確かに俺はいっぱい食べる女が好きだと言ったがそれそのものになりたいとは言って無えんだが〜暴食龍娘のダクファン世界放浪記   作:誤字報告マジでありがとうございます

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第2話

戦闘音を聞いて、近くの森へ駆け出したのだが後々考えるとこれは浅はかだった。

  

 この時【レベル1】に戻っちまってるのを認識していなかったのだ。

 

 しかもあれだけあったスキルも全てリセットされているのも不運だった。

 

  終焉龍は最強種ではあるが、レベル1の時の強さはとにかく貧弱なのだ。普通に一般人より弱い、貧弱極まりない。同体格の一般人と殴り合っても普通に負ける。

 

 なので俺の転生後の人生ではこの時が一番危険だったと言える。

 

 仮にまともな肉食性野生動物に遭遇していたら確実に食われていただろう。

 

 なのでここから起こった事は後々考えるとかなり幸運だったと言えるだろう。

 

 戦闘音のしたところにたどり着いた俺は、そこでステータス画面を開き、自身のレベルが一である事に気づいて青ざめた。

 

〈エフィノア・シュバルデウス

 

LV1

 

 種族:終焉龍 職業:大喰らい

 

 ステータス

 腕力:F

 体力:F

 速さ:F

 器用:F

 魔力:F

 耐性:F

 

 スキル

 【存在捕食】…喰らった相手の能力を模倣

 【お肉大好き】…肉を喰らうと一時的にステータス上昇

 【如何物食い】…あらゆる物を一瞬で消化する。

 【グルメ】…食べたエネルギーを使って自己回復、強化

 【早食い】…飲食速度にボーナス

 【底なし胃袋】…満腹中枢が完全に壊れる〉

 

 しかしそこで戦っていたのは2匹のゴブリンだった。

 

 小さい方が大きい方に跨られ、30センチ程の木の枝でブスブスと突き刺され、叫び、そして絶命した。

 

 大きい方はそれを見て、悪趣味な笑みを浮かべながら雄叫びを浮かべてる。

 

「……ふぅ、セーフね」

 

 こいつらの事を三語で表すなら、

 【邪悪】【弱い】【益獣】だ。

 

 性根はまんまゴブスレのゴブリンである……要は人間の負の面のカリカチュアとも言える、傲慢で、他者を害す事に悦楽を感じ、他人を踏みつけにする事を何とも思わず、弱者を虐げ強者に媚び、あらゆる事象を自身に都合が良いように捉えるクズ。

 

 さらに人間に対し驚異的なまでの敵対心を持ち、人肉が大大大好物で、人間の女を見たら二重の意味で喰おうとする等、最早害獣としか言いようのない生態をしている。

 

しかし表向きの扱いはどうあれ、この世界の権力者にコイツラは益獣と認識されている。

 

 何故か。

 

 弱いからだ。邪悪で、人間に敵対的な癖に弱いからだ。

 

 近年の創作に出てくるゴブリンは愚かではあっても間抜けではなかったが、こっちのゴブリンは愚かでマヌケだ。

 

 マージで自殺願望でもあるのかと言う程頭が悪い。

 

 何故か30センチ程の単なる木の枝を【グングニル】と呼んで最強の武器だと認識したり、目の前にデカい落とし穴があっても自分は最強だから落とし穴の方が逃げていくと思い込んで直進し見事にはまったり、巣穴の入り口を石で塞がれると石を恫喝してどかそうとするとかな。

 

 そして何より弱い。同じ体格の人間……要は小5くらいのガキにもはるかに劣る。ゴブリン5匹VS小学生でもたぶん勝つのは小学生だ。

 

 一応攻撃性は高いんだが、攻撃前にいちいち名乗りを入れたり、痛みに極端に弱かったりとそれ以上に精神に問題がある

 

 人肉を異常なまでに好むものの、クソ雑魚過ぎて人を仕留められないため、人食い種族として認識されてない。

 

 見事なまでの弱者だ。

 

 そして、こいつらは天下一品の思い上がりと攻撃性、ガチでこちらを殺しに来ているその精神性からよく人間種と衝突する。

  

 要はこんな、殴ってもいい弱者が大義名分を引っ提げてくるのだ。

 

 攻撃性とストレスの発散先としては、もう非の打ち所が無いだろ。

 

 コイツラは人間に正当防衛の名目で虐殺され、場合によってはお持ち帰りされ延々と虐待される事もあるそうだ。こいつらを会話しながら虐待する為だけに亜人語を学ぶ者もいるそうだ。

 

 そして悪意と攻撃性という、人である以上どうしても出るものの発散先を得たコミュニティはどうなるか。

 

 答えは単純。平和になる。近くにゴブリンがいる村はそうでない村に比べて犯罪件数が四分の一以下になり、生産性もやや上がるという研究結果がある。

 

 自然界で生きていけないほど脆弱なコイツラが絶滅しないのは、支配者層があえてこいつらの数を増やし、野に放ってるからと言う設定もあったな。確か。

 

 100%自業自得ではあるものの、人間の底すらない悪意にさらされたコイツラには一抹の憐れみこそあれどやる事は変わらない

 

「ゴギャ?ゴギャ♡」

 

こちらの姿を認識したゴブリンは目に加虐的な色を称えてこちらに走り寄ってくる。

 

そして近くに来たところで俺は拾った太い枝、要は棍棒を振りかぶる

 

「ゴギャ?」

 

 そして殴りつけた。

 

「ゴゲェ!グゲェ!ゴゲェ!」

 

 いくら今の身体能力が一般人未満で俺の戦闘経験が皆無にしろ、子供の体格のクソ雑魚に負けるか!

 

 棍棒で殴られ地面に這いつくばりながら藻掻いてるゴブリンに馬乗りになり、棍棒で殴り始めた。

 

「ゴギャアアアア!」

 

 七発ほど殴ったあたりでピクピクと痙攣し始め動かなくなった。

 

 さてと

 

 きゅるるるるるぐぅうううぐうきゅるるるるる

  

 どうしよう。

 

 腹と食欲はとにかくこいつらを喰らえと叫ぶが、コイツラは亜【人】だ。喰うなんて倫理的に問題があるし、それ抜きにしても病気の危険性がある、そもそも生肉だし、食用でもないのに、

 

 ぐぅぅぅぅうううううううう

 

 ……

 

 一口だけならいいか。

 

俺はゴブリンの頭を掴んで引き寄せ大口を開け…そしてかぶりついた。

 

「グギャ!」

  

 鮮血が宙を舞い、ゴブリンが悲鳴を上げるがそんな事どうでもよくなる程の衝撃が俺の脳内を暴れ回った。

 

「お…美味しいっ」

 

 きっと味自体はそこまで良いわけでは無いのだろう。

 

しかし俺は腹が減っている。

飢餓とか言う段階すら超えかけてる程に腹が減ってるからこそ美味く感じると言うだけだ。

 砂漠で脱水死しかけていたら泥水でもめちゃくちゃ美味く感じるのと同じような理屈だ

 

 

 

 しかし、空腹というスパイスを限界まで効かせたその肉は、俺が今まで喰ってきたものの中でもっとも美味かった。

 

 それと同時に俺の薄っぺらな理性も弾け飛んだ。

 

「我慢無理!いっただっきまああす!」

 

 本能全開にしてかぶりつき咀嚼し嚥下する。

 

「うまっ!うまっ!」

 

 ガツガツ、バクバク、ガツガツッ!バクバクバクッ!

 

本能の赴くままにひたすら喰って喰って喰いまくった。

 

「んふー♡おいしー♡」

 

 みるみる内に人間の子供サイズの肉が上半身を失い、内臓をすっからかんにされ、足だけになるまでに貪り尽くされた。小さくなって言って残った足を口に押し込んで丸呑みにすると、もうその場にはゴブリンのいた形跡は、血の跡しか残らなかった。

 

 【ゴブリン完食!経験値2習得!LVUP!】

 

「ご馳走様でした。それにしても……はぁ」

 

 人間の子供に匹敵するサイズの魔物をまるまる一匹食べたってのにぜんっぜん空腹は満たされてない。

 

 正直今も腹に力を入れてなければ腹が盛大に鳴り出しそうな程だ

 

「正直、腹の足しにもならなかったわ」

 

 まあいい、まだお肉はもう一つある。俺の腹に収まったゴブリンに殺された被害者のな。

 

「でも……うふふ……ひひっ、まだお肉があって嬉しいわ。ねえ、あなたはどんな味がするのかしら。いただきまあす!」

 

 【ゴブリン完食!経験値2習得!LVUP!】

 

 うめー!

 

 

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