願望転生〜無職転生の世界に転生したかったんです!!〜 作:大戦士
最早、現実なのか分からないほど驚いているのですがUAが7000を超え、お気に入り件数が220件に到達しました!!!
読者の皆様本当にありがとうございます!!!!感謝でいっぱいです!!!
長くなりましたが、 第7話 長き旅の始まり をお楽しみください!
ヒトガミからの助言を聞いた俺は、アスラ王国へと向かっていた。
アスラ王国へと向かうルートは俺の中に二つある。
一つ目は、密林地帯方面へと向かい赤竜の下顎を通るルート。
二つ目は、このまま直進し赤竜山脈を横断するルート。
一つ目のほうが危険は少ないが、少し遠回りになる。
ただ二つ目は本当に自殺志願者が行くような危険がいっぱいの道だ。それに確か七大列強の下位すらできないと言っていた気がするし、仮に横断できたとしても確実に前者よりも時間がかかる。
まさに、急がば回れの諺そのものだ。
しかし俺の目標は
龍神を殺すための力を得るならば険しい方を選ぶべきだ。一体何年かかるか分からないが、、、
ただ気がかりなことがあった。
ヒトガミは言っていたことだ。道中に俺の北神流の指導者がいると。
そうなると、その人は一体誰なのか。
実を言えばなんとなく見当はついている。
俺の手元には北神直筆の北神流教本がある。この本以上のことを教えられる人物といえばこの世にたった一人しかいないだろう。
そう、その者の名は―――
「私は、二代目北神アレックス・カールマン・ライバック!!!強きものよ、手合わせ願いたい!!!」
――――――あれれ~?あなたそんなに好戦的な人だったっけ?
俺は今、二代目北神と相対していた。
彼こそ俺が予想していた俺の指導者。
だけど周りはただの荒野。正直、こんなところで会うとは思ってもいなかった。
ていうかよく見れば、手に王竜剣が握られているのだけど?!
あぁそっか。そういえばここ原作よりも40年も前だったわ。
つまりこの時点ではまだアレクに王竜剣を渡してないのか。
「して、返答は如何に?」
やべ、無視してた。
「失礼。私はアルデウス・レイブランドと申します。手合わせといいますが、私は北神様と戦えるほど強くはありませんが、、、」
ザ・営業モード。
前世で磨きに磨き上げた技術よ。この技術でどんなクライアントも落としてきたんだ。
正直、胡散臭さはヒトガミに匹敵すると言っても過言じゃないね!!
「強くない?ハハハ御冗談を。そこまでの闘気と魔力を持つ者が強くないと?」
『闘気と魔力』?!
はい、営業モード使えない〜!!
言葉巧みに丸め込もうとしたら、まさかのそっちかい。
無理やん、欺けないやん。俺の二度目の人生、まさかのおしまい?
額に冷や汗が流れる。
「無駄に多いだけですよ。闘気だっていまいちよく分かりませんし」
慎重に言葉を選び声に出す。
今の俺では北神を倒すのなど不可能だと分かるからだ。
すると、アレックスのこめかみがピクッと動いた。
「闘気が分からない?フフフッ、尚更戦ってみたくなりました」
なんでぇ?
そんな事を考えた瞬間アレックスの姿が消えた。
ガキンッ!!!!!!!
本能で引き抜いた剣が、いつの間にか俺の後ろにいたアレックスの王竜剣とぶつかる。
剣がぶつかると俺は大きく後ろへと下がり、構え直す。
「急に斬りかかるなんて頭沸いてんのかよ?!」
思わず心の声がこぼれる。ここまでくると、しまったとは思わない。
「そちらが素ですか?私はそちらのほうが好みですよ」
「ハッ!男に褒められたところで嬉しくないわ!」
軽口を叩きながらも警戒は緩めない。
相手は王竜剣を持った北神。バーナさんとは比べ物にすらならない。
そしてこの状況で生き残る方法は限られてくる。
出し惜しみはなしだ。
「そこまでお望みなら良いぞ。戦ってやる」
「おぉ!!それでこそ、やりがいが―――
言葉を遮るように俺は斬りかかる。
アレックスも瞬時に切り替え俺の剣を受け止めようとしている。
それを見計らったように俺は『
「なっ?!消え―――
俺は北神の背後へと転移し居合の構えをとった。
そして間髪入れずに抜き放った。
「『無音の太刀』!!!」
そうして俺の剣はヤツの背中を、確かに斬った。
しかし次の瞬間地に伏していたのは俺の方だった。
――――――は?
激痛が背中を容赦なく襲う。
斬られた痛みじゃない。これは打撲の痛みに近いなにか。まるで全身が押しつぶされているような感覚。
対して、斬ったはずのアレックスは何事もなかったかのように俺を見下ろしている。
何が起きたかを考える。
だが結論は思っていたよりもすぐに出た。
そして俺が理解したのと同時にアレックスは話し始めた。
「いやぁ、背中を斬られた時は本当に焦ったよ。王竜剣の重力魔術がなければ痛手だったかもね」
『痛手だった』。
負けるかもとは言わないのは、負けるはずがないと思っているからだろう。
なんという傲慢。そして、実力。
七大列強第七位。一番下。それでこの実力。
俺は甘かった。今の実力ならもしかしたら剣神ぐらいなら倒せると心の隅で思っていた。
本で読むのと、実際に戦うこと。あまりにも違いすぎた。
「これで終わりかい?」
アレックスの声が聞こえる。
少し残念そうな声が。
――――――残念?
龍神を殺そうってやつが、
今の実力が足りないから仕方ない?そんな考えじゃ永遠に
やってやろうじゃないか。満足させてやろうじゃないか。
そして―――殺してやろうじゃないか。
俺はもう一度『
ただし今回は真後ろではなく、距離を取った。
すると案の定俺にのしかかっていた重みが
「やっぱりか。王竜剣の重力魔術は一定範囲内に作用するものだな。もしかしたら範囲を動かせるのかもしれないが、、、俺とは相性が悪かったな」
相性が悪い、とは言っても相手は七大列強。対応されるのも時間の問題だろう。
やつを倒すには俺がこの場で実力を伸ばさないといけない。ハハハ、まるで物語の主人公だな。
でも、やるしかないか。
俺はアレックスに向かって駆け出す。
全神経を集中させ、重力魔術を警戒する。
一瞬でも重いと感じた瞬間俺は転移をする。
それを繰り返す。
「…グッ!ちょこまかと、、、」
アレックスが言葉をこぼしている。
実際、初撃以外当たっていないのだ。苛立つのも分かる。
だが、俺の攻撃が届かないのも事実。
このまま続けばアレックスの気力が消えるのが先か、俺の魔力が尽きるのが先かの戦いだ。
でも俺の目的は違う。そんなつまらない戦い、俺達は望まない。
だから―――
「ん?もう終わりかい?」
俺は転移を止めて、姿を曝け出す。
「魔力が限界かい?しょうがないね、そのすごい魔術は十分楽しめ―――
瞬間、アレックスの顔がこわばった。
そのとき俺は―――居合の構えを取っていた。
『闘気をすべてのせる』
原作で『光の太刀』の説明にあった言葉。
俺はこの言葉通りに今、剣に己の闘気らしきものを込める。
先程アレックスに言った言葉は嘘じゃない。俺は闘気がいまいちよくわからない。
いや、より正確に言うなら
だから何度試しても『無音の太刀』止まり。
それを今日ここで越える。
その壁をぶち壊す。
深く深呼吸をする。そして剣を抜き放つ。
「―――剣神流奥義『光の太刀』!!!!!!!」
閃光。
その後に轟音が響く。
周りの木々が倒れていく。
俺の剣は、抜き放った瞬間が―――見えなかった。
木々が倒れたことにより生じた土煙が次第に晴れてくる。
俺は唾を飲み込む。
じっと、目を開けて前を見ている。
土煙が晴れ、そこには―――
「おいおい、そこは倒れてくれよ」
俺の渾身の『光の太刀』を受けてなお立っている男の姿があった。
「ゴフッ、、、いや、危なかったよ。もし私が純粋な人間なら負けていた」
吐血したかと思えば傷が癒えていっている。
「負けていた、か。今の一撃も必殺にはならないかよ」
「いや、言葉を訂正しよう。今の一撃が直撃したならば瀕死にはなっていた」
不死魔族の持つ驚異的な再生力。実に恨めしい。
「私の目に狂いはなかった。君は強い、下手をすればそこらの帝級よりもね」
「北神からそう言ってもらえて光栄だよ」
俺は苦虫を噛み潰したような顔で言う。
するとアレックスは剣を振り上げた。
「故に、君に敬意を払い私の全力を持って、君を倒す」
そう言うとアレックスは詠唱を始めた。
「右手に剣を」
「左手に剣を」
『光の太刀』の反動だろう。体を動かせない。魔術も使えない。
「両の腕で齎さん、有りと有る命を失わせ、一意の死を齎さん」
悟る。これが、死。
「―――不治瑕北神流奥義『重力破断』!!!!!!!」
ヤツの剣が俺に向かい振り下ろされる。
俺の意識はそこで途切れた。
――――――――――――
―――――――――
――――――
―――
「やあ。随分と手酷くやられたみたいだね」
気づけば俺は真っ白な空間にいた。
そして俺の目の前には俺の共犯者―――ヒトガミがいた。
「あぁ。おかげさまで死んだよ」
手を握りしめる。悔しさが溢れ出てくる。
「そのことなんだけど、君生きてるよ」
「は?マジで?」
「マジマジ。てか僕言ったじゃん。君の北神流の指導者になるって。どの世界に有望な弟子を殺す指導者がいるんだい?」
あぁやっぱりアレックスが俺の指導者だったのか。
襲われたとき違うんじゃないかと思ったよ。
「まぁ話は分かった。それで?俺を呼んだ理由は?」
するとヒトガミが笑みを浮かべる。
「話が早くて助かるよ。単刀直入に言うよ。君の
原作知識。
『無職転生』という物語、つまりこの世界の未来の出来事。
それをヒトガミに教えることは完全にヒトガミの勝利が確定すると言っても過言じゃない。
ルーデウス達にとっちゃ最悪の一手だろう。
だが俺には最早関係ない。すでにヒトガミという大穴に人生を全ベットした身だ。
こいつの勝利が俺の勝利にほかならない。
「もちろん話そう。まず、この世界の主人公とい$#?*%?!」
突然声が、声にノイズが重なった。
「何だい?今のは?」
ヒトガミが警戒したような目でこちらを見てくる。
「俺にも知らない。こんなことは今までなかった」
そう、今までなかったのだ。
別に原作知識を忘れたわけじゃないし、声に出して考えることもできた。
「そうか、、、じゃあ他者には教えられない、ってところじゃないかい?」
「まさかそんなわけ―――」
ありえる。たしかに俺は今まで原作知識を他人に教えていない。その可能性が高いだろう。
「はぁぁぁ。残念。折角僕が無双できるとおもったんだけどなぁ」
大きなため息とともにヒトガミが愚痴る。
「しょうがないだろう?俺だって教えられるものなら教えたいさ。心を読む方法でも無理なのか?」
ヒトガミがこちらを覗き込む仕草をし、少ししたら両手を上げた。
「無理だね。モヤがかかってるみたいに見えない」
想定外だった。ヒトガミが勝つには原作知識による介入が絶対条件。
それができないとなると、俺がヒトガミみたく遠回しにヒトガミに助言でもするか?
俺は頭を抱える。
「たくっ。せめてオルステッドが何度もループしてるって情報ぐらいは伝えたいんだけどなぁ、、、」
「え?今、なんだって?」
「だから、オルステッドが初代龍神の秘術で何度もこの世界をループしてるって―――
「「伝えられた?!!!!」」
俺とヒトガミの声がハモった。
「え?なんで?俺さっきは無理だったのに」
「もう一回僕にさっきの原作知識を教えてみてよ」
「お、おう。この世界の主人公につ$#?*%」
またもやノイズが重なった。
「それは無理みたいだね」
「みたいだな、、、」
俺は頭を悩ませる。
何故、ルーデウスについての情報は教えられないのに、オルステッドがループしてることは伝えられた?
どちらも原作知識だ。まさか、主人公に関連する話がダメなのか?いや、一応ループの話も主人公関連といえる。
「違い、違い、この二つの情報の違い、、、、、、、」
「確か、オルステッドのループ起点が甲龍歴330年、対してルー#$%%&&#$%」
「あぁもう!!声に出して考えることすら―――
「ん?どうしたんだい?何か思い当たる節でも?」
分かった。伝えられる情報と伝えられない情報の違いが。
「すでに起きた出来事か否かだ」
「ほう、つまり?」
ヒトガミが面白そうにこちらを見てくる。
「俺が伝えられたオルステッドの情報はすでに起きた出来事だった。対してノイズが重なった情報は未来の話だ」
例えばだが、オルステッドがナナホシを旅のお供に加えるって情報も弾かれるだろう。
逆に、ルーデウスが生まれたあとにルーデウスがこの世界の主人公で転生者だという情報は話せるようになる。
「面白い見解だね。だけど多分それが正解だと僕も思うよ」
ヒトガミが顎に右手を置き考え始めた。
「となると君の原作知識を利用した作戦は大抵君主体じゃないとできないってことか、、、」
そうか、そうか、とヒトガミが自分の中で噛み砕いて理解しようとしている。
「うん、今回のところはもういいや。少し自分でも考えたい」
「分かった。またいつでも呼んでくれ」
「そうさせてもらうよ。というか、君を使徒にしてから驚きばかりで思い通りに行かないね」
「後悔してるか?」
「いいや、最高に満足してる」
ヒトガミはそう言いきった。
その白い顔に浮かべている笑みは実に怪しいものだった。
だが、疑う気持ちはない。今のやつの言葉はきっと本心だろう。
「では最後にアルデウス。君に助言を与えよう」
ヒトガミはコホンと、咳払いをし口を開けた。
「アレックスから北神流を学び、赤竜山脈を横断するのです。それが打倒龍神への一歩となるでしょう」
俺は今回は少し趣向を凝らし、片膝をつきヒトガミを見上げた。
するとヒトガミは一瞬驚いた顔をしたがすぐにさっきの怪しい笑みを浮かべた。
「真の使徒、アルデウス・レイブランドが貴方様の助言たしかに聞き届けました。打倒龍神のためこの命を捧げましょう」
その言葉を俺が言い終えると、体が浮遊感に包まれる。
そして、俺の意識は遠ざかっていったのだった、、、、、、
いかがだったでしょうか?
あまり大きく進展はなかった回でしたが楽しんでいただけたら幸いです。
その代わり、次回では結構進むかなという構成にはなっていますのでお待ち下さい。
いつでも感想、誤字・脱字報告、評価をお待ちしております!
これからも願望転生をよろしくお願いします!