鋼鉄の牙、乙女の幻想   作:竹河参号

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04.絆

 文官の案内に従い、王宮の一室に通される。そこにいたリオンは、三人の姿に瞠目した。

 

 

『Mr.バルトファルト!』

「ハーヴェイさん!? それに、アデルさんとケイトさんまで」

「公国の状況についてはこちらも調べてあるわ。“天と海の守護神”とやらを伴って攻めてきているらしいわね?」

『それについて、“シナリオ”とどう異なるのかを教えて欲しい。そして、きみの知る手立てがどこまで有効なのかを』

 

 

 二人の手短な説明と質問に、リオンはしばし考え込んだ。

 

 

「……前に話した通り、本来の“ゲーム”で出てくるのは“大地の守護神”だけです。“天と海の守護神”なんて、影も形も出てこなかった」

「それについては裏取りができてるわ。“魔笛”は()()()()()()

「そういうことか……!」

 

 

 アデルの補足に、リオンはぎりぎりと歯噛みした。“魔笛”は一つだけ、という無意識の油断が仇となった。いつかハーヴェイと語った、『本来あるべき事態が漏れている可能性』――それがここに来て、的中してしまった形だ。

 

 

『それで? きみの知る秘策とやらは、彼らに通用すると思うかい?』

「同じ“魔笛”で召喚された存在なら――リビアの力さえ届けば、撃退することができると思います」

「その手段は?」

「まず、聖女とそのパートナーで“王家の船”の封印を解く。あとはリビアを乗せて、ついでに聖女(マリエ)を補佐に乗せる」

 

 

 “ゲーム”では、“王家の船”を探しに来た主人公(オリヴィア)とその恋人に反応し、封印が解けることになっている。とはいえ現状はマリエが聖女になっているので、そのパートナー――あの五莫迦の誰かが該当すればいい。封印さえ解けば、あとはオリヴィアが搭乗することで真価を発揮するはずだ。

 ところが、ハーヴェイとアデルは揃って目を合わせた。

 

 

「……リビアちゃんが主人公の恋愛物語なんでしょう? 彼女単独で発揮できるの?」

「それは……たぶん、何とかします」

『そういうところで変な楽観視をするのは止めてくれないか! 一度も的中したことがないだろう!?』

「Mr.、冗談でも笑えないっす~」

 

 

 三者三様の容赦ない物言いに、リオンはうぐ、と言葉を詰まらせた。「“ゲーム”ではそうだったんだからいいじゃないか!」と叫ぶ資格があるのか、どうか。

 

 

「――貴方も乗ったら?」

「えっ」

「リビアちゃんが貴方を慕っているのは知ってるでしょう? 貴方のためなら、彼女も頑張れるのではなくて?」

「い……いやいや、そんなはず――! せいぜい俺の片想いくらいで――!」

「……どう思う、これ」

『朴念仁もここまでくると腹立たしいな』

「何かハーヴェイさんに言われると腹立つな!」

 

 

 アデルとともに冷たい視線を向けるハーヴェイに、リオンは顔を真っ赤にしたまま言い返した。「同族嫌悪ってやつかしら」というアデルの言葉は、二人には届いていなかった。

 

 

『話を戻そう。どのような手段であれ“王家の船”を用い、きみ主導で作戦を進めるのなら、きみが全権を握る総司令官になるしかない。

 ――可能だと思うか? 実績も信用もないきみに、宮廷貴族が大人しく従うと思うか?』

「従わせます。手始めに、王妃様の協力を取り付けました」

「えーっ」

「……まったく、変なところで大胆な御仁だこと」

 

 

 先ほどから一転、決然としたリオンの返答に、三人は目を丸くした。いくら聡明で柔軟なミレーヌ王妃といえど、よくもリオンの無茶振りを承諾したものだ。あるいはそれほどまでに、“王家の船”を動かすことに重大な意味があるということか。

 

 

『少なくとも、父上は“見極める”と言ってくれた。あとは、きみがどこまで煽動できるかに掛かっている。

 僕たちでは手出しできない。きみの双肩に懸かっている』

「分かってます」

『わかった。健闘を祈る』

 

 

 リオンの断言に、ハーヴェイはそれ以上何も言わなかった。この少年が覚悟を決めたというのなら、それを信じて任せるしかない。

 それはともあれ、時間的余裕がない。打てる手は可能な限り打っておきたい。

 

 

『それで、他にできる準備はあるか?』

「今は宮廷貴族を招集している最中だと思うんで、その間に味方を呼び集めます」

『僕も同行しよう。“戦争屋侯爵”の説得なら、少しは効果があるかも知れない』

「私は民衆の避難に協力するわ。この状況なら、さすがに父上も動くでしょう」

 

 

 それぞれの動きは決まった。あとは迅速に行動するまでだ。

 

 

「ルクシオン、お前はリビアとアンジェの方に向かえ。二人は何としても助けろ! あと、知り合いがいたら声をかけておけ」

【構いませんが、マスターの方はお三方で大丈夫ですか?】

「心配するな。みんなきっと協力してくれるから」

 

 

 にっと確信したリオンの笑みに、『これも外れるんだろうな』と言うべきか、どうか。

 

 

 

 

 

 

 ◇ ◇ ◇

 

 

 

 

 

 

 

 

「いや、無理だろ」

「うん、無理」

 

 

 学園の会議室に集まっていた、上級クラスの男子生徒たち――すなわち辺境の男爵家の後嗣たちは、口を揃えて否定した。

 聞くところによると、先の戦闘の噂が広がり、王都は恐慌状態に陥っているらしい。急に掌を返した女子生徒たちから逃げるように、揃って隠れていたとのこと。実家から迎えが来る彼らは、それまで時間を潰していたようだ。

 

 

「何で!」

『いや順当だと思うよ』

 

 

 愕然とするリオンの叫びを、しかし誰一人――ハーヴェイとケイトを含めて――肯定しなかった。何しろ王国正規軍と神殿の連合軍が惨敗した相手である。彼ら素人が出張っても、戦いになるものではない。

 

 

「王国軍もほぼ全滅。二百隻近い飛行船が手も足も出ないモンスターと戦えるかよ」

「リオンも諦めたら? 冤罪で捕まったよね? そこまで頑張る必要なんかないって。王国が負けたら、公国に従えばいいだけだし」

「だよな。あ、知ってる? 公国って、男の方が立場は強いらしいぞ。結婚はむしろ、女が焦っているんだと」

「本当か! 俺、公国に忠誠を誓うわ!」

「俺も俺も!」

 

 

 王国を見捨て、公国への希望を見出した彼らは、その顔に喜色を浮かべていた。貴族女性たちもびっくりな掌返しだ。

 

 

『――きみたち、何を言っているんだい?』

 

 

 その()()を見て、ハーヴェイは思わず口を挟んだ。

 

 

「え」

『それでも教養ある貴族かね。無知蒙昧は寿命を縮めるぞ』

「な、何が言いたいんだよ」

 

 

 心底呆れたような機械音声に、生徒たちはぎょっとした。どういう意味だ――というか、何でこの人ここにいるんだ。

 もはや堪忍袋の緒が切れた、と言わんばかりのリオンは、懐から一枚の書類を取り出した。

 

 

「お前ら、これを見ろ」

 

 

 覗き込む一同は、その『契約書』に見覚えがあった。最初の公国戦後に彼らがリオンと交わした、飛行船の提供と下取りの契約書の写しである。

 

 

「これ、飛行船の売買契約じゃないか。これがどうかしたの?」

「お前らは既に飛行船を受け取った。クルーの教育を行っている頃か?」

「そうだな。扱いやすくて凄く性能がいいって喜んでいたな」

 

 

 いやー助かったよー、と呑気な声を上げる生徒たちの中で、にっと悪辣な笑みを深めるリオンに厭な予感を覚えたのか、一人の生徒が契約書を再び覗き込む。その内容に、見る見るうちに顔を青ざめさせた。

 そうだ。彼らが受領したのはただの飛行船ではなく、公国の最新鋭艦だ。つまり――

 

 

「お前らの持つ飛行船は、親父の領地にある工場でしか整備が出来ない。試しに他の工場に持っていくか? 完璧な整備は無理だぞ。新技術が一杯で、整備を怠ればいずれ動かなくなる」

 

 

 一同は青ざめた。契約のために旧い飛行船を売り払ってしまった彼らは、今の飛行船が動かなくなれば何も出来なくなる。飛行船が主要な輸送手段であるこの世界において、それが稼働しなくなることは致命的と言っていい。

 実際は公国軍から鹵獲した軍艦であるため、公国に行けば整備可能な工場も見つかるだろう。が、王国の貴族である彼らがその工場と契約を結べるわけがないし、そうは問屋(リオン)が卸さない。

 

 

「俺は公国と戦うぞ。そうなるとどうだ? 公国は俺の領地や親父の領地を蹂躙するかも知れないな。工場だって潰されるかな?

 それに、俺は公国と一度戦って恨まれているはずだ。お前ら、そんな俺と繋がりがあると思われているぞ。いや、むしろお前らとの関係をアピールしてやるよ!」

 

 

 勝ち誇ったかのように演説するリオンの姿は、とても味方に対して見せるものではない。生徒たちは次々に罵声を浴びせた。

 

 

「き、汚いぞ!」

「おい、ここでリオンを押さえて、ヘルトルーデさんに突き出せ!」

「あの人は王宮に連れて行かれたよ!」

 

 

 ぎゃいのぎゃいのと騒ぐ一同。収まらぬ喚声を前に、ハーヴェイはおもむろに拳銃を取り出すと、天井に向けて発砲した。ばあん、という破裂音に怯んだ一同が、一斉に静まり返る。

 

 

「ぼ、坊ちゃん!」

『黙れ、そして聞け、戦争童貞(アマチュア)共。――せっかくの機会だ、柄にもなく訓示を与えるとしよう。

 きみたちは、王国史の授業をきちんと聞いているかい?』

 

 

 冷徹なハーヴェイの機械音声に、一同は顔を見合わせた。当たり前のことなのに、この人は何を言っているのか。

 

 

「ば、莫迦にするなよ。当たり前だろ」

『では、王国と公国が、幾度戦争を重ねてきたか知っているかい?』

 

 

 ハーヴェイの言葉に、生徒たちはざわざわと困惑し始めた。それも知っている。知っているが――

 

 

『互いに重ねてきた流血を、互いに与えてきた損害を――互いに積み上げてきた、憎悪の総算を。

 ただ紙に塗られたインクではなく、意味のない音声の集合ではなく、()()として理解しているかい?』

 

 

 生徒たちは何も言い返さなかった。実家での初等教育で、王立学園の試験対策として、ただ義務的に単語を覚えてきただけの一同は、真の意味でその現実を理解していない。

 

 

「公国は、王国憎しの一念で動いている。そんな連中が、裏切者の恭順を容認するとでも? 領地を奪われ、奴隷同然に飼い殺されるのが関の山だよ。あるいは、それすら許さず――」

 

 

 リオンはくい、と首を切るジェスチャーをした。生徒たち全員が、青ざめた顔をさらに青くさせた。何人かはそろそろ貧血で倒れるのではなかろうか。

 

 

「そ、そこは、交渉すれば」

『命くらいは何とかなる、と? とんだ甘ったれだな。来世ではぜひ甘味屋でも開きたまえ』

 

 

 生徒の一人が言った言葉に、ハーヴェイの機械音声が侮蔑に変わった。直截な言葉で放たれた罵倒が、生徒たちの反論を奪った。

 交渉? 何をどうやって? この生徒たちは()()()()()()()()()。最前線で殺し合い、家族と戦友を失い、その憎悪を膨れ上がらせてきた公国の憤怒を、彼らは何一つ理解していない。

 

 

『僕は生憎、将として果たすべき務めには疎いが――僕が公国の将帥なら、()()()()()()()()順に殺す。

 薄笑いで媚び諂ってきた者は真っ先に殺し、その領地と資産を家臣に賜す。それは厭だと縋りついた者は、残党狩りとして最前線に差し向け、徹底的に使い潰す。それも厭だと賄賂を寄越した者は、搾れるだけ搾り取ってから殺す。

 例外はない。恩赦はない。あの手この手できみたちの総てを奪い尽くし、その後悔と絶望をせせら笑いながら、()()()する。裏切者には、妥当な末路だ』

「そ、そんな!」

『“それは認められぬ”と抗戦を選び、しかし決して捨て鉢にならず、()()()()()()()()()()()()()という重い選択をした者にのみ、勧告という選択肢が与えられる。それすら拒み、最後の最後まで戦い抜いた者のみ、その尊厳を称えられる。

 それらは決して、きみたち裏切者には与えられない。()()()()()()()()()()()()()()など、信用に値しないからな』

 

 

 生徒たちは愕然とした。王国が負けたら、公国に従えばいい――そんな楽観を、ハーヴェイは木っ端微塵に砕いた。調略もされていないただの傍観者など、保護に値しない愚物だ。

 

 

「どうして!」

「お、俺たちは、ただ……」

『“生き残るため”とでも?』

 

 

 困惑する生徒たちに、ハーヴェイは吐き捨てた。恐ろしく都合の良い妄言だ、そんな侮蔑が込められていた。

 

 

『“生存本能に従った、賢い選択”とでも? ()()()()()。きみたちの甘ったれた主観に満ちた、恣意的で都合の良い自己欺瞞じゃないか。

 ほかの誰もそうは思わないよ。公国も、王国も、何の関係もない周辺諸国でさえ。きみたちはただの、薄汚い裏切り者だ。それ以外の何者でもない』

「で、でも……」

「俺たちは……」

『時勢と利害によって祖国を裏切る者は、つまり同じような局面が訪れた際、再び裏切る可能性が高いということだ。きみたちは、今まさに、その()()()()()()()を自ら提示しようとしている。“生き延びるため”と宣うならば、愚行はほどほどにしたまえ』

 

 

 生徒たちは沈黙した。自分だけは大丈夫、何もしなくても問題ない――そんな希望を打ち砕かれ、誰も彼もが絶望に俯いた。

 その様子を見て、ハーヴェイは心底不思議そうな表情を浮かべた。

 

 

『――奇妙だな。きみたち上級クラスの男子は、領主貴族の嫡子として、家督を継承するのではなかったか?』

「そ、そうだけど」

「だから何だよ。こんなの……」

『こんなことも分からない者が、()()()()()()()()()?』

 

 

 遠慮のえの字もないハーヴェイの侮辱に、生徒たちは唖然とした。その反応こそが不可解だった。

 

 

『王国へ忠誠を誓い、危機に際しては真っ先に馳せ参じ、己が身を擲ってでも守り抜く――家督を継承するとは、つまりその誓約を継承するということだろう? 王国の秩序と平和のために貢献する、その責務を負うということだろう?

 それとも何か? “領地の支配権と社会保障だけは欲しいけど、いざという時に果たすべき責任なんか負わない”と? 我が身可愛さであっちこっちに擦り寄って、媚び諂って生きているだけですと? 随分都合の良いことを並べる連中だな』

「そ、そこまでは言って……」

()()()()()()という事実を認識したまえ。その上で吐く言葉に、どれだけの意味があるか考えてから話したまえ』

 

 

 ハーヴェイは冷たく切って捨てた。祖国が存亡の危機に陥っているというのに、己の保身しか考えない卑怯者――公国も、同じように見做すだろう。他国に逃げたとしても、同じように扱われるだろう。

 生徒たちは再び俯いた。栄光の凱旋を夢見て決死の闘争に臨むか、裏切者と後ろ指差されながら隷従を望むか。選択肢など、端から無い。

 

 

「……戦うしか、ないってことかよ」

『その通りだ』

「――そんなの、()()よ」

 

 

 生徒の一人が、絞り出すように言った。ようやく現実を理解した生徒たちは、しかし未だ受け止めきれなかった。

 

 

「戦争だぞ! 生き残るために命を捨てに行くなんて、そんな莫迦な話があってたまるか!」

()()()()()()()()()()

「……っ!」

 

 

 ハーヴェイの断言に、生徒たちは反論の言葉を見失った。

 スピアリング家の戦士の言葉だ、誰よりも説得力がある。護国のために各地を飛び回り、領主貴族の危機に立ち向かってきた彼らの言葉に、生徒たちは何も言い返せなかった。

 

 

『僕たちスピアリング家は――“戦争屋侯爵”は、常にそうしている。王国のために、同胞のために、家族のために。たったひとつの命を張って、王国の脅威と殺し合いを演じている。

 そうして僕たちは、このホルファート王国を守っている。きみたちも、志を同じくする戦友だと思っていたが――どうやら、僕たちの思い違いだったらしい』

 

 

 諦めたように嘆息するハーヴェイに、一同は何も言い返せなかった。

 つまり、もう用はないと。()()()()()()()()()()と、言外にそう伝えていた。

 沈黙する生徒たちの隙を突いて、リオンが口を開いた。

 

 

「俺に協力しろ。大丈夫だ。お前らは俺の後ろに隠れていればいい。

 生き残ったら、これからもサービス価格で整備してやるよ。ついでにお前らは英雄だぞ。後ろで大砲を撃つだけで英雄なんて大儲けじゃないか!」

『僕たちとしては、それ以上の働きもお願いしたいところなんだが……』

「坊ちゃん、いきなりそれは無茶っすよ~」

 

 

 リオンの甘い言葉に、ハーヴェイは苦言を呈するが、ケイトに止められた。何しろ戦争は素人だ。王国でも指折りの兵団“黄道十四宮(ゾディアック)”と轡を並べるなど、とてもできたことではない。

 とはいえ、戦争は数が物を言う。それは単純な兵力差ではなく、「これだけ揃っているんだから勝てるだろう」という自己鼓舞に繋がる。

 

 

「俺を信じろ。勝てるから戦うんだ。俺が一度でも不利な戦いを挑んだことがあるか? 俺は勝てる戦いしか挑まない男だぞ」

「そ、そう言われると」

「確かに何度もピンチは切り抜けてきたけど」

「リオンがそう言うなら、勝てるのか……?」

 

 

 リオンの不敵な言葉に、生徒たちは一縷の希望を見出す。……これだけで騙されかかる生徒たちが、物の役に立つだろうか。ハーヴェイは不安になった。

 生徒の一人が、頭を掻きながら唸った。

 

 

「……お前、いつも卑怯なんだよ」

「おや、褒め言葉かな? 安心しろ。そんな卑怯者がお前たちの仲間だ。心強いだろ?」

「その卑怯者のおかげで公国と戦争をしないといけないとか最悪の状況だよ!」

 

 

 何のかんの言おうと、逃げ場はない。彼らは自ら地獄に飛び込み、決死の思いで生還を目指すしかない。

 

 

「みんなありがとう! 俺たち、ずっと友達でいようね!」

 

 

 リオンはにっこりと笑い、心から感謝の言葉を述べた。誰の共感も得られなかった。

 

 

「ふざけるな!」「この鬼!」「やっぱりあの契約書は罠だったんだ!」

 

 

 笑顔で呼びかけるリオンに、再び罵声が浴びせられた。後に迫る地獄(せんそう)に比べれば、この程度の罵倒は屁でもない。

 

 

 




絆:
 馬・犬・鷹等を繋ぎ止める綱。転じて、断とうにも断ち切れない人の結びつき。
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