魔弾だと?」

 

大帝ネロ・グリフィスですら、そんなものは知らない。

 

「どんなものか、聞かせてもらおうか」

 

爆獣の技術担当、ピーカプ・フィリッパがレインボーの魔弾について説明する。

 

ネロ・グリフィスは技術者では無いが、魔弾については一応一通り分かる。分かった上で、感心していた。

 

「なるほど……一見ジャンクだが、このように魔力回路を組み上げることで、レインボーの魔弾を実現させているのだな……」

 

「分かるの!?」

 

「すごいっチュー!」

 

「バカ! お前ら馴れ馴れしいんだよ!」

 

爆獣騎士団の一員、パプラ・プーラプラとマチュー・スチュアートがネロ・グリフィスに絡み、同じく爆獣騎士団の一員、ダキテー・ドラグーンに軽くどつかれる。

 

「開発の功労者がここにいないのが名残惜しいけどなー」

 

とピーカプ・フィリッパはぼやく。

 

「ああ、あいつ、本当にどこに消えちまったんだろうな……」

 

姿を消したイナバ・ギーゼを心配するピーカプの言葉に、ダキテー・ドラグーン達が同意する。

 

「……お前達に命令を下す」

 

ネロ・グリフィスは重々しく口を開いた。

 

「な、なんでしょうか……」

 

ヴァルアーサーは固くなって聞き返す。

 

「私に着いてこい」

 

「え!? し、しかし、私達はロレンツォ様に遊撃を任せられていまして……」

 

「私は大帝。ロレンツォは私より格下。私は全てのナイトの中で最も権力を持つ者。その私が着いてこいと言っているのだ。どちらの命令を聞くべきか、悩むまでもないと思うが……?」

 

「は、はい! 我ら爆獣騎士団! 誠心誠意大帝様にお仕えさせて頂きます!」

 

「「「お……お仕えさせて頂きます!」」」

 

爆獣騎士団はもう一度敬礼をした。

 

「ネロ様。よろしいのですか」

 

フェルナンドは様々な意味と思いを込めて聞いた。

 

「ああ。良い。さあ、行くぞ」

 

ネロ・グリフィス達は一歩踏み出し、オリジンの軍勢の元へと向かった。

 

 

 

 

同時刻、一人の超獣が戦場を走って……

 

否、逃げていた。

 

急げ! 騙したことに気づかれる前に!

 

イナバ・ギーゼに騙されたのは地上の超獣達なのか、それとも古の軍勢なのか。

 

脱兎のごとく、イナバ・ギーゼが姿を消した今となっては、誰にも分からない。

 

 

 

 

その頃、オリジンの上層部では……

 

「バビロニアも、イナバ・ギーゼもしくじったか……裏切り者が出るのは想定内だが、奴らが裏切るとは……」

 

「まだ裏切ったと断言してしまうには少し早いでしょう。どちらも音信不通ではありますが……まだ我々の味方である可能性はあります」

 

「まあ……そうだな、そうとも言えるかな……ではひとまずは静観するとしようか……我らの思い描く道から外れぬよう……」

 

オリジンの上層部は、ひとまず状況を見極めようとするのだった。が……

 

「時には外道……道から外れることも必要だよ?」

 

「カ……解々(カイト)様!」

 

かつて外道の神と取引をした経験から、オリジンの指揮官はそういう持論を持っていた。

 

「試さなければ、変わらない。何か手を打つべきだと思うね。一度軍勢を撤退させて、次の一手に繋げようじゃないか」

 

「で、では……」

 

「ああ……始めよう」

 

解々皇帝(エンペラー・カイト)の異名を持つオリジンの指揮官により、新たな一手の実行が決定された。

 

 

 

 

地上。

 

突如としてオリジン達が撤退したため、見張りを立てつつも超獣達は休息をとっていた。

 

「大丈夫か? カエサル」

 

紫電は、オリジンに傷を付けられたカエサル(シーザー)をマナで癒しながら声をかけた。

 

決勝戦で傷つき、傷口から魔力が漏れだし、姿の変わったシーザー……カエサル。その姿はグレイテスト・シーザーとも、元々のシーザーとも異なる。間をとって、"グレイト・シーザー"とでも言うべき姿かもしれない。

 

「罪深い私を……心配してくれるのか」

 

「……罪深いのは拙者とて同じだ、拙者が超銀河剣(ギャラクシーブレード)を振るったことで、それと超銀河弾(ギャラクシーショット)が激突し、凄まじいエネルギーが巻き起こった。それが世界に何らかの影響を与えている可能性も考えられる。つまり結局、結果的に、拙者も時空の裂け目を開けることに加担していたのだよ……」

 

「だが、シデンがその剣をふるわなければ、超銀河銃(ギャラクシーガン)超銀河弾(ギャラクシーショット)を放ち続け、より甚大(じんだい)な被害が出たことだろう……確かにシデンも世界を傷つけたやもしれないが、傷付けることで、より大きな傷が付く事から守ったのだよ。紫電」

 

「……貴殿は優しいのだな」

 

「…………優しい? …………私が?」

 

シーザーがぽかんとした顔で紫電を見つめる。

 

「優しいとは、紫電のような者のことを言うのだろう。私はそんな言葉で形容されていいような超獣ではないと思うが……」

 

「だが拙者は今、貴殿は心優しい超獣だと感じたぞ。カエサル」

 

「そうか…………」

 

「カエサル。拙者は、実は持ってきたものがある」

 

「……なんだ?」

 

テントの外に二人が出ると、そこには超銀河銃 THE END(ギャラクシーガン ジ エンド)があった。

 

「……あれは…………封印した方がいいと思うが……」

 

超銀河剣(ギャラクシーブレード)に聞いたが、これは魔導具らしい」

 

そっと、紫電は戦国武闘会に凶事をもたらした魔導具に手を触れて言った。

 

「剣に聞いた……? これが魔導具……? そう、なのか……?」

 

「……戦いたがっている。この魔導具はまだ、戦いたがっているぞ、カエサル」

 

「あれだけ暴れても、まだ、戦いたがるか……」

 

「"まだ戦いたがる?" まるでこの魔導具の意思が分かるかのような口ぶりだな」

 

「……声が……聞こえるのだ……それを握ると……」

 

「なんと……貴殿も、魔導具の声を聞けるのか」

 

「よく……分からんが……そういうことなのだろうか……? しかし、まだ戦いたがるのなら……封印では……足りんかもしれんな……なんとかして……破壊……する……か……?」

 

「カエサル」

 

紫電が静かに口を開き、ゆっくりと言葉を(つむ)ぐ。

 

「この魔導具はこの戦国という時代が生み出したものだ。拙者は魔導具の使い方を……いや、魔導具との付き合い方を、後世に伝えていきたいと思う。シーザー。サムライの歴史は罪から始まったのだ。かつて世界を滅ぼしかけた魔導具……それは先人たちの罪の象徴とも言える。」

 

「魔導具が、世界を滅ぼしかけた……?」

 

「ああ。だが、それを罪として、失敗としてそこで終わらせてしまって良いのか? 多くの先人たちが、それぞれ夢見た明日に向かって手を伸ばした先に、世界を傷つけてしまったのではないだろうか……と思うのだ。技術の発達には大小の差はあれど罪が伴う。しかし、平和とは全ての技術を否定することではない」

 

戦争、公害。進化した技術がもたらす被害は、大きい。だが、夢のテクノロジーが作りだす明日は、暗闇に包まれたものばかりではない。夢には、悪夢も、吉夢もある。技術は夢を、現実に変えられる。

 

「……」

 

「魔導具だけではなく……超高度に発達した呪文もそうだ。おそらく城だって、更には超獣だって、強大な力を見境なく振るえば世界がひび割れ、やがて粉々になって消えてしまう。だがそんな力を、何かの存在を否定すればいいというものではなく……そう、力の使い方を……拙者は世に知らしめたいのだ。魔導具は持ち主の為に戦いたがる。誰かの役に立ちたがる存在だ。それを、ここで終わらせてしまっていいのだろうか? 拙者と超銀河剣(ギャラクシーブレード)は通じ合えた。次は、カエサルと超銀河銃(ギャラクシーガン)の番だ」

 

「……」

 

「カエサル。拙者達には、愛がある」

 

「愛……?」

 

「ロマノフを、大事に思っているだろう」

 

「ああ……ロマノフ様は、私がお(つか)えする、大事なお方だ……」

 

「その想いがあれば大丈夫だ。カエサルも、超銀河銃(ギャラクシーガン)も、愛がある。愛があれば、やり直せる。グレイテスト・シーザーにはちゃんと使えなかった超銀河銃(ギャラクシーガン)も、カエサルなら、使えるかもしれない。超銀河銃(ギャラクシーガン)超銀河剣(ギャラクシーブレード)と違って、満足に戦えた経験がない。だから、満足させてやって欲しいのだ。"愛をもって戦うべし。敬愛する者への愛を。世界への愛を。魔導具への愛を。さすれば汝に無双の力与えられん"……拙者を鍛えてくれた道場に伝わる言葉だ」

 

「愛……」

 

「気づいていたんじゃないか? オリジンと戦っている時の自分は、悲しみに満ちてはいなかったことを」

 

「……!」

 

「何かを、守る戦いなら……貴殿にも……」

 

「皆ー! オリジンがまた攻めて来たぞー!」

 

「「!!」」

 

二人の会話は、突然の知らせで打ち切られた。

 

 

 

 

紫電とシーザーはそれぞれ別のオリジン部隊と激突した。

 

「これは……何かを守るための戦いだ……誰かを傷つけたくはないが……だが、私は……! 何かを守るためなら、悲しみを抱えずに戦える……! 虚ろな目をせずに戦える……! お前達オリジンと戦う中で、私はその事に気付いた……!」

 

超銀河銃(ギャラクシーガン)超銀河弾(ギャラクシーショット)は二つで一つ、一つで二つの魔導具。超銀河弾(ギャラクシーショット)超銀河銃(ギャラクシーガン)の中で生成されるもので、二つは同一の存在と言える。

 

弾を撃たずとも、弾の力は銃に宿っている。

 

そんな超強力だった超銀河銃(ギャラクシーガン)を振るうシーザーだが、今はそこまでの威力は発揮しない。

 

「出力をだいぶ……いや、かなり落としているからな……一騎当千とはいかないか……」

 

今は、超銀河銃(ギャラクシーガン)の銃口は、閉じられ、槍として振るわれている。

 

「ならば、もう少しだけ……」

 

シーザーは超銀河銃(ギャラクシーガン)の出力をほんの僅かに上げた。

 

攻撃力は格段に上がり、オリジン達は突きや斬撃で吹き飛ばされていく。

 

「この魔導具……"THE END"は暗黒皇(ダーク・カイザー)の手によって火を噴き、世界を地獄絵図へと変えんとし……超獣たちの営みを、その歴史を、全てを終わらせようとした……しかし、今は古代の軍勢を迎撃する魔導具である」

 

「何ごちゃごちゃ言ってんだぁ!」

 

「ぶっ潰せぇ!」

 

「この魔導具が今終わらせようとしているものは、決勝戦の時とは違う。私は……この武器と共に進む!」

 

【ああ……使い手(あなた)の感情が、マナを通して流れ込んでくる……! 使い手(あなた)は今、悲しみを抱えてはいない……! 魔導具(わたし)と共に、積極的に戦ってくれる……! 魔導具(わたし)は……使い手(あなた)のお役に立てているのですね! 嬉しい……! 嬉しいです!!】

 

「今一度述べよう……全く同じ文字でありながら、今は全く違う意味を持つこの武器の名は……争いを終わらせるべく振るわれる、この武器の名は……! "超銀河槍 THE END(ギャラクシースピア ジ エンド)"!!」

 

 

 

 

「紫電・双竜斬!」

 

紫電は古代の超獣を何体も斬り伏せていた。

 

「紫電!」

 

そこにロマノフが駆けつけた。

 

「ロマノフ。そっちは片付いたか」

 

「ああ。手を貸すぞ」

 

二人は背中合わせになってオリジンを倒し続ける。

 

「……なあ、紫電よ」

 

「どうした。こんな時に」

 

ロマノフが紫電に話しかけた。

 

「まず、カエサル……シーザーを救ってくれたこと、感謝する」

 

「当然のことをしたまでだ。拙者とギャラクシーは、超聖竜なのだからな」

 

「そして……こんな時だから、こそ、聞いて……おきたい事がある」

 

「何だ。ヤブから棒に」

 

「もし我が……ナイトで無かったら。もしお前が……サムライで無かったら……我と融合して戦ってくれたのか?」

 

「なんだそれは?」

 

「……いや……別に」

 

「……ロマノフ」

 

背中合わせのまま会話を続ける。

 

振り返る余裕はない。

 

そして、振り返る必要もない。

 

お互いの腕を、力を、信じているから。

 

後ろを任せられると、信じているから。

 

「"こいつら"を倒しても、また謎の勢力に襲われるやもしれない。この世界が窮地に陥るやもしれない。そしたら、その時は……」

 

「……ああ」

 

魔弾が飛び交い、羽根が舞い散る。

 

剣戟が吹き荒れ、赤い火花が飛び散る。

 

「……そろそろだな」

 

「ああ。片付けるぞ」

 

魔弾ロマノフ・ストライクが、オリジンの大群を凪ぐ。

 

竜装 シデン・レジェンドが二度、一閃する。

 

気づけばそこには、赤い竜のサムライと、気高き竜の騎士だけが、その場に立っていた。

 

 

 

 

そこに、アークを埋め込まれたボルメテウス・サファイア・ドラゴンが現れた。

 

着地の衝撃波で、土煙が煙幕のように舞いあがる。

 

煙幕の先に眼光が見える。

 

「貴様はもう逃れられん!」

 

「紫電よ! お前はオリジン軍の中心を目指せ! そこに指揮官がいるはずだ! そやつを討て! ここは我に任せろ!」

 

ロマノフが紫電に先に行くよう促す。

 

「だが相手が相手だぞ! あのサファイア・ドラゴンを相手にして大丈夫なのか!」

 

「案ずるな! 我を誰だと思っている!」

 

「……分かった、任せたぞ! ロマノフ!」

 

「行け! 紫電!」

 

オリジン軍の中心を目指し、紫電は駆け出した。

 

 

 

 

時はほんの少しだけ遡る。

 

「ああ……今から俺達の技術力が振るわれるわけか……もう待てないよ! 早く見せてくれ! その光景を……!」

 

別世界のサムライの名匠(めいしょう)イナバ・ギーゼがShidden(シデン)()かした。

 

「攻め時を間違えれば負けに繋がる。待つのも肝心だ」

 

Shiddenはあくまで冷静だった。

 

「任せたぞ! ロマノフ!」

 

「行け! 紫電!」

 

ロマノフと紫電のやり取りが、空に浮いた二人、名匠(めいしょう)イナバ・ギーゼとShiddenにも聞こえた。

 

「Shidden……? 今、Shiddenって言ったよな……?」

 

別世界のサムライの名匠(めいしょう)イナバ・ギーゼがShiddenに確認する。

 

「ああ、我にも聞こえた……」

 

二人の目に、駆け抜ける紫電の姿が飛び込んできた。

 

「あいつか! 確かにお前に似てるな……追いかけろ! あいつ一人だし、とりあえず強そうだから狙え! 俺達の秘蔵の切り札であるお前と同じ名前を持つあいつを……なんでお前と同じ名前の奴がいるのかはわかんないけど……とにかくぶっ倒せ!!」

 

「勝負を申し込むか」

 

走り続ける紫電の前に、名匠(めいしょう)イナバ・ギーゼを肩に乗せたShiddenが降り立った。

 

「ぬ……? 新手か……」

 

紫電は立ち止まり、シデン・レジェンドを構える。

 

そして、紫電とShiddenが顔を合わせた。

 

「我の名はVolvalzark-Shidden-Doragon(ボルバルザーク シデン ドラゴン)

 

「む……? 拙者もボルバルザーク・紫電・ドラゴンだが……。妙なこともあるものだな。同じ名前とは。貴殿はオリジンか?」

 

「いかにも。サムライでもナイトでもあるが、我はオリジンとして、この戦いに参加している。この世界を我らのものとすべく、地上の超獣を全て排除するため、この地に舞い降りた」

 

「ならば応戦するしかあるまいな。我ら地上の超獣達が排除されることを防ぐために」

 

名匠(めいしょう)イナバ・ギーゼはShiddnの肩から軽やかな身のこなしで飛び降りて、そして叫んだ。

 

「やっちまえ! Shidden!」

 

紫電は二本の剣を構える。

 

「行くぞ! 我が剣、その身に受けてみよ!」

 

「来るがよい!」

 

Shiddenもまた、二本の銃剣を構えた。

 

蒼装(せいそう) オリジナル・レジェンド!」

 

Shiddenがそう叫ぶと、右手に持つ天下銃剣が花開き、二頭の青い狼のような意匠で飾られた銃剣へと姿を変えた。

 

「竜装 シデン・レジェンド!」

 

紫電がそう叫ぶと、右手に持つ天下剣が花開き、二頭の竜のような意匠と赤い宝石で彩られた剣へと姿を変えた。

 

「魔弾ブルー・プリント!」

 

Shiddenは銃剣から魔弾を撃ち出した。

 

紫電は回避しようとしたが、その魔弾はあらかじめそう設計されたかのように、何度も向きを変えて紫電の鎧を撃ち抜いた。

 

「キリモミ・ヤマアラシ!」

 

紫電はブースターを展開し、高速で斬りかかった。

 

「魔弾エクストラ・アゲイン!!」

 

Shiddnはそれに対し、三色の華やかな魔弾を発射した。だが相殺しきれず、紫電の剣はShiddnの鎧を斬り裂いた。

 

「紫電・双竜斬!!」

 

紫電は止まらない。Shiddenに対し、連撃による猛攻を仕掛ける。

 

「銀河弾、銀河剣、銀河槍! 我が声に答えよ!」

 

「何っ!?」

 

驚いている紫電をよそに、名匠(めいしょう)イナバ・ギーゼの背負っていた魔導具がふわりと浮かび上がり、Shiddenの手に収まる。

 

「うおおおぉぉぉ! 見せてやろう! これが我の、進化だ!」

 

Shiddenの体躯(たいく)が、超聖竜(スーパーチャンプ) シデン・ギャラクシーのように大きくなっていく。

 

「これが……貴殿の本気か……!」

 

紫電が武者震いした。

 

Shidden-Doragon(シデン・ドラゴン)は、銀河兵器の力でShidden-Galaxy(シデン・ギャラクシー)へと進化した。

 

高度な科学技術で作られたかのような火の銀河剣。謎めいた水の銀河槍、呪術めいた自然の銀河弾。

 

別世界のそれらは、どれもこの世界の超銀河魔導具と比べると小さく、力は劣る。

 

だが、それを一人の超獣が同時に手にすれば、かつてない強敵と化す。

 

Shiddenの右目は青く、左目は赤く、そして額に現れた第三の目は緑色に輝き、紫電に向かって眼光を飛ばしていた。

 

「さぁ……始めようか。本気のぶつかり合いを!」

 

 

 

 

次回予告

 

「今こそ合戦の時!! 参るぞォォーーッッ!!」

 

ヴァルキリアス・ムサシ、再臨!

 

「遠い空の星……天翔ける星と共に」

 

龍を司る存在、バルガライゾウ誕生!

 

「この一撃で、勝負を決めようではないか!」

 

紫電とShiddenの戦いに決着が着く!?

 

「あんな奴に勝てるわけが……」

 

地上の超獣達は、敗れてしまうのか!?

 

次回、《戦極大決戦》

 

「想定外の事態だが、これは好機だ……上手く利用すれば……!」

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。