願望転生〜無職転生の世界に転生したかったんです!!〜   作:大戦士

6 / 15
どうも、作者の大戦士です。
お陰様でUAが5000を超え、お気に入り件数も200件に到達しました!!!
本当に皆様ありがとうございます!
これからも願望転生を頑張って投稿しますので皆様どうぞよろしくお願いします。

では、第6話 邂逅 お楽しみください。


6話 邂逅

目が覚めた。

 

目の前にはひどく綺麗な青空が広がっていた。

 

(あぁ、生き残ったのか。俺は。)

 

身体を起こして辺りを見渡す。

見渡す限りの全てのものが炭や灰と化しており、かつての栄華など見る影もない。

 

ズキリ、と身体が痛む。

ふと身体を見ると、あらゆるとこらに火傷があり生きているのが不思議な程の状態だったことに目を見開く。

 

流石にこのままでは動けないと判断して、俺は自身に上級治癒魔術『シャインヒーリング』を施す。

 

すると見る見るうちに火傷が癒えていく。

滑稽なものだ。治したかったものには効果がないくせに、こんな酷い火傷は治せるのだから。

本当に、滑稽だ。

 

俺は二人の眠っている場所に手を伸ばし、声を振り絞るように独白した。

 

「二人を守りきれなかった俺に、、、何をして生きろというのですかね」

 

分かっていた。

二人が、俺の人生に大きく影響を及ぼして、この二度目の人生の生きる目的の一つになっていた事。

 

別に前世での両親との関係が拗れてたって訳じゃない。

ただ俺の下には俺以上に優秀な弟がいた。羨むほどに優秀な自慢の弟が。

弟との関係はぶっちゃけ、一般的な兄弟よりも仲がよかった。『無職転生』を勧めてきたのも弟だったしな。

まぁ、そんな事情があったからか両親は俺よりも弟を気にかけた。弟を同じように可愛がってた身からしちゃ何らそのことに文句はなかった。

 

でも、寂しかった。

弟だけに視線がいってて、俺はまるで蚊帳の外のような、あのいいようのない疎外感。あれが堪らなく、寂しかった。

そんな寂しさを抱えたまま俺は社会人になって、死んだ。

 

そして転生して、二人に出会った。

二人は俺が欲しくて止まなかったものを、『愛情』をくれた。

 

そんな二人を―――失った。

 

俺が弱かったせいか。

 

俺がこの国を離れたせいか。

 

俺が自分の力を隠していたせいか。

 

何度も理由を探す。何度も原因を考える。

何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も。

 

幾度かの思考のあと俺は一つの結論に至った。

その結論は実に単純で、俺の生き方を大きく変えたものだった。

 

――――――あぁ、そっか。全部あいつらのせいなんだ。

 

クーデターを企てたグリム。

 

それに加担した隣国。

 

グリムに従い国を滅ぼした売国奴。

 

全部、あいつらのせいなんだ。

何もかもがあいつらのせい。

父様が母様が、俺の大切なものが全部消えたのは、全部あいつらのせいなんだ。

 

地の果てまでも追いかけて殺す。殺してやるんだ。それがこれからの俺の―――

 

―――復讐に、憎悪に囚われるな―――

 

「ハハハ、なんでですか父様。あなたは俺が道を踏み外すことを、分かっていたのですか、、、」

 

父様はことごとく俺に道を踏み外してほしくはないようだ。

 

でも―――

 

「それならば俺はこれから何を目指して生きればよいのでしょうか?」

 

原作キャラに会う?ハハハ、残りの40年の間どうしろと?

 

頭の中でこれからのことを考える。だが、何も分からない。何も思いつかない。

 

俺は立ち上がり、炭や灰と化してしまった王城から何か使えそうなものを漁り始めた。

 

いったい何故この行動をしたのかは、よくわからない。でも、体を動かせばこのどす黒い何かを忘れられると思ったからかもしれない。

 

「ん?これって、、、」

 

多分、父様の寝室の辺りだろうか。一つの木箱が出てきた。

火事に巻き込まれたはずなのに、状態が良く中身のものには一切傷がないだろうということが分かる。

 

木箱を開けるとそこには、剣と手紙があった。

剣はとてもシンプルなデザインで両刃のものだった。加え、今の俺の体格に合うものでもあった。

手紙を開けばそこにはこう書かれてあった。

 

―――お前の十歳の誕生日にこの特注の剣を与える。魔術関連のものにしようとも思ったが、やはり父としては剣を持っていたほうが嬉しいのでな。これを贈ることにした。これからの人生きっと様々な苦難がお前を待ち受けるだろう。もちろん私もミサリアもお前を助けたいと思う。だが、私達がいつでも助けられるわけではない。そんなときこの剣がお前の未来を切り開いてくれることを願う。これからもお前の幸せを願っている。十歳の誕生日おめでとう、アルデウス。私達も下に生まれてきてくれてありがとう。

              リグナード父様より―――

 

前がよく見えない。

涙が止まらない。

俺はこのとき初めて、この世界で泣き叫んだ。

 

 

――――――――――――

―――――――――

――――――

―――

 

 

涙も枯れた頃、俺は剣と手紙を持ち王国の外、紛争地帯を抜けるために歩を進めていた。

あのあと、図書室から例のアレックスが書いた北神流教本がほとんど無傷の状態で見つかった。

他にもなにかないかと探したが、すべて灰になってしまっていた。

 

北神流教本は最後の章以外は解読を終え、知識としては持っていたからちょうどよかった。

そういえば、原作から40年も前なのだからおそらくアレックスはまだ二代目北神だろう。

 

そんな事を考えながら紛争地帯を歩いていると、何度も野盗とでくわした。

仮に魔大陸が魔物で満ち溢れた危険な地域ならば、紛争地帯は野党で満ち溢れた危険な地域なのだろう。

 

だがしかしだ。ただの野党程度には負けない実力を俺は持っていたからな。向かってきた相手全員を皆殺しにしてそこら辺に捨て置いた。

 

一日ですでに13回も野盗と遭遇したから疲弊したのだろう、あまり体が思うように動かなくなってきた。

たまたま近くに洞穴があったため今日はそこで一夜を過ごすことに決め、俺は入った。

 

洞穴には焚き火の痕跡と少しの食料があった。

この時間まで戻らないということはきっと今日殺した野党の中にここを拠点にした奴らがいたのだろう。正直、心底どうでもいいが。

焚き火を起こし、今日を振り返る。

 

湧き上がってくるのはどす黒い何か。決して変わらない。

 

――――――殺せ。

 

突然、声が聞こえた。

この声は、そう。八年前に一度聞いた覚えがある。

 

――――――欲望に身を委ねろ。殺せ。犯せ。奪え。

 

辺りを見ても誰もいない。

ただ不気味なほど静かなところにパチパチと焚き火の音が聞こえるだけ。

 

俺は目を閉じ、声から逃げるようにして眠りに入った。

 

 

――――――――――――

―――――――――

――――――

―――

 

 

目を開けると、真っ白な空間にいた。

 

俺はこの空間を知っている。俺はこの空間にいるヤツを知っている。

 

振り返ると、ヤツはいた。

 

「はじめましてだね、アルデウス君」

 

「あぁ、はじめましてだな。ヒトガミ」

 

これが俺の初めての原作キャラとの邂逅だった。

 

「驚いた、僕の名前を知ってるんだ?」

 

ヒトガミは大袈裟な動きをして聞いてきた。

 

「あぁ、知ってる。お前のことならな」

 

ここで嘘をついてもヒトガミによって看破される。もうここに来た時点で俺は詰んで―――いや、まだかもしれない。

 

「へぇ、どういったとこまで知ってるの?」

 

「答える必要はないだろう?心が読めるんだから」

 

するとヒトガミは興味深そうに俺を見る。

 

「ふーん。龍神から聞いたの?」

 

「いや、龍神には会ったことがない」

 

「そうみたいだね。へぇ、僕がどんなやつかも分かってるんだ。君、、、面白いね」

 

正直、ヒトガミがどういったところまで心を読めるのかはあまり分からない。なら、最悪の場合を想定して隠し事はなしで行くべきだ。

 

「そうしてもらえると助かるよ」

 

「チッ、心を読んだな」

 

まぁね、とヒトガミは肩を竦める。

 

「なんのために俺をここに呼んだ?そして、、、なんのために俺の国を滅ぼした?!」

 

「君をここに呼んだのは君に僕の使徒になってほしいから。それと勘違いしないでくれよ、僕は君の国が滅びるのになんの関与もしてない」

 

予想外の言葉が帰ってきた。

滅ぼしてない?いや、嘘をついてる可能性だって―――

 

「嘘なんてつかないさ。実際、今僕の使徒が三人とも龍神に殺されてね使徒がいないんだ」

 

「証拠は?お前が関わっていない証拠は?」

 

「ない。信じてくれと言うしかない」

 

怪しすぎる。怪しすぎるが―――

 

「信用するしかない。何故なら、君の欲望を叶えるには僕が必要だから」

 

「欲望だと?ハッ、生憎だが俺にはそんなもの―――

 

「いいや、あるね。君は君の両親に報いるためにその嘘の仮面を被ってる。本当の君の欲望は君自身も分かっている」

 

欲望、その言葉を聞くと頭が痛くなる。

また、さっきの声が聞こえてくる。

 

――――――殺せ、奪え、犯せ。決して許すな、自らの幸せを奪うものを決して。

 

そうか、、、今わかった。

これは、この不気味な声は―――

 

「君の内なる声さ」

 

「君が心から望んでいるもの。その代弁がその声さ」

 

「もう君を縛るものはない。君の思うがままに生きるといい」

 

「でも―――

 

「君の父も言ってたじゃないか。()()()()()()、ってね」

 

そっか。そうだった。

俺がこの世界に思い馳せたのはルーデウスが羨ましかったからだ。

波乱万丈、順風満帆。そんな人生を送り、幸せな最後を送ったからだ。

 

俺もそんな人生を―――いや、それ以上の人生を送る。

ハーレムを、自分の好みの女で作ったハーレムを。

力を、俺の幸せを邪魔するものすべてを滅ぼせる力を。

命を、俺の手に入れる理想を永遠に享受するための命を。

 

手に入れる。例え、原作を変えても。いや、ルーデウス(主人公)を殺してでも。

 

「いいね、そうだ。君のやりたいようにやるといい。僕はそれを支持しよう!」

 

ヒトガミが両手を広げ高らかに笑う。

実に物語のラスボスらしい。

 

「何故俺を支持するんだ?」

 

「それはね、君のもたらす未来が僕にとって最高の未来になるからだよ」

 

「最高の未来?」

 

「そう、最高の未来。詳しくは言えない、変わったら嫌だしね」

 

「あぁ、でも断言しよう。その未来は君の望む理想だよ」

 

理想、か。ならば俺は決めた。いや、最初から決まっている。

 

「いいだろう、ヒトガミ。俺はお前の使徒になろう」

 

その言葉を聞くとヒトガミがニタっと笑った。

 

「うん、じゃあ()()使()()の契約をしようか!」

 

「あぁ、、、ん?真の使徒?何だそれ?」

 

「あれ?知らない?」

 

真の使徒、原作にはなかった言葉だ。

 

「知らないなら説明してあげよう」

 

するとヒトガミは意気揚々と話し始めた。

 

「真の使徒ってのはね、僕の人生、いや神生で三人しか選べない使徒のことさ。真の使徒と僕は互いに裏切ることができず、互いに契約を施せる。この契約内容は自由であとから追加で契約もできる。ただ、お互いの許可がないと一度契約したものを解除はできない」

 

「契約の上限は?」

 

「ないよ。そして、真の使徒の特権として『ヒトガミの加護』を手に入れられ使徒側から僕に直接こうした面会ができる」

 

「ヒトガミの加護?」

 

「僕の力の劣化版を渡せるってことさ。知っての通り僕には大きく三つの力がある。『信用させる呪い』『夢で現れた人の心を読める力』『強力な遠視と未来視』。このうちの君に最もあったものを一つ、加護として渡せる」

 

一見素晴らしい提案に見えるが、、、

 

「デメリットは?」

 

「ないよ。強いて言えば、僕が真の使徒の枠を失うことぐらい」

 

嘘をついているようには、、、と思ったが俺がヤツの嘘を暴けるわけないか。

 

「分かった。真の使徒になろう」

 

「そうこなくっちゃ!さぁ、早速契約を施そう!」

 

そうして俺はヒトガミと真の使徒の契約を施した。

契約内容は次のようになった。

 

一.決して互いに嘘をつかず裏切らないこと。また、過去に嘘をついていた場合はそれを開示すること。

 

二.互いの要望には全て従うこと。ただし、契約に違反しないもののみ。

 

三.アルデウス・レイブランドの所有物及び指定した者(双方納得している)には一切の害を与えないこと。

 

四.互いの害になる情報を互いに隠してはいけない。また、その害を取り除くために互いに協力を惜しまないこと。

 

五.アルデウス・レイブランドはその人生で龍神オルステッドを殺さなくてはならない。これに違反した場合、上記の契約をすべて破棄する。

 

「おいおい、五つ目の契約厳しすぎないか?」

 

「ん?じゃあ辞めるのかい?」

 

「いや、やめないけどよ、、、協力しろよ?」

 

「もちろん!僕の最善を尽くすと誓うよ」

 

そうして契約は受理された。

 

「これから末永くよろしくね、アルデウス君」

 

「あぁ、よろしくな。ヒトガミ」

 

「さて、これで最後だ。君、()()って何だい?」

 

少し低い声でヒトガミが聞いてきた。

俺は、隠すことなく話した。

 

「俺はこの世界が物語として描かれている世界から転生してきた」

 

ヒトガミが初めて驚いたような顔をした。

 

「ハハハ、契約があるから嘘は言えないけど、、、そうか。僕は最高の使徒を手に入れたみたいだ」

 

「そう思っていただけて嬉しいよ。どうする?全部話してやろうか?」

 

「いや、今回はいいや。少し考えたい」

 

そういうとヒトガミは両手を叩いた。

 

「僕から君に聞きたいことは以上だ。君からはなにかあるかい?」

 

「なら、俺の手に入るヒトガミの加護は何だ?」

 

すると、ヒトガミが俺をまじまじと見つめてきた。

そしてフッ、と笑いをこぼした。

いや、フッって。ひどくない?

 

「君の手に入れた加護は『信用される呪い』の劣化版だね」

 

「『信用される呪い』か。お前の三つのなかだとハズレじゃね?」

 

確かこいつの『信用される呪い』って本当に微々たる効果だった気がするのにその劣化版て。バリハズレじゃん。

 

すると、ヒトガミが吹き出しゲラゲラと笑い始めた。

 

「おい!!俺に最も合ったものってこれかよ?!なんの役にも立たないじゃないか?!」

 

「いやぁ笑った笑った。まさか初めての真の使徒がそれを引くとは。まぁでも、君のハーレム作りには役立つんじゃない?お守り程度かもだけどハハハッ!!」

 

「ふざけんなよ!!おいおい、折角なら『強力な遠視と未来視』が良かったよ」

 

「まぁでも君、強力な神子だし。いいじゃん、それで」

 

「え?」

 

あれ、今こいつ神子って言った?誰が?俺が?

 

「まぁ、こんな力なら気づかなくてもしょうがないか」

 

「え?どういう力?」

 

ヒトガミはフッフッフッと笑みを浮かべ口を開く。

 

「『呪いを無効化する力』さ!さしづめ、無効の神子っていったところだね」

 

「『呪いを無効化する力』?!マジで?つまり、神子相手に完封できる、、、いや待てよ。お前の加護って『信用される()()』だよな?」

 

「そうだね」

 

「え?お前の加護、使えなくね?」

 

オーマイゴッドーーーーーーーー!!!!!!!

ハハハハハハハハハハハハハ!!!終わりだ!!!折角手に入れた力使えないや!!!

 

「いや、そんなことないよ。君の力オンオフ切り替えられるみたいだから」

 

しゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!逆転来たぁぁぁぁぁぁ!!

 

「切り替え方どうやんの?!」

 

「落ち着きなよ。切り替え方は知らない。ただ、君なら分かるだろう。頑張ってね」

 

「おいおい、早速かよ」

 

「しょうがないじゃないか。知らないんだから」

 

するとゴホンッ、とヒトガミが咳払いをした。

 

「では、アルデウス。君に助言を授けよう。アスラ王国を目指しなさい。その道中にいるものがあなたの北神流の指導者となるでしょう」

 

そうして、俺の意識は薄れていく。目が覚めるのだろう。

 

最後にヒトガミを見ると笑みを浮かびながら喋っていた。

 

「―――期待してるよ」

 

そうして俺は意識を手放した。




いかがだったでしょうか?
なんと、アルデウス君ヒトガミの真の使徒となってしまって自分の欲望、願望を果たすための者となりました。ここからが願望転生の真の始まりです。
アルデウス君は契約通り龍神を殺せるのか?ヒトガミの目指す最高の未来とは?
これからも願望転生をよろしくお願いいたします。
感想、誤字・脱字報告、評価の方いつでもお待ちしております!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。