あれから毎日緑谷と司とともにトレーニングしていった
2人の動きも日を増すごとに良くなって教え甲斐があったな
それと俺も安定して中間フォームを使用できるようになったのは思わぬ収穫だった
以前から使えないわけじゃなかったがあまり長時間の変身はできなかったからな
それでも基本フォームのように15分フルで戦えるわけじゃなく、持って大体5分といったところだ
まぁ5分もあれば十分だとは思うが…
そんなトレーニングを続けているうちに、二週間はあっという間に過ぎ
雄英体育祭当日!
「皆! 準備はできてるか!? もうじき入場だ!!」
「コスチューム着たかったなー」
「公平を期すため着用不可なんだよ」
俺たちは控え室で入場するタイミングを待っていた
…にしても高校って控え室やら会場ってあったか?
少なくとも俺の知ってる高校は無かったが、流石雄英としか言いようのない豪華さだな…
「緊張してきたわ…」
「ま、あんまり緊張しすぎても本来の実力が出せないから程々にな」
「あぁ、おおきにな冬人」
「気にするな、俺もそれなりに緊張してるからな」
「そうなんか?」
「ああ、まあな」
本当はそれなりどころか滅茶苦茶緊張してるよッ!!
観客がたくさん来て、それでいて全国テレビがLIVE中継していて
そのうえ、俺は代表で選手宣誓をするんだろ?
んなもん、それなりの緊張なわけないだろ!いい加減にしろ!ぶっ飛ばしますわよ?!(錯乱)
「………緑谷」
「轟くん……何?」
なんだ?轟から話を持ち掛けるとは珍しいな
「……緑谷、客観的に見ても実力は俺の方が上だと思う」
「え!? う、うん……」
「……お前オールマイトに目ぇかけられてるよな」
「っ!!」
「別にそこ詮索するつもりはねぇが……お前には勝つぞ」
なるほどな、宣戦布告というわけか…いいねぇまさに青春って感じだ
「……それと冬人」
「…なんだ?」
「お前と戦った時、勝負がつかなかった…正直タイマンで勝てるかわからねぇが…今度は俺が勝つぞ」
…なるほどな、俺もなのか
ならば俺もそれにこたえないとな
「いいぜ、だが今度戦うときはお前の全力を見せてくれよ?」
「…あぁ」
…確かあいつの個性は半冷半熱
だが以前戦った時は
多分あいつなりの理由があるんだろうがこんな機会は少ないだろうからな
ぜひ全力で来てもらいたいものだ
そうこうしていると
「入場の時間だ!! よし、行くぞA組!!!」
『おおーーーー!!!!』
どうやら入場の時間のようだ
『雄英体育祭!!ヒーローの卵達が我こそはと!シノギを削りに削り合う年に一度の大バトル!!』
『どうせテメーらアレだろコイツらだろう!!?ヴィランの襲撃を受けたにも拘わらず!!鋼の精神で乗り越えた奇跡の新星!!』
『ヒーロー科!!1年A組だろおおお!!!?』
プレゼントマイクのアナウンスで会場が沸き上がる中、俺たちは入場した
…いや、マジですごいなこんな大人数を収容できる会場が高校にあるってやっぱおかしいだろ?
どんだけ広いんだよこの高校…
っと今はそんなこと考えるのはやめておくか
「わあああ……人が、すんごい……!」
「むっちゃ人おるやん……!」
「ヒーローたるもの大人数に見られる中で最大のパフォーマンスを発揮できるのか……!これもまた素養を身につける一環だろう」
飯田、お前肝が据わってるな…まあ確かにプロになったらメディアにも関わるだろうから
必要といえば必要な事か…ほんとはすっっっげぇ嫌だけどな
そしてA組が入場し終えると
『B組に続いて普通科C・D・E組……!サポート科F・G・H組も来たぞー!そして経営科……』
他の組の生徒も入場した
……明らかにA組と対応が違うのはもしかしてA組に対して対抗心を出させるためなんだろうか?
だとしたら色々と考えられてるな…
入場が終わると
雄英高校の教師の一人”18禁ヒーロー ミッドナイト”が壇上に上がった
「18禁なのに高校にいていいものか」
「いい!」
「静かにしなさい!選手代表!1-A十面冬人!」
……遂に来たか。この時が…
その言葉を聞くと俺は壇上に向かって歩き出し前に出た
「宣誓!我々選手一同は今日この日を、正々堂々戦い抜くことを誓います!」
「…と、まあテンプレな選手宣誓はこの辺にして、少し話を聞いてくれ
先日、俺は普通科などの他の科はヒーロー科落ちした人が多いと聞いた
確かにあの入試では戦闘向きの個性が圧倒的有利だと思うが
個性が戦闘に向いていないとか実力がないとかを言い訳にして
努力をしないってのが一番カッコ悪いことだと思うぜ」
普通科の方からざわめきや少しイラッとした表情が見えた気がしたが言葉を続ける
「もちろん、どうしようもないことも沢山あると思う
恵まれた15、6の小僧が偉そうなこと言ってんじゃねえぞって思う人もいると思う
全くもってその通りだ、俺は確かに個性にも人にも恵まれている
だが少なくとも俺は個性に頼り切るんじゃなくて
肉体を鍛えたり、戦い方を学んだりして俺はこの場にいると先に言っておく」
「それと話が少しズレるが個性が
ほざいているやつがいるらしいが誰が何と言おうと俺はそうは思わない」
その言葉を言うと少し会場が静かになった気がした
まあ、こんなことを急に言い出したら多少困惑するよな
そう思いながらも言葉を続ける
「例えば包丁だって美味しい料理を作るためには欠かせないが
人を簡単に傷つけることもできてしまう
どんな個性でも一番重要なのはその人がどのように使うかという意志だと俺は思う」
「そして例え個性がなくとも、個性が
”人を救いたい”その心があれば俺は、誰かのヒーローになれると思うぜ」
一呼吸を置き俺は最後の言葉を叫ぶ
「まぁ要は何が言いたいかって言うと
ヒーロー科だとか
普通科だとか
サポート科だとか
経営科だとか
個性が
あるとか
無いかとか
個性が
強いとか
弱いとか
んなもん全部関係ねぇ!!お前らの持てる全ての力を使って…
全力でかかって来い!!」
「言っておくが俺は…最初っからクライマックスだ!以上だ!」
その言葉を言い切ると
「「「「わあああああああああああああああ!!!!!!」」」」
会場から割れんばかりの歓声が巻き起こった!
『おいおいイレイザー!!あいつすげぇな!?この会場どころかテレビの前のリスナーまでも盛り上げたぜ!』
『ああ、まさかここまで盛り上げるとはな…もしかするとあいつには人を盛り上げるカリスマ性があるのかもな』
「冬人お前最高やで!」
「漢らしいぜ!!」
「その通りだと、僕も思ったよ!」
「おお…!ありがとな皆!」
そう言いながら俺はA組のみんなに向かってサムズアップした
ありがとう…みんなの声が暖かくてお兄さん涙が出そうだよ…!
「冬人くん!」
「どうした、緑谷?」
「えっと…何というかその…ありがとう!」
「ああ!」
…そうだよな、緑谷は元々無個性だったからこそあの言葉が嬉しかったんだろうな…
俺自身、自分と何かが違うというだけで差別するような環境が嫌いなんでね。
俺の思ったことを述べたまでよ
さてと…選手宣誓も終わったことだし第一競技に向けて少し心の準備をしておくとするかな…!