青き春の物語(ブルーアーカイブ) ガンヴォルト 作:コーヒーこめ
P.S.ガンヴォルト無印のアマテラスSSランク行きました。
───シャーレ建物・内部
「ここがシャーレ内部…」
リンさんに言われて建物に入った僕は、内部の探索をしていた。
ガタンッ
「ん?誰かいるのか?」
僕は物音のする方へ移動する。
「君は!?」
「うーん…一体これが何なのか、全く分かりませんね…これでは壊そうにも…あら?」
そこには先程逃がしたはずの生徒、ワカモが部屋を漁っていた。
僕はすぐさま臨戦態勢を取り彼女から距離を取る。
「君はここに来るまでに器物損壊や不法侵入をしている、もし君が抵抗するなら、僕も容赦はしない。」
(こっちに銃口を向けてきたら、拘束をするしかない…どう動く…?)
「あら、あららら?」
「…」
「あ、ああ…」
急に大人しくなった…動揺しているのか?
「し、し…」
「し?」
「失礼いたしましたー!!」
「……?」
いきなり僕の顔を見るなりワカモはそそくさと逃げていった…。
何だったんだ…?
「お待たせしました。」
しばらくするとリンさんがシャーレ内部に入ってきた。
「リンさん…」
「…?何かありましたか?」
「…いや、なんでもないよ」
ワカモが来たことを伝えようと思ったけれど、今の僕は無傷。
今の僕が伝えたら裏で組んでると疑われて事態が悪化する可能性もある。僕はその場で言うのを辞めた。
「ここに、連邦生徒会長が残したものが隠されています。幸い、傷一つなく無事ですね。」
「受け取ってください。」
リンさんが僕に渡してきたのは一見すると何の変哲もないタブレット端末だった。
「これは……?」
「はい。これが、連邦生徒会長が先生に残した物。【シッテムの箱】です。」
(シッテムの箱…どこかで聞いたことのある名前だ…)
「普通のタブレットに見えますが、実は正体の分からない物です。製造会社も、OSも、システム情報も、動く仕組みの全てが不明。」
「連邦生徒会長は、この【シッテムの箱】は先生のもので、先生がこれでタワーの制御権を回復させられるはずだと言っていました。」
「私たちでは起動すらできなかった物ですが、先生ならこれを起動させられるのでしょうか、それとも…。」
「………。」
正体不明…蒼き雷霆で無理やりこじ開けようにも、不可能なのがわかる、どんな物も通じない特殊プロテクトがかかっているのがわかった。
「…では、私はここまでです。邪魔にならないよう、離れています。」
僕はシッテムの箱に電源を入れる。
さっきまで動く気配はなかったのに、まるで息を吹き返すかのように起動した。
[…]
[Connecting To Crate of shittim… ]
[パスワードを入力してください。]
…パスワード、入力しようにもそれらしきヒントがどこにも書かれていない。打つ手なしか…
突然、脳裏にとある言葉が思い浮かんだ。
僕はその言葉をパスワードとして入力した。
「…我々は望む、七つの嘆きを。我々は知っている、ジェリコの古則を。」
なぜこれを入力したのかは僕にも分からない。
でもこの言葉…この【シッテムの箱】に既視感を感じていた。
[接続パスワード承認。現在の接続者情報はガンヴォルト、確認できました。]
[【シッテムの箱】へようこそ、ガンヴォルト先生。生体認証及び認証書生成のため、メインオペレートシステムA.R.O.N.A.に変換します。]
「…ッ!!」
意識が画面の中に吸い飲まれるのを感じる。
…目を開けると僕はさっきとは別の空間にいた。
ここは、電脳空間か?
目の前には水浸しの教室、壁は壊れていて、その先には透き通るような空と海が広がっていた。
「むにゃ、カステラにはぁ…いちごミルクより…バナナミルクの方が…」
声のする方に目を向けると、小さな女の子が机にうつ伏せになって眠っていた。
「まだたくさんありますよぉ…」
夢でも見ているのだろうか…僕は彼女の肩を揺すって起こす。
「うーん…ふぇ?」
「あ?ありゃ?ありゃりゃ?」
「えっ?あれ?あれ!?」
「せ、先生っ!?」
「この空間に入ってきたってことは、まさかガンヴォルト先生!?」
寝ぼけていた少女は僕を見るなり意識を覚醒させ、慌てだした。
「うん、そうだよ。君、名前は?」
「あ!そうだまずは自己紹介からですね!」
「私は[アロナ]!」
「このシッテムの箱に常駐しているシステム管理者であり、メインOS、そしてこれから先生をサポートする秘書です!!」
「よろしく、アロナ。」
「はい!よろしくお願いします!!」
彼女はとても無邪気に挨拶をしてくれた。
このやり取りを僕はとても懐かしく思えた。
「あ、そうだ!形式的ではありますが、生体認証を行います。」
「恥ずかしいですが…少し私に近づいてください。」
「私の指に、指を触れてみてください。」
「こんな感じ?」
僕はアロナに言われた通り人差し指をアロナに合わせる。
「はい、まるで指切りして約束してるみたいでしょう?」
僕は昔ジーノに貸してもらった映画のワンシーンを思い出したけど…
言わないでおこう。
「それでは、この指紋でこれから生体認証をします。」
(うーん、うん?よく見えないけどこれでいいですかね?)
アロナは僕の指紋を見るなり適当な反応を見せる。
メインOSとして大丈夫なのだろうか?
「はい!確認終わりました。」
「あ、うん。ありがとう。」
「あれ?どうかしましたか?」
「なんでもないよ。」
「そういえばアロナ、ここに来た理由なんだけど…」
話を逸らすため、僕はここに来た経緯をアロナに話した。
「なるほど、連邦生徒会長が行方不明になって、サンクトゥムタワーの制御する手段が失われた…。」
「アロナは連邦生徒会長について何か知らない?」
「私はキヴォトスの情報多くを知っていますが…連邦生徒会長についてほとんど知りません…。」
「そうか…。」
「お役に立てず、すみません…」
「ですが、サンクトゥムタワーの問題は解決できそうです!」
「本当かい?なら頼むよ。」
「はい!少々お待ちください。」
僕の第七波動を通してサンクトゥムタワー内部のあかりが着くことがわかった。
「サンクトゥムタワーのadmin権限を取得完了…。」
「先生、サンクトゥムタワーの制御権を無事回収できました!」
「すごい、こんな早く終わるなんて…。」
「えっへん!今サンクトゥムタワーは私アロナ統制下にあります。」
「なら、サンクトゥムタワーの制御権を連邦生徒会に送ることはできるかい?」
「はい!でもよろしいのですか?」
「大丈夫だよ、お願い。」
「わかりました!サンクトゥムタワーの制御権を連邦生徒会に移管します!」
やり取りが終わると僕の意識は光とともに消え、目が覚めるとシャーレの建物に戻っていた。
「先生、サンクトゥムタワーの制御権の確保が確認出来ました。」
「これから、連邦捜査部[シャーレ]を案内します。」
僕はリンさんの後を付いて行きつつ、シャーレの説明を聞いていた。
シャーレの仕事は何をしてもいいとの事。
とは言っても今この状態では仕事もままならない、治安改善をしてからじゃないと話にならないな。
連邦生徒会は、現在行方不明になっている連邦生徒会長の捜索などで忙しいため、生徒たちから受けた苦情や仕事の依頼は僕が引き受けることにした。
「ここがシャーレの部室です。」
部屋のこそは綺麗ではあるものの、机には山のような書類が積まれていて。デスクトップに向き合うのも難しいような状態になっていた。
「これを一人でやるのは、さすがに骨が折れるな…」
「そうですね、シャーレに部員を募集し、生徒に仕事を手伝ってもらうのがいいかもしれません。先生の頼みならきっと聞いてくれるでしょう。」
確かにこれを一人でやるとなると負担がかかる、人に頼ることも覚えていかなきゃな…
「それでは、私はここまでです。本日はお疲れ様でした。」
「ありがとう、リンさん」
「それからもう1つ…私の事はリンでいいです、一応貴方の生徒なので。」
「わかったよ、リン」
───シャーレ建物前
「ええ、サンクトゥムタワーの制御権を連邦生徒会が取り戻したことを確認したわ」
「ワカモは自治区に逃げてしまいましたが……すぐ捕まるでしょう。私たちはここまでですね」
外に出ると4人が雑談をしていた。
「みんな、お疲れ様。今日は助かったよ。」
「いえ!それより先生の今回の活躍、SNSで話題なってましたよ!」
ユウカがスマホを僕に見せる、ニュースのタイトルには「電気を操る少年、正体はシャーレの先生。」と書かれていた。
「目立ちすぎたかな…」
「シャーレはこれから沢山の場所で活躍すると思います、誇っていいと思いますよ。」
スズミが不安になっている僕をフォローしてくれた。
「これでお別れですが、近いうちにぜひ、トリニティ総合学園に立ち寄ってください、先生」
「私も、今日の出来事を風紀委員長へ報告しに戻ります。ゲヘナ学園にいらした際は、ぜひ訪ねてください」
「ミレニアムサイエンススクールに来てくだされば、またお会いできると思います。先生、ではまた!」
「分かった、ありがとう。みんな。」
僕がなぜこの姿で、この世界に呼び出されたのかは分からない。
でも意味があるのなら…もう一度チャンスがあるのなら…
もうあの未来よりも、あの選択よりも、より良い未来を選べるようにと僕は静かに誓った。
SNSに情報が拡散されるということは、多くの人間がその人の情報を知ることになる…
それはもちろん、彼をよく知る人物達も例外ではない。
───「吃驚仰天。彼もこの世界に来ているとはね…僕たちの計画の邪魔にならなければいいが…」
───「はぁ…せっかくこっちの世界でネトゲをしてたのに…めんどくさいけど、念の為報告しておくかな。」
───「蒼き雷霆ガンヴォルト…まさか…」
最後匂わせましたけど、彼等は次の章では出てきません。
なんなら出番は結構遅めですw
次は休憩でおまけ投稿しようかね。
コメント&アドバイスお待ちしてます!!