僕が謎の男の子を背負って家の中に運ぼうとした時、どこからともなく声をかけられた。
『ちょっと待て』
その声を聞いた僕とヴィヴィオは、声の主を探そうと辺りを見回してみたが
「あれ? 誰もいない‥‥‥‥‥‥‥ねぇ、パパ? 今、声が聞こえたよね?」
辺りには誰もいなく、ヴィヴィオが不思議そうにしていた。
確かにヴィヴィオの言う通り、声が聞こえた。
それは間違いない。
そして、その声は明らかに僕等に向けて発せられたものだった。
「‥‥‥‥‥‥‥ヴィヴィオ、この子をお願い。それと、しばらくの間隠れてなさい」
「え? パパ、隠れてろってどういう事?」
「そのままの意味。この子を連れて家の中に入ると、余計に危ない気がするから僕の目が届く範囲で隠れてて」
僕はこの謎の声を聞いて直感した。
ヤバイ。と
ここ1、2年は感じた事がなかったが、数年前は頻繁に感じていた身の危険。
それが今、あの頃とは比較にならない程の大きさで再び僕の全身を襲ったのだ。
『隠れる必要はない。そのガキを置いて、この場から去れ』
「いやだ! この子、ケガしてるもん! 早く治療してあげないと可哀想だよ!」
謎の声を拒絶するヴィヴィオ。
さっきはテンパって気が付かなかったけど、よく見るとヴィヴィオの言う通り少年は所々に傷を負って、ボロボロだった。
こんなケガをした子を見て、ほっとけないと思ったヴィヴィオの気持ちは分かる。
けど、相手がどこにいるのかも、どんな奴なのかも分からない時に、その発言は非常に危険だ。なにせ、相手が何をしてくるのかも、何が狙いなのかも、何も分からないんだから。
『そうか。なら力尽くで排除しよう』
「ヴィヴィオ! ふせて!」
僕はヴィヴィオが叫ぶのと同時にヴィヴィオの周りに意識を集中させて、謎の声が聞こえるのと同時に叫びながらヴィヴィオの側へと駆け寄った。
そして、僕が駆け寄ると同時にヴィヴィオの周囲の一部が歪み、そこから一人の男が現れる。
男は姿を現すと、無言でヴィヴィオに向かって蹴りを放ってきたのだが
ドスッ!
「っつぅ~! ギリギリ間に合った‥‥‥‥‥‥‥」
間一髪、ヴィヴィオに駆け寄った僕が二人の間に割り込み、腕をクロスして、吹き飛ばされないように足腰に力を入れて、何とか防御に成功した。
「お前も邪魔をするのか?」
「まぁ、自分の娘を守るのは当然でしょ? で、娘が守ろうとしたものを守ろうとするのも父親の仕事だと思わない?」
「娘の教育をするのも父親の役目だろ? 礼儀を教えたらどうだ?」
「ついさっきまで姿を消してたり、子どもに向かって無言で蹴りを入れようとする奴に、礼儀をどうこう言われたくない!」
こんな奴より、ヴィヴィオの方が礼儀正しいと胸を張って言える。
「ふむ。あくまで邪魔すると。なら、お前も消すとしよう」
男はそう言うと、再びを僕等の目の前から姿を消した。
一瞬、このままどこかへ消えたのかと思ったけど、そうじゃない。
さっき感じた、自分自身への警告のような物は、まだ消えていない。
むしろ、さっきよりも危険度は増している気がしてならなかった。
それが気のせいなら良いんだけど、残念ながら僕の危険感知は良く当たる。
そして、今回もおそらく外れる事はないだろう。
「ドラグーン、セットアップ!」
僕は久しぶりに相棒を取り出してBJを纏い、両手に剣を構えて完全フル装備になる。
本来、ミッドでは許可された場所以外で、飛行や戦闘を行う事は禁止されてるんだけど今回は仕方がない。
後で、なのはやフェイトに怒られる事になろうとも、今はこれくらいしないと自分の事もヴィヴィオの事も守れない気がする。
それくらい、危険を感じていた。
『マスター、随分と久しぶりですが訓練ですか?』
「久しぶりなのにイキナリで悪いけど実戦! 多分だけど、結構ヤバイと思う!」
本当に久しぶりなのに、出てきて早々戦闘準備ができてるドラグーンは流石だと感心しながら、ついさっきの出来事を僕はドラグーンに話して、敵の位置を察知できないか聞いてみる。
『それでしたら既に判明しています。上です。かなりの魔力を集めているようですよ?』
「上!?」
僕がドラグーンの言葉を聞いて直ぐに空を見上げると、そこにはドラグーンの言う通り、僕に向かっていつの間にか握っていた両手の剣を向けながら魔力を一箇所に集めてる、男の姿があった。
どうやら相手のデバイスも二刀流で、今の状況を考えるに集束砲を僕に向かって撃ってくる気のようだ‥‥‥‥‥‥
「って、集束砲!? こんな所で!?」
こんな所で集束砲なんて撃たれたら、僕だけじゃなくここら一帯にも被害が及んでしまう。
具体的には、ここら一帯が更地にされてしまう。
「くそっ! 消えたと思ったら、こんな恐ろしい事考えてたなんてっ‥‥‥‥‥!」
あれに対抗するには、こっちも集束砲を撃つしかない。
しかも相討ちでは爆発を起こして、ここら一帯にも被害が出てしまうため、完全に向こうのパワーを超えた集束砲を撃つしかない。
管理局に入隊しておらず、集束砲どころか戦闘すら満足にできるか分からない僕だけど、今ここで集束砲を撃てる人は僕以外にはいない。
「あー、もうっ! こんな周りを巻き込むかもしれない状況になるのが嫌で、管理局に入らなかったのに、結局こうなるのかよ!」
僕は文句を垂れながらも、相手のように剣を構えて集束砲を撃つ構えを取る。
どうせ、こうなるなら初めから管理局に入っておけば良かった。
そうすれば、もう少し自信を持って集束砲が撃てたのに‥‥‥‥‥‥‥
「って、今さらそんな事を言っても仕方がないか‥‥‥‥‥‥‥こうなったら、全力をだすしかない!」
とは言え、こんな地上でユニゾンしてから、集束砲なんて撃ったら、その衝撃だけでここら一帯が消えかねない。
となると必然的に
「ドラゴンドライブ!」
この状態が今の僕の本気と言う事になる。
これでも充分威力は上がるけど、果たしてこれで相手のパワーを完全に上回れるかどうか‥‥‥‥‥‥‥
と、僕が不安でいっぱいになっていると
「なっ!? ドラゴンドライブだと!? まさかお前、アイツの言っていた奴なのか‥‥‥‥‥‥‥‥?」
男は何故か驚き、なにやら言葉を発して、溜めていた魔力をドンドン散らせていき、遂にはデバイスまで解除してしまった。
と、同時に終始感じていた危ない感じも消える。
何があったか知らないけど、どうやら戦闘は止めてくれるようだ。
「一つ聞く。お前、吉井明久か?」
「そうだけど‥‥‥‥‥‥。君は僕を知ってるの?」
「名前とその存在だけだがな‥‥‥‥‥‥。まさか、あのガキがコイツに保護されるとはな‥‥‥‥‥仕方がない(ボソッ)」
男は何か考えながら、ボソボソと独り言を呟き始めた。
いったい何が言いたいんだろうか?
「吉井明久、今はお前と戦う気はない。そのガキはしばらくお前に預けておいてやる」
そう言って男はまた姿を消した。
その光景はまるで、闇に溶け込み消えるかのようだった。
って
「ちょっと待て! 僕の事をどこで知ったのか? とか、あの子は誰なのか? とか、君は誰なのか? とか、色々教えてから消えろ!」
会って早々礼儀がどうこう言った奴が、何も喋らずに消えるってどうなのよ?
一方的に喋るだけ喋って、その後はサヨナラっておかしいでしょ!?
『‥‥‥‥‥‥‥お前に教えてやる必要があるのか? ついさっきまで俺達は戦ってたんだぞ? つまり敵同士だぞ?』
‥‥‥‥‥‥‥言われて見ればその通りだ。
敵に情報を与えるバカはいない。そんなの常識だ。
コイツが僕の事を知っていて、意外とあっさり退いてくれたから、そこまで悪い人じゃないと思い込んでしまったようだ。
けど
「せめて名前くらいは良いんじゃないかな?」
名前くらいは教えてくれて良いと思う。
名前くらいじゃ、何も分かりはしないんだから。
『一番の個人情報だろう?』
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥市街地での危険魔法使用と殺人未遂で、君は既に犯罪者なんだけど、そんなの気にするの?」
法を犯した人が法で守られてる個人情報を主張するのはおかしくないだろうか?
『はは、冗談だ。まぁ、いずれまた会うだろうから、その時に名前は名乗ってやるよ』
「今名乗れよ! 焦らす意味がどこにあるのさ!?」
『安心しろ。単なる俺の趣味だ。意味はない』
「答えになってないんですけど!?」
‥‥‥‥‥‥‥‥
‥‥‥‥‥‥
‥‥‥‥。
あれ?
「おーい。無視ですか?」
‥‥‥‥‥‥‥‥‥返事が帰ってこない。
「本当に名乗らずに消えやがったよ! なんなんだ、アイツは!?」
『マスターみたいに失礼な奴でしたね』
「僕はあそこまで失礼じゃないよ!!」
あんなのと一緒にしないでもらいたい。
と、僕がドラグーンに全力でツッコんでいると
「パパ! いつまでも騒いでないで、こっち来て! この子、ケガしてるんだってば!」
ヴィヴィオに怒られてしまった。
くっ! ドラグーンのせいで娘に怒られるとは‥‥‥‥‥‥‥
「おのれ、ドラグーン! 変な事ばっかり言うから、ヴィヴィオに叱られたじゃないか! これで嫌われたりしたらどうしてくれる!」
ドラグーンのせいでヴィヴィオに嫌われたらしたら一生恨むぞ!
どこかの男子校の汗臭いクラブの部室にヴィヴィオが許してくれるまで放置するぞ!
『そんな事言ってるとまた叱られますよ?』
「うる――」
「パパ! 早く!! 早く治療しないといけないの!」
――さいよ‥‥‥‥‥‥‥
もう叱られたよ‥‥‥‥
僕はヴィヴィオに急かされて、家の前で倒れていた少年を背負って家の中に入り、ケガの治療をした後、なのはとフェイトに先程の事をメールして、少年が目覚めるのを待つ事となった。
☆
僕とヴィヴィオが少年を家に運んで、看病を始めてからしばらくすると、なのはとフェイトの二人が息を切らせて同時に帰って来た。
「あ、ママ達だ! おかえり~」
「あれ? 今日は遅くなるって言ってたのに、もう帰って来たの?」
確かにいつもより帰って来るのはかなり遅いが、二人が遅くなると言った時は大抵ヴィヴィオが寝てから帰ってきていたから、そう言う意味では二人とも早い帰宅だった。
「た、ただいま。明久にメール貰って急いで帰ってきたんだけど‥‥‥‥‥」
「二人とも大丈夫だった!? ケガはない!?」
「うん。パパに助けてもらったからヴィヴィオは大丈夫」
「僕も特にケガとかはないよ?」
ヴィヴィオに叱られて、心に傷は負ったけど‥‥‥‥‥‥
「そう。なら、良いけど‥‥‥‥‥‥‥あんまり心配させないでね? ヴィヴィオはまだ子どもなんだし、明久は今朝自分でも言ってたけど、民間人なんだからね?」
「そうは言っても、向こうが勝手に襲ってきたんだから仕方ないじゃない‥‥‥‥‥‥‥」
「それでもだよ。明久はいざとなったら無茶ばかりするんだから、危険な事には巻き込まれないように少しは気を付けて」
うぅ‥‥‥‥‥。
六課時代に結構無茶な事もやったから、そう言われると、何も反論できない‥‥‥‥‥‥。
どうやらフェイトに無茶をしないか心配されるのは結婚しても、六課時代とあまり変わっていないようだ。
「それで? この子が明久君がメールで言ってた、保護したって言う男の子?」
「確か、家の目の前で倒れてたんだよね?」
「うん。家の目の前で放置するわけにもいかないし、ケガもしてたから、とりあえず家の中に運んで看病してたんだ。そっちで何か分かった?」
さっき二人にメールした時、少年を保護したと言う話と一緒に、最近ここらで次元震が起きたり、捜索願いが出ていないか確認してもらえるようにお願いしたから、僕は何か分かったのかと思ったんだけど
「ううん。何も分からなかったよ。最近、次元震は全く起きてないし、迷子の捜索願いや、行方不明者の捜索願いとかも調べてみたけど、何もなかった」
フェイトが調べてくれた限りでは、何も手掛かりは得られなかったようだ。
「と言うか、イキナリ襲ってきた人がこの子の保護者だったって言う可能性はないの?」
なのはの疑問。
確かに、この子を保護しようとした途端に、アイツが現れたんだからこの子の保護者がアイツと言う可能性は捨てきれない。
けど
「それはないと思うよ? 子どもがケガしてるのに、治療しようとしてるヴィヴィオに攻撃をしようとした奴だよ? そんな奴が保護者なわけないよ」
それだけはないと思う。
子どもがケガをしていて、それを治療しようとしてくれる人をイキナリ襲ってきたんだ。
そんな奴が保護者なわけがない。
第一、現れた当初から姿を隠して登場するなんて怪しすぎる。
「ん~、だとしたら、その襲ってきた人は何が目的だったのかな? この子を追いかけて来て、殺す気だったとか?」
「ええっ!? ママ、発想が怖いよ!」
「ち、違うよ! 可能性の一つって事だよ!?」
「それでも怖いよ!」
ヴィヴィオはそう言ってるけど、実際なのはの考えは一番可能性が高い。
仮に殺す気はなかったとしても、集束砲を撃とうとしたって事は、この子を傷つけるのに抵抗はないと言う事になる。
アイツの目的が何なのかは分からないが、この子の事を何とも思っていないのは確かだ。
「まぁ、襲撃者の目的が何だったにせよ、この子が目を覚ましたら、少し話を聞く必要があるね」
「だね。話を聞けば、色々と分かるだろうしね」
あの襲撃者が誰なのかとか、アイツの目的が何なのかとか色々と判明するだろう。
フェイトは現役で執務官として働いてるから、話を聞くのとか得意だろうし。
「うん。けど、あまり期待はしない方が良いと思うよ? 多分、この子も分かってない事の方が多いと思うから‥‥‥‥‥‥‥」
「え? そうなの? 襲撃者の事を知らないかもしれないって事?」
僕はてっきり、全部分かると思っていたんだけど、どうやらフェイトは分からない事の方が多いと思っているようだ。
「それもあるけど‥‥‥‥‥まず根本的にこの子は小さ過ぎるから、例え襲撃者の事を知っていたとしても全部は理解できてないと思う」
「そっか‥‥‥‥‥‥じゃあ、あんまり期待はしない事にするよ」
見た目7、8歳かな?
確かにフェイトの言う通り、こんな子が見たり、聞いたりした事を全部理解してるとは思えない。
20歳になった僕でも無理なんだから、こんな子ができるはずがない。
むしろ、されたら僕が傷つく。
と、僕等がこんな話をしていると
「んっ‥‥‥‥‥‥あ‥‥‥れ‥‥‥?」
さっきまで寝ていた少年が目を覚ました。
「あ、起きた?」
「え? あ、うん‥‥‥‥‥‥‥」
目を覚ました少年は少し戸惑っているようだ。
まぁ、何があったかは知らないけど、目を覚ましてイキナリ知らない場所にいて、知らない人がいたら戸惑うのも無理はないだろう。
と言うわけで
「まずは自己紹介から始めよう!」
僕は少しでも少年から緊張を取り除こうと、明るく振る舞った。
「僕は吉井明久。で、右から順番に」
「吉井なのはです」
「フェイト・T・吉井です」
「吉井ヴィヴィオです♪ 初等科の3年生です。アナタは?」
僕等が順番に自己紹介をした後、ヴィヴィオが気さくに話しかける。
少年は僕等が挨拶した時よりも、ヴィヴィオに話しかけられた時の方が安心しているように見えた。
やっぱり、子ども同士だと、緊張したりする事はないようだ。
「僕は‥‥‥‥‥‥‥多分、レオって名前だと思う‥‥‥‥‥‥」
「多分なの?」
「‥‥‥‥‥‥うん。多分‥‥‥‥‥‥」
自分の名前なのになんで多分?
と、僕が疑問に思っていると、ヴィヴィオも同じことを思ったようで、レオ(と思われる)に質問する。
「どうして多分なの? 自分の名前なのに」
「‥‥‥‥‥‥分からないんだ。頭の中にレオって言葉しか出てこない。だから、僕の名前は多分レオ‥‥‥‥‥‥だと思う‥‥‥‥‥‥」
どうやら、レオには記憶がないようだ。
これではフェイトの予想通り、レオから何か聞く事は無理なようだ。
とは言え、管理局の人間としては、このまま何も聞かない訳にはいかなかったんだろう。
フェイトがレオとヴィヴィオの会話に入って行き、フェイトはダメ元でレオに質問をしようとしていた。
「ヴィヴィオ、レオ、ちょっといいかな?」
「うん。いいよー」
「っ! ‥‥‥‥‥‥‥」
だが、レオはフェイトが話しかけると、ヴィヴィオの後ろに隠れてしまった。
「レオ? どうしたの?」
「‥‥‥‥‥この人、大丈夫‥‥‥‥‥‥?」
どうやらレオは怖がっているようだ。
笑顔で優しそうに近づいて行ったフェイトに対して、あんなに怖がるなんて‥‥‥‥‥
今、レオが怖がらずに普通に話せるのはヴィヴィオだけのようだ。
「大丈夫だよ、レオ。フェイトママはヴィヴィオのママだし、なのはママも明久パパも皆優しいから、怖がる事なんて、何もないよ?」
「‥‥‥‥‥‥本当?」
「うん!」
レオはヴィヴィオに説得されると、少し悩んでから、ヴィヴィオが一緒ならフェイトの話を聞いても良いと言い出して、そこからフェイトとレオ、ヴィヴィオの三者で事情聴取が始まった。
まぁ、事情聴取と言っても、子ども相手だし、簡単な質問をするだけの要は質問タイムのようなものだけど‥‥‥‥
「じゃあレオ。まず一つ目の質問ね? 保護者の方、つまりお父さんやお母さんがどこにいるか知ってる?」
「‥‥‥‥‥‥‥」
「レオ? 大丈夫だから、フェイトママとお話ししてくれないかな?」
「‥‥‥‥‥‥‥いない。僕はずっとひとりぼっちだったから‥‥‥‥‥」
‥‥‥‥‥‥なんだこの変な事情聴取は?
フェイトが質問して、レオが無視、ヴィヴィオがレオにお願いしてレオが質問に答える。
まるでヴィヴィオと以外、話したくないようだな‥‥‥‥‥‥
「‥‥‥‥‥それは寂しいね‥‥‥‥‥」
「‥‥‥‥‥‥」
再び黙りこむレオ。
これはフェイトも相当やりづらいだろう。
僕だったら、もう諦めてるレベルだ‥‥‥‥‥‥‥
でもフェイトは
「えっと‥‥‥‥‥じゃあ、次の質問するね?」
諦めたりはしないようで、質問を続行する。
こんな状態で、まだ続けられるフェイトを僕は純粋に凄いと思う‥‥‥‥‥‥
「どうして倒れてたの?」
フェイトが質問すると、レオは再びヴィヴィオの顔を見る。
それに気づいたヴィヴィオが頷いて、そこでようやくレオが質問に答える。
ホント、見てるだけでも面倒臭いプロセスだ‥‥‥‥‥‥‥‥
「‥‥‥‥‥逃げて来たから」
「逃げて来たって‥‥‥‥‥‥‥どうして? 何かされたの?」
「‥‥‥‥‥いっぱい叩かれて、よく分からない事ばっかり言われたから‥‥‥‥‥‥それに、ドクターから逃げないといけない気がしたから‥‥‥‥」
それはつまり虐待されてたって事だろうか?
で、本能で危険を感じたって事なのかな?
「ドクター? ‥‥‥‥‥‥‥ねぇ、レオ。ドクターって、レオを襲おうとしたした人?」
え? ドクターって襲撃者の事だったの?
僕の見た感じではドクターと言うより、どちらかと言うと戦士だったような気がするんだけど‥‥‥‥‥‥?
「違うよ? あの人とは話した事ない‥‥‥‥‥‥‥‥」
やっぱり違ったようだ。
「じゃあ、襲ってきた人とドクターの二人から、レオは逃げてきたって事?」
「その人とドクターからもだけど‥‥‥‥‥二人じゃないよ? もっといっぱいいた‥‥‥‥‥」
「大勢? レオが逃げてきたのは大勢の人からって事?」
「‥‥‥‥‥‥うん。いっぱいいた‥‥‥‥‥‥」
襲撃してきた男に、ドクターと呼ばれている謎の人物、謎の人物達‥‥‥‥‥‥‥‥
どうやらレオを襲ったのは個人ではなく、組織だったようだ。
この後も、フェイトが色々と質問をしたが、レオは終始分からないと言っただけで、特別な事は何も分からなかった。
分かった事はレオの名前、レオが逃げてきた事、レオが逃げてきたのは個人ではなく組織である事。
けど、僕はこれだけで何となく直感していた。
「これはもう、確実になんか起こるな‥‥‥‥‥‥‥」
レオを保護した事で、これから僕はレオと謎の組織の連中が引き起こす、何らかの事件に巻き込まれるだろうと‥‥‥‥‥‥