願望転生〜無職転生の世界に転生したかったんです!!〜   作:大戦士

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どうも、作者の大戦士です。
なんと、UAが通算1000を超え、お気に入り件数も50件を超えました!
この作品をご覧いただいたこととても嬉しく思います。これからも頑張りますので今後とも宜しくお願いします。
さて、今回から主人公以外の描写が出ます。この際◇◆を使い分別しました。
わかりにくいなどあれば気軽にご報告ください。

長くなりましたが 第4話 才能と生き方そして起点 をお楽しみください。


4話 才能と生き方そして起点

転生したとき、俺は怖かった。

転生した事自体が怖かったわけじゃない。

俺が転生したせいでこの体を、本来のアルデウスの人生を奪ってしまったのではないかと考えると怖かった。

 

ルーデウスの場合は死産だったみたいだが俺には確認のしようがない。

 

そして俺が転生したせいでリグナードとミサリアが本来得るはずだった幸せを手放したんじゃないかと思うと、俺は二人に面と向かってしっかりと顔を合わせられない。

 

だから、この二人を守るのは俺のケジメだ。

アルデウスの代わりに、いや、俺がアルデウスとして二人を守る。

 

例え、二度目の人生を手放してでも。

 

 

――――――それが本当に願ってたことか?

 

ふと、声が聞こえる。

俺はこの声を知っている。けれど、よく思い出せない。

 

誰だ。と、声を出そうとするが声が出ない。そういえば他の感覚もあまり感じない。

 

――――――お前は知っている。そしていつか分かる。

 

声が辺りに響く。

俺は、声を出そうとするが意識が薄れていっている。

抗うことはできず、俺は意識を失った。

 

 

✱   ✱   ✱   ✱   ✱

 

 

 

 

 

目を覚ます。

知らない天井だ、といったベタな展開は使えないようだ。残念だから何度も見たことがある天井だった。

完全に俺の自室だ。

 

段々と意識を失う前の記憶が思い出せてきた。

あぁ、そうだ。俺は水球がデカくなりすぎてそれで―――

 

―――転移させた。

 

前代未聞の転移魔術を成功させたんだ。

 

「ハハハ、思い出したら鳥肌たってきた、、、」

 

そう言葉をこぼしたとき、パリンと何かが割れる音がした。

体を起こし音のする方向を見ると母様が両手で口を抑えて今にも泣きそうな顔をして立っていた。

母様の足元にはお盆で運んでいたのか、二つのコップが落ちて割れている。

 

「おはようございます、母さ―――

 

そう言葉を伝えようとするよりも早く母様は俺のもとに走り寄り泣きながら抱きしめてきた。

 

「か、母様?」

 

「よがったぁぁ!」

 

そう泣き叫ぶ母様を今まで見たことがなく俺は声が出せない。

 

「もう三日も目を覚まさなかったから、私ホントに心配したのよ!」

 

三日?!三日も目を覚まさなかったのか俺?!

それは、、、ものすごく心配をかけたな。申し訳ない。

 

「ご心配をおかけいたしました、母様。俺は大丈夫です」

 

「本当に?」

 

「えぇ本当です。絶好調ですよ!」

 

すると母様は安心した表情を見せた。

 

「なら、よかったわ。本当に」

 

話が纏まった瞬間バタバタと大きな音が鳴りこちらに近づいてくる。

その音はすぐに俺の部屋にまでたどり着き―――

 

「ミサリア?!どうした?!ものすごい大きな声がしたが一体何が―――アルデウス!!」

 

大きな声を出し駆け寄ってきたのは父様だった。

 

「体は大丈夫か?痛いところはないか?本当に心配したんだぞ?!なにせお前三日も―――

 

「話は母様から聞きました。ご心配をおかけして申し訳ございません父様」

 

「そ、そうか。ならば良い」

 

同じようなやり取りになるのを事前に防ぐ。

心配してくれるのは嬉しいが、同じようなやりとりをするのは少し疲れるからな。

 

すると父様はベッドに腰を下ろし真剣な眼差しで俺に問いかけてきた。

 

「アルデウス、正直に答えてくれ。三日前、何があった」

 

まっすぐな父様の目が俺の目とあう。

 

これは、誤魔化すのは無理だな。

それに、俺的にもこの二人に嘘はつきたくないし、、、

 

「実は―――」

 

そうして俺は話し始めた。

だが自分が転生したということは隠した。これに関しては伝える勇気がどうしてもなかった。

それ以外は、包み隠さず伝えた。

自分が魔術を行使しようとしたこと。その魔術が暴走しかけたこと。

そして、この世界にはなかった転移魔術を作り出したこと。

 

二人は俺の話を真剣に聞いてくれた。

そうして俺が話し終えると、そうか、とだけ父様は言い残して黙った。

沈黙がその場を包み込む。

バクバクと心臓が大きくはねる。

嫌な想像が頭を支配する。もしかしたら、捨てられるのではないのか。

そんな事を考えてると母様がこの静寂を断ち切った。

 

「とにかく、今日はゆっくり休みなさい。ね?アル?」

 

「はい、そうします。おやすみなさい、父様、母様」

 

すると、二人は、おやすみ、と言い残し部屋を出ていった。

 

一人になった部屋は、この日は特別さみしく感じた。

 

 

 

◇   ◆   ◇   ◆   ◇

 

 

 

 

 

私はレイブランド王国の王だ。

 

紛争地帯に位置するこの国を、この国に住まう民を他国から守ることが私の役目だ。

 

そのためならば汚名だって謹んで引き受ける覚悟で私は王となった。

 

だが幸いなことに、私のあり方に賛同し私を愛してくれる妻ができた。

このとき私は一人ではないと安心した。

 

そして―――子が生まれた。

 

当初、妻の腹の中で死んだと医者は言っていたが神への祈りが届いたのだろう。

息子は元気な産声とともにこの世に生まれ落ちてくれた。

 

嬉しくないはずがなかった。

このとき私は一国の王として、いやただの男としても恥ずかしいほどに泣いた。

今思い返すと、もの凄く恥ずかしくなってくる。

 

私は生まれたとき息子に願った。

 

才能など何一ついらないと。ただ元気に生きてくれればそれでいいと。

 

たとえ王位を継がないといっても私は許すつもりだった。

息子の人生を私のような後悔あるものにしてほしくはなかったからだ。

 

そして、息子がどんなことをしても愛すと。そう私は私自身に誓った。

 

―――そんな息子は天才だった。

 

天才としかいいようがないほどの才能を天からいただいていた。

 

賢い子だとは思っていた。一歳になる頃には母親に本の読み聞かせを頼んでいたのだ。

私が一つの頃など木の棒を振り回していた記憶しかない。

 

気づけば二歳となった息子は図書館に向かい何冊か本を借りてきた。

一体何を借りたのか夕食のときに尋ねてもはぐらかされた。

いやはや、本当にできた息子だ。

 

だが事件はその後に起こった。

 

私とミサリアがアルデウスの部屋を訪ねたとき、アルデウスの声はどこか焦っているようだった。

その後、大きな音がアルデウスの部屋から聞こえ慌てて入ってみれば部屋は何故か濡れていて、アルデウスは倒れていた。

 

医者を呼んでアルデウスを見てもらえば魔力枯渇と言われた。

信じられるか?二歳の子供が魔力枯渇だと。

 

だが、本人に聞けば事実だという。

あまつさえ、新しい魔術を開発したとも。

子供の戯言だ、そうに違いない。そう、思いたかった。

 

しかし息子の目を見れば、真実だということが理解できた。

 

私はどうすればいい。

 

息子は魔術の天賦の才があった。下手をすればこの世界の常識すらも覆してしまうような力だ。

万が一にも他国が息子の才能を知れば、紛争地帯が、いや世界が息子を求めるだろう。

 

王としては息子の力を軍事利用するべきなのだろう。

 

だが私は、、、一国の王である前に息子の、アルデウスの唯一の父親だ。

 

ならば、、、為すべきことは決まっている―――

 

 

 

◇   ◆   ◇   ◆   ◇

 

 

 

 

 

目覚めてから一日がたった。

俺はずっと自室にこもっていた。どうしても外に出る気分にはならなかった。

 

この間に来たのは母様ただ一人だった。

そりゃそうだろうな、こんな息子気味が悪いにもほどがある。母様だけでも来てくれたのだ、それだけでありがたい

 

――――――ありがたいんだ。でも、どこか寂しいな。

 

コンコン、と扉が叩かれる。そして聞き慣れていたが、久しぶりに聞いたと感じる声が聞こえた。

 

「アルデウス、私だ。リグナード父様だ。入るぞ」

 

そうして父様が入ってきた。

俺は驚いた。彼のも目の下にはくっきりとくまがあり、少しやつれているかのように見えたからだ。

 

「大丈夫ですか?」

 

そうとしか声をかけられなかった。

 

「あぁ、問題ない。少し夜ふかしをしただけだ。それよりもだ」

 

父様は近くにあった椅子に腰掛け、少ししたら口を開けた。

 

「アルデウス、お前は魔術が好きか?」

 

「はい?」

 

間抜けな声が漏れた。思っていた質問とは程遠いもので、少し思考が停止した。

 

「えぇ、好きです。魔術は」

 

答えに困ったから俺は純粋な気持ちを父様に伝えた。

 

すると父様はニッコリと笑顔を浮かべ俺の頭に手をおいた。

 

「そうか!なら、これからも励みなさい!」

 

「よいのですか?」

 

父様の返してくれた言葉に思わず俺は聞き返してしまった。

 

「よいとも。息子の好きなことを好きなだけやらせる。それが親としての成すべきことさ」

 

父様の言葉が、父様の笑顔が俺の心に深く刻まれる。

 

不吉な子だろう。気味の悪い子供だろう。

それでも父様は、母様は、俺を息子として見てくれている。

 

――――――あぁ、嬉しいなぁ。

 

「ん?ア、アルデウス?!どどどどうして泣いている?!」

 

ふと頬に手をあてると涙が流れていた。

 

「あれ?どうしてでしょう?分かりません、、、でも、嬉しいのです。父様」

 

すると父様はガハハと豪快に笑い俺を抱きしめてきた。

 

決めた。俺は、俺のできる限りのことをして二人に恩を返す。

 

それが俺の生き方だ。

 

 

 

△  ▼  △  ▼  △  ▼

 

 

 

 

 

俺の生き方を決めた翌日、父様は俺に訓練場を使わせる許可をくれた。

流石に自室でまたあんな事故を起こせないからな。

 

そうして俺は今城の訓練場にいる。

 

「さて、早速だけど始めますか」

 

今回の訓練の目的は転移魔術の再現だ。

あの時、無我夢中で作り上げた魔術の再現。相当な時間と労力がかかることは目に見えてるからな。

 

まず俺は前回と同じように水球を出そうとする。

今回は前回の失敗を繰り返さないためにきちんと目を開けたまま魔術を行使する。

 

「ウォーターボール!」

 

無詠唱だとものすごい集中が必要になってくるので普段は魔術名を唱えることで魔術を行使するとにした。

 

すると今回は大きすぎず小さすぎずの水球ができた。

やはり、魔力操作が上達しているようだ。前回の失敗が糧になっているみたいで良かった。

 

さて問題はここからだ。

この水球を転移させる。場所はそうだな、、、空中にしよう。

 

俺は水球を維持したまま空中に目を見据える。

頭の中でイメージをする。前回水球を飛ばしたときと全く同じイメージ。

ただ今回は、前回のような激痛は走らない。

そうして俺は魔力を流し、声を出す。

 

「『テレポート』!!」

 

瞬間、水球は姿を消し少し離れた空中に出現し地面に落ちた。

 

つまり―――

 

「成功した!!」

 

無機物の転移魔術は成功した。ならば次は有機物、つまり人間だ。

 

「誰かを使うわけにはいかないからな。しょうがない、自分で試すか」

 

少し、いや相当危険だが今回ばかりは自分で試すしかない。

動物で試せばいいかと一瞬思ったが自分でないと主観的な転移がどういうものかもわからないし敵の裏もつけない。

まぁ、敵と戦う機会があったらの話だが。

 

深呼吸をする。

目はしっかりと開き転移先を見据える。

自分を分解し再構築する。そのイメージを考えたとき、どうしてもしっかりとしたものがイメージできなかった。

だから今回は少しイメージの仕方を変える。自分を分解はせずに転移先に()()()()させるやり方だ。

転移魔術の初歩の中の初歩の段階だ。まぁ、それをすっ飛ばしてやったんだけど、、、

 

とにかくだ。俺はそのやり方で魔術を発動させようとする。

 

瞬間、視界が真っ白に染まった。

 

何が起きたか分からない。ただ、体の感覚が消えた。

慌てて今やったことを再確認する。

高速移動をやるためにイメージして魔力を込め―――

 

そうだ。俺はイメージを一瞬ミスった。

ふと、分解して再構成する方の、あまりしっかりとしたイメージができなかった方が一瞬混じった。

そりゃそうだ。このやり方で魔術を発動させてたんだ。急に他のイメージなんて簡単にできない。

 

落ち着け、考えられてんなら死んではいない。

なら次にやるべきことは―――

 

―――再構築をイメージする!

 

再構築、自分の体が分解されてもう一度原型に戻ること。

思い出す。俺はどんな形だったか。

出来る限り鮮明に、正確に思い出す。

それを、分解したと思われるこの体でパズルのように再現する。

ただそれだけだ。そう、ただそれだけ、、、

 

怖がるな!やらなきゃ死ぬかもしれない。だったら、あがいてから死んでやる!

 

魔術発動!『テレポート』!!

 

 

 

成功したと直感した。

今回はしっかりとしたイメージができたのと体の感覚が徐々に戻ってきたから。

 

よかった、と安堵する。

体の感覚が鮮明になってきたおかげで体をよじりふと、周りを見た。

 

―――今思えば、この行動が余計で、俺の人生を狂わした―――

 

俺は驚愕した。

何故かって?誰でも驚愕するだろこんなこと。

いや、()()()を見れば。

 

何もない白い空間。

そもそもこの時点から気づくべきだった。

俺の視線の先にはいたのだ。

この世界の、『無職転生』のメインキャラクターの一人が。

 

原作開始前から存在して、物語ではルーデウス達の敵だったもの。

姿は鮮明には捉えられず、一言でいえば白いモヤ。だがしっかりと人の形ではあることがわかる。

 

俺はヤツを見て、ヤツの名を()()()で考えてしまった。

 

――――――ヒトガミ。

 

その瞬間、ヒトガミがこちらにバッと振り返り―――

 

―――目があった気がした。

 

だが、次の瞬間には、すでに俺は白い空間ではなく青い空の下にいた。




いかがだったでしょうか?
今回は序盤から謎が謎を呼ぶ展開となりました。正直、まだまだ願望転生のメインポイントにはほど遠いのでいつ書けるかなと思っています。
また、感想・誤字脱字報告、評価の方もいつでもお待ちしております!
今回も読んでくださりありがとうございます。
これからも願望転生をよろしくお願いします!
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