青き春の物語(ブルーアーカイブ) ガンヴォルト   作:コーヒーこめ

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お久しぶりです、ようやくリアルが落ち着きました。
ようやくブラックマーケットに突入します。


無法者の集う市場

 

 

 

「お待たせしました。変動金利などを諸々適用し、利息は788万3250円ですね。」

「すべて現金でお支払いいただきました、以上となります。」

「カイザーローンとお取引いただきありがとうございます。来月もまたよろしくお願いします。」

 

アビドスを襲撃して来たテロリストを退けた翌日、校門にはカイザーローンの現金輸送車が取り立てに来ていた。

皆が気落ちする中、ホシノが沈黙を破る。

 

「はぁ、今月も何とか乗り切ったねー。」

 

「…完済まであとどれくらい?」

 

「309年返済なので…今までの分を入れると…。」

 

「言わなくていいわよ、正直な数字で言われるとさらにストレスが溜まりそう…」

 

シロコとアヤネのやり取りにセリカはため息交じりに口をはさむ。

 

「とてもじゃないけど、生きてるうちに返せる額ではないね。」

 

僕も便乗する

 

「ところで、カイザーローンはなぜ現金でしか受け付けないのでしょうね?わざわざ銀行まで手配して…。」

 

確かにノノミの言うとおりだ、今なら口座からの引き落としやキャシュレスのほうが楽に済ませられるはず…。

 

「何か裏がありそうだな…。」

 

「GV、どうかしたの?」

 

「シロコ、何でもないよ、教室に戻ろう。」

 

僕はシロコをごまかすような言い方をして、皆とともに教室に戻った。

 

 

――――

 

「全員そろったようなので始めます、まずは2つの事案についてお話ししたいと思います。」

「最初に昨晩の襲撃の件です。私たちを襲ったのは[便利屋68]という話です。」

「ゲヘナでは、かなり危険で素行の悪い生徒たちとして知られています。」

 

ゲヘナ…トリニティ、ミレニアムと共にマンモス校といわれる学園だけど、目立って治安が悪いといわている学園って聞いたな。

 

「リーダーの名前はアルさん、自らを[社長]と称しているようです。」

 

「いやぁー、本格的だねぇー。」

 

(本格的というよりおままごとみたいな感じがするが…)

 

「ゲヘナ学園では企業が許可されているの?」

 

「いえ、おそらく校則違反かと。」

 

「そんな悪い子たちには見えませんでしたが…。」

 

「それが今までかなり非行の限りを尽くしたようで、ゲヘナでも問題児扱いされているようです。」

 

「今度ゲヘナに行ったら、彼女たちの話を聞いてみるよ。」

 

「はい、ぜひ。 続きまして、セリカちゃんのを襲ったヘルメット団の黒幕についてについてです。」

「先日の戦闘で手に入れた戦略兵器の破片を分析した結果…現在は取引されていない型番ということが判明しました。」

 

「もう生産停止ってこと?」

 

「そんなものいったいどうやって?」

 

ホシノとセリカの質問にアヤネは答える。

 

「生産が中止された型番を手に入れる方法は…キヴォトスでは[ブラックマーケット]しかりません。」

 

「ブラックマーケット…闇取引か。」

 

「はい、あそこでは中退、休学、退学…様々な理由で学校をやめた生徒たちが集団を形成しており、連邦生徒会の許可を得ていない非認可の部活もたくさん活動していると聞きました。」

 

「便利屋68みたいに?」

 

シロコはアヤネに尋ねる。

 

「はい、それから便利屋68もブラックマーケットで何度か騒ぎを起こしていると聞きました。」

 

「では、そこが重要ポイントですね!」

 

「はい、ふたつの出来事関連性を探すのも、一つの方法かもしれません。」

 

「よし、じゃあ決まりだねー。ブラックマーケットを調べてみよー。」

 

「不良生徒と交戦になる可能性もある、みんな装備を整えていこう。」

 

そうして僕たちはブラックマーケットに向かうことにした。

 

――――

 

―ブラックマーケット

 

どこか電脳九龍街を彷彿させる雰囲気があり、あたりを見渡せば、不良生徒が取引をしたり生産停止しているのオートマタが販売されていた。

 

「ここがブラックマーケット…。」

 

「わぁ、思ったより賑わっているんですね。」

 

「本当に。小さな市場を想像していたけど、街ひとつくらい規模だなんて。」

 

「連邦生徒会の手が及ばないエリアが、ここまで巨大化してると思わなかった。」

 

「私たちは、アビドスばっかりに居るからねー。学区外は結構変な場所が多いんだよー。」

 

『皆さん、油断しないでください。そこは違法な武器や兵器が取引される場所です。何が起こるかわからないんですよ。』

 

(タタタタタタ!)

 

アヤネがそういった瞬間、銃声が鳴り響く。

 

「待て!」

 

「う、うわああ!まずっまずいですー!!ついてこないでくださいー!!」

 

音が鳴った方向を見るとクリーム色の髪をした生徒が不良生徒に追いかけられていた。

 

「そうはいくか!」

「うぐぅ!なんだぁ!?」

 

僕はすかさず、相手を脅すために避雷針を放つ。

 

「その子から離れろ。」

 

「なんだお前らは。どけ!あたしたちはそこのトリニティの生徒に用がある。」

 

「キヴォトスで一番金を持っている学校さ!拉致って身代金たんまり頂こうってわけさ!」

 

「拉致って交渉!なかなかの財テクだろう?」

「どうだ、お前らも興味があるなら計画にのるか?身代金の分け前は…。」

 

「僕が何を言ったのか聞こえなかったのか?」

「離れろといったんだ。」

 

「あ?」

 

(バスッバスッ!)

 

僕が言葉を放った瞬間、シロコとノノミは不良に銃弾を放った。

 

「「うぎゃあっ!」」

 

「悪人は懲らしめないとです☆」

 

「うん。」

 

「あ…えっ?えっ?」

 

助けられた生徒は終始困惑していた。

 

――――

 

「あ、ありがとうございました。みなさんがいなかったら、学園に迷惑をかけるところでした…。」

 

「大丈夫かい?君、名前は?」

 

僕は生徒に名前を尋ねる。

 

「わ、私、阿慈谷ヒフミと申します!」

 

トリニティの生徒…ハスミやスズミの所属している学園だったな、聞いたところお嬢様学校みたいだけど、そんな子がどうしてこんなところに…。

 

そんな考え事をしていたら、ホシノがヒフミに話しかける。

 

「えっとー、ヒフミちゃんだっけー?それにしても、トリニティのお嬢様がなんでこんな危ない場所にきたのー?」

 

「あ、あはは…それはですね…実は探し物がありまして…。」

「もう販売されてないらしいので買うこともできないものなのですが、ブラックマーケットでは密かに取引されているらしくて…。」

 

「もしかして…戦車?」

「もしくは違法な火器?」

「化学武器とかですか?」

 

多分違うとおもう…。

 

「えっ!?い、いいえ…えっとですね、ペロロ様の限定グッズなんです。」

 

「ペロロ?」

「限定グッズ?」

 

シロコとセリカが問いかける。

それを聞いたヒフミが、嬉々としてスマホの画面を見せてくる。

 

「はい!これです。ペロロ様とアイス屋さんがコラボした、限定のぬいぐるみ!」

 

そう言って彼女が見せてきた画像には、口にアイスを突っ込まれた鳥のような生き物が映っていた。

 

「限定生産で100体しか作られていないグッズなんですよ。」

「ね?可愛いでしょう?」

 

これは可愛いのか?まるで拷問されてるようにしか見えないんだけど…

 

「わあ☆モモフレンズですね!私も大好きなんです!ペロロちゃん可愛いですよね!私はミスター・ニコライが好きなんです。」

 

「分かります!ニコライさんも哲学的なところがかっこよくて。最近出たニコライさんの本『善悪の彼方』買いましたよ!それも初版で!」

 

どうやらノノミと意気投合してしまったようだ…僕にはわからないことだな…

 

「うへー、先生もわからない感じ?」

 

「うん、あまり触れてこなかったからかな…。」

 

「最近の若い奴にはついていけないね~。」

 

「ホシノ先輩、あまり年の差ないじゃん…GVどうしたの?」

 

「…いや、何でもないよ…。」

 

「というわけで、グッズを買いに来たのですが、先ほどの人たちに絡まれて…みなさんがいなかったら今頃どうなっていたことか。」

「ところで、アビドスの皆さんは、なぜこちらへ?」

 

「私も実は探し物があるんだ、生産が停止してて、ここでしか手に入らないようなものなんだけど…。」

 

「そうなんですか、なんだか似てますね。」

 

「それにしても、よくこんな危険なところに来ようとおもったね。」

 

「そ、それはいろいろ危険なところとは聞きました…。」

「連邦生徒会の手が届かないことをいいことに、ブラックマーケットだけでも、学園数個分の規模に匹敵しますし、無視はできないかと…。」

「それだけじゃなく、ここ専用の金融機関や治安機関があるほどですから。」

 

「!?それってもちろん、認可されてない違法な団体だよね!?」

 

「ふーん、ヒフミちゃん、ここのことに意外と詳しいんだねー。」

 

「い、いえそれほどでも~。」

 

「ほめるべきことではないと思うけどな…。」

 

そんな会話をしていると、ホシノは突然ひらめいた顔をする。

「よし決めたー。」

「助けてあげたお礼に、私たちの探し物が手に入るまで一緒に行動してもらうね-♪」

 

「えっ?ええっ?」

 

「ヒフミ、君がブラックマーケットに出入りしていることは黙っておく、すまないけどここは手伝ってほしい。」

 

「…ええーーーーーっ!!!!!!????」

 

――――――

 

―数時間前 某所

 

(プルルルル…)

 

ここは便利屋68の事務所

社長である陸八魔アルは電話が鳴る机を前に、落ち着かない様子で事務所の椅子に座っていた

そんなアルにムツキは問いかける。

 

「アルちゃん、電話でないの?」

 

「表情が暗い…もしかしてクライアント…?」

 

「うわ、そりゃそんな顔にもなるわ。失敗したって報告しないとじゃん?」

 

「アル様…。」

 

ムツキとカヨコが会話している中、ハルカはアルに心配の表情を向けていた。

 

「…くっ。はい…便利屋68です。はい…はい…えっ!?一週間以内に!?あ、いえ、できます。お任せください。」

 

(ガチャ)

 

「はぁ…。」

 

「社長、まさかまた戦うつもり?」

 

「でもお金は全部使い果たしちゃったじゃーん?」

 

「こんなオフィス借りてるから、すぐに資金が底を尽きるんだよ。」

 

ムツキとカヨコはアルに煽るように言う。

アルはそれを聞き怒鳴りだす。

 

「う、うるさいわね!ちゃんとした会社なら事務所は基本でしょう!?」

 

「私は前みたいに公園にテントでも構わないけど~?」

 

「うるさい!…融資を受けるわ。」

 

「え~?アルちゃんはブラックリスト入りしてるでしょ?」

 

「違うわよ!私は指名手配されて口座が凍結されただけ!」

 

「あ、そうだった~。」

 

「見てなさい、この依頼必ずこなして見せるわ…!」

 

そう言い放ったアルの瞳には、新年の炎が宿っていた。

 

 

――――――

 

違法戦車の情報を探し始めてから数時間後、なかなか見つからず途方に暮れていた僕たちは、近くにあったたい焼き屋でしばしの休憩をとっていた。

ヒフミはタイ焼きを食べながら発言をする。

 

「お探しの戦車の情報…。探しても出てきませんね…。」

「販売ルート、保管記録…すべて何者かが意図的に隠しているように見えます。」

 

「意図的に?」

 

「はい、いくらここを牛耳っている企業でも、ここまで徹底してブラックマーケットを統率することは到底不可能なはず?」

 

「異常なことなの?」

 

シロコがヒフミに問いかける。

 

「普通ここまでやります?って感じですね…。」

 

「ここに集まっている企業は、ある意味開き直って悪さをしていますから、逆に変に隠したりはしないんです。」

「例えば、あそこのビル。あれがブラックマーケットに名を馳せる闇銀行です。」

 

「闇銀行?」

 

セリカの言葉にヒフミは返答する。

 

「聞いた話ですと、キヴォトスの犯罪に関わる金融資産の15%近くが、あの闇銀行に流れているそうです。」

「横領、強盗、誘拐など様々な犯罪によって獲得した財貨が違法な武器や兵器に変えられてまた他の犯罪に使われる…。」

「そんな悪循環が続いているんです。」

 

「それじゃあ、銀行が犯罪を助長しているようなものじゃないですか!」

 

話を聞いたノノミは、手に持っていたたい焼きの紙袋を握りしめ、怒りをあらわにする。

 

「その通りです。まさに銀行も犯罪組織なのです。」

 

ここでは何もかもが敵のようなものか…。

僕が前いた世界も、数十年前皇神が、第七波動能力者の保護を謳いつつ、非人道的な人体実験を行っていた。

 

権力者が立場の弱い人間を利用する…。やり方は違うけど、ここも同じような汚れ方をしているんだな…。

 

(ブロロロロ)

 

突然、どこからかエンジン音が聞こえてくる。そのほうに目を向けるとヒフミは驚きの表情を見せた。

 

「あれは!マーケットガード!!」

「ここの治安機関でも最上位の組織です!」

 

「こっちの存在には気づいてないみたいだねー。」

 

「…何か護送してる。現金輸送車だ。」

 

その現金輸送車には見覚えのあるロゴがついていた。

 

あれは、カイザーローン!?

カイザーローンの現金輸送車は闇銀行に向かっていった。

 

「まさかカイザーローンは闇銀行とつながっていた?」

 

「カイザーローン!?」

 

その言葉にヒフミは反応する。その様子にホシノは尋ねる。

 

「ヒフミちゃん知ってるの?」

 

「ええと、かの悪名高いカイザーコーポレーションが運営する小売金融業者ですよね?」

 

「…まずいところなの?」

 

「カイザーローンは合法と違法の間のグレーゾーンでうまく振舞っている多角化企業で…。」

 

皇神は表向きには人々のために行動していた…でもこれは…皇神よりひどいな…。

 

「みなさんはカイザーローンに融資を?」

 

ヒフミの言葉にホシノは気まずい反応を見せる。

 

「あはは、話せば長くなるんだよね―。」

 

「思えば現金のみの返済だったのも、履歴が残らず足がつきにくいからか…。」

 

すべてを察したセリカは怒りの表情を見せる。

 

「…てことは、私たちは犯罪者に資金を提供し続けてたってこと!?」

 

『ま、まだそうはっきりとは…証拠も足りませんし…。』

 

アヤネの言葉に僕たちは黙り込む。

その沈黙を破るかのようにヒフミが思い出したかのように発言する。

 

「集金の時は受領証明書が出ますよね?その発行の証明書が見つかれば証拠になりませんか?」

「あ、でも考えてみたら書類はもう銀行の中ですし…無理ですよね…。ブラックマーケットのセキュリティはキヴォトスでも最上位ですし…うーん。」

 

ヒフミが悩みだし再び沈黙が流れ出す、だが次はシロコが思いついた表情を見せ、一つの提案をし始める。

 

「ねえ、ホシノ先輩、ここは例の方法しか。」

 

「ん?あ!あれかぁ!」

 

「そうですね!あれなら!」

 

「あれってまさか!」

 

「やむ負えないけど、あの方法しかないのか…。」

 

「あ、あのう。お話が見えないんですが…。」

 

戸惑うヒフミにシロコが答えを出す。

 

「残された方法は一つ。」

 

「銀行を襲う。」

 

「はいいいいいーーーー!?!?」

 

「ごめん、ヒフミ…私が想定してなかったせいで、ヒフミの分の覆面がない…。」

 

「え!?わたしもですか?」

 

「仲間はずれにするなんていけません!ヒフミちゃんこれをどうぞ!」

 

そういうとノノミは手に持っていた紙袋をヒフミに差し出す。

 

「え!?ちょっと待ってください…ノノミさん!?」

 

ヒフミはノノミに紙袋をかぶせられ困惑の表情を見せていた、紙袋には律儀に穴をあけられ[5]という数字が割り当てられていた。

 

「わ、私も手伝うんですか…?」

 

その言葉にホシノは笑いながら返答する。

 

「何言ってるのさヒフミちゃん、さっき約束したでしょ?今日私たちを手伝うって。」

 

「うう、私もう生徒会に合わせる顔がありません…。」

 

「GVは?」

 

「…正直、賛成はしたくないかな…。」

「今からやるのはれっきとした犯罪行為だ。もしバレたら僕たちは世間からテロリストして認識されるだろう…。」

「でも僕は君たちを手伝うと約束したんだ、これが君たちの望むことなら僕は手を貸すよ。」

「責任は先生である僕がとる、セキュリティやマーケットガードは僕に任せてくれ。」

 

「GV...。」

 

「うへー、そう来なくっちゃ!」

 

「なら、決まりですね!」

 

「さぁ、気合い入れるわよ!」

 

「あうう...。」

 

みんな(1人を除く)が団結したことにより、アヤネが声を掛ける。

 

 

『それでは、覆面水着団…出発です!!』

 

やっぱりその名前はどうかと思う...。

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