サザンビークの黒竜殿下【第3部進行中】   作:ryure

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ドルマゲス①

闇の遺跡、最奥部。

 

行き止まりの広間の床には大きな魔法陣が刻まれていて、光り輝くそれはいかにも妖しげな魔の儀式を行っているかのよう。

そして、広間の天井付近の半透明な球体の中には道化師の衣装を着た白髪の男が目を閉じて浮かんでいる……。

 

天井付近から聞こえてくるのはごぼごぼと粘着質な水の音、生物のような気味の悪い造形の球体。

まさしく異様、闇の神を信奉する異教徒たちの親玉のようだ。

 

そもそも、ドルマゲスは話に聞いた限りトロデーン城からほど近い街、トラペッタで高名な魔術師マスター・ライラスの弟子をしていたらしいけれど。

奴はもしかしたら、生まれながらに異教を教え込まれた人間だったのかもしれない。

だって普通の神経をしていたらこんな怪しげな呪術を使って異教の遺跡に引きこもることも、そもそも会ったこともない人に呪いをかけることも、各地を回って人を殺して回ることも……目的があったとしても忌避感があって然るべきじゃないか。

トロデーンに呪いをかけて滅ぼした彼はその足でトラペッタに赴き、平然とかつての師を殺した上にその家に火を放ったという。

まったくもって正気じゃない。

 

邪悪な行為を平然とやってのけたドルマゲス……ここでなにをしていたというのか。

こんな趣味の悪い「ベッド」でただ眠っているだけ?

そんなわけはない。

次の犯行計画でも練っていたんじゃないか。

 

最初は自分の師、次にリーザスの次期領主、そしてマイエラ修道院院長、うちの大陸にやってきてからはベルガラックの有力者。

はてさて次は法皇? それともアスカンタ国王か?

いやアスカンタじゃないな、それなら位置関係的にオディロ院長の次に殺されているはず。

サザンビークでは僕が呪われたとはいえ、おじ上……サザンビーク国王も狙われなかった。

単に有力者やその候補を狙っているようにも見えない。

 

つまり、やることなすこと少しも規則性がない。

気が狂っている、ということだ。

 

「……お前が、ドルマゲス」

 

「兄さんの仇! ここで絶対にケリをつけてやるんだから!」

 

「やっと追い詰めた。もうどこにも逃げ場はない、お前は袋のネズミだ!」

 

珍しくククールも声を荒げてその憎しみをあらわにしている。

ククールは他のふたりに比べて多くを語ってくれなかったけれど……聞いた情報だけでもマイエラ修道院で、目の前で亡くなった院長によって親同然に育てられたのだとは簡単に想像出来る。

修道院で育ったというのは、幼少期から両親がいなかったという意味に等しい。

恩人を殺された恨みは根深い。

 

ふたりの声でこちらに気づいたのか、不気味な球体の中のドルマゲスがゆっくりと目を開いた。

 

「……おやぁ? おやおやおやおや……これは皆さんお揃いで」

 

緩慢な動作で腕を広げた奴は、不気味な球体からぬるりと出てきた。

そのまま奴は天井近くに浮かび上がり、僕たちは見上げながら睨みつける。

いつでも背中の剣を抜けるように身構えつつも、呪文攻撃に切り替えられるようにドルマゲスの行動を予測する。

ダメージ重視で「ライデイン」の矢を直接打ち込むか、それとも雷を雨のように降らせて回避を許さないか、それとも近寄ってきたところに斬撃と共に叩き込んでやるか……。

 

いずれにせよ、既に情状酌量の余地はない。

無力化して連行する余裕もない。

ここで起きるのは、互いの命の取り合いだけだ。

その命の終わりをもって、償うしかない。

 

「まさかこんな所まで追ってくる者がいようとは。たしか、あなたがたは以前マイエラ修道院で出会ったトロデ王の従者たちでしたね。おっと? 知らないオマケがひとり増えているようですが」

 

「知らないとは言わせない。我がサザンビークの国宝、『太陽の鏡』の魔力を盗んだのは貴様だろう? その上この僕に『呪い』まで残していった不埒(ふらち)者がぬけぬけと」

 

「太陽の鏡……? くっくっく……あぁ失礼。そんな物もありましたねえ。私にとってはただの散歩のついでにしたことでしたが……いやはやこんなにすぐに気づかれてしまうとは。だが、呪い? ()()()()()()()()()()()()()()()()。なにかと勘違いしたんじゃありませんか? しかしお笑いだ。勘違いでこんなところまでのこのこやってくるなんてねぇ」

 

「ガタガタうるせぇぞ! とっとと降りてこい! トロデのおっさんと馬姫様、そしてなにより兄貴にかけられた呪いはお前をぶっ飛ばしたら解けるんだろうが!」

 

しびれを切らしたようにヤンガスが叫ぶと、ドルマゲスの口角が不気味に持ち上がった。

 

「なるほど。この私を倒し、主らの呪いを解こうというわけですか。くっくっく……見上げた忠誠心だ。しかし今の私には迷惑きわまりない!

身に余る魔力に()()身体が耐え切れなくなり、ここでこうして癒していたというのに……。これも絶大なるチカラを手に入れた代償なんでしょうかねぇ」

 

圧倒的な威圧感がドルマゲスから発せられている。

息苦しいほどの圧迫感は人の気配とはとても思えない。

 

強敵だ。

戦う前から本能が警告を叫んでいる。

こいつは、僕が戦う()()相手だ。

僕がこれまでがむしゃらに鍛えてきたのはきっとこのためだったのだ、と全身の血肉が告げている。

 

あぁ全身が熱い。

呼気すら熱く、竜に成り果てる前から火炎の息を吐きだせそうなほどに。

 

「けれど……悲しい。悲しいなぁ。だってせっかくこんな所まで来たというのにあなたがたの願いは叶わぬまま。なぜなら、この私に殺されてしまうのですから!」

 

みんなの気迫も伝わってくる。

共鳴して全身がビリビリ震えるみたいに感じる。

 

わざわざドルマゲスがふわりと魔法陣の付近まで降りてきたのは自身の強さの自惚れか、僕たちへの挑発なのか。

 

そうして、戦いが始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

背中の剣を抜きつつ真正面から突っ込む。

半歩遅れて斧を手にしたヤンガスもぼくに続く。

 

先制攻撃、というよりはただの陽動のつもりだった。

後衛のふたりから注意を逸らしつつ、作った隙で補助呪文なり攻撃呪文なりで支援してくれるって信じているから。

 

まずは走りながら刃を燃やす。

剣術の初歩、火炎斬り。

シンプルだけど、動きとしては下から上に斬りあげるだけのこの技は隙は少ない。

初手からぶった斬ってやるつもりで叩き込め!

 

ガキン!

 

だけども、剣はドルマゲスの持つ大杖によって不自然に阻まれた。

木製にしか見えないけれど、金属音を打ち付けたような不快な音が広間の中を反響する。

 

これ以上チカラを込めても効かないのはわかってる、だけど僕は引かない。

今、ドルマゲスを引きつけることが目的だからだ。

ちょうど海竜と戦った時、ヤンガスがやってくれたようにね。

 

「ほうほうほう、トロデ王も無能ではないですからねぇ。腕の立つ()()を仲間に出来たようでなにより。しかし……悲しいなぁ、悲しいなぁ。未来ある若者が無駄死にしたことを知るのですから」

 

「べらべらくっちゃべってんじゃねぇぞ!」

 

続けて飛び出したヤンガスが振りかぶった斧の一撃は、ただの攻撃ではないらしい。

守備力低下(ルカニ)」に似たエフェクトが斧の攻撃に内包されている。

ただでさえ重たい攻撃がしっかり命中し、ドルマゲスは少し体勢を崩した。

 

「チャンスね! 『風のように早く(ピオリム)』! それから、『魔を防ぐ壁になれ(マジックバリア)』、おまけに『力の加護よ(バイキルト)』!」

 

「『光の衣よ、我らを守れ(スクルト)』。畳みかけるぞ!」

 

後衛から補助呪文が雨のように降り注ぐ。

これを受けて、攻撃に転じようと剣を振り抜きかけて……その時、ヤンガスが慌てたように横に飛び退いたので慌てて僕も真似して飛びのいた。

ちょうどゼシカの攻撃呪文の射線から外れるように。

 

「ここで仕留めるの、兄さんみたいな被害者がもう増えないように! 燃えなさい(メラミ)! 焼き尽くすわ(メラミ)! 骨の髄まで黒焦げになれ(メラミ)! とっとと爆散しなさい(イオラ)!」

 

連続して叩き込まれた火球は、命中してからも激しい炎をあげている。

驚くべきことに、ダメージはあるようだけどもドルマゲスは焼けて苦しむような様子は見えない。

 

「さ、流石でがす兄貴。頭に血がのぼったゼシカはこっちの事情なんて考えなしにぶっ放すんでげす。嫌な予感がしたら深追いせずに自分の身を守った方がいいと、先にお伝えすべきだったでがすね」

 

「なるほど。……でも、ゼシカだってわざわざ僕たちを狙っているわけじゃないんでしょう。なら、うまく当たらないように立ち回れば問題ない、かな?」

 

「そうでがすね。狙いはあくまでドルマゲスでがす」

 

「じゃあゼシカの立っている方向を考えてドルマゲスを盾にしてやればいい。それに、これまでと違って前衛には僕もいるんだから、うまくやれば動きを止めることだってできるはず。そうしたらゼシカも狙いやすいし僕らも安全だ。挟み撃ちしよう」

 

「おお! 名案でがすね、じゃあ早速……」

 

ヤンガスはゼシカと対角線上、つまり僕とドルマゲスを挟み撃ちする位置に立つように走り出した。

背後から打たれるよりこの方が安全だし、ヤンガスの動きは見た目通り鈍重な方だからゼシカの動きが見える方が安心出来ると思う。

その分、力強いから良さを活かしてもらわないとね。

 

でも、僕はこのままゼシカとククールに背を向ける立ち位置で戦うよ。

最悪当たってしまっても身体の半分以上覆う硬い鱗のお陰でそんなに痛手を負わないと思うし、なにより戦うこと()()()全般得意だから。

 

背後から火の玉が飛んできても避けながら戦えばいい。

魔法への造詣はきっと魔法使いのゼシカほどじゃないけれど魔力操作と検知だけは得意だからね。

それから、呪文や特技を繰り出しながらすばしっこく動き回るのも。

 

と、その時高笑いをしたドルマゲスが両腕を広げた。

奴の呪文を警戒しつつ、制止するべく飛びかかろうとしたけれど……間に合わない。

その瞬間、ドルマゲスが()()()

 

身体の両側から影が現れるように、そっくりそのまま同じ顔の不気味な男がふたり現れた、というわけで。

 

「あは、わざわざ見たくもない顔なんて増やしてくれなくていいんだけどね」

 

何らかの呪術による影だろうとは分かるけれど。

厄介な。

白塗りの道化師に囲まれるなんて夢見に悪い。

勘弁願おう。

 

僕は全身全霊のチカラで、高笑いをしながらこちらに向かってくるドルマゲスの分身の片方を切り伏せた。

 

その胴体を、真っ二つに。

上半身と下半身が分かれるようにズバッと横薙ぎ一閃。

 

分身といえども、ヒトのカタチをした存在。

殺人犯で、僕たちの呪いの元凶といえども……ドルマゲスは生まれながらの魔物じゃない。

 

途端に吹き出す鮮血は趣味の悪い幻覚なのか、開いた腹からこぼれる臓物は本物なのか。

それとも分身といえどもかりそめの血肉が通っているのか?

分からないけれど、初めてヒトのカタチをした相手を殺したというのに少しもショックを受けて落ち込むことはなかった。

それに、本物の肉体ではなかったらしくすぐに死体は魔物のように解けて消えた。

 

あぁこんなもの、こんなものか……。

 

「おやぁ、お強い。しかし分身なんて幾らでも……」

 

耳を貸さずにもう一方の分身にも斬り掛かる。

多少の抵抗はあったけれど、本物ではないからか杖に阻まれることなく首を落とすことができた。

首と共にばっさり切れた白い髪がパラパラと落ちて、最後には黒く変色して地面に紛れる。

 

首を失ったひょろ長い胴体がどうと倒れ、ケタケタと笑っていた首の表情がうつろになって、すぐに不気味な光をまき散らして消滅していく……。

 

「そうかい。じゃあ幾らでも。幾らでも出せるなら幾らでも出すがいい。幾らでも倒せばいいんだろ?」

 

感覚が研ぎ澄まされてきて、背後から迫ってくる呪文の軌道が見える。

魔力の色を読めば、それがなんなのか大体わかる。

これはゼシカの炎の呪文とククールの風の呪文だ。

僕は半歩ほど身体を逸らして迫り来る呪文を避けると、目の前で炸裂した呪文はさながら炎の竜巻となってドルマゲスに襲いかかる。

 

分身を倒されたせいで僕を警戒しているようだけど、背後からヤンガスに斧の一撃を叩き込まれ、ふたりの呪文により実質動きを封じられている。

 

と、ドルマゲスは杖を構えてこちらに向けた。

飛んでくるのは呪いか、それとも呪文か?

姿勢を低くし、剣を構えながら飛びかかる。

多少被弾したって構わない、本体にダメージを与えなくちゃ!

 

ドルマゲスの杖から飛び出したのは無数のイバラだった。

ムチのようにしなるトゲのあるイバラが縦横無尽に暴れ回り、僕らを叩きつけようと迫り来る!

 

盾で受けつつ自分に迫ってくるイバラのいくつかを切り落としながら、再び火炎斬りを叩き込んでやると、また不自然な金属音とともに阻まれてしまう。

いや、でも反動からして衝撃の吸収まではしていないし、攻撃が当たっただけのダメージはあるみたいだ。

魔物に斬りかかった時と同じような手応えがちゃんとあるから。

単に、見た目にはダメージがないように高度な痩せ我慢をしているような……なんだろう、この違和感は。

分身たちと違って、血を流すこともなく薄笑いを浮かべている。

 

浮かんだ疑問を振り払い、火炎斬りの型通りに振り上げた剣をそのまま振り下ろし、再び火炎斬りに連携して剣を振り続ける。

火炎斬り、斬りつけ、火炎斬り、斬りつけ……さながらはやぶさ斬りのように繰り出し続ける!

 

ドルマゲスの背後からヤンガスが再び「兜割り」で守備力を下げにかかり、その間にも容赦ないゼシカの「メラミ」の連打が続いている。

ククールがイバラの攻撃を受けたみんなにひとりずつ回復呪文を掛けてくれているし、僕に当たらないように気を遣った軌道で「バギマ」を織り交ぜている。

 

「『雷撃よ、貫け(ライデイン)』!」

 

そこに僕も、収束した雷の槍を生成して脳天目掛けて叩き込んだ。

左手で雷呪文を、追い討ちに右手で斬撃を。

 

ドルマゲスは体勢をやや崩しながらも魔法の障壁かなにかを繰り出してこちらの猛攻を耐えきり、杖を振ると広間の床に散らばっていた瓦礫を浮かせて反撃の殴打をしてくる!

 

鋭いトゲがあったとはいえ軽いイバラとは異なり、ずっしりとしたレンガや石の壁の残骸を投げつけられてはたまらない。

瓦礫が浮き上がったのを見た途端、僕はそれでも止まらない背後からのゼシカの呪文をジグザグに避けつつも後ろに弾むように宙返りを連続して飛び退いた。

 

……僕がさっきまでいた場所が、見るも無惨に大きくえぐれている。

あんなものに当たってたまるか。

 

それにしても……。

 

「まったく型がない呪文たちだ。これまで誰かに教わってこなかったのかな。怪しげな()()はお得意なようだけど」

 

「手品? このように強大なチカラを手に入れた私の魔法が、子ども騙しの手品に過ぎないと? くくっ……思い上がりですねぇ、今はあなたがたと少し戯れているだけですよ。せっかくこんな所まで来てくださったのですからねぇ? こうして私を倒せるかもしれないなどと夢を見て……悲しい、悲しいなぁ」

 

「じゃあマトモな詠唱のひとつでも見せてみろ、道化師め!」

 

ニヤリと笑ったドルマゲスが大仰な動作で杖を振り上げる。

奴の詠唱なんて待たずにゼシカの爆発呪文(イオラ)が炸裂し、ドルマゲスの頭部を吹っ飛ばそうとする。

だけどドルマゲスは爆風によろめいたのち、平然と姿勢を戻す。

間違いなく命中しているし、効いてないわけじゃない、と思う。

なのに、どうして。

何を犠牲にしている?

こいつは何を対価に、ありえない挙動を成し遂げている?

さっきから回復呪文を使っている様子はないのに……。

 

猛吹雪のように降り注ぐ瓦礫、飛び交うイバラ。

避けきれず、なるべく盾と竜化した右腕で受けるも見た目の通り尋常じゃない痛みが襲い来る。

他のみんなも……同じ状況か。

なら、僕はせめて他の人の世話にならないようにしながら戦おう。

 

隙を伺って剣を掲げ、剣に癒しの魔力を宿す。

切っ先に祈りを込めながら切りつけて攻撃と回復を同時に行う疑似・奇跡の剣(ミラクルソード)

都合よくこの特技は剣を振り下ろす型だ。

振り上げついでに再び火炎斬りを叩き込んでやる!

 

攻撃には攻撃を、一切引かず怯まず立ち向かう。

剣を握る右腕がどんどん煮えたぎるように熱くなる。

闇の遺跡に入ってから青く輝いていた光が増していく。

視界は血がにじんだように赤く、世界はゆっくりと動いているように見える。

 

斬りつける、反撃を受ける、その繰り返し。

傷ついて、傷を癒して、痛みがどんどん遠くなっていく。

 

目の前に散る青い燐光と炎の赤が交差し、目がチカチカして、なんだかくらくらする。

その陶酔が逆に心地よくて夢の中で楽しくダンスしているみたいに思えてくる。

さながら剣舞のようじゃない?

こんな砂を巻き上げて血生臭い剣舞なんておじ上には披露できないけれど。

 

その時、不意に予感がした。

首を傾けて背後から飛んできた氷の(つぶて)を避け、深く腰を落としてドルマゲスの放った真空波の範囲から逃れて足元から首筋に向かって飛び上がるように斬りあげる。

そのまま、首を狙って身体ごと回転斬り。

着地の勢いそのまま弾むように床を蹴ってジャンプ、身体ごと突っ込んで盾で殴打してヤンガスへの攻撃を阻止。

接触ついでにゼロ距離雷撃をスパークさせて、後ろに飛び退きながら魔封じ(マホトーン)のルーンを素早く空中に描いて投げつける……こっちは効かないか。

 

火炎の波よ、焼き付くせ(ベギラゴン)!」

 

「神にこい願う。この者に、嵐の裁きを届けたまえ(バギマ)!」

 

ククールの呪文が僕の呪文と連携し、再び炎の竜巻がドルマゲスを襲う。

業火に焼かれても、奴の高笑いは止まらない。

だけど、声が弱まっていき……。

 

僕らの攻撃は続いた。

 

そして、そんな猛攻の果てにようやく。

ドルマゲスは膝をついた。




そもそもの話、マトモな魔法を使いたい! が動機だったドルマゲスを無意識に煽り散らかす殿下 

ドルマゲスは素で悪人の部類だけども(国宝を盗むところや、盗んだ杖を躊躇なく人に向けるところ)、人間枠から外れるほどの悪性では無いと思う 具体的には原作でやった行為をシラフでやるほどイカれてはいない
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