確かに俺はいっぱい食べる女が好きだと言ったがそれそのものになりたいとは言って無えんだが〜暴食龍娘のダクファン世界放浪記   作:誤字報告マジでありがとうございます

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第18話

 

「はあ……どうしてごはんは食べるとなくなっちゃうのかしら……」

 

 食い散らかした冒険者の残骸を前に私は思った。

 

 誰かに仕留められたのであろう、その冒険者の死体は、半分腐敗していて新鮮さの欠片も無かった。

 

「あんまりおいしくなかったけどそれでも貴重なご飯だったのに、はあ、別れとはいつも切ないものだわ」

 

 ぐるるるるると私のお腹も肯定の声をあげた。

 

「しっかしせっかくご飯を手に入れても、食べずに放置とか勿体ない事するわね。まあそのおかげで餌にありつけたから文句も無いけど。……で、あなたはどんな用件かしらぁ」

 

 振り向いた私の目に映ったのは4メートル程の、頭の悪そうな亜人、トロール。

 

 

 こいつは代謝の極端な速さによるカロリー消費の激しさのため常にお腹をすかせている……そうだけど、どうせ私の飢えに比べれば天国みたいなものとしか言いようが無いだろう。

 

 こいつの厄介な点は【超再生】。

 

 信じられないほどの速さの再生を命ある限り行える強スキル。

 

 欠損した部位すら一分あれば戻るらしい。

 

 更に再生する度に、その筋肉はより強靭に、より強大になる。

 

 更にこれによってトロールは毒物へも耐性を持つ。

 

 炎と酸での傷には機能しないそうだけど、硬くしなやかで、だいたいの攻撃に高い耐性を持つ外皮がそれを阻む

 

 C級のレッサーデーモンにすら手こずった以上、私にとってB級のトロールは格上だろう。

 

 

 そんなトロールが、餌を見つけたと言わんばかりの表情で、アーティファクト、持ち主が食材と認識した相手に対する特効効果と激痛の追加効果を持つ【大包丁】を振り上げた。

 

 多分()では多分死んでいたシチュエーション。でも()なら何の問題もない。

 

 ()にはたくさんご飯を集める中で培った戦闘技術がある。ちょっとやそっとの戦闘能力差等容易く埋めるだけの戦闘技術が

 

 振り下ろされた包丁による、直撃すれば、【グルメ】での回復も機能しない様なミンチに一撃で変えてくるだろう一撃を容易く躱し、私は【尻尾】と羽を展開して【爆槍】、【水斧】を両手に持って躍りかかった。

 

 *

 

「あらら、結構面倒ね」

「グヴォオオオオオオオオオ!」

 

 さっきからできる限り苦痛を与えられる角度で水斧を振るいながら、急所を的確に狙った爆槍のラッシュを叩き込んでいるものの、前者は外皮を切り裂くが再生能力に阻まれ、後者は再生能力を焼いて停止させるがそもそも外皮を貫けない。

 

 カウンター気味に振られた包丁を私はトントンとステップを踏んでかわしながら飛び退き、どうやって目の前の獲物を料理するか考える。

 

 レッサーデーモンから奪った【雀蜂の短剣】で仕留める? ダメ。生け捕りにしたい

 

【猛毒生成】で身動きを止める? ダメ。超再生によって弾かれる。

 

【蜘蛛糸操作】で拘束する? ダメ。膂力で外されるわ

 

【氷舌】なら外皮にも再生にもある程度有効だけど。ダメ。味が落ちる

 

「じゃあこれしか無いわね」

 

 暴風の様な大剣【大包丁】の斬撃をかいくぐって私はトロールに接近した。

 

 少しかすったおかげで腕が吹っ飛んだけれど、栄養が目の前にある今なら関係ない。

 

 私が狙うのは、トロールの【大包丁】持つ手。そこに大口を開け、私は齧り付いた。

 

 トロールもこの体格差での噛み付き等大したものでは無いと思ったのか面倒そうに振りほどこうとする。

 

 それが勝負を分けた。

 

 ガブリ☆ガブリ☆ガブリ☆ガブリ☆

 

 4回噛みついただけで、強靱な外皮で覆われていたはずの手首は消失し、武器も手もポロリと落ちた。

 

【グッッッギャアアアアアアアアアア!】

 

 必死だ。

 

 予想外の痛みに困惑してるとこに、拝借した【大包丁】を振るってやると、面白い様に腕が吹き飛んだ。

 

「わーお、思った以上の威力」

 

 さっきからずっとこの餌を食材としか見てないからか、気持ちいいくらいスパンとトロールの腕は切断された。そのまま追加で3回大剣を振るうと四肢を切断され這い回りながら再生するしかなくなったトロール()が転がった。

 

「動いた分のカロリーは貰うわよ」

 

 切断された腕にかぶりつきつつ、咀嚼と嚥下と消化を繰り返しながら【早食い】起動。

 

 これによって咀嚼と嚥下のループが目にも止まらない程の速度に加速。

 

 結果私の体重よりも重いであろうトロールの腕が一分持たずお腹に収納された。

 

【トロール1/8完食! 経験値97習得! 【超再生】習得!】

 

 これ、便利だけどお味を楽しめなくなるのが残念なのよね。

 

 

 *

 

 四肢を切断し、切り分け喰う、喰う。

 

【トロール1/8完食! 経験値97習得!】

【トロール1/8完食! 経験値87習得! LVUP!】

【トロール1/8完食! 経験値97習得!】

【トロール1/8完食! 経験値86習得!】

【トロール1/8完食! 経験値97習得!】

【トロール1/8完食! 経験値76習得!】

【トロール1/8完食! 経験値97習得!】

【トロール1/8完食! 経験値95習得!】

【トロール1/8完食! 経験値97習得! LVUP!】

【トロール1/8完食! 経験値67習得!】

【トロール1/8完食! 経験値89習得!】

【トロール1/8完食! 経験値87習得!】

【トロール1/8完食! 経験値88習得!】

【トロール1/8完食! 経験値104習得!】

【トロール1/8完食! 経験値97習得!】

【トロール1/8完食! 経験値87習得!】

【トロール1/8完食! 経験値97習得!】

【トロール1/8完食! 経験値107習得! LVUP】

 

 

「ギィイイイイイイヤアアアア! タスケ……タスケ……」

「もぐもぐ、もぐもぐ、もぐもぐ、もぐもぐ、もぐもぐ、もぐもぐ」

 

 

 さっきから咀嚼音と嚥下音、哀れなトロール()の悲鳴だけが響き渡っているけど、それに釣られて味変の獲物が出てこない。でも問題無い。

 

「クヒヒ、クヒヒヒ! 美味い! 美味い! 美味い! これなら幾らでも入るわ! あーん」

 

 トロールの四肢が再生しては胃袋に収められていく。

 

 トロールも必死で再生して逃げようとするけど、悲しいかな再生が私の食事スピードには追いついていない。

 

 

 

 あまりに食材としての自覚が足りなかったので、下半身と上半身を生き別れにしてやって、上半身の目の前で下半身を抱え頬張る。

 

【トロール1/2食! 経験値350習得!】

 

 上にまたがって貪り尽くさないように我慢しながら喰う

 

【トロール5/8食! 経験値400習得! LVUP】

 

 喉すら枯れて這いずるしかなくなったトロールが再生するまで待って、頭だけになるまで貪り、再生を待ち、また貪る。

 

【トロール7/8食! 経験値690習得!】

【トロール7/8食! 経験値690習得! LVUP】

【トロール7/8食! 経験値690習得!】

【トロール7/8食! 経験値690習得!】

【トロール7/8食! 経験値690習得!】

【トロール7/8食! 経験値690習得! LVUP】

【トロール7/8食! 経験値690習得!】

【トロール7/8食! 経験値690習得!】

【トロール7/8食! 経験値690習得!】

【トロール7/8食! 経験値690習得!】

【トロール7/8食! 経験値690習得! LVUP】

 

「むぐむぐ、ごくん。この程度のサイズの餌一匹でこんなに食べられるのは本当にうれしいわ。良くを言えばもう一匹連れてきて再生待つ時間も喰えたら良かったんだけど……はあ、でも幸せ……」 

 

 

 

 

【トロール7/8食! 経験値690習得!】

【トロール7/8食! 経験値690習得!】

【トロール7/8食! 経験値690習得!】

【トロール7/8食! 経験値690習得!】

【トロール7/8食! 経験値690習得!】

【トロール7/8食! 経験値690習得!】

【トロール7/8食! 経験値690習得!】

【トロール7/8食! 経験値690習得!】

【トロール7/8食! 経験値690習得! LVUP】

【大喰らいクラススキル【黒の胃袋】【界断顎歯】習得!】

 

「ちっっっっっっっっっもう出てきやがった」

 

 

 このクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソスキルは【黒の胃袋】

 

 効果は喰ったものの再生を無効化する。

 

 何が酷いって、トロールの様な、再生する餌が食べ放題でなくなる、クソみてえな特殊能力

 

万が一もあると思いトロールの腕に齧り付いて思いっきり飲み込んだけれど肉が再生しない

 

 死ねばいいのに。

 

【トロール完食! 経験値750習得! LVUP】

 

 再生もできなくなったトロールを【早食い】を切って味わいながらまるまる胃袋に収めたけど空腹が和らぐ気配は全くない。

 

「クソッ、腹の足しにもなんなかったわ。おかわりで何かないの? この際量は10トンくらいで妥協してあげるから質だけでも良い食べ物を」

 

 私は血の海にポツンと残った、トロールの腰布を蹴り 大声を出した。

 

「あ」

 

 そう言えば、美味そうなご飯あったじゃない。

 

 

 ここにきて初めて会った盗賊、ジュリアン。記憶の中の彼の姿を引っ張り出した結果、私の経験が告げる。

 

 ()()()()()()()()()()()

 

 

 

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