星凪の部屋は、半額おにぎりの袋とレース下着と男物の衣類散乱する
混沌とした空間。
布団の上に転がった、星凪は一言。
「…やっべぇ、このままじゃマジで餓死だわ!」
小さな胸はビリビリと痛み、ブラの紐跡はまだ赤く腫れている。
股間の違和感も消えない。だが、金がなければ次のブラもナプキンも買えない
5万円の重さは心地よいが、前回のバイトの羞恥と痛みの記憶が尾を引いている。
「くそ……このままじゃ資金が尽きるし、身体を探す手がかりも掴めない」
ふと、PCの画面に開いた掲示板に、
コメントの流れるの生放送のスレが目に入った。
「そういえば」
そういえば時代はネット黎明期、当時違法ダウンロードは当たり前の時代
アニメの声を加工した2時創作、電子音声に歌わせるなど
ありとあらゆるネットコンテンツが産声を上げ始めた時代
当時のネットコンテンツはそれこそ女というだけで
ものすごい勢いで視聴者が群がっており
ある者は銀行口座を開き金を求めたり
またある者は、ネット通販で欲しいものリストを出して、
購入してもらおうとする、いわゆるネット乞食と言うスラングが生まれたのだ
「俺でも……できるんじゃね?」
小さな胸と華奢なボディは、
そして前世で見たことの無いほどの自他ともに優れた容姿に
中身が俺であることで羞恥ネタに笑いを取り、
一般の女性配信者にない“珍しさ”を演出できる。
恥ずかしがりながらも素人っぽいトークで引きつければ、金は集まるはずだ。
「よし、腹くくった!」
星凪は元の身体を探す情報収集より、まずは金策と。
パソコンのメモ機能を開き、キーボードをバシバシ叩く
1. 配信タイトルで釣る!企画会議
『元・男子26歳、無理矢理JK化♡初生★』
「ここは思い切って、コミカルに攻めるしかない!」
と、自分でつぶやきながらアイデアを羅列。
コスプレ:セーラー服+ハイレグ水着オマケ
声真似:ギャルっぽく
「ちょ〜ヤバイっす!」
「ん〜イケる気がする!…なんか死にたくなってきた」
思わずニヤリと笑うが、一瞬で正気に戻り動きが止まる。
「待てよ!そもそもなんで俺、
昨日まで嫌がってた水着ノリノリで着てるだ」
「あり得ねぇ!、俺は女の子になりたがってるって言うのか!」
もしやこれが噂に聞く、メス堕ちなるものなのか
このままでは俺は女のまま時間が立てば本物のにメスになってしまう。
もしかしたら俺に残された時間は案外少ないのかもしれない
「おっはよ〜!星凪だよ♡今日はボクの素顔(声だけ)を初公開しちゃうッス!」
だがやらねばそれこそメスのままで、生涯を終えるつもりはない
「もっとテンション上げろ!」と自分でツッコみ、甲高い声を練習する。
次に、ハイレグ水着オマケのコーナー。布を引っ張りながら
「見てこれ、平成初期風だぜ〜..なんかエロイなコレ」
ポーズを取るが、あまりのエロさに思わず股間に両手を当てて確かめてしまう。
貧乳だけど案外何とかなるかと一人うなずく
「うわっ、めっちゃ食い込むな..」
鏡の前で悶絶しながらもカメラに向かってウインク。
ギャグと羞恥が同時に襲う。
リハーサルを終えて掲示板を開き
『女体化スレ』と入力して似たような書き込みを探すも
これと言った物は無く、ナチスだ、フリーメイソンだ、宇宙人と
都市伝説止まりだった
メールのに書いて、あった夜の屋上を検索するも何もヒットしなかった。
仕方なく自分で掲示板を立て情報を集めようと試みも
荒らしとネタの書き込みばかりに
星凪は「お約束かよ!」とひとりツッコミを入れる
配信プランを練りつつ、
星凪は再び掲示板のスレを巡回した。『女体化 転生者』
などのキーワードで過去ログを漁るが、具体的な手掛かりは得られない。
そこで思いついたのが、配信中にリスナーから情報を募る方法だ。
「女体化の謎や身体交換の都市伝説を募集してみるか……」
視聴者との双方向コミュニケーションを活かせば、
思わぬ有力情報が集まるかもしれない。
金策と情報収集を同時にこなせる“二刀流”だ。
「よし、明日の夜は……笑いと羞恥を武器にする!」
星凪は布団に倒れ込み、薄手のパーカーを脱いでレースブラだけの姿で
鏡を見返した。寒さよりも、
ブラのワイヤーが乳房の小さな山を強く押しつける感覚に全身が痺れた。
――ブラのアンダーラインがギリギリに締め上げられて、
胸の下が赤く食い込んでる。
軽く両胸を手でさすりながら、
乳首の先端がレース越しにピンと硬く尖るのを感じた。
その瞬間、わずかな光の乱反射ですら、
自分の身体の“ありえない部位”が誰かに見られている気がして思わず息を飲む。
「ヤバい……このまま手を離したら、布地の隙間から全部見えちゃうかも……」
下腹部にも痛みが走る。あの日ドラッグストアで買ったナプキンの大袋を見ながら、もし明日生理が来たらどうしようと怖くなった。
――股間にまとわりつくレースショーツの肌触り、
歩くたびに股間に湿った感触が伝わる。
パッド入りの下着とは違い、
薄いレースはまるで肌そのものを晒すかのように感じられる。
股間のVラインがくっきり浮き出し、
内腿のすれる部分がジンジンと痒く疼く。
思わずパンツを引き上げ直すが、太ももとの摩擦ですぐにずり落ちそうになる。
「くそっ……女の身体って、こんなに繊細で厄介なのかよ!」
ため息をつきつつ、あらためてPCの配信スクリプトを開く。
「こんばんは、星凪です♡ 今日はみんなのリクエストで──」
だが画面の向こうにいる不特定多数の視聴者の視線を想像すると、
胸の痛みと羞恥心が一気に高まる
鏡でブラの上からポロリしないかを確認しつつ、息を整え
最後にパーカーのフードを深くかぶった。
「……明日は、コメントで『おっぱい見せろ』とか『下着脱げ』
とか飛んでくるんだろうな」
そう考えた瞬間、星凪の心は“笑劇”への期待と恐怖でぐらりと揺れた。
だが、元の身体を取り戻すため、
そしてこの身体で生き抜くためには、笑いながら恥をさらすしかないのだ。
配信ボタンを押す指先が震える。画面に映るのは、
制服代わりのセーラー服とハイレグ水着、
レース下着が透けた薄暗い部屋の一部。高まる鼓動と呼吸を整え、
星凪は画面越しの“ギャグ羞恥ショー”へと飛び込んでいく