その稀血うさぎは鬼との生活を謳歌する   作:時長凜祢@二次創作主力垢

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 こちらの物語は予め流れを決めた上で執筆しております。
 過度な考察などをするための物語ではなく、私が読みたいと思った話を少しずつまとめて書いているものですので、展開の考察、もしくは考察サイトや動画などで語られた非公式考察等の引用などは控えていただけると助かります。
 あくまでこれは、こんな存在がいたら、鬼側や人にこんな影響をもたらしてくれるのではと言う思いのままに書いている二次創作でありIFの物語です。
 考察をしてもらうための話ではなく、鬼側にも穏やかな日々があったらと言う願いを主軸にしているため、深く考えることなく閲覧してください。

 なお、そのようなコメントは見つけ次第、非表示欄に移動していますが、あまりにも何度も書かれるようであれば、こちらの物語自体閲覧不可にすることも辞さないため、よろしくお願いします。



稀血のうさぎが抱いた望み

 玉壺とまさかの邂逅を果たし、一週間経った頃。

 今日の私は、黒死牟のお世話になっている白うさぎ状態になっていた。

 なんでも、無惨様が少し大きめの取引をすることになったらしく、少しばかり時間がかかってしまうからである。

 

「無惨様も大変ですねぇ・・・・・・まさか、すごく大きな取引をすることになろうとは・・・・・・」

 

「恐らくだが・・・うさぎを養子として引き取った養父として過ごしていたからだろう・・・。

 類稀なる容姿を持ち・・・虐げられて来た幼子を・・・自ら率先して引き取り・・・育てている貿易商の社長ともなれば・・・信頼と信用は跳ね上がるからな・・・」

 

 まぁ、黒死牟と過ごすことに関しては特に不満はないというか、無惨様の次に安心できるから構わないけど・・・・・・なんて思いながら、今回の大規模な取引の話に関して言及すれば、私が無惨様の養子として過ごすようになった結果、発生した取引であると告げられる。

 

「まぁ、確かに、容姿のせいで虐げられていた子供を引き取り、しっかりと勉学を教えながら育てている商人となると、多くの方にこの人とならいい取引ができると思われますからね。

 虐げられていた子供を救った・・・・・・社会に出られるように勉学も教えている・・・・・・これらの追加設定は、全ていい方角へと流れやすいものです。

 特に、私は弱視という特徴もありますから、障害を持ち合わせている子供を引き取り、立派に育てているとなると、その効果は絶大になるでしょう。」

 

「ああ・・・。人間社会に紛れ込むのに・・・うさぎとの養子・・・養父の関係であるという状況は・・・私達ではもたらすことができない・・・溶け込みやすくするための好条件となる・・・。

 お前は・・・人間でありながらも・・・しっかりと・・・無惨様のお役に立てているな・・・。」

 

「ええ。それに関しては安心しております。彼にとって便利な存在になれているのであれば、少しずつ恩返しができますから。」

 

 現在の無惨様の状況を教えられ、役に立てていることに安堵していると返す。

 人間と言う立場であっても、彼にとってプラスになる状況を作り出せるのかと、小さく笑みを浮かべながら。

 

「確か、取引相手の方々にも、“青い彼岸花”の捜索をさせるとの話でしたね。」

 

「そう聞いている・・・が・・・あまり大規模には動かせないだろうと・・・無惨様は仰っている・・・。産屋敷に目をつけられたら・・・厄介なことこの上ないとな・・・。」

 

 これで“青い彼岸花”を持ち帰ることができたらもっといいのだけど・・・・・・なんて思いながら、ふと、“青い彼岸花”と言うワードから思い出した無惨様の企みに関して口にする。

 すると、黒死牟はすぐに、その企みは間違いないが、大規模には動かせないことが難点となっていることを告げられる。

 それを聞き、なるほどと思わず納得してしまった。

 

 確かに、あまりにも大規模に行動をし過ぎてしまったら、最近の富裕層の動きに関して、お館様が反応してしまう可能性は否めない。

 そこから逆探知により、無惨様が尻尾を曝け出してしまう状況に陥った場合、鬼側の状況は少しばかり劣勢となってしまう。

 

 まぁ、やり方によっては、その逆探知を逆手に取り、お館様の居場所をこちら側が突き止めることもできるかもしれないけど、先見に特化した直感を持ち合わせているお館様も、むしろそれを待ってましたと言わんばかりに利用してくる可能性も否定できない・・・・・・。

 

「・・・・・・鬼殺隊の本丸とは頭脳戦になりそうですね。産屋敷の本丸を探るために、向こう側によるこちらへの探知を逆手に取ることもできないわけではなさそうですが、逆に尻尾を掴まれてしまう可能性が跳ね上がってしまいますから、あまりにも危険過ぎる。」

 

「そうだな・・・。無惨様も・・・確実に本丸を潰せるように・・・なるべく・・・大規模な危険は起こすつもりはないだろう・・・。

 確かに・・・産屋敷はかなり目障りではあるが・・・あれは・・・何をしでかすかわからない・・・。

 我々を討ち取らんとして・・・末代まで長らく追ってきているからな・・・」

 

 実際に産屋敷ボンバー仕組んで、無惨様を愕然とさせていたし、否定できないな・・・・・・と内心で思いながらも、「あり得ない話ではないですね」と、同意する言葉を口にする。

 鬼側がやってきたことは悪だが、それでも、穏やかな時を原作が始まるその時まで、少しでも過ごしてほしいため、この場で彼らを討たれてしまうわけにもいかない。

 

 ─────・・・・・・まぁ、今のうちに尻尾掴んで鬼殺隊の本丸を襲撃した場合、痣の話も知らない上、必要な条件を満たしていない鬼殺隊が彼らに敵うとは思えないけど。

 

 ・・・・・・転生前は考えることすらなかった、鬼が勝利する未来。

 そんなシナリオを思い浮かべてしまった自身に、思わず目を見開きそうになる。

 しかし、なんとかそれは堪えて、平然を装いながら、正座する黒死牟の膝の上に座っていれば、彼は膝に座る私の頭に優しく手を乗せて、そのままゆるりと頭を撫でてきた。

 

 ─────・・・・・・あー・・・・・・いや、まぁ、わかっていたことではあるけど、完全に私、鬼側になっちゃってるな。

 

 鬼であるにも関わらず、ちゃんと、人間が傷つかない優しさを維持して頭を撫でてくる手の温もりを感じながらも、複雑な気持ちを抱く。

 これは、完全に自身のエゴとしか言いようがなく、叶うはずのないものであるとも理解しているが、私は、鬼殺隊で過ごしていたみんなも、鬼側にいるみんなも、幸せな未来を過ごしてほしいと願ってしまっている。

 こればかりは、この世界に転生してから変わっていない。変わっていないのだが・・・・・・。

 

 ─────・・・・・・どちらかしか選べないとなると、自分は、迷うことなく鬼側を選んでしまうな。

 

 悲劇を乗り越えながらも、未来を切り拓いた鬼殺隊。

 この世界では、間違いなく彼らは正義で、鬼側は悪で、死を以て退場することが望まれる。

 それは、間違いないし、鬼側がやってきたことが、どれだけ多くの犠牲を出してしまったのかもわかっている。

 

 鬼として生きてきた彼らは、明確な終わりを迎えることにより、地獄で多くの罪を禊ぎ、そして、沢山の時間をかけて、平和な世界に転生することが望ましいのだろう。

 重ねてきた罪はかなり多く、そして、重たいものであることは間違いないため、地獄で何千、何万、何千万と長く焼かれ、呵責され、その罪を洗いざらい叩き落とされなくてはならないが、地獄と現実の時間はかなり違うため、少なくとも五十年、場合によっては百年後には、転生することができる可能性がある話もあるのだから。

 

 でも、それでも私は、鬼側のみんなに生きてほしいと願ってしまっている。

 よくないことであるとわかっているのにだ。

 

 ─────・・・・・・私は・・・・・・私の考えは・・・・・・鬼側贔屓に寄っちゃったみたいだね。

 

 その現実に、少しだけ苦しくなる。よくないことであるとわかっているにも関わらず、鬼殺隊に負けてほしいと願ってしまう自分がいるのだから。

 

 ─────・・・・・・鬼殺隊が善で正義・・・・・・鬼側は悪で罪人・・・・・・それはわかっているけど・・・・・・私にとって鬼側は恩人であり、私の大切な居場所だ。

 

 ─────・・・・・・だから、鬼殺隊と言う善性と正義を、否定したくて堪らない。

 

 そんなこと、考えたくもなかったな・・・・・・落胆と言う言葉が重くのしかかる。

 だけど、表には出さないようにして、黒死牟をその場で見上げた。

 

「どうかしたのか・・・?」

 

「黒死牟って頭を撫でるのが上手いなと。鬼であるにも関わらず、私が怪我をしないようにするにはどれだけの力で撫でればいいのかわかってるんだなぁ、と思いまして。」

 

「人間はか弱い・・・故に・・・力加減はしっかりとするものだ・・・。お前は・・・義理とはいえ・・・無惨様の息女と言う立場も持ち合わせており・・・私達の序列を・・・しっかりと繋ぎ止める鎹にもなるからな・・・。」

 

「そんなに序列ってごちゃごちゃしてましたっけ?」

 

「猗窩座と・・・童磨は・・・一緒になると・・・序列を乱しかねないな・・・」

 

「あー・・・・・・それに関しては仕方ないような・・・・・・。童磨と猗窩座って、完全に性格が合わないと言いますか・・・・・・色んな意味で相性が悪そうですからね・・・・・・。

 特に、童磨は気さくな上司を演じながら、やけに猗窩座にちょっかいを出してしまいますから。

 子供っぽいと言いますか・・・・・・童磨って、純粋な子供が歪められたまま大人になってしまった精神年齢狂いですから。」

 

「言わんとしていることは・・・わからなくもないな・・・」

 

 忘れてた・・・・・・童磨と猗窩座がものすごく仲が悪いこと・・・・・・と考えながらも、あの二人は性格からして合わなそうだからなぁ・・・・・・と意見を口にすれば、黒死牟は同意の言葉を紡いだ。

 いやはや・・・・・・原作で知っていたはずなのに、童磨と猗窩座が鉢合わせしても、姉や妹のような存在に絡みにくる弟、もしくは兄のような童磨に、面倒見のいい兄のような猗窩座が注意をして、それに対して童磨が拗ねると言う姿は見ても、猗窩座が童磨の頭を殴り飛ばすようなことをしていなかったせいですっかり頭からすっぽ抜けていたな・・・・・・。

 

「ヒョヒョッこれはこれはうさぎ様、本日は黒死牟様と一緒ですかな?」

 

「あ、玉壺。」

 

「玉壺か・・・・。珍しいことも・・・あるものだ・・・。お前は・・・百年も前から顔を合わせることが・・・なかったからな・・・。」

 

 猗窩座・・・・・・私がいる手前、暴力沙汰を起こさなかったのかな?それとも偶然?なんて考えていると、いつの間にかすぐ近くに見覚えのある壺が出没していた。

 もちろん、そこから姿を見せたのは玉壺で、特に驚くことなく反応をすれば、黒死牟も彼に話しかける。

 

「ええ。普段は私も報告以外で姿を見せることはありませんが、本日はうさぎ様に見ていただきたいものがありましてなぁ。」

 

「見てほしいもの・・・・・・?私にですか?」

 

「その通りでございます。こちらなんですがね?」

 

 私に見せたいものとは・・・・・・と思いながら、首を傾げていると、玉壺は私の前に一つの壺を置いた。

 それを見た私は、何度か瞬きをした後、まじまじと壺を見つめる。

 

「すごく綺麗ですね・・・・・・。上部は花色(はないろ)にして、白銅色(はくどういろ)を星々のように散りばめたのですか?

 下にあるのは椿でしょうか?なんだが、夜空の下に咲く冬椿のようですね。」

 

「ヒョヒョッ流石はうさぎ様!よく色を知っておられる!ええ、ええ!その通りでございます!

 うさぎ様と出会った日に、その白と紅色の二色の共演に芸術家として少しばかり感じ入るものがありましてな?

 何とか形にできぬものかと考えあぐね、こちらの壺を作り上げてまいりました。

 うさぎ様を基に作り上げたものですので、よろしければ花を生けてみてはいかがですかな?」

 

「お花を生けるのですか?うーん・・・・・・私は、生け花の心得はないのですが・・・・・・」

 

「でしたら!生け花の知識を学んでみてはいかがでしょう?うさぎ様のような白雪の精のような少女が、花を生ける姿はさぞかし美しいものになり得るはずです!

 ええ、そしてあなたにも芸術の良さを知っていただきたく思います!」

 

「えーっと・・・・・・」

 

「無惨様に・・・話を通してみてはどうだ・・・?雨天の際・・・無限城の中で過ごす時にでも・・・多少の時間潰しになるやも知れぬが・・・?」

 

 かなりの勢いで、生け花を勧めてくる玉壺に困惑していると、黒死牟から、無惨様に聞いてみたらどうかと告げられる。

 キョトンとしたまま、黒死牟を見上げてみれば、彼は好奇心を示す光をまといながら、少しだけそわそわしている様子がある。

 

「生け花や・・・茶の湯と言った知識は・・・作法を身につけるための基盤となる・・・。

 お前が・・・天真爛漫な少女であることはわかるが・・・学んでみて損はないと思うぞ・・・」

 

 ・・・・・・うん・・・・・・習い事をさせてみたいお父さんかな?

 いや、まぁ、興味がないと言えば嘘になるけど、花道と茶道かぁ・・・・・・。

 

「私にできますかね?」

 

「お前は・・・学ぶことを得意としている・・・。最初のうちは・・・確かに大変やも知れぬが・・・猗窩座から・・・武道を学び・・・少しずつ・・・身につけることができているからな・・・。

 あれらに比べたら・・・少しばかり物静か過ぎるやも知れぬが・・・身につけることは・・・できると思うぞ・・・。」

 

 問題ないだろうと言われ、そうですかぁ・・・・・・と少しだけ遠い目をする。

 玉壺もワクワクしてるし、黒死牟は完全にそわそわしてるし・・・・・・私、いいところのお嬢さんみたいな教育されそうになってない?これ?

 

 

 

 




 うさぎ
 自身の望みが、鬼側の勝利があればになりつつあることに複雑な気持ちを抱く白ウサギ。
 それはそれとして、黒死牟。なんで花道と茶道を勧めてくるんですか。

 黒死牟
 うさぎが複雑な気持ちを抱いていることに気づいていないのか、玉壺が作った壺を見て、うさぎに花道や茶道をしてみないかと提案した上弦の壱。
 うさぎは・・・無惨様の義理の娘だが・・・もし・・・我が子に娘がいたとしたら・・・このような感覚なのだろうか・・・。

 玉壺
 うさぎをイメージした壺を持ってきた上、花を生けて見てはと提案した上弦の伍。
 花道の知識はないと口にしたうさぎに、それならば花道をやって見てはどうかと即答する。
 幼子であれば、私の芸術の素晴らしさを教えられるのではなかろうか!?

①「謎の助言者ムーブで鬼殺隊を救済しながら、基本は単独で動く鬼殺隊うさぎ」と②「神出鬼没に鬼殺隊の前に現れ、甘味を食べたり、呑気に過ごしながら謎の助言者ムーブで鬼殺隊を助ける部外者うさぎ」どちらの話を見てみたいですか?

  • ①の助言者な単独行動する鬼殺隊うさぎ
  • ②の神出鬼没に現れる部外者な助言うさぎ
  • どちらも読みたいから本編とifで見たい
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