HP極振り自傷型両手剣使いのNWO   作:如月神綺

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私が帰ってきたーーー!!!
遅れてほんとすみませんでした。


体力特化と白鬼

さて第五回イベントが終わり、白夜に色々仕込ませて一月も半ばを過ぎたころ。少し前に発表されていた第五層が実装された。

実装当日、ゲームにログインしてギルドホームへ行くと、サリーが待っていた。それから少しして同じ考えを持つギルドメンバーが揃ってくる。

 

「おお、全員揃った!」

 

全員が集まるとは思わなかったのかサリーは驚きと喜びの混じった声を上げた。

 

「サリーさんや、メイプルを忘れてまっせ?」

 

「ん?確かに、メイプルがいないぞ?」

 

「ああ……メイプルは……」

 

俺とクロムの問いにそう言えばそうだったとサリーが訳を口にする。

 

「インフルエンザにかかったので……今年も。いつものことです」

 

「インフル…」

 

「そ、そうなのか。どうする?また別の日に全員で行くか?」

 

そのクロムの提案に対して話し合った結果はメイプルなら都合の合うメンバーが数人いるだけで倒せるし問題ないということになった。

これに反対する者はいなかった。だって最悪、メイプルならば一人でもボスを倒してしまうことも出来るだろうし。こうしてメイプル抜きの【楓の木】で五層へ続くダンジョンへと向かうことになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【楓の木】メンバー八人と12の使徒はダンジョンを目指して、モンスターをなぎ倒しながら突き進んだ。正直言って簡単の一言につきる。だって使徒の突進攻撃をしてれば大抵のモンスターは爆発四散する。それに突進攻撃を耐えた所でマイとユイがいるし、クロムが常に守っているのでもしやもない。これはひどい。

AGIが低い者は使徒達に運ばせる事で移動速度の問題も解決。

 

「お、見えてきたぞ」

 

モンスターの攻撃を受け持つ可能性があったクロムが指差した先には洞穴が口を開けていた。

 

「ささっと倒しちゃおうか」

 

頭の上で本棚をくるくると回しながらカナデが言う。

 

「そうだね、行こう」

 

そのまま立ち止まることなくダンジョンの中へと入っていった。

 

 

 

 

ダンジョン内には物理無効モンスターや物理大幅軽減モンスターが溢れかえっていた。軽減モンスターは圧倒的STR値で一撃死を取れるが、無効はそうはいかなかった。カナデに頼んで攻撃役を杖持ちの使徒達に変えてダンジョンを攻略していく。基本戦闘をしないイズ以外は四層の探索でよく現れる物理に耐性を持つモンスターとの戦闘に慣れていたので苦戦はしなかった。通常フィールドで見慣れた人魂系統のモンスターの炎攻撃はクロムがガードしてカナデと使徒達が倒していく。ダメージを受ける?リジェネでどうにかなるし、使徒の【安息をくださいまし】が強すぎるんじゃ。耐性持ち程度の雑魚モンスターは論外。出直してきな。

まぁそんなことが多々あるだけだったので、苦もなくボス部屋へと辿り着いた。

 

「じゃあ、開けるよ」

 

サリーが振り返って言うと、全員が無言で頷きそれぞれの装備を構える。

直後扉は開け放たれ全員が中へと飛び込んでいく。

部屋の奥にいたのは九本の尾を持つ大きな狐。艶のある毛並みの黄色い尻尾をゆらゆらと揺らしている。

 

「セツナさん!」

 

「【王冠(ケテル)】【大鐘楼】【神罰】。バキエル、マルキダエル!!」

 

「「クォォォォ!!」」

 

【あなたは彼の息子でおわします】

【あなたは王であらせられる】

 

サリーの合図と同時に味方のバフ用スキルを使用し、使徒にスキルを発動させる。ダメージは物理耐性の影響でそこまで与えられなかったがデバフが通ったので問題なし。

その後、サリーとカスミがイズさんから渡されたアイテムを使用し、一定時間武器に麻痺効果を付与する結晶を使い素早い狐を麻痺させる。

 

「【パラライズボム】!」

 

「【四ノ太刀・旋風】!」

 

カナデの麻痺効果を持った魔法、カスミの麻痺効果を付与された四連撃。

使徒達とサリーが注意を引いていてくれたので呆気なく狐は二人の攻撃が直撃し、麻痺で一時的に狐の動きが止まった。一度麻痺が治ると次は効きにくくなるらしいので今のうちに倒してしまおう。

まぁ、マイとユイがいるから余裕なんだけどね?

 

「【峻厳(ゲブラー)】」

 

「「【ダブルスタンプ】!」」

 

いつものSTRバカ強化と大槌から繰り出された二人の二連撃により狐を葬り去る。この二人がいればギミックなどガン無視できるのだよ。哀れ運営…。まぁ今日欠席のギルドマスターがいればそんなことさせても全てを一つ一つ丁寧に潰されていっちゃうけどね。

こうして無事五層へと進出したので、その後は各自行動を別にして散策を初めた。メイプルはなぜか四層で最強と言われていた鬼をしばいてから来たらしい。何してはるん?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

五層の探索をそこそこにして、俺は今四層のある所に向かっている。どこかって?そんなん最強の鬼の所に決まってるだろ。

メイプルにどんなやつだったか聞いたけど、すごい強いことしか分からなかった。あと召喚系のスキルを手に入れたらしい。ぜひとも欲しいな。

 

「ここか」

 

ついた場所には大きな扉。屋敷、というよりも城のような場所。

 

「さてと、スキルのクールタイム、アイテム、武器の耐久、全て問題なし

し、、と。」

 

扉を開け、目的の存在に目を向ける。

 

「ほぉ…。これはまた随分と珍妙なものが来たな」

 

「あんたが四層最強の鬼か?ここは一手ご指南願いますって言った方がいいか?」

 

「ハッハッハ!!俺の跡を継ぎたい訳ではないと。…いいだろう、かかってこい。その歪な力、魅せてもらおうか!」

 

セツナは原初の力を持って四層最強の鬼と対峙することになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「来たれ、我が使徒達よ!」

 

「「「「クォォォォォォン!!!」」」」

 

「ふむ、眷属の類か」

 

少し離れた所にいる鬼は右手に2メートル近くの薙刀を、左には刀身が折れた刃渡り50もない刀を取り出した。

 

「フン!!」ガキィィィィン

 

「クォォォォ!!」ギリギリギリ

 

即座に離れていた距離をつめて折れた刀で攻撃してくるが、使徒に防がせる。

 

「!?【慈悲(ケセド)】」

 

慈悲(ケセド)

慈悲、拡大、恩恵を表す。

自身を含む存在一人を選択し、その対象に以下の恩恵を付与する。

•5分間対象のVITを1.5倍にする。

•5分間受けたダメージ(自傷、環境ダメージを除く)を30%即座に回復する。

•5分間対象の全ての状態異常耐性を【大】まで上昇させる。

(クールタイム 1時間)

 

「ん?固くなったな、術の類か。だか、その程度では話にならん!!」

 

「グォォォォン!?」ザシュゥゥゥ

 

鬼の刀はたしかに使徒が持っていた武器によって受け止めたがそれごと使徒の体を切断してみせた。ダメージはある程度抑えられたが9割近く削られてしまった。

 

「まじで!?なんですかその刀は!?(貫通、割合攻撃、いやもしや防御無視か?)」

 

「ほぉ、気づいたようだな、この刀の本質に。これには【切断】の概念が込められておってなぁ。そうあれかしと斬れば、どのような状況であれ、なんであろうとも斬り伏せるのさ」

 

「チート性能すぎません?なにその化け物武器」

 

説明を聞くと、多分純粋に威力が高いとかそういう問題ではないんだろうな。魔法であれ、スキルであれ斬れるのだろう。現に、使徒に付与した【慈悲(ケセド)】の効果が解除されてる。まさかバフスキルも”斬る”とかおかしくありません?

でも対策としては色々考えつくかな。結局の所、斬られなければいいんだ。とすると拘束系なんかがいいかな…

 

「血を啜り、肉を喰らい、かの者を締め付けよ【か細き飢餓の鎖(グレイプニル)】」

 

「ぬぉ!?」

 

黒竜の拘束魔法を使い動きを止める。しかし、

 

「悪くない手だ。だが」ビキビキビキ

 

「は!?」

 

魔法で出現した鎖は数秒もしない内に粉々に砕けちる。刀で斬られた?否、四肢を拘束されまともに武器に振ることなど出来ない状況だった。ならなぜ鎖が壊されたのか。それは…

 

「これがかの祖竜の力か。主上に話を聞いておらなかったら危なかったな。」

 

「しゅじょう?」

 

「ん?主上を知らずにここに来たのか?…まぁ知らぬならそれでよい」

 

ちょっと待って。え?祖竜?主上?もしかして俺なんか変なフラグ立てた?祖竜って事はあの黒竜、【原初の竜】の事か?そんな奴を知ってるって事は……

 

「なぁ、もしかしてその主上って人は原初の一人なのか?」

 

「なんだやはり知っておるのではないか!」

 

あー、これもしかしてまーた原初シリーズのスキルっすか。今回は他の原初関連のスキルを持ってるとかが条件かなー…いや今は条件とかはおいておこう。絶対この鬼に強化フラグ立ってるよなー。メイプルや他のギルメンに聞いてたけど、少なくともあの折れた刀はなかった。というか主上という存在も知らないだろう。なにより聞いてたよりも格段に強くなってる。だって今もうまく表現できないけど後ろから力?みたいなものがあの鬼に流れていってるの見えるし!!

 

「やはりお主は主上と同じ……いや継承者の方が近いか。主上は我ら妖の始祖にして、魔を創り出した原初の一柱。今回、貴様がここに来たのと同時に主上から”我の力を使って戦え”と頼まれたのだ。おそらく品定めのようなものだろう」

 

「まじかー、というか品定めって、なんで俺試されてるんすかね?」

 

「それについては知らん。こんな事俺も初めてだからな!」

 

そう言って白鬼は豪快に笑う。

つまり原初シリーズのスキル獲得イベントですかそうですか。…はぁ、まぁ報酬が強化?されてるって思えばいいか。しかしこの白鬼まだまだ強くなっていくんだけど。え、これもしや負ける?短期決戦しないと勝てないやつ?

 

「とりあえずその主上さん?とか言う人に認めてもらえればいいんすよね?なら話は早い。白夜」

 

〔何用だ?契約者よ〕

 

「使徒達の指揮はお前がやれ。•••合わせろよ?」

 

〔あぁ、承知した。我に任せるがよい〕

 

「ほぉ、今度は神の胎児•••そのような者も従えておるのか。これは主上が力を貸すのも納得だな。であるならこちらも今ある全てを用い、力の限りを尽くして貴様を倒そう」

 

 

 

互いに武器を構えながら、切り札であるスキルの名を叫ぶ

 

 

 

 

 

 

 

 

「目覚めよ【大祖竜(テュフォン)】!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「胎動せよ【天獄(テンゴク)】!!」




どうもとてつもなくお久しぶりです。
少しリアルの方で色々ごたついてまして、約4ヶ月以上も休止して申し訳ありません。

【折れた刀身】
鬼が使っている刀。ボロボロでまともに使えないように見えるが、主上という存在の力が宿っており、とんでも武器に化けている。バフ解除に防御貫通など盛り沢山な武器。原初系のスキルを持つプレイヤーと戦闘する時に使ってくる。

【欠けた勾玉】
ちゃんと出さなかったが鬼が首にかけているアクセサリー。こちらは即時デバフ解除をする効果がある。鎖を砕いたのはこの装備のおかげ。同じく主上の力が込められている。
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