確かに俺はいっぱい食べる女が好きだと言ったがそれそのものになりたいとは言って無えんだが〜暴食龍娘のダクファン世界放浪記 作:誤字報告マジでありがとうございます
「ババア、おいババア!」
その声で俺は現実へと引き戻された
「な……何……」
気づけばそこは天光法国の中だった。そしてジュリアンが肩を組むことで俺をなんとか運んでる。
「……おぶった方が楽でしょ。なんでそんな面倒な事するの」
それを聞いた途端何故が顔が真っ赤になったジュリアンが言う
「……。入国の審査は済ませた。ちゃんと飯屋いっぱいある所まで連れてきてやったからなんか好きなレストラン行ってろよ。本当は嫌だし、仕方なく、不本意だが、助けてくれた礼としてちょっとは金もやる。それで豚みたいに飯でも食ってろよ。じゃあ、あばよ」
そう言ってジュリアンはどこかに行こうとするがその首根っこをむんずと掴んだ。ここは男尊女卑の国、天光法国。
不本意ながら俺が今女である以上、男がいないと色々と面倒な事が起きる。
何よりこいつの事は結構好きなので、まだここで別れるのは嫌だ。
なので指をさしこう言った。
「……あっち……あっちのお店に連れてって……足に力が入らないの……」
こう言えば、こいつの性格上俺をおいて行けないのだ。
そしてゴブリンの件といい、天光法国が近くにあったことと言い、つくづく俺は運が良い。指差したのはレストラン、ラ・パウザ。
何が良いって、ここはチャレンジメニューのイベントが発生するのだ。
俺は基本的に、クラス【大喰らい】をとってたキャラでプレイしてたので毎度毎度序盤の金稼ぎとして大層お世話になった。
中に入ると、見慣れた内装が目に入った。
おお、これだ! これ!
大好きなインポの世界に来たという実感が今更ながら湧いてなかなか楽しい気分になったが、それ以上に空腹が辛くて仕方ない。
「いらっしゃいませ! お客様! お席ご案内します!」
「あ、ああ」
「あなたとそいつの2名で2人席ですね、では」
そう言って店員はジュリアンを案内ようとする
「ま……待って……チャ……チャレンジメニュー注文したいの……だから四人席に……」
そう言うと店員ははぁ? と言わんばかりの表情を浮かべた。ジュリアンとの落差が酷い。
「アンタ、うちはそんなくだらねえ冷やかし受け付けてねえんだよ。全くこれだから女はク……」
「死にそう」
ぐうううきゅるるるるるぐぅううううう
その音を聞いた店員は無条件で注文を取ってくれた。
*
厨房から流れてくる旨そうな匂いにつられてお腹がぐるるるるるきゅるるるるると凄まじい音を鳴らすたびに、周りの連中が目を丸くしてこちらを見てくる。
まだか、料理はまだか……
「ねえクソガキ……もし私が我慢できず厨房に飛びかかりそうになったら止めてくれる? 正直気を抜くと今にも飛びかかりそう……」
「あ、ああ」
それからの時間は地獄だった。
極限の飢餓の中、美味しそうな匂いをちらつかされ、何分も待たされる地獄
あまりの空腹に何度も何度も気を失いかけた後、それは来た。
「!!! 来た! 来たわ!」
ムキムキマッチョが三人がかりで運んできたそれは。超特大チャーハン。
300人前、計100キロの大ボリューム。両手で抱えきれないサイズの皿に、50センチはありそうな高さのチャーハンが鎮座していた。
これこそがこの店の名物だ。本来軍人30人がかりで挑む事を前提としているチャレンジメニュー故そのインパクトは凄まじい
ドシンと音を立て、四人がけのテーブルにそれは置かれた。
メリメリと音を立ててテーブルが抜けそうになってるが、そんなのもう俺の頭の中ではどうでもよくなっていた。
「わぁあ!」
その大声で辺りの客が一斉にこっちを向いた
「いただきまあす!」
そして暴食が始まった。
バクバク! バクバクッ!
「んふー♡おいしー♡」
幸せで足をバタバタ動くのを止められない。
大して美味くも無さそうなゴブリンですらあんなに美味かったのだ。ちゃんと調理されているものなら言わずもがな。一口喰うたびに笑顔が止まらなくなる。
「うまっ! うまっ!」
と言うかこれならいくらでも食べられる!
喰う! 喰う! 喰う!
なんか他の客がざわめき出したが、そんなの関係ないと言わんばかりに詰め込みまくる。
本当なら皿ごと持ち上げて一気にがっつきたかったが、腕力的に無理だったので、上品に食べざるを得ないのが残念だが
パンパンになった頬の中身を一瞬で嚥下してまた詰め込む。
「んぐ!」
何故かギャラリーからジュリアンに尊敬の目線が向かう。なんでだろうか。
みるみる内にあんだけあったチャーハンの山が小さくなっていく。
最後の方は一気にがっついて平らげた。
【巨大チャーハン完・食! 経験値15習得!】
それを食い切ると、あたりから喝采が上がった。
その中から店員がやってくる。
「お、おめでとう! ……アンタ、本当によく喰うんだな……これは賞金だ」
「ありがとう、まあ、腹0.0000000000000000001分目くらいにはなったかも知れないわ」
数百キロの食事をペロリと平らげられる以上、これっぽっちの食事なんておやつにも満たないのは自明の理だ。
そう言うと店の連中もジュリアンも、顎が外れそうな程に驚いていた。