なんか今回の妄想エンジェルイベントの音ゲー難しくないっすか?(自業自得)
治安局の新しいキャラが増えるって言われて楽しみにしてたんですよ。
セスの兄ちゃんのキャラはまぁ思ってた通りって感じの真面目イケメンだったんですけど、あのギャルはなんなんすか? あんなんで治安官名乗れるなんて随分と破廉恥になったモンですね‼(今更)
やっぱファイルーズさんはギャルを演じてる時が一番好きです。
「あいすまぬ。訪問の許可自体はぬしの姉君から取れていたのであるが、よもや御本人が不在であったとは。この青衣、不覚であった」
「それは……姉がご迷惑をおかけしました。なにぶん、ライブ感で生きているところがあるもので」
タワーマンションの敷地外で低燃費モードの自動対応サービスになっていた治安官の青衣を自宅に招き入れてから十数分。
彼女がそのようになっていたのが姉の不手際であったことを知り、スウェインは謝罪をしながらキッチンで茶を淹れていた。
「青衣さん、そのボディって飲み物とか飲めるんでしたっけ?」
「気遣い感謝致す。しかし我は治安官であるゆえ、もてなしなどは無用であるぞ」
「そうも行きません。忌避感があるんでしたら、そうですね。僕の恩人の一人としてもてなしを受けてください」
苦笑しながらのその言い回しに、青衣は降参だと言わんばかりに手を振り回した。
青衣とスウェインの付き合いは意外と長いものである。
アストラが歌手としてデビューして華々しい結果を打ち出し、”ヨラン・デウィンターの後継者”などと言われ出した直後、彼女のプライベート情報やスキャンダルなどを求めたテレビ局やパパラッチなどが肉親であるスウェインを通学中や放課後に追い回すという事件が発生していた。
結局それらの行為は、前述通りマジギレしたアストラのストライキじみた申し立てによりTOPS側から圧力がかかって無くなったのだが、それまで散々追い掛け回されていたスウェインが治安局に助けを求めた際、かなりの頻度で対処に来てくれたのが青衣であったのだ。
知る権利を掲げて強引な取材を敢行しようとする記者たちを年の甲からくる話術で去なし、肉親にまで嫉妬の念を向ける過激なファンを蹴散らし、時にはほとぼりが冷めるまで分局の方で匿ってくれたりもした。
それは青衣にとっては治安官としての使命の一部でしかなかったのであろうが、大人の打算的感情、悪感情に晒され続けていた当時のスウェインにとって、常に味方で居続けてくれたアストラと並んで救いになっていたのは言うまでもない。
故に、”恩人”という表現は皮肉でも比喩でもなく、偽りない彼の本心であった。
「以前姉さんが衛非地区の
そう言いながら椅子に座る青衣の前に差し出されたのは、芳醇な香りを燻らせる緑茶であった。一目見ただけで高級感漂うそれの香りを鼻腔で楽しんだ後、熱感度センサーに過剰な負荷を与えないために吐息で冷ましてからひと啜りする。
「ふむ、これは極上の一品であるな。茶葉の香りが実に生きておる」
「はい。僕も一度飲んで、普段飲みするには勿体ない品だと思いましたので、お客様用に回すことにしたんです」
「であれば尚の事、我よりも他の客人に振る舞うべきではないのか?」
「この家にいらっしゃるお客のもてなしは僕に一任されていますからね。青衣さんにご馳走するのであれば、姉さんもNOとは言わないでしょう」
そういった談笑をしばらく続けた後、茶を飲み干した青衣が湯呑を置いてから本題に入った。
「して、スウェインよ。我は今日、ぬしに話を訊きに参ったのは察しておるな?」
「えぇ。僕が拉致された事件についてですよね? 犯人たちの正体に目星がついた……というわけでも無いようですけど」
湯呑の淵をなぞりながら、しかし青衣はふぅと一つ溜息を吐く。
「実のところ、ぬしに訊くような事はもう何もないと言っても過言ではない。ぬしは聡い。あの時点で賊共に心当たりがあれば聞き取りの際に申していたであろう?」
「それは、まぁそうですが」
「あの賊共は完全に末端も末端、まさしく蜥蜴の尻尾よ。しかしその”上”は中々に悪知恵が回る。特定までに些か時はかかるであろうな」
「青衣さんは、あれで
小さく整った顎に手をかけ、少しさすりながらの思考が数秒。ちらとスウェインの顔を覗き見ると、カマをかけている様子はない。ただ純粋に問いかけていることが分かった。
「我と朱鳶は、そうは思わぬ。賊共が小金欲しさに突発的に行った犯行であれば一度限りであったかもしれぬが、釣り糸を垂らしていた者がいる以上は楽観視は出来ぬ。故にぬしには外出自粛を願ったのだが……」
どうやら上手くは行かぬようであるな? と悪戯っぽく微笑んだ青衣に対して、スウェインはバツの悪そうな表情を見せる。
「……心配せずとも、我はぬしを責めぬ。多感な時期に閉じこもっておれと言われて従うのも苦痛であろう。今、ぬしが出入りしている場所も鑑みれば……まぁ朱鳶も軽い説教程度で済ませるであろう」
流石に『ヴィクトリア家政』に出入りしていることはバレているか、と治安局の情報力を再確認すると、二杯目の茶を目の前の湯呑に注ぐ。
「僕の事で朱鳶さんや他の治安官の方々のお時間を取らせてしまい、申しわけありません」
「謝罪など無用。それは我らの責務、我らの職務。ぬしに限らず新エリー都の市民が危害に晒されるというのであれば、それを命を懸けて守り、防ぐのが役目なれば」
青衣のその言葉は心からのものである。
治安官というのはそういうものだ。新エリー都の治安維持組織として、犯罪から市民を守る義務がある。その為に身を粉にして働いている。
しかしながら昨今は、元治安局副総監ジャスティン・ブリンガーの不祥事も相まって治安局に対する市民の不信感も存在している。万年人手不足であるために、ホロウ災害などに対する初動が遅れ気味になっていることも理由の一つではあったが。
だが、そんな中でも彼ら彼女らのやるべきことは変わらない。その制服に、その武装に、そのバッヂに課せられ、そして誓った使命を全うする。
少なくとも、朱鳶を班長とする『特務捜査班』はその思いで仕事をこなしていた。
「芯がある人は強いですね。憧れます」
「ほう? では学業を修めた後は治安局の門を叩くが良い。ぬしならば諸手を挙げて歓迎しようぞ」
「治安官、ですか。申しわけありませんが、僕に向いているとは――」
「なに、あくまでも可能性の話。言うだけ、思うだけであれば損もなし。……我から言わせれば、ぬしが”芯のない人間”であるとは思えぬがな」
「それは、何故です?」
青衣の言葉は淡々としている。彼女は
それでも敢えてその声色で通しているのは、感情を排してスウェインという人間を評価している証だった。
「あの拉致事件の折、ぬしは賊の腕を斬り落としておったな?」
「あー……やっぱりあれ犯罪になります?」
「安心するがよい、奴らが犯した悪事を鑑みれば充分に正当防衛の範囲内に入ろう。命を失う程の重症でも無かった故な」
一般人の知覚が届かないホロウ内で悪事を謀る者は少なくない。ホロウレイダーと呼ばれる者たちの中でも、特に賊紛いの行いを常習にしている者達であれば尚更だ。
拘束時間が生存確率と反比例するホロウ内での誘拐事件は、外で行うそれよりも罪が重くなる。時には防衛軍が出動して掃討作戦が行われるレベルには。
だからこそ、被害者の正当防衛も範囲が広くなる。よしんばあの場でスウェインが犯人たちの一人の命を奪ったとしても、公な罪に問われるかと言われれば微妙なところではあった。
「まぁ、本筋はそこではない。我が知る限り、ぬしが武装を用いて戦うのはあの時が初めてであったな? 普通の只人であれば、初陣であそこまで堂々と立ち回れはせぬ」
「あの時は……捕まっていたのが僕だけならあそこまで強引にはしませんでしたよ。一緒に捕まっていた女の子にあれ以上被害が及ぶ前に速攻で何とかしなければならなかったので……」
「
たとえ現役の治安官であっても、初陣となれば人を傷つけるのを躊躇う者も多い。エーテリアスのような化け物であればまだしも、悪行を為しているとはいえ自分と同じように思考し、言葉を解し、生きる者を攻撃する事に忌避感を感じるのはある意味で当然の事だと青衣は思っている。
しかしながら彼ら彼女らは治安官である。優先すべきは正しく生きる者達の安寧を守る事。その使命感で背を押して悪人を攻撃することを容認する。覚悟とはそういうものであり、時間をかけて割り切っていくものだ。
だが、目の前にいる少年は違った。
「一度覚悟を決めたら何が何でも貫き通せる長所がぬしにはある。何かを守ろうとする覚悟を決めればぬしは迷わぬ。その
”覚悟を決めれば人を傷つけることも厭わない”――それは一歩間違えれば人の道を踏み外す事にもなる諸刃の才能だ。
だが、それまでスウェインは人を物理的に傷つけたことはなかった。自分に対する誹謗中傷などそれこそ数えきれないほど受けてきたが、それに対して暴力で返そうとした事はなかった。
何故ならば、それで迷惑を被るのは自分ではなく、姉だからだ。暴力沙汰を起こし、停学にでもなればゴシップ誌の記者などはこぞってそれに飛びつくだろう。たとえ姉が百年に一度の天才であったとしても、身内が足を引っ張れば、その才覚の花も早々に散ってしまう。幼い頃から精神が早熟していたスウェインは、その事に気付いていた。
しかし、その標的が姉や親しい人間になれば話は別である。
あのホロウレイダー達はアストラに狙いを定めていた。そうでなくてもスウェインを釣る餌として誘拐していた女の子に何をするか分かったものでは無かった。
だからあの時、スウェインは力を振るう事を躊躇わなかった。もしかしたらあのホロウレイダー達にもやむを得ない事情があるのかもしれないと思わなかったかというと嘘になるが、生憎とそんな事を考慮に入れて戦えるほど強くはないという自覚があった。
迷わない、という評価に対して心当たりはあった。目的のために突き進むというよりも、
だが、それが長所であるという考えはなかった。それは言ってしまえば、広域的な思考を捨てて視野狭窄に陥るという事だ。十分に強さがあれば、たとえ迷いが無くなったとしても複数の選択肢を提示し、選択する事ができる。
それを”選べる側”の人間になりたかったから、彼は『ヴィクトリア家政』で働くことを選んだのだから。
「……青衣さんは」
「?」
「青衣さんは、僕が強くなっていると思いますか?」
どこか縋るような口調。しかし青衣は、声色とは違うその心情を測り違える事はなかった。
「我がそれに答えたとて、他ならぬぬしはそれで満足するのか?」
「っ……」
「違うであろう? 尋常ならざる努力家であるぬしは、いずれ己の強さを自覚せねばなるまい。その時初めて、ぬしは”自信”というものを得るであろうよ」
慰める事ならいくらでもできる。肯定する言葉もいくらでも出る。
だが違う。スウェイン・ヤオが真に求めるものはそれではない。彼が真に己の力を自覚した時、それを認めて褒め称えるのは彼が心から敬愛する人物でなくてはならない。
随分と捻くれた老婆心だという自認はあった。しかし前途ある若者を導くというのは何とも言い難い充足感がある。
素直で、真面目で、努力家で、それでいて人並みに迷う若者であれば尚更だ。青衣は自分が属する部署の若者二人の顔を思い出しながら、そう苦笑した。
そこまで言い切ってちらと壁にかかった時計を見ると、短針が指し示す時間がちょうど一つ進んだ頃合いだった。窓の外の色味は橙を通り越して暗くなってきており、それを確認すると青衣は椅子から立ち上がった。
「説教臭くなってしまったの。頃合いであるし、そろそろお暇させていただく」
「あ、すみません。大したおもてなしもできませんで」
「これ程良い茶を貰っておいて文句を垂れるほど我は恥知らずでは無いぞ。……少しは迷いの払拭に力を貸せたようであるな」
自分だけの力と己惚れてはいないが、それでも前々から様子を見ていた子の表情が晴れる姿を見て、青衣は思わず笑みを浮かべた。
そのまま自らの得物である三節棍《
「おぉ、そうであった。ぬしの姉君がお帰りになったら一言添えていただくと助かる。勝手に家に上がってしまった故な」
「気にしなくても大丈夫ですよ。それに今日、姉さんは帰りが遅くなるでしょうし」
「む、そうであるか。芸能人というのは相も変わらず多忙であるな」
「今日はスポンサーや音楽関係者を集めてのパーティーに出席しているらしいですけどね。……そういうのに出席して退屈になるとたまに脱走するのが姉さんの悪癖なんですが」
「ふ。アストラ殿の
そう言って、青衣は去って行った。
世間では、特にインターノットの界隈では治安局に対して”無能の巣窟”などと言った批判的な文言が珍しくもなく打ち込まれる。
それを打ち込んでいるのは何も知らずに批判だけしていたい暇人かもしれないし、かつて治安局の対応が遅かった故に親しい者を喪った人間かもしれない。そういうのを見るたびに、何とも難しい職業だと思っていた。
”正義”というものを貫くのは難しいものだ。特にこの新エリー都では。
それでも、彼女のような存在もいる。ヒトの良きも悪きも、美しさも醜さも、酸いも甘いも見届けた上で、それでも正しさを守ることに意味があるとしている人たちが。
――過去を思い出す。まだ物心がついたばかりの頃だ。
姉と自分は、そうやって自分たちの正しさを貫いた人たちによって救われた。幼い子供二人を何よりも優先して助けたその人たちがその後どうなったのか――それが分からないほど子供ではない。
憧れとは呪いだ。無謀にも”何かを守れる人間”になりたいと思ってしまった。今以上に何もできなかった幼子が抱いた憧憬は、今でもスウェインの足首に絡みついている。
「…………」
貴方のなりたいものになればいい、と姉は言った。自分を卑下することはない、と戦いを教えてくれた師は言った。なりたいものなどすぐに決められるわけがない、と先輩は言った。
きっとどれも正しい言葉なのだ。そういうのに悩みながら自分の進む道を決めていくのが、きっと正しい人生というものなのだ。
「……ふぅ」
ほとほと自分が嫌になる。
もらったアドバイスで肩の荷が軽くなったかと思ったら、自分で重荷を追加してしまう。そんな事を繰り返していては、いつまでたっても心が晴れることなどないというのに。
首を横に振って払拭する。せめてメンタルケア程度は自分でできなければと、心の中のモヤモヤを取り繕いながら、一人分の夕飯を作るためにキッチンに向かおうとしていた。
『PiPiPi』
すると、ポケットに入れたままだったスマホの着信音が鳴った。
電話をかけてきた者の名前を確認すると、そこにはミナギと表記されていた。今も変わらず学校に通っているはずの、親友の名だ。
よく見るとビデオ電話でかかっていたため、スピーカー機能をオンにしてそれに出る。
『よぉ、親友。思えばこうして顔を見るのは久しぶりだな』
「そう、ですね。二週間と少しでしょうか。そちらは相変わらずですか?」
画面の向こうの親友は制服を着ていて、背景を見るにまだ学校の教室にいるようだった。授業はとっくに終わっているはずなので、何か事情があって残っているのは察することができた。
『まぁ相変わらずっちゃ相変わらずよ。でもクラス委員長のお前がいねぇから副委員長のアリッサが忙しくて目ぇ回してるぜ』
『ちょ、ミナギ‼ それは言わないでって言ったでしょ‼』
『アリッサ、声入ってるよ。やほー、スウェイン君。元気でやってるー?』
『あ、これ入っていい感じなん? よぉスウェイン、お前がお裾分けしてくれるクソウマ卵焼きがないから俺寂しいんだけど』
『お前はまずタカるのやめろよジニー。俺? 俺は等価交換してるし。唐揚げとか差し出してるし』
『お前らまとめて同罪なんだよなぁ』
ゾロゾロワラワラと、狭い画面の中に入れ替わり立ち代わりでクラスメイト達が顔を見せる。
当たり前だが知った顔ばかりである。たかだか二週間と少し程度で何かが変わるわけもなし。相も変わらず賑やかなクラスであった。
「この時間まで皆が残っているのは珍しいですね。何があったんですか?」
『あれ? お前が学校行事を忘れるなんて珍しいな。中等部の時にもこの時期に行ってただろ』
そう親友に言われ、スウェインは記憶を手繰っていく。正直な話、中等部の頃はまだ嫌な思い出があったので記憶を封印していたところも大きかったが、何とか思い出す。
「あぁ……ホロウ観測実習ですか」
年に一度、
原生・共生ホロウの外縁部、及び内部に入ってのエーテル値やゼンレス値の観測を、現役調査員も同行して行っていく。この実習の実施理由は『新エリー都に隣接するホロウを実際に観測することでホロウ災害に対する理解と対処を深めていく』となっているが、それは建前である。
実際のところは、年がら年中人手不足に悩まされているHIAが、自分たちの日々の業務を学生に体験させることで少しでも興味を持ってもらい、あわよくば進路にHIAを入れてもらおうという思惑が見え隠れしているカリキュラムだ。
「それで? 今回ウチはどこに出向くことになったので?」
『ふっふっふっ、驚くなよ? ――”クリティホロウ”だ』
「……運が良いのやら悪いのやら、って感じですね」
新エリー都、及び外縁部に存在する”六大原生ホロウ”の一つ。クリティホロウはヤヌス区の辺境に位置する原生ホロウであり、衛非地区近郊に存在するラマニアンホロウと並んで、比較的解析が進んでいる場所である。
ホロウ観測実習の行き先は、学校ごとにランダムで決まると言われている。大半は多く存在する共生ホロウでの実習となるはずだが、今回スウェインのクラスは数少ない原生ホロウでの実習となったようだ。
「僕は行けそうにないんでいいですけど、気を付けてくださいね。原生ホロウなんか、何が起こるか分からないんですから」
『まぁ俺らが行けるって判断されたんだから大丈夫って事だろ。知らんけど』
『まぁアタシ含めてエーテル適正あんまない奴らは外縁部での実習だかんね。ウチで中に入れんのは十人かそこらじゃね?』
『マックスにエリー、
『正直スウェインがいてくれたらだいぶラクだなとは思っていた。引率的な意味で』
『私じゃ力不足とでも言いたげね、
『アリッサだけだとバカ十人面倒見切れないって意味だろ』
『アリッサは親父さんが治安官だから銃使えるけど、あと戦えるのって誰よ』
『ホロウ内実習って言っても調査基地がある入り口付近でだし、エーテリアスなんて出現しねーべ』
ワイワイと盛り上がる様子を眺めながら、スウェインは少しばかり寂しく感じた。
折角気兼ねなく過ごすことができる場所を得たというのに、そこでの行事の一つを共有できないというのはもどかしさを覚えてしまう。
そんなスウェインの感情を読み取ったのか、ミナギがいつもの笑顔を浮かべたまま言う。
『そんなガッカリすんなって。お前が戻ってきたら土産話してやるからさ』
『スウェイン君帰ってきたらみんなでファミレス行こーよ』
『ルミナスのあそこだろ? クーポンまだ生きてたっけ?』
そうして一人一人、スウェインに対して言葉をかけていってフェードアウトする。最後に親友と一言二言交わしてから、スウェインは通話を切った。
「……会いたいなぁ」
大好きな姉とも違う、家政の先輩たちとも違う。
スウェインというただ一個人として普通に接してくれる同年代のクラスメイト達。そこにいるのに価値は必要なく、何かを背負う必要もない。間違いなく、そこも彼にとっては大切な場所だった。
「土産話、楽しみにしておくか」
青衣に出した後、少しだけ陶器に残った茶を啜りながら、スウェインはそう独りごちた。
試みの一つとして、キャラごとの「操る属性エーテルの強さグラフ」みたいなのを作ってみたいんですよね。
音動機を通して励起した属性エーテルの強靭度とか維持力とか拡散力とかをデータにしてみたいというか。
旧light社のシルヴァリオシリーズの星辰光傾向表を参考にして作るといい感じになりそう。属性エーテルの集束性、拡散性、操縦性、付属性、維持性、干渉性というそれぞれのカテゴリーの中でランク付けする感じ。
……そのまま流用してやってみようかな