司の電話が終わったすぐあと 突如として雄英から郵便で様々な書類が送られてきた
どうやら俺たちに関する重要な書類らしい。そしてその書類に目を通し全てに対応した
まずは戸籍登録の書類だ
俺…つまり十面冬人という人間は今は存在しないことになってるからな、仕方ない
ちなみに俺は戸籍上は司の兄になるらしい
…兄か…前世じゃ一人っ子だったから少し新鮮だな
次に学生証の再発行だ
上記と同様に俺という存在が居なかったからな 。それに学生証がないと俺は学校に入れないしな
司も写真を取り直して再発行したが 、明日には間に合わないので
リカバリーガールに治癒してもらった相澤先生が校門で渡してくれるそうだ
最後に免許証の更新
これに関しては個性が意思を持ち2人になるという事例が極めてまれだが過去にもあったらしく
今回、俺の名前で免許証を新しく作られた
良かったこれで免許取り消し、とかにならなくて本当に良かった…
ちなみにこれらの書類は根津校長が郵送で送ってくれた 本当に感謝しかない
そして全ての書類に対応し 臨時休校の次の日
「……ここが雄英高校か…」
「あ、そうかお前はこうして実際に見るのは初めてか」
「いいや、僕オープンキャンパスで一応来たことあるから
初めてってわけやないで」
「そうなのか」
「まぁな、ただ僕が雄英生って実感が湧かんちゅうか…」
「あ~…」
確かにこいつの代わりに入試受けたしな…実感が湧かないのは当然か…
「まぁとりあえず正門に向かうしかないな、先生待たせるのもあれだし」
「それもそうやな」
その言葉を皮切りに俺たちは正門に向かって歩いた
そしてそこには
「おはようございます、相澤先生」
「おはよう、司…じゃなくてそっちは冬人か」
「えぇ、そうです」
リカバリーガールの個性によって怪我が完治した相澤先生が校門で待っていた
「んでそっちが司か」
「せやで」
「改めて自己紹介させてもらう
俺は相澤消太、1年A組の担任をさせてもらっているよろしくね」
「…んでこれがお前らの新しい学生証だ」
そう言うと相澤先生が懐から学生証を取り出し 俺たちに手渡した
「ありがとうございます」
「おおきに」
「それとお前らは二人ともA組だ」
「やったな!司!」
「せやな!」
「んじゃこのまま教室に向かうぞ 着いてこい」
「ここがA組か…」
「そうだな」
1年A組の教室に着いた
「教室に入るのは少し待っといてくれ」
相澤先生がそう言うので俺たちは廊下で待機した
「おはよう」
『おはようございます!』
「元気やな」
「まぁな」
「先生、司君は…?」
「あぁその件について今から話す」
「んじゃ入ってきてくれ」
「呼ばれたし行くぞ」
「そうやな」
俺たちは相澤先生の合図で教室に入った
「僕の名前は十面司や、よろしゅうな」
「十面司…じゃなくて十面冬人だ改めてよろしく」
「「「!?」」」
「んじゃお前らの席は…」
「すみません先生!どういうことか1から説明していただけませんか?!」
飯田が全員の心情を代弁するように発言した
確かにあっち目線だと何が起きているか分からないしそりゃそうか
「……確かにこの状況を説明しないのは非合理的だな
よし、冬人、司この状況をお前らの口から説明してやれ」
「!?」
「なんやって!?」
おいおい相澤先生そりゃ無茶ぶりってやつですぜ!
「どっちにしろ説明しなきゃいけなかったんだ、なら今やったほうが合理的だろ?」
「ほら時間は有限さっさと説明してこい」
「おいおいマジか…」
「ま、しゃーないどっちみちやらなあかんやろうしな…やるしかないみたいやね冬人」
「…あぁ」
なんかいつになく司の顔が少し気合入ってるように見えるが…気のせいだろう多分
糸目だから表情が少し分かりにくいのもあるかもしれないが…
「……んじゃ質問のある人は手ぇ上げてな!」
「はい!」
「はい、そこの眼鏡君!」
「はい!どういう経緯で二人になったのか説明していただきたいです!」
「OK!どういう経緯でこうなったかちゅうとやな…
まずみんなは1月終わりごろにあった十面警部夫妻車両事故って覚えとるか?」
「確か…警察の単独車両事故で話題になった…あの事件だっけ?」
「その通りや、僕はその夫妻の息子や」
「「「?!」」」
「あの事件の後、マスコミが取材に来るために家に押し寄せるわ
両親の親族が僕の親の遺産を争うわで
まぁ正直な話、全部どーでもよくなっとたんや」
『……』
「けど、その時に冬人が僕に乗り移ったんや」
「どういう原理かは、さっぱりやけどな」
「その結果、僕は肉体の主導権を冬人に渡したことになったらしくてな
しばらくの間は僕は冬人の視点で見ることしか出来なかったんや」
「んで、先日のUSJ事件があった時に
冬人が使ったカードと指示によって僕は再び肉体を取り戻した
…っちゅーかんじやな」
「成程!ありがとうございました!」
「あぁ別にかまへんで」
「それじゃ他に質問ある子は…」
「は、はい!」
「それじゃそこの緑髪くん!」
「えっと…司君の個性は何ですか?」
「僕の個性か?僕の個性は”十面”
こんな感じでガラスっぽい正方形の板状の物質を十枚まで作り出す個性や
それと冬人の個性は皆さんご存知の通り”ディケイド”のままやで」
「ありがとうございます!」
「ええで」
「他に質問ある子は…」
「はい」
「それじゃ、そこのポニテちゃん!」
「(ポニテちゃん?)」
「冬人さんに質問で」
おっと、俺か?
「冬人さんは司さんの肉体に乗り移っていた自覚とかはあったのですか?」
なるほどな…確かにもっともな疑問だ
「正直な話、俺の中に本体がいるなんて全く気付かなかったというのが本音だ。
そして俺自身、ヒーローになりたいと思ってる。
少なくとも俺は、誰かの人生を踏み台にする気はない」
「ありがとうございます」
その質問を終えると
「大体質問はええかな?ほな相澤先生、ホームルームをどうぞ初めてくれや。」
司が質問を切り上げ相澤先生に話題を移した
「……それじゃ、ホームルームを始めるぞ。
それと戦いはまだ終わっていない」
あ?まだ敵の襲来か?
「雄英体育祭が迫っている!」
『クソ学校っぽいの来たあああ!!』
雄英……体育祭?
一体何なんだそれは?まわりの話を聞く限り、どうやら雄英で行われる体育祭で
俺がいた世界のオリンピックに相当する盛り上がりらしい。
……そういえばこの世界にオリンピックはないのか…
何というか、こう…あれだな。
例えるなら子供の時から通っていた公園が取り壊しになることが決まったと知った時と
同じくらい寂しいな。
それと同時にプロヒーローも見に来るらしく、スカウトされる最大のチャンスらしい
…なるほどな、こりゃみんなガチで来る気だな?
俺も負けてられないな、もっとも俺は最初から負けるつもりで戦う気はないが
放課後に体育館借りて家じゃできない自主トレでもするか
たしか司は今日の放課後に先輩と予定があるらしいし今日は俺一人かな
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あの後は通常通りに授業が進み俺と司はクラスに馴染んでいった
そして時は進み、放課後
「何事だあ!?」
なんだなんだ?なんでこんな廊下前に人が集まってるんだ?
「なんやぁ?いったい何の用があってこんな大所帯で来とんのや?」
「出れねーじゃん!何しに来たんだよ」
「敵情視察だろザコ」
さらっと峰田が罵倒されたな、やめてくれ峰田そんな目で俺を見るなっ!
地球に重力があるように、
そういうものなんだよ、諦めてくれ
「敵の襲撃を耐え抜いた連中だもんな、体育祭の前に見ときてえんだろ。意味ねぇからどけモブ共」
「知らない人のことをとりあえずモブっていうのやめなよ!!」
飯田の言うことももっともだが、今回に関しては爆豪に賛同だな。
正直かなり邪魔だ、さっさと退いてほしい。
「どんなもんかと見に来たが随分と偉そうな奴がいるなぁ」
…あ?なんだ、あの紫髪の気だるそうにしてるやつは?
「こういうの見ちゃうとちょっと幻滅するなぁ」
「普通科とか他の科ってヒーロー科落ちたから入ったって奴けっこういるんだ、知ってる?体育祭のリザルトによっちゃヒーロー科編入も検討してくれるんだって。その逆もまた然りらしいよ…」
はぇ~そうなんだ
「敵情視察?少なくとも
…へぇ、いいねあいつの目。一泡吹かせてやるっていう覚悟みたいのがひしひしと伝わってくる
俺ああいう目をしたやつは嫌いじゃあない
「あ?なんや君?いきなり喧嘩吹っ掛けて来よって、ええ度胸しとるな?」
「落ち着け司ここで争うな。やるなら体育祭でやれ」
「…それもそうやな」
「すまないな、うちの弟が」
(((((弟!??))))
「おいちょっと待て変身野郎!」
「ん?どうしたんだポップコーンヘッドよ」
「ゴホォ!」
「「「ポwッwプwコwーwンwヘwッwドww!」」」
…しまった、ついムキになって思わず言ってしまったな
まぁ、辺りに笑い声が聞こえてくるし場を和ますための犠牲ってことで…
「誰がポップコーンだ!じゃなくて!てめぇら兄弟だって聞いてねえぞ!」
「ああ言ってないし聞かれてもないからな」
「そういう大事なこたぁ聞かれてなくても伝えとくもんだろうが!!」
…どうしよう、確かにその通りだ。この情報は伝えておくべきだったな
反省しておかねば。
「あぁ悪い、次からは気を付ける
それと、きみ改めてすまない。さっきはうちの弟が喧嘩腰に言ってしまって」
「あぁいや別に気にしてない、それにこっちも少し言い過ぎた。悪い」
「…まぁ、こっちも喧嘩腰で悪かったな」
態度が少し冷たいが謝罪する当たり悪い奴ではないと思うんだよな、多分
「それと司、先輩とやらと会うんじゃなかったのか?」
「あ、そうやな」
「待たせるなよ、きっと楽しみにしてるだろうしな」
「あぁ!急いで行ってくるわ!」
そう言うと司は人の隙間を縫うように進み、先輩のとこに向かっていった
さてと俺も体育館に行くとするかな
相澤先生も「時間は有限」って言ってるしな
「あ、冬人くん!」
「ん?どうした緑谷」
「……少しお願いがあるんだ。」
…一体俺に何の用だ?
場所は変わり雄英高校の校舎裏
司サイド
「む、司くん遅いですよ。」
「はぁはぁ…いやぁ、ほんまごめんやで渡我先輩。
ちょっと廊下に人がぎょうさん集まってて遅れちゃいました。」
「…まぁいいですよ。」
「……」
「…あー渡我先輩?どうしたんですか?ぼーっとして」
「……」
「っへ?!渡我先輩?!どうしたんですか?いきなりハグだなんて」
「…よかった、グスッ生きててくれて本当に……」
「うへぇ?!渡我先輩泣いてます?!」
「泣いてないのです」
「い、いやでも「泣いて、ないのです」…はい」
「…しばらくこのままでもいいですか?」
「え、えぇ構わへんで(あっかん、可愛すぎる)」
数分後
「…落ち着きましたか?」
「グスッ…私は最初から落ち着いてるのです」
「そ、そうですかい」
「それと司くんちょっと聞きたいのですが」
「ん?」
「……なんでこの2か月間連絡がなかったのか1から説明してもらいますよ?」ゴゴゴゴ…!
「…と、渡我先輩?なんか黒いオーラみたいなのが出てますよ???」
「私結構心配してたのですよ?それなのに説明が無いのは少し納得いかないのです」
「あ、嘘はつかないでくださいよ?正直にぜーんぶ話してもらいますよ?」
「あ、あはは(悪い冬人、僕死ぬかも!)」
その後、司はホームルームの時と同じ説明をし渡我先輩にむっちゃ怒られた。
「もっと人に頼るように」とか「いつでも相談に乗るので」とかも言われた
そして今度の夏休みに一緒に出かけると約束をした