第2話
……。
えーと、今緊急で動画回してます。撮れてるかな?
はろはろー!こんばんわんこー!バロキンチャンネルの生配信にようこそ!永遠の二十代ことバロキンでーす。はじめましての方はイイネとサブスクライブよろしくー☆
ってなわけで早速本題!えーなんと本日は町外れにあるとある施設にお邪魔しまーす。そんで今、海沿いをまっすぐ歩いているんですけど、いやー、暗いっすねwそんでもって海は不気味なくらい静かw俺の声しか聞こえない笑
(しばらくバロキンが他愛もない話をしながら暗闇の中を進む様子が映る。すると前方に巨大な黒いシルエットが)
…お!そんなこんなで歩いてましたら!見えましたよ!皆さん、見えてますか?
そうです!今回バロキンが凸するのは何人もの凸者が行方不明になったと噂されている(ピー)鎮守府です。いやー、近くまで来るとさすがに迫力ありますわ笑
そんでもってネットの情報によれば海岸線側からのルートで…お、あったあった!ありました!壁に穴が空いてます笑
ここから敷地内に侵入出来そうです。
てかここ軍の施設なんだよな?こんな簡単に侵入されてええんか?笑
チャット欄のみんなからのコメントを読んでから入って行きたいと思いまーすww
(いくつかのコメントにバロキンはユーモアをまじえて返答。その後穴へと入っていくが突如配信が停止、以下当時視聴していたユーザーたちのコメント抜粋)
【あれ、配信止まった?】
【バロキン死んだかwww】
【普通に考えて軍の施設に侵入とかヤバスギ笑】
【演出じゃね?】
【妨害されてんじゃねシランケド】
【というか噂って本当なん?ほら艦娘が人狩りしてるとかどうとか】
【そんなわけないだろw】
(後にバロキンのアカウントは凍結、永久Banされた)
ーーーーー
…あれ、配信止まってる?えー、嘘だろおい。なんでだよ、さっきまで配信出来てたじゃん!
(突然配信を止められたので解決しようと格闘すること数分、配信が復活しないと悟ったバロキンは生配信を諦めて動画の撮影に切り替える)
えー、すみません。なんか機材のトラブルかなんかで生配信は出来なくなりました。とりあえず撮影は続けまーす。皆さんにライブ出来ないのは残念ですが。
(しばらく雑木林のようなところを歩いていると明かりの点いた建物を複数発見。しばらく悩んだ後、バロキンから見て左側の比較的小さな施設への突入を決意。さすがに正面からは憚られたので遠巻きに周りを散策すると窓が開いているのを発見、そこから侵入した)
えーと、どうやら中に侵入出来たみたいです…。てか本当に誰かいるんだよなここ。ところどころ明かりは点いてるけど人の気配がしねぇ……。さすがに中央の巨大な棟みたいなところには人いると思ってこっちから攻めたけど…それにしても人いなさすぎだろ笑
ここまで来たら噂の真偽はどうであれ、艦娘の顔を拝むくらい出来ないと撮れ高もクソもないぞ笑
(暗闇の中をスマホの明かりを頼りにバロキンは進む。誰かとの遭遇を期待するが、期待とは裏腹に面白いことは何も起きない。誰かに見つかった場合の処遇を考えればそちらの方が良いのだが、バロキンの頭は撮れ高にのみ集中していた。そしてこのまま何も起きずに施設内を探索し終えるかと思われたその時)
「なにしてんのー?」
「うぇっ!?」
(バロキンの背後から華奢な声。驚いて振り向くと年端もいかない少女が立っていた。瞬時に気づく。艦娘だ)
「あなただーれ?提督の知り合い?ここでなにしてんの?」
「えーーと、それは…」
(ジロジロとバロキンを見つめる少女もとい艦娘。黒いウサギのような耳を頭につけているのが気になったが、バロキンは咄嗟にここの提督の知り合いだと嘘をついた)
「なーんだ提督の知り合いなんだ」
(艦娘は未だまじまじとバロキンを見つめている。さすがに厳しいか?)
「私は島風!よろしくね!」
(しかし屈託のない笑顔を見せ自己紹介する艦娘にバロキンは安心する)
「………えへっ」ボソボソ
「ん?」
「んーん!なんでもないよ~?あ、というか提督の知り合いならここ案内してあげるよ、ここら辺暗いしさぁ?提督に会いに来たんでしょ?連れてってあげる」
(この時、バロキンの脳裏にほんの少しでも疑念がわいていれば…。あろうことか彼は島風と名乗る艦娘の容姿に子どもを連想し、うまくいけば彼女を騙して鎮守府の噂を暴くことが出来るかもしれないと考えてしまった)
「ねー、おにーさんって背が高くてかっこいいね!名前はー?」
「うわーそれスマホでしょ~!いいな~、提督が持ってるやつと同じだよね?私たち艦娘は軍のルールで持てないんだけど便利なんでしょ?いいなぁ、ほしいなぁ」
「彼女とかいるの~?」
(島風は矢継ぎ早に質問を重ねる。彼女の舐めるような視線が気になったが、バロキンは怪しまれないように話を合わせた)
「ねー!手つなごー!暗いから転んじゃうと危ないし」
「えへー、おにーさんの手、あったかいね」
「………えへ」ボソボソ
(島風は時折バロキンには聞こえない声で何か独り言を呟いているようだった。バロキンがそれを尋ねるとなんでもないよ、とはぐらかす)
「あ、そーだ!(唐突)」
「ねぇ、おにーさん?島風以外の艦娘に会ってみたいって思わない?」
「おにーさんかっこいいからきっとみんな喜ぶと思うな~(チラチラ)」
「ねぇ、どうかなぁ!?ここからすぐのところにみんないるしどうかなぁ!?」
(バロキンの手をギチギチと握る島風。有無を言わさぬ様子にバロキンは首を縦にふるしかなかった)
「やったぁ!!それじゃあこっち!こっちだよぉ!」
「………またひとり」ボソボソ
(島風に連れられるまま進むと遠目に明かりがポツリ。近付いてみればそれが工事現場などでよく見るプレハブ小屋のようなものだと分かった。中からは複数人の声、島風はバロキンにちょっと待っててね、と声を掛けるとプレハブ小屋の中へと消えていった)
えー…なんか急展開となってきましたぁ。いやぁ、島風ちゃんがずっと話かけてくるんで久々の実況って感じです。でもまぁ、島風ちゃんが可愛かったから許してくれよな笑
お、なんかプレハブ小屋の中から女の子のかわいい声が聞こえてきますねぇ!こりゃあ、鎮守府の噂なんかどうでもいいな笑。むしろこんなかわいい艦娘を独り占めなんてズルいぞ提督さんよぉ!?俺だったらここに住むね笑。もし島風ちゃんみたいなかわいい艦娘が行方不明の原因なら俺は喜んでさらわれますよ笑笑。いやー、案件動画になっちゃうな~笑笑笑
「は い っ て き て」
え?
えーーと、今、島風ちゃんが小屋から出てきたんですけどぉ…。君、なんかさっきまでと様子違わない?笑
「どうしたの?入ってきてよお兄さん」
……。
いや、気のせいかな。じゃあ、愛しの島風ちゃんが呼んでるんで早速突入して行きたいと思いまーす!今いくぜ、島風ちゃん!!みんな、パンツはちゃんと履いとけよ?笑
「ようこそ」
「こんばんわ~」
「あ、結構タイプかも」ヒソヒソ
「わーい、新しいおもちゃだぁ」ヒソヒソ
おー、島風ちゃんの他にも結構艦娘いるんだなぁ……。
えーと、こんばんわんこー……!みな、かわうぃーねぇ!笑
「さあおにーさんこっちに座って?」ポンポン
「何人か人が来ないように外を見張るっぽい。また戦艦とか空母の人たちに横取りされるのは嫌っぽい」ヒソヒソ
「だね。逃がさないためにもそうした方がいいね」ヒソヒソ
島風ちゃんに手招きされるまま彼女の側へ!いや~、しかしまぁ、こんなかわいい娘たちを侍らせて提督さんは罪な人だなぁ笑。あれ、何人か外出ていっちゃったよぉ?
「はじめまして、駆逐艦不知火です。以後お見知りおきを」
「こんばんわ!私、夕立さん!夕立って呼んでほしいっぽい!」
「夕雲よ~、こんばんわ~」
と、順々に艦娘ちゃんたちがご挨拶!いや、いつもバロキンは廃墟探索ばっかしてるからこんな華やかな光景は久々!お金払わないと見れないよ笑
幽霊とかだったらたくさん会ってるかもだけどタハハハハ…
「ねぇ、おにーさん?」
ん?
「鎮守府で本当は何してたの?」
え?いや、それは、
「提督のお知り合いだとしても、なんでこんな遅い時間にあんな場所にいたの?」
え、えーーと。なんか怖いぞよ島風ちゃ…
「スマホで何撮ってたの?もしかしてこの鎮守府で行方不明になってる人たちと関係あるのかな?」
!
「えへへ」(^∇^)
え、えーーーと……
なんかとてつもなくヤバい感じになってきましたぁ…。というか気が付いたら周り!周り囲まれてるゥ!!?
「一応教えておいてあげるね。あれ、本当なんだよ」
「この鎮守府に入ってきた人たちは本当に行方不明になっちゃうんだ」
「なんでだろうねぇ?」ニヤニヤ
「私たちが食べちゃうからかも」( ^ω^ )
!!!!!!!
バロキン、逃げます!!!!
ドアをぶち破れぇ!!!!!
次回、バロキン逃走章開幕。果たして彼はいまだ会ったこともない提督を救うことが出来るのか…。真相はいかに(大嘘)