トランス・ライヒ2007   作:takanoko

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JKアバターの裏で死ぬ俺

深夜0時──星凪はパソコンの前に座り

見バレ防止のためにマスクを着け口を隠し、服装はブラと薄手のパーカー

お色気の要素を出す、必要なことだと割り切り羞恥心と緊張で震える。

下の方はいまだゴムのキツさに慣れず、

残っていた、ずり落ちそうなユルユルの男物の下着を履く

 

「ええい!ままよ!ここまで来たら引き返せない!、

俺に必要なのは女体ではないチ〇〇だ!」

 

配信ソフトを立ち上げ、IRCチャット風のコメント欄を開く。

画面には“★元・男子26歳、無理矢理JK化♡初生★”と赤文字でタイトルが踊る。

 

星凪は小声で「あ、あの…こんばんは…星凪です♡」と挨拶する。

 

[名無しさん] うぉ!JKきたあああ

[名無しさん] 痴女やんww

[名無しさん] 男の癖にブラ付けんな56すぞ

[名無しさん] 下半身見せろ

[名無しさん] 声は良い

[名無しさん]乳無いやんブラいらねぇだろ

 

「開幕チクチク言葉やめない?てか言っておくがな

女にとって有る無い問わずブラは必須なんだよ、労われ」

 

自身の痴女めいた服装を隠すようにわざと

パーカーのジッパーをビィと音を立てながら上げる。

 

身構えてはいたがいざ来てみると心に来るものがある

心が折れそうになるも、情報収集、資金調達のためにも

配信を続ける。

 

[名無しさん]急に素に戻んなびっくりするだろ

[名無しさん]脱いで♡

[名無しさん]下半身見せて

[名無しさん]なんでブラ隠したの?

[名無しさん]わかりました、ブラ着けてる人は褒めておきます

 

「脱がないし、見せんわ、後、ブラは褒めんな何も言うな」

 

デリカシー0のバケモンをたしなめる、一度深呼吸して

前回のリハーサルを思い出しもう

 

「でわ改めて、こんばんは、星凪です♡ 今日はみんなのリクエストで──」

 

[名無しさん]してない

[名無しさん]出してないし存在してない

[名無しさん]いまからリクエスト受け付けろ、ガイジ

[名無しさん]作って無いやん、アスペか?

[名無しさん]いまさら猫被るなww

[名無しさん]手遅れやんけ、持ち味を生かしていけ

 

「ネタが思いつかなかったので、コーラーを一気飲みしまーす」

 

流れるコメントを無視してビールジョッキになみなみと注ぐ

 

[名無しさん]無視すんなww

[名無しさん]しかとで

[名無しさん]可愛いね僕の※※をお飲み

[名無しさん]初っ端からバケモン沸いてるwww

[名無しさん]一気飲みとかもったいないことすんなよカス

 

変な奴がいるのは想定外ではあるが、幸先がいいスタートを切れそうだ

視聴者は20人、そして少なくとも調べたかんじ、

おそらくこのネタを披露するのは俺が初めてのはず。

星凪は意を決してジョッキを高く掲げ、コーラを一気飲みして見せようとする。

 

「いくぞー…あっまって重」

 

しかし、ジョッキは想像以上に重く、非力な腕が震え、

手のひらからツルリと滑りジョッキが傾く

 

「キャ!…今、俺なんつった」

 

ジョッキは勢いよくデスクの上にコーラーを、キーボードの上でバシャッと

大惨事を巻き起こす。真っ黒なコーラが跳ね散り、テーブルにぶちまける

 

「俺の全ザイサァァァァン!」

 

――一瞬、自分の服が濡れて恥ずかしがるリアクションを取るべきところだった。

だが星凪は本能的に画面の向こうの視聴者よりも、

現在の生命線であるPCの心配が勝ち。

慌てて立ち上がりティッシュを取り、キーボードと画面の隙間を拭き始める。

現在進行形で配信中なのを忘れ背を丸め、視線はひたすら拭き取り動作を始める

そのすべてが至近距離で映し出される

 

[名無しさん]え!

[名無しさん]ちらっと見たけど、えっぐいブラ着けて笑う

[名無しさん]4999999999999999999

[名無しさん]さっきから口調が安定して無いのは笑う

[名無しさん]江っ!

[名無しさん]もっと近づいて

[名無しさん]カメラもっと下向けて

[名無しさん]wwwwwww

[名無しさん]悲鳴上げたと思ったら急に落ちついてまた叫ぶの

       あまりにも情緒不安定すぎるけど大丈夫?

[名無しさん]↑生理でしょ

 

「た、タオル取ってこなきゃ!」

 

「ヌお⁉、」

 

落ちてた自身の履いてた下着に足を取られその場で盛大に

転び足をバタバタとさせる

 

[名無しさん]えっ!

[名無しさん]みえた!

[名無しさん]49999999

[名無しさん]履いてない

[名無しさん]カメラさんもと下向いて

[名無しさん]もっと足バタバタしろ

 

「いっつぁぁぁ!...何なのよ!もーう!」

 

ガバッ!と起き上がり事件現場であるデスクを睨みつける

 

「て!、パソコン⁉...は?」

 

慌ててパソコンに駆け寄り惨状を確認しようとテーブルに近づく

するとモニターの画面の一部端で表示されるコメントが濁流のように流れ続ける

 

[名無しさん]カメラもっと下向いて

[名無しさん]え、!

[名無しさん]祭りと聞いて

[名無しさん]以外と顔が良い

[名無しさん]ちょっと貧乳の良さに気づいたかも

[名無しさん]星凪のパーカーでお出汁を取りたい

[名無しさん]じゃあブラは貰ってくから

[名無しさん]4999999

 

「ナニコレ」

 

処理が追い付かず、パソコンのモニターを見る

 

零れたコーラーが胸元へと伝い、薄く濡れた生地は肌にピタリと張りつき。

平坦な胸にぽつりと突起が浮かび小さな鎖骨の陰影がじんわりと浮かび上がり

服の端からポタポタト滴る

 

モニターに今までの痴態が晒されていることを知り

星凪の顔を一気に赤くなる

 

「キャァァァァ!」

 

本能からか反射的に腕で胸を隠し、

pcのコンセント引き抜き配信の強制的に終わらせた

しかしその一連の動作はすべてカメラに捉えられ

それのすべてネットの海へと放流された、

その後デジタルタトゥーの参考例して永遠に語り継がれるのであった。

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