その稀血うさぎは鬼との生活を謳歌する 作:時長凜祢@二次創作主力垢
過度な考察などをするための物語ではなく、私が読みたいと思った話を少しずつまとめて書いているものですので、展開の考察等は控えていただけると助かります。
あくまでこれは、一人の女の子が鬼側や人にこんな影響をもたらしてくれたらと言う思いのままに書いている二次創作でありIFの物語です。
考察をしてもらうための話ではなく、鬼側にも穏やかな日々があったらと言う願いを主軸にしているため、深く考えることなく閲覧してください。
なお、そのようなコメントは見つけ次第、非表示欄に移動していますが、あまりにも何度も書かれるようであれば、こちらの物語自体閲覧不可にすることも辞さないため、よろしくお願いします。
「あ、君が無惨様に最近可愛がられてる稀血の女の子だね!本当にウサギみたいで真っ白なんだ。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
青い彼岸花を本格的に探すため、朝は勉学に勤しみ、昼間は青い彼岸花を探し、夜は無限城でゆっくりと言う生活を始め、二週間が経った頃。
今日も彼岸花はなかったなぁ・・・・・・なんて思いながら無限城の中で過ごしていると、やけにテンションが高い宮○ボイスが聞こえて来た。
嫌な予感がする中、視線を声の方へと向けてみれば、やはりと言うか、虹色の瞳と白橡の髪をした男性が、にこにこと明るい笑顔を見せながら私に話しかけている。
しかし、笑顔とは裏腹に、男性がまとう光は全くと言っていい程に見えておらず、感情が全く読めないと言う状況に陥ってしまった。
「うっわ・・・・・・」
「え、ひどい・・・・・・。まるで不審者でも見たかのような反応をしないでおくれよ・・・・・・」
しょぼんとした表情を見せながら、話しかけてくる青年・・・・・・上弦の弐である童磨。
しかし、彼は光をまとわない。
─────・・・・・・嘘でしょ?ここまで童磨の感情って読めないわけ!?
無限城での戦いの中、カナヲが言っていた、「貴方何も感じていないでしょ?」と言う言葉の意味を、感情が見える目を会得した結果、想定していた以上のレベルで把握してしまうことになるなんて・・・・・・。
「あれ?おーい、稀血ちゃん?どうしたの?大丈夫かい?」
あまりの状態に固まっていると、童磨は私の方に近寄っては、ひらひらと目の前で手のひらを振る。
言葉では心配してるようだが、それに感情は全くと言っていい程に乗っていなくて、情報が全く噛み合わない。
そのことに少しばかり気分が悪くなって来た私は、童磨から距離を取るように、一歩、また一歩と距離を取る。
「え?え?ええ?ちょ、ちょっと、どこ行くの?」
声音と表情は混乱。うっすらとだけ、困惑の色が見えているが、目を凝らさなくては見えない程の起伏のなさに、頭が痛くなってくる。
「何をしている童磨。定期報告に来いとは言ったが、うさぎに関われと言う命令は出していないが?」
何もかもわからない状態に、いい加減涙目になりそうになっていると、背後から聞き慣れた声が聞こえて来る。
勢いよく声の方へと目を向けてみれば、そこには無惨様が立っており、不機嫌に表情を歪めていた。
「む・・・・・・無惨様ぁ・・・・・・!!」
「!?」
そのことに安心してしまった私は、すかさず無惨様の方にドタバタと走りより、勢いよく飛びついた。
背後から「ええ!?そんなことしたら人間なんだから危ないよ!?」と驚いたような声が聞こえて来たが、気にせず無惨様に突撃すれば、無惨様は飛びついて来た私を難なく受け止め、ビビビッと雷撃が走ったような黄色の光をまとう。
「い、いきなり何があったのだお前は・・・・・・」
「無理です!!あの人無理!!なんなんですかあの人!!感情と表情がめちゃくちゃ過ぎて脳内処理が追いつきません!!」
泣きそうになりながら、自身が感じた物を素直に吐露していると、視界に映る無惨様がまとう光が、徐々に赤へと移行し始める。
しかし、彼がその色を向けている対象は私ではなく、もう一人の人物の方だった。
「・・・・・・童磨、うさぎに何をした?」
「私は無惨様が飼われている娘にご挨拶をしただけですよ〜」
「だが、うさぎが無理だと口にしているが?」
「本当に挨拶をしただけで・・・・・・ね、うさぎちゃん?」
「話かけないでください!!よくわからない人と話したくないです!!」
「ええ・・・・・・?」
「話しかけただけなのに・・・・・・」と沈んだような声音で童磨が言葉を口にするが、やっぱり感情は見えなくて、気味が悪いとしか思えなかった。
思わず無惨様の背後に隠れ、彼の服の裾を握りながら童磨を睨みつければ、頭にポスっと優しく手のひらが乗せられる。
すぐに視線を上に向ければ、無惨様が私の方を見下ろしており、まとう光には、困惑と同意が混ざっていた。
「さっさと報告を済ませろ童磨。」
「わかりましたぁ・・・・・・」
報告をするように指示を出され、童磨は“青い彼岸花”の話や、産屋敷の情報は、未だに入らないことを口にする。
自身が教祖を務めている宗教に、人は増え続けてはいるが、それらの人間も、情報は持ち合わせていなかったと告げた。
「そうか。予想通りではあるな。童磨。お前の宗教にいる人間を減らしつつ、若い連中には日中、山の中を歩く習慣をつけさせろ。
当番制でも良い。見回りと称し、彼岸花が咲く時期を中心にしつつ、年中彷徨かせろ。
遠征に出させることも視野に入れ、動かせ。自身の宗教の修行、もしくは布教と明記すれば不自然さは無くなるはずだからな。」
「へ?信者の人間に、山歩きの習慣を・・・・・・?もちろん、構いませんが・・・・・・」
無惨様から告げられた言葉に、童磨は首を傾げた。
急にどうしたんだ?と言わんばかりの反応だ。疑問に関しては、ちゃんと童磨は持ち合わせているようで、この時だけ感情と表情が一致していると言う謎現象が発生している。
「・・・・・・あの、無惨様。念の為、理由をお話した方がよろしいのでは・・・・・・?」
流石に疑問だらけのまま、信者を動かせと言われた童磨が可哀想に思い、念の為と言う言葉を使って、理由の説明をした方が良いことを伝える。
無惨様は一瞬、めんどくさい・・・・・・と言わんばかりの表情と光を見せたが、深くため息を吐いて口を開いた。
「・・・・・・うさぎから、“青い彼岸花”は昼間に咲く可能性があるのではないかと言う仮説を立てられた。
現在、うさぎにも度々日中探させてはいるが、この娘だけでは探す範囲に限界が出てくる。お前が保持している人脈も使い、探させろ。」
私が意見を口にしても、無惨様から殺されることはなく、むしろ、その意見を聞き入れて言葉にすることがあると思わなかったのか、童磨は目を丸くして固まった。
しかし、すぐに「承知しました」と口にして、私の方へと視線を向けて来た。
その眼差しは、珍しい物を見たと言っているようだった。
「報告は終わったな。さっさと拠点に戻れ。」
「かしこまりました。うさぎちゃん、またねー!」
「二度と会いたくないです。」
「ええ・・・・・・手厳しいなぁ・・・・・・」
「・・・・・・鳴女。さっさとそのうるさいのを拠点に追い返せ。」
無惨様の命令により、辺りに琵琶の音が鳴り響く。
「おわ!?」と言う短い悲鳴と共に、童磨は足元に出現した襖の方へとボッシュートされ、そのまま落下していなくなった。
「・・・・・・何だったんですかあの人・・・・・・・・・。」
「・・・・・・上弦の弐の席を与えている十二鬼月の一体だ。」
「私、あの人苦手です・・・・・・何考えてんのか全くわからない・・・・・・」
「奇遇だな。私もあれはあまり好きではない分類だ。鬼殺隊に有効な異能を持ち合わせるため、使えることに間違いはないのだがな・・・・・・」
渋い顔をしながら、童磨が消えていった位置を見つめる無惨様。
そう言えば、無惨様から見た上弦メンバーのうち、上弦トップスリーの印象や認識は、壱をビジネスパートナーとしては信頼している、参はお気に入りだった気がする。
それで、弐に対してはあまり好きじゃない・・・・・・だったかな。
無惨様が手札に入れる傾向にある存在は、計画性と向上心がある鬼や、便利な血鬼術を使用することができる鬼。
となると、鬼殺隊特攻とも言える血鬼術を扱える童磨は、便利な力を持ち合わせているから手札に加えているだけ・・・・・・の可能性が高いのか。
性格は二の次にして・・・・・・。
「・・・・・・あの人、全く感情が読めませんでした。黒死牟や鳴女、そして、無惨様の感情はよくわかるのですが、あの童磨って人は、異常なまでに感情がわかりません。
まるで・・・・・・感情が完全に欠乏しているような・・・・・・ただ、目の前にいる生き物を真似してるだけの人形のような・・・・・・。
この城で暮らす限り、あの人とも関わらなくてはならないのでしょうか・・・・・・。」
だとしたら嫌だな・・・・・・と思いながら、表情を歪めていると、無惨様が私のことを抱き上げる。
急に足が床から離れてしまい、少しだけ驚いてしまい、体がぐらりと揺れてしまっだが、すぐに無惨様の肩を掴むことでバランスを取り直す。
「仮に城内で出会すことになろうとも、余程のことがない限りは無視しても構わん。
基本的には、定期的な報告以外でこちらに来ることはないがな。」
「ならよかったです・・・・・・。多分、私はあの人と仲良くなれないので・・・・・・。感情がわからないせいで、頭が痛くなりますし・・・・・・」
無惨様から、童磨とは最低限の関わりだけで良いと言われ、ホッとしながら、抱っこして来ている無惨様の肩にぽすりと頭を預ける。
聴覚がとらえた、髪が揺らぐ音と布が擦れる音により、少しだけ疲れ切っている私に、無惨様が視線を向けて来たことを感じながら、童磨の感情のなさを思い浮かべる。
彼もまた、ある意味で被害者側の存在だ。自身の珍しい容姿のせいで、宗教家だった両親や、この世に絶望して来た人間達から、神の子や神そのもののような扱いを受け続けて来た結果、感情が育つ前に、あのような状態に陥ってしまった。
まぁ、あくまで私の憶測に過ぎないけど、普通の子供のように遊ぶことや、別の子供と遊び、衝突するなんて経験をしたことがなくて、その結果、感情が全くわからなくなったのではないだろうか。
人間は、誰しも幼い頃に経験したことから感情などの沢山のことを学んでいき、人格の形成を行なっていく。
もし、普通の子供のように、本来なら学べるはずの感情を学ぶ機会を失い、ただ、ひたすら大人達の絶望や、負の感情ばかりに触れ続けていたのだとしたら・・・・・・童磨はそれの果てにたどり着いてしまった人なのだろう。
なんとも可哀想な人である。
決して、仲良くしたいと言う人種ではないけど。
「・・・・・・彼の人脈を使って、“青い彼岸花”を虱潰しに探すことは分かりましたが、私も、これまで通り捜索に当たることに変わりはないのでしょうか?」
「当然だ。あやつの人脈により、多少探すための人手を増やせたことに違いはないが、人間だけでは行動ができる範囲が限られている。
だが、お前は鳴女の力を使って遠方へと送り込むことができるからな。これからも捜索の手を休めるな。」
そんなことを思いながら、これからのことを相談すれば、無惨様はすぐに、これからの私の行動に関しての計画を話してくれた。
「分かりました。明日はどこに向かうことになるのでしょうか?」
「それは、お前が就寝している間にでも決めておこう。ああ、それと、彼岸花が咲く土壌の土をたまに持ち帰れ。
特に、彼岸花が枯れる時期などには、種を採取することもできるだろうからな。」
そんな中、告げられた計画の一部に、一瞬だけ私は思考を停止する。
しかし、すぐに彼が言いたいことを把握することができたため、納得を示すように頷く。
「なるほど。城の内部でも栽培できないか確かめるんですね。」
「そうだ。日の光が当たらなくては咲かないのか、それとも、日の光がなくとも、咲くことがあるのか・・・・・・あまり期待はできんが、試してみる価値はある。
屋敷の庭や、日の当たる場所にある鉢植えでも咲く可能性があるのであれば、人間の協力者がいる現状ならば試行することはできるからな。」
「分かりました。あ、じゃあ先程の方の信者さんにも試行させてみるのもいいかもしれませんね。
土壌の試行などもしなくてはならないでしょうし、広い範囲があれば、さまざまな条件での試行も可能になるでしょうし。」
「それは言えているな。あとで童磨に伝えておこう。」
・・・・・・私の意見がここまで大々的に取り上げられることになろうとは夢にも思わなかった。
だけど、これが無惨様に対する恩返しに繋がるのであれば・・・・・・そんなことを考えながら、私は無惨様の腕の中に収まる。
「それじゃあ、これから私は泥だらけになりそうですね。」
「だろうな。城に戻り次第、すぐに湯浴みに放り込むことになりそうだ。」
「・・・・・・無惨様が放り込むとか言ったら、なんか湯船に沈められそうですね。」
「どう言う意味だ。」
「そのままの意味ですね。」
「やかましい。」
下手したら溺死させられそうだわと思いながら、軽口を無惨様に叩けば、彼は呆れたような眼差しを私に向けては溜め息を吐く。
「全く・・・・・・命知らずか何かか?私にそのような口を叩くのはお前くらいだぞ、うさぎ。」
「無惨様が今のところ私を攻撃しないことはわかっていますし、何より、私は無惨様を信用しておりますので。
流石に、匙加減等はしておりますとも。これくらいならば問題はない・・・・・・それがわかってるからこそ、私はこんな風に言葉を紡ぐんですよ。」
「フン・・・・・・。お前のような子供を拾うことになろうとはな・・・・・・」
「拾ったのではなく、買い取ったのでしょう?」
「・・・・・・そうだったな。これ程やかましくなるとは思わなかったが。」
「やかましくてすみませんね。話し相手が無惨様か黒死牟、鳴女くらいしかいないものですから。」
無惨様を恐れる必要がないからか、令和を生きていた自分自身を軽く表に出しながらも、彼との言葉のやり取りを繰り返す。
視界に映る彼の周りには、呆れと同時に、穏やかな緑色が揺らいでいた。
うさぎ
基本的に感情から情報を把握しているところがあるため、童磨だけは無理だった稀血の白ウサギ。
無惨様を信じ、心も開いているため、彼と平然と言葉の応酬を繰り広げるが、この対応が、まさか無惨様にかなり影響を与えているとは思っていない。
鬼舞辻無惨
純粋な敬愛や、真っ先に自身を頼りにくる素直さを見せるうさぎにかなり絆されている鬼の始祖。
恐怖を抱くことなく、穏やかな上、嘘をつくこともなく、自身に対して心を開き、感情を曝け出しているうさぎに、この娘はそう言う性格なのだなと割り切り、気楽に話している部分がある。
うさぎとの言葉の応酬が、最近は一つの息抜きになりつつある。
童磨
定期報告にやってきてみたら、無惨様に飼われている稀血の娘がいたので、嬉々として話しかけに行ったら、バケモノを見るような目で見られた上弦の弐。
目の前で繰り広げられる無惨様とうさぎのやり取りを見て、それなりに驚いていたが、それはそれとして、無惨様にかなり影響をもたらしている様子のうさぎに興味津々。