確かに俺はいっぱい食べる女が好きだと言ったがそれそのものになりたいとは言って無えんだが〜暴食龍娘のダクファン世界放浪記   作:誤字報告マジでありがとうございます

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第15話

落とされた所は色欲迷宮全十層のうちの第七層。レベル50をゆうに超す、A級の魔物もちょくちょくいるような魔境だ。

 

 早速発動するのはいつもの【反響定位】先生だ。

 

 脳内に半径5キロ以内のマップが投影され、生命反応が種族及び位置込みで表示される。

 

 早速ジュリアンとそのパーティを探すとすぐに見つかった。ああ、セーフゾーンいるな、これ。

 

ヤバいと思ってセーフゾーンに逃げ込んだのだろう。

 

 セーフゾーン。それはダンジョン内の安全地帯だ。

 

 迷宮の主たるダンジョンクロウラーによって、魔物はその中の生命を攻撃してはいけない、入っては行けないという絶対的な命令をされている。

 

 しかし、冒険者を程よく生かし程よく殺したいダンジョンクロウラーにとって、ただ安全なだけの地帯は旨味が薄い。

 

 よって、セーフゾーン内の相手に手を出す事は決して出来ないようになっているものの、魔物はセーフゾーンの中を認識できるようになっている。

 

 その結果起こるのが、【出待ち】だ。

 

 狡猾な魔物は冒険者がセーフゾーンから出ざるを得なくなるまでひたすら待つ。交代して待つ。

 

 そのため、緊急事態だからといって下手にセーフゾーンに入ると詰みになる。

 

 ちょうど今のアイツラの様に。

 

 しかも今出待ちしているのは、A級モンスター。平均レベル53の【ヴァンパイア】

 

 簡単に奴の性能を言うなら、人間の完成された魔法剣士に魔物特有のエグい特殊能力を持った化け物だ。

 

 氷結熊やコボルトジェネラルが1個小隊を組んで突撃しても一分持たずに全滅するだろう。

 

今の俺じゃ3秒持たずにミンチにされる。

 

 その程度には強い。

 

 

 ただ、まあ、奴らも当分は出ずに済むような物資は持っているみたいだ。

 

 なら話は簡単。この階層で俺が十分強くなり、ヴァンパイアを仕留め、奴らを救出する。

 それだけで十分だ。

 

 じゃあそのために必要なのは食事だ。

 

 少しでも多く食って食って食いまくって()()()()()()に勤しむべきだろう。

 

あと正直、今の腹具合だと救出したアイツラを思わずパクリと行きかねない。

 

 だからこれは仕方ない。救助を待つ間、奴らは相当怖い思いをする事になるだろうが、仕方のないことだ。

 

 別に人命より食欲を優先したわけではない。ないったらない。

 

 まあ、あれだ。吸血鬼様に、万物がドーピングアイテムとなる【終焉龍】の恐ろしさを見せてやろう。

 

 そして俺は【反響定位】で察知した雑魚ども密集エリアに向かった。

 

 あえてでかい音を立て、地面を踏みしめ進み呼び寄せる。

 

 そして釣られてきた連中は、俺に獲物を見る目を向けて来て……

 

 そっから奴らがどうなったのかは言うまでもないだろう。

 

 次の一言が全てだ。

 

「おいしかったあ!ごちそうさまあ!」

 

 

お品書きはこちら。

 

 迷宮イタチ、騎乗大蛙、迷宮大蛇。

 

 迷宮に適応し、十分人類に害を成せるようになった鼬、蛙、蛇。それらは一般人でも食べられるだけあって無難だが非の打ち所のないお味だった。

 

 地走大蛞蝓、迷宮大鼠、洞窟トカゲ、ダンジョンレイブン、迷宮ハイエナ。

 

 上で挙げた肉たちよりも強いが、熊すら殺し、そこから食事で更にドーピングした俺にとっては誤差みたいなものだ。

 

 いずれも一般人だと食うかどうか怪しい変わり種の生物だったが、今の俺には空腹という最高のスパイスがたっぷりかかっていて涙が出る程に美味しかった。

 

 贖罪肉塊

 

 切っても爆破しても蠢く、動く生肉。

 

 高い生命力と、200キロを超す質量に、意外と機敏な動きを持つが、それくらいしか大した能力は無い。

 

 のしかかられた所で噛みつき麻痺毒と毒を流し込み、生きたまま貪り喰い尽くして栄養に変えてやった。

 

 味自体は粗悪な肉詰め合わせと言った感じだったけれど、中々量が多く、悪くない。

 

 レッサー・ヴァンパイア

 

 生首に蝙蝠の羽根のついたかのような魔物。

 吸血鬼の最下層種であり、吸血鬼の弱点は全て持っているのに吸血鬼の特殊能力と長所は一つを除き無いと言う哀れな生物。

 

 しかし、進化を繰り返し、いずれ高位吸血鬼になる可能性がある上、噛み付いた相手を吸血鬼に変える能力は据え置きとなっているため、見つけたら絶対に駆除しろと言われる魔物だ。

 

 味は鉄臭くてパサパサしていて微妙。量も10キロも無いため、余り嬉しくない餌。

 

 アース・エレメンタル。

 

 空中にプカプカと浮かぶ土でできた子供のマネキンのようなモンスター。

 

 あまり強い魔物ではないものの、地面に潜る強力なスキルを持つため、見つけられると面倒だと思い、爆槍を投合して仕留めた。

 

 味はシンプルに土。レッサー・ヴァンパイアが懐かしくなるような酷い味だった上、有機物ですら無いため、腹の足しにすらできないクソみたいな食材。しかしこいつのスキルはかなり有用だ。

 

 

【迷宮イタチ完食! 経験値3習得!】

【騎乗大蛙完食! 経験値2習得!】

【迷宮大蛇完食! 経験値5習得!】

【地走大蛞蝓完食! 経験値8習得!】

【騎乗大蛙完食! 経験値5習得! 器用↑】

【ジャイアント・ポイズン・フロッグ完食! 経験値31習得!】

【ジャイアント・ポイズン・フロッグ完食! 経験値27習得!】

【地走大蛞蝓完食! 経験値20習得! 経験値習得! 生命↑】

【迷宮大鼠完食! 経験値4習得!】

【洞窟トカゲ完食! 経験値5習得!】

【ダンジョンレイブン完食! 経験値6習得!】

【迷宮ハイエナ完食! 経験値7習得! 速度↑】 

【贖罪肉塊完食!経験値80習得! LVUP!【肉塊の生命力】習得!】

【レッサー・ヴァンパイア完食! 経験値90習得! 魔力↑【血族の魔力】習得!】

【【アース・エレメンタル】完食! 経験値13習得! 【地潜り】習得!】

 

「ま、前菜としてはまあまあなお味だったわ」

 

 

 ここに来てからずっと気を抜いたらお腹と背中がくっつきそうなほどにお腹が減っているが、それでも喰ったものはきっちり栄養になってる感覚はある。

 

 今回の餌は質も量も取得経験値も微妙寄りだったけどそれでもそれなりに強化はできた。特に嬉しいのは【地潜り】を習得できた事

 

 インポの序盤習得スキルで強いのは、【反響定位】みたいな索敵系、【飛行】みたいな、移動系。【火炎無効】【火球】と言った火炎関係、【超直感】と言った、行動全般に補正がかかる系。【黄金律】といった経験値に補正がかかる系に、各種固定ダメージ系スキル。

 

 当然移動系に入る、この【地潜り】もかなり強い部類に入るスキルと言える。

 

 地面に潜り、地面を泳げるようになるという単純なスキルだが、視覚以外の探知手段を持たない相手には基本 これ1本で逃げられるようになる。

 

 あまりにも塩試合すぎてやりたくないものの、これで距離を取る。→魔矢と言った飛び道具で削るというやり方で結構な格上まで割となんとかなる。

 

もちろん魔物だって馬鹿じゃ無いので、ダンジョン外だと対策立てられて潰されるものの、ダンジョンクロウラーの放つフェロモンで凶暴化し知能の落ちた魔物には特効と言っても良いほどの効果を発揮する。

 

 長く潜ると息継ぎが必須であるが、やり方次第でダンジョンの床をくぐってショートカットしたりと応用もかなり効く良いスキルだ。

 

 扱いが面倒なスキルだったのでちょっと地面に潜ってみたりしていると、声が耳に入った。

 

「だ! 誰か助けて! お願いします! 父さんが! 父さんが死にそうなんです! お願いします! 

 大好きな大好きな父さんなんです! 年齢的に最後の冒険だって言うから思い出作りの為についていったら! 俺を庇ってこんな事に! 何でもします! 何でも捧げます! だから助けて下さい!」

 

 青年の声色で必死に助けを求める声が聞こえた。

 

 その声を聞いていると、食欲がとんでもなくかき立てられた。

 

「うふふ……ヒヒッ……なんだか、とってもお腹が空いてきたわね! この世界に来て初の親子丼! 楽しみだわ!」

 

 思わず涎がぼたぼた落ちるのを止められない。

 

 俺には分かる。この声の主は絶対に美味しい。

 

 絶品であろう餌の気配に腹の虫たちも騒ぎ立てるが気合で抑え込み、垂れる涎を拭い、水斧で返り血を洗い流し、顔をグニグニとマッサージして、シスター服を整え、声の元に向かった。

 

 なぜって? 獲物に警戒されないために決まってるだろ。

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