その稀血うさぎは鬼との生活を謳歌する 作:時長凜祢@二次創作主力垢
こちらの物語は予め流れを決めた上で執筆しております。
過度な考察などをするための物語ではなく、私が読みたいと思った話を少しずつまとめて書いているものですので、展開の考察、もしくは考察サイトや動画などで語られた非公式考察等の引用などは控えていただけると助かります。
あくまでこれは、一人の女の子が鬼側や人にこんな影響をもたらしてくれたらと言う思いのままに書いている二次創作でありIFの物語です。
考察をしてもらうための話ではなく、鬼側にも穏やかな日々があったらと言う願いを主軸にしているため、深く考えることなく閲覧してください。
なお、そのようなコメントは見つけ次第、非表示欄に移動していますが、あまりにも何度も書かれるようであれば、こちらの物語自体閲覧不可にすることも辞さないため、よろしくお願いします。
童磨の仮面、外しちゃった事件を起こしてしまい、数日経った頃。
今日の天気は雨。風邪を引かれても迷惑だと言う無惨様の命令により、無限城内で過ごすことになった私は、お仕事中の無惨様に私の世話を任された黒死牟と一緒に過ごしていた。
黒死牟は、基本的に無限城内では鍛錬をするか、自身が持ち合わせている知識を私に教えるかのどちらかを行なっている。
今、彼が行なっているのは鍛錬。離れた位置にちょこんと座る私の前で刀を振ったり、鍛錬用の的を切りつけたりと様々な動きをしていた。
「やぁ、うさぎちゃ・・・・・・ってあれ・・・・・・?黒死牟殿も一緒だったんだね。」
「あ、童磨。」
「童磨か・・・。最近は・・・よく城内で見かけるな・・・」
「うさぎちゃんと仲良くしたいから、度々足を運ばせてもらってるんだよ。まぁ、うさぎちゃんにいつも通りの俺で話しかけたらすごく嫌われちゃうんだけどね。」
「感情の不一致状態だと、気持ち悪い以外出てこなくなるので話したくなくなるものですから。」
「・・・・・・うーん、相変わらず辛辣だなぁ・・・・・・」
今日も鬼上の太刀筋は凄まじい・・・・・・なんて考えながら、次々真っ二つになっていく的を見つめていると、童磨がひょっこりとやって来た。
まさか、上弦二人がブッキングするとは・・・・・・これまでなかった展開に、少しだけ困惑しながらも、感情の不一致は気持ち悪いと返せば、童磨は苦笑いをこぼした。
自然と彼が苦笑いを浮かべたからか、黒死牟が六つの目を丸くする。
「・・・・・・まさか・・・お前がそのような反応をするとはな・・・」
「ん?ああ、これ?うさぎちゃんと話してると自然と出ちゃうんだよね、こんな笑い方とか、小さな笑い声が。
うさぎちゃんって本当に感情に敏感なんだよ。だって、俺が態度や仕草、声音に全く感情を乗せることができていないってハッキリ言って来たからね。
上手くできていたと思っていたんだけど、真似事だって見抜かれちゃった。
だからかな?みんなとは何もかも違うんだよ。信者の子達や、無惨様、黒死牟殿から向けられるような目でもなければ雰囲気でもない。
完全に、俺と言う存在を真正面から見て、奥の奥まで感じ取っているような、そんな態度を向けてくる。」
口元に小さく笑みを浮かべたまま、私のことを見てくる童磨。
虹色の瞳は綺麗だけど、欠落してしまっている感情のせいで、宝石のような無機質さがあり、ちょっぴり怖い。
「でも、おかげで真似事とか、取り繕いをしなくて済むから、信者達を相手にする必要がない時間帯に会いにきてるんだよ。
彼女に指摘されて、少しだけ考えてみたんだけど、言われてみれば確かに、教団の寺院内は息苦しいなと思って。
だから、うさぎちゃんと休憩時間中にちょっと戯れてるんだ。」
「戯れた記憶はありません。お話ししているだけです。」
「・・・・・・まぁ、結構しょっぱい反応されやすいけどね?」
戯れという言葉を即行で否定すれば、一瞬童磨から物言いたげな眼差しを向けられる。
だが、すぐにそれはすぐにいつもの彼のものに戻り、貼り付けたような笑顔を見せた。
「そうそう。はい、うさぎちゃん。今日のお土産。」
「・・・・・・またお供え物の果物を横流ししましたね?」
「だって俺は食べれないからね。それに、お供え物は沢山あるから、多少持ってきても誰も気づかないから大丈夫だよ。
ほら、うさぎちゃん、前、甘いものが食べたいって言ってたし、果物は甘いから、食後にでも食べておくれ。」
「・・・・・・まぁ、いただけるものはいただきますけど。」
童磨から手渡された果物が入った籠を受け取る。
うーん・・・・・・西洋から入ってきたものは比較的に少なくて、柿とか桃がメインだな。
「それにしても、まさか、黒死牟殿がうさぎちゃんと一緒にいるとは思いもよらなかったよ。」
「私は・・・無惨様から・・・うさぎの世話を任されていたのだ・・・。今日は・・・雨がひどく降っているからな・・・。
無惨様も・・・人間の体は脆いと・・・うさぎに・・・雨の日の外出を・・・禁じている・・・。」
「なるほど、そう言う理由があったのか・・・・・・。確かに、雨が降る日は人間ってよく体調を崩してるよね。
信者の中にも、頭痛や腰痛を訴えている者達がいるよ。」
「あ、やっぱりそんな人達っているのですね。」
「うん。いるよ。特に年寄りにそれが多いかな?次に、女の子が頭痛等を訴えてくるよ。」
「本で読みましたが、女人は特定の年齢になると、月のものが始まると書かれていました。もしかしたら、それも関係あるかもしれませんね。」
「それはあり得そうだね。確かに、定期的に血の匂いがする年代の女の子がよく口にしてる気がするよ。
そう言う子がいるとちょっと大変なんだよね。お腹空いちゃうから。」
無惨様が過ごしている屋敷には、小説の他、海外のことが記されている本や、医学書等も存在している。
無限城の中にもそれらしい本が置かれており、無惨様から好きに読んでいいと言われたため、目を通したりしていると、やはりと言うか、普通に月のもののこととかも詳細ではないにせよ記されていたりするため、普通にためになったよね。
まぁ、実際は前世で平成から令和にかけて生きてきた経験もあるから知っているわけだけど、それは黙っておくとして・・・・・・。
「・・・・・・最後の言葉は聞かなかったことにしますね。」
「その方が・・・良いだろうな・・・。」
「あれ?ちょっと引かれちゃってる?」
ちょっとだけ聞きたくない言葉があったのでそれは即行で消去することにした。
いや、気持ちはわかるよ?鬼って人間の血肉を喰らうことで生きるって聞いているし、月のものは定期的に出血してる状態だから、鬼なら何かしら反応あるんだろうなぁって思っていたし。
ただ、サラッと言われるとは思いもよらなかった・・・・・・。
─────・・・・・・稀血の女が月のものになったらどうなることやら。特に、私の場合はかなり血が独特だし・・・・・・。
なんて、未だに思春期に満たない自分の下腹部を見つめながら考える。
無惨様や黒死牟から、私の齢は八から九歳だと言われたことがあるため、少なくともあと三年か四年は来ないはず・・・・・・。
まぁ、来たら来たでなんとかしないとな・・・・・・。無惨様とか鳴女とか、黒死牟や童磨も多分キツイだろうし。
「・・・・・・お前達は何を話しておるのだ。」
「あ、無惨様。」
「こんにちは、無惨様!」
「お戻りになられましたか・・・無惨様・・・。」
不意に、聞き慣れてしまった呆れ声が辺りに響く。
そこには、渋い顔をしながらドン引きしている無惨様の姿があり、私達はそれぞれ、彼に対して話しかける。
「昼時だからな。うさぎに握り飯を持って来た。だが、その中でお前達の会話が聞こえて来たのでな・・・・・・。」
全く・・・・・・と言って呆れた様子の無惨様に、私は思わず苦笑いをこぼす。
そうだよね。本来ならばこんな会話はあまりしない方がいいもんね。
「申し訳ありません、無惨様。かなりお下品でしたね。」
「全くだ。女があまりそのような話題を出すな。」
やれやれと溜め息を吐きながらも、無惨様が私に握り飯を手渡してくる。
それをすぐに受け取れば、無惨様に腕を取られた。同時に感じたのはアルコールの臭いと僅かに走る針の痛み。
あ、採血か、と思いながら無惨様の方に視線を向けてみれば、慣れた様子で採血を終わらせており、すでに止血も始めていた。
「おお・・・・・・うさぎちゃんから花の匂いがするなとは思っていたけど、稀血の匂いだったんだね。俺はてっきり、香でも焚いているのかと思っていたよ。」
「そうですよ。体全体を巡っているせいで、どうやら香を焚いたような状態になってしまっているようでして。
ついでに言うと、私の血の匂いを嗅いでいると、食人衝動が抑制されるようですよ。」
「そのようだね。本来ならば、稀血は美味しそうな匂いがするのだけど、うさぎちゃんの稀血は、美味しそうと言うよりは落ち着くって感じだよ。
空腹感を抱かせない稀血と言うのも、なかなか不思議なものだねぇ。」
童磨がマジマジと私のことを見つめてくる。稀血ちゃんとか言っていた割には、私の血の匂いが花の香りになってることに気づいていなかったのか・・・・・・と少しだけ思ってしまったが、お香を炊いてるものだと思っていたようだ。
・・・・・・童磨の拠点は万世極楽教の寺院だし、お香とかお線香を炊いている可能性は高いのだろうか。
「血は止まったようだな。」
「はい。ありがとうございます、無惨様。」
そんなことを思っていると、無惨様が私の腕から手を離す。
しっかりと行われた止血。離反の意思を持たさぬためか、それともただの気まぐれか・・・・・・。
しかし、すぐにそれはどちらも違うと判断することとなった。
無惨様の手が私の頭に伸ばされ、そのまま軽くぽすりと乗せられる。
さらさらと穏やかな手付きでそのまま頭を撫でられ、少しだけ私の体は揺らいだ。
程なくして頭に乗せられていた手は、ゆるりと頭を滑り降り、最後に軽く髪に触れられる。
彼の手に触れていた髪は、少しだけ宙を舞ったのち、ふわりと落ち着きを取り戻した。
「・・・・・・私はいつもの作業に戻る。何かあればすぐに言え。わかったな?」
「はい、無惨様。」
「御意・・・」
「承知しました、無惨様。」
いつも通りのものではあるけど、節々でとても穏やかで柔らかな雰囲気を感じることができる声音で、私達にそれだけを言い残した無惨様に、私達はすぐに承諾の言葉を口にする。
私達が返事を口にしたことを確認した無惨様は、琵琶の音と共に姿を消した。
まぁ、無限城の内部にいるのは間違いないんだけど。
「・・・・・・何と言うか、随分と無惨様も穏やかになられてるなぁ。」
「ああ・・・。うさぎがいると・・・柔らかさは格段に上がるな・・・」
「そのようだね。前々から思っていたけど、うさぎちゃんって無惨様にもかなり穏やかな時間を作ってるよね。」
「そのようで・・・・・・。初めて会った時に比べて、無惨様は穏やかさを表に出すようになりましたよ。
最初は、少しだけ苛立ちを感じやすいようだったのに・・・・・・。」
「まっこと・・・無惨様に対するお前の対応は・・・変わっているな・・・」
「そうですかね?精神にもちゃんと休憩や栄養を届けなくては、何をやっても上手くいかなくなるし、さらに重なるようにして苛立ちを抱いてしまうから、たまにはちょっとだけお休みましょーよってお伝えしただけですが・・・・・・」
「その上でうさぎちゃんって無惨様のお側に寄り添っているのだろう?」
童磨の問いかけに、少しだけ私は無言になる。
お休みをしようと提案した上で、寄り添っているのだろう・・・・・・か。
「・・・・・・確かに、できる限り無惨様をお支えできたらと思っています。彼には、お世話になっていますからね。
少しでも多くの恩返しができたらと思って、お役に立てればと。」
正確には、こうして無惨様と過ごすようになって、誰か一人でも彼に寄り添う人間がいればと思うようになったことや、原作を読んでいたことにより、彼の孤独を知っているからこその行動ではあるが、それはあえて飲み込んで、恩返しのために役に立てることを探っていることを口にする。
彼が辿るその末路は、これからも黙っておかないと、ただただ彼を苦しめてしまうから。
「それは・・・良い心がけだ・・・。」
「それは言えているね。うさぎちゃんみたいな子が鬼になってくれたら、無惨様の望みにもまた一歩手を伸ばせるはずだよ。」
「無惨様曰く、私の稀血をしっかり調べた上で鬼にするとのことらしいので、まだしばらくは鬼になりませんよ。」
「そうなのかい?じゃあ、鬼になった時はいつでも言っておくれ。とびっきり旨い肉を用意しておくからさ。」
「それより先に、無惨様から何かしら提供されそうなのですが・・・・・・?」
「それは・・・言えているな・・・。」
いつか鬼になってしまったら・・・・・・そんなことを想定した会話を行いながら、私は手元にある弁当箱を広げる。
いつも通り、複数の握り飯と、お漬物が詰められており、食べやすいサイズに握られていた。
それを少しだけ見つめた私は、握り飯を一つ取り出して口に含む。
あと、どれくらいの時を人間で過ごせるのだろうかと思いながら。
うさぎ
雨天だったので、無限城でのんびり過ごしていた稀血のうさぎ。
めちゃくちゃ童磨が無限城に来るんだけど・・・・・・と軽く困りながらも、感情をちゃんと一致させている彼との会話をこなしている。
雨天の時はよく黒死牟に預けられていることがある。
黒死牟
雨天だったため、“青い彼岸花”を探しに出ることができないうさぎの面倒を見ていたところ、童磨がやって来て会話に混ざって来たため軽く困惑していた上弦の壱。
うさぎといる時の無惨様は・・・いつも穏やかだ・・・と思いながらも、自身もうさぎのマイペースさに巻き込まれるままにのんびりしている節がある。
童磨
感情を一致させているのであれば、話すことくらいはすると言われ、うさぎの前では教祖としての自身ではなく、童磨としての自分で話すようになった上弦の弐。
感情の欠落は確かにあるが、うさぎとの会話の中で、苦笑いや自然な笑い声を漏らせるようになりつつあり、彼女との会話は割と好ましく思っている。
鬼舞辻無惨
なんか無限城に鬼が二人集まってんなと思って足を運んでみたところ、なんとも下品な会話が聞こえて来てしまい、え?何話してんだこいつらと軽く引いていた鬼の始祖。
女が下品な会話に紛れ込むなとうさぎに呆れて注意しながらも、どこかズレてる彼女と息抜きをしている。