確かに俺はいっぱい食べる女が好きだと言ったがそれそのものになりたいとは言って無えんだが〜暴食龍娘のダクファン世界放浪記 作:誤字報告マジでありがとうございます
1000年前蘇った?暴食の魔王が?
「そ、それでどうなったの?!」
あいつが復活したのなら、初動で潰せなければ世界は終わる。
存在捕食とはそれだけめちゃくちゃな性能をしている。
あり得てはいけない速度で、際限なく天井なく成長し続ける、チート中のチート。
「な、なにそれ!!どうなったの?!ちゃんとすぐに退治できたの?」
「出来てない。」
「でも!まだこの世が残ってるって事は、奴は問題なく倒せたって事よね!」
「倒せてない。この世が残ってるのも、薄氷の上にさ。」
俺は、ヴィジターの肩を掴んだ。
「は・な・し・て。ヴィジター。それはとても大事な話だわ。」
「おえっ……ちょっと待ってゆすんないでくれ…うん。そうだ。今から話す。君を大切な協力者と思っての話だ。」
ぐるるるるるきゅうううううううぐうううきゅるるるるぐうううううう…
「……」
「……」
「ちょっと待って…話してたらめちゃくちゃお腹が空いてきた…」
「……」
ぐるるるるるるると皆様方も聞き飽きたであろう恒例行事の腹の虫が響く。
「お腹減ったわ…ひもじい…辛い…なんで私がこんな目に…ね、ねえヴィジター。続きはあなたのお城んとこの食糧庫でお話しない?いや、別に他意とかは全くないんだけど風水的に…」
なぜか涎まみれになっている口元を服の裾で拭うと、はぁあああとヴィジターがため息をつく。
そしてメモ帳を取り出し、何か書き、店員に渡した。
「何書いてるの?」
「俺のおすすめ出前リスト。サプライズで渡したいから見ないで。」
「ええっ!悪いわよ!こんなに奢ってもらってるのにまた奢って貰うなんて!」
「そう思うならその満面の笑みと涎まみれの口なんとかしてくれよ……店員さん、ここにあるやつ全部かってきてくれないかい…お代はここでの食事分も含めてこんだけ払うよ」
そしてマジックボックスから20キロはありそうな金貨袋を取り出した。
店員の目が飛び出んばかりに見開かれた。
*
「おやつ♡おやつ♡」
ケバブの原木ウマー!両手に1メートルはありそうなケバブを持ちながら、ヴィジターに投げられたフランスパンを口でキャッチし、口をなんやかんやする事でフランスパンを丸呑みにする。
「本当に良く食べるんだね…」
客も店員達もまだ食うのかよと言わんばかりの無言で何度も見返してきてるが関係ない。
ガツガツ!ガツガツ!バクンッバクバクバクンッ!バクンッ!
「んむんむ、
「暴食の魔王:シュバルデウス、こいつもう復活してるし、一度世界を滅ぼしかけてるんだよね。」
「んむんむ…あむ…続けて…」
バクンッ!バクンッ!ああ、20分振りのご飯…ひもじかった…恋しかった…口寂しかった…もう離さない!
こうしておやつを食べながら聞いた話をまとめると以下の通り。
本来2017年にならないと復活しない暴食の魔王。しかし奴は光輝歴1000年に復活し、たったの1年で奴は世界最強の存在に上り詰めた。
片っ端から目についた生命を破壊し喰らい殺し喰らい騙し喰らい欺き喰らい壊し喰らい虐殺し喰らい鏖殺し喰らった。
億とも兆とも京とも言える喰われた犠牲者達の戦闘能力を合算し、全ての特殊能力を取り込み掛け合わせ強化する事で、他の魔王を遥かに凌ぐ怪物に進化した。
奴の暴食によって世界の生物の数は半分以下になった頃、規格外の化け物を見た事により、それまで争っていた各種族が、こんな事してる場合じゃねえと慌て始め、龍VS世界の大戦争が起きた。
世界の全てが手を組み、あらゆる種族が奴を討ち取ろうとした。悪魔や魔王と言った混沌側の勢力すらも躊躇わず、奴を殺すために秩序側の勢力と手を組んだ。
その甲斐あって最終的に、全生命の9割の犠牲と引き換えに世界は龍を再封印する事に成功した。
しかし、それでもなお龍を殺し切ることはできなかった。
そう。人類最強の勇者でも。人類を滅ぼすという本能に逆らって、人類と共闘した魔王も、終焉龍の子供である、龍の一族も。
その上、奴は負けることを予見していた。
流石の化け物もインポ内のぶっちぎりの最強職、【勇者】も含めた世界丸ごとを相手どるうちに敗北する事を覚悟したようだ。
しかしそこは狡猾極まりない終焉龍。勝てない可能性も僅かにあると踏んだ時点で自身を仕留められそうな、今より遥かに強力な、後世に残せそうな凶悪な技術体系を尽く破壊し、奴に対抗しうる超越者をことごとく殺した。
知っているか?今のこの世界の全生物の平均レベルは5程度だが、昔はレベル60程度まであったそうだ。そして奴の封印が解けるまであと10年もないそうだ。そして今度こそ奴が目覚めたら世界は滅ぶそうだ。
「10年しないうちに復活するのね…ならそれに対して対策とか立ててないの?あむっ。!!うまっ?!なにこれ!?これうまっ!」
むちむちとした子牛の串焼きを頬張りながら俺は言った。いやね?シリアスな話してるのは分かるんだけど、今めちゃくちゃ腹減ってんの。
朝起きてから自重の十倍くらいしか喰えてないから腹ペコで…正直気を抜いたらヴィジターにもかぶりつきそうだ。だから真面目に話しながらもぐもぐしてるのはカニバリズム防止のため仕方なく。そう。仕方なくだ。だから勘弁してください
「あーむりむり、人類最強の大英雄ですらレベル120なんだけどさ。あいつ封印されて弱体化しまくってもレベル4000あるんだよね。3大国でどうするか協議したけど完全にお手上げ。大英雄率いる各種S級、英雄級冒険者も動員した連合軍隊送って、手も足も封じられて眠っているあいつに壊滅させられた時点で上層部はもうあきらめてる。S級冒険者含めた雑兵共はあいつの常時張ってるエナジードレインで全滅した。それより格上の英雄級冒険者は近づくことに成功したものの奴の機械翼の自動迎撃システムに引っかかって全滅。大英雄もその余波で腕一本失った。」
普通にやべえな。
インポには一つの不文律がある。
いかに強くとも、個は群に勝てないと言うことだ。
周回ボーナス考慮しない最高レベル、レベル100まで育てたキャラは、文字通り一騎当千の能力を持つが、それでも国家と戦うのは自殺行為だ。冷静に考えれば一騎当千の猛者単騎で国に挑むということは、千人程度の兵力で国家と戦うと言う事だ。勝てるわけねーだろボケ。
そうだ。そういうシステムなのだ。インポは。
そしてその原則を容易くひっくり返すからこそ奴らは魔王と呼ばれた。そして魔王に対抗できるのは、同じくシステムの軛から逸脱したもの。レベル150を超えた逸脱者のみ
人類の暴力の結晶である連合国軍に、逸脱者がいなかった時点でどうしようもない。
さらにヤバいのは、終焉龍は今は、活動していないこと。
過去なら大暴れしまくって他種族にその脅威を知らしめていたおかげで、他種族連合を組む理由と大義を与えていたが、今の状態では、再び他種族連合を組めるか怪しい。
こいつらの視点では、もう詰んだと思えるだろう。
俺の視点から見ればその限りでは無いのだが。
ヴィジターの認識してない、奴に勝てる可能性のある逸脱者の名を告げようとするとヴィジターが言った。
「もちろん1%でも勝てる可能性があるのなら。最後の最後まで抗って、未来をつかもうと頑張るってのも悪くないと思ったんだけどさ。あいつ倒すなんて無理無理、ただ寝てるだけのあいつに近づいただけで人類の上澄み100人以外は即死して、残りも相手にならないんだぞ。
だから俺達王はあきらめた。そして近い内に訪れる滅びを運命だとあきらめて、最後の猶予として残された10年を、国民に龍の事を気取られないようだましつつ、幸せな、最期を過ごしてもらう、そちらの方がマシってなったんだ。笑っちゃうだろ。悪名高き侵略国家の連合国すら、もう十年しか時間ないなら侵略とかええわってなってるんだぜ」
「でもでもヴィジターそういうの気に入らないんでしょ。あなたは知らないだろうけど結構長いこと付き合いあるから分かるわ」
「当たり前だ。食うことしか能のないクソトカゲ如きに皆様大好きな愛の力と正義のパワーが蹂躙されるのを見て喜んでいる奴がいるかよぉ。罪もない弱者が踏みにじられるのを見てられるかよぉ!!俺達も龍を憎み、憎み、憎み。そしてあきらめた。あいつを倒すのは不可能だ。」
目に凄まじい殺意を込めてヴィジターは言った。
ところがそうとは限らないんだなこれが。かわいいエフィちゃんとあいつとあいつがいれば十分勝てる。
それをアピールして協力取り付けるために来たんだ。
もちろん龍だとバレるのは論外だ。
龍という、いくらでも強くなり、手のつけられなくなる化け物なんて初動で潰せ。それがこの世界の常識だ。
下手に慈悲をかけたおかげで、窮地を乗り越え、超成長をした龍によって何度も龍災が起きた。手がつけられない怪物は生命を食い荒らし、世界に壊滅的な被害を何度も与えた。その結果人類は学んだ。龍は人類の、いや、あらゆる生きるものの宿敵だと。見つけ次第何が何でも殺さないと行けないと。
その考えが染み込んでいるため、インポ本編でも、プレイヤーキャラ抜けばたった2体を除いて龍は既に人類に皆殺しにされてるのだ。
「あ、あとさ」
「もぐもく。ん?何?ヴィジター?」
「君、龍だろ。」
頭よりデカい特大饅頭を味わっいながら、次に何を言うかと思っていた俺に、とんでもない発言が、来た。
「………………!!!!!なななななぜ!?私人間ですが?!見てよ!腕も2本足も2本!目も鼻も2つ!二足歩行!これで人間じゃなかったら驚きだわ!そうよねそうだわそうですわ!」
「ああ、そういうの良いよ。こんだけ食べる種族なんて龍以外にいないだろ。グールですらここまで喰えないよ。あと俺ペテン師だからさ。他人の嘘もすぐわかるんだよ。ここまで分かりやすいとは思わなかったが。来てくれ、パラディン」
「ヴィジター様!ここに!」
ヤベェ!!仮面を被ったヴィジター直属の護衛共!通称パラディンがぞろぞろとやってきた。
というかどうやって連絡を?あ、さっき紙を店員に渡した時か!あの紙に援軍呼ぶよう書いてやがった!
「ヴィジター様!そいつが龍ですか?」
「うん。見た目可愛いけど容赦するなよ。俺も幻影で、援護する。俺が人質になったらもろとも殺せ。万が一俺が彼女に喰われてラーニングされても、君等には幻影効かないからいいけどさ、君らが喰われると全てひっくり返されかねん。腕の一本すら喰われないよう、やれ」
クソクソクソクソクソクソクソクソクソッタレ!
ヤバい!ヤバい!ヤバい!
こちらはレベル20もない!
それに対して奴らはアベレージレベル85!
S級冒険者すら超えた英雄級冒険者!それが12人も!
「ヴィジター!気持ちは分かるけど話を聞いて!【蜘蛛糸】!」
こいつらを傷つけたら和解の可能性がなくなる!そう思って放った非殺傷スキルの蜘蛛糸は、最もガタイの良いパラディンが声を張り上げた音圧だけで破壊された。
続けてそいつが言う。
「黙れ!そう言って終焉龍は何人もの英雄を騙し喰らった!龍の戯言に耳などかさん!【聖光縛鎖】!」
一瞬で俺に光の鎖が絡みつき拘束していく。
俺は四肢を封じられ地面に転がった。
笑ってしまうほどあっさりと勝負はついた。
しかもこの通り天と地ほどの実力差があるのに、こいつら一切油断していない。それどころか恐れるような目で俺をみている。
駄目だ。隙をついて逃げるとかもできない。
そして恐ろしく冷徹な目線を向けてヴィジターは言った。
「万一取り逃がして隙を与えようものなら、一瞬で世界最強にたどり着く龍相手に、俺の信頼する配下が隙を晒す訳ないだろ」
「ヴィジター様!こいつは!危険です!龍です!殺さなきゃダメです!殺害許可を!早く!早く!はやくぅうううう!」
「離せ!解けぇえええええ!クソがッ!まだ全然喰えてねえんだよ!腹減ってんだよおおおお!まだまだ冒険したい!パパにもママにも会いたい!クソがックソがックソがあっ!」
ぎゅるるるるるるる
死ぬ直前になっても腹は減るのか…
パパ ママ ごめん
そう思った。俺に、剣が振り下ろされた。
俺の首が飛んだ。
ミスで10話を一時的に消してしまってもお気に入り解除することなくここまで読んでいただけて嬉しいです
アンケもよしなに…
ちゃんと龍が族滅されるのに説得力あったか
-
あった
-
そこそこあった
-
なかった