その稀血うさぎは鬼との生活を謳歌する   作:時長凜祢@二次創作主力垢

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 こちらの物語は予め流れを決めた上で執筆しております。
 過度な考察などをするための物語ではなく、私が読みたいと思った話を少しずつまとめて書いているものですので、展開の考察、もしくは考察サイトや動画などで語られた非公式考察等の引用などは控えていただけると助かります。
 あくまでこれは、こんな存在がいたら、鬼側や人にこんな影響をもたらしてくれるのではと言う思いのままに書いている二次創作でありIFの物語です。
 考察をしてもらうための話ではなく、鬼側にも穏やかな日々があったらと言う願いを主軸にしているため、深く考えることなく閲覧してください。

 なお、そのようなコメントは見つけ次第、非表示欄に移動していますが、あまりにも何度も書かれるようであれば、こちらの物語自体閲覧不可にすることも辞さないため、よろしくお願いします。



稀血のうさぎは鬼狩りとあまり会いたくない

 無惨様に引き取られてかなりの月日が経った。

 女として避けることができない身体現象を始め、自身の体にも少しずつ変化が訪れており、少しずつ大人に近くなってきているのがよくわかる。

 

「うさぎ。黒死牟様から聞いたわよ。アンタの年齢、大体14歳くらいらしいじゃない。」

 

「あ、堕姫。ええ。そうらしいんですよ。まぁ、だいぶ体つきも変化してきておりますし、なんとなく予想はできていましたが。」

 

「ふぅん、そうなんだ?まぁ、昔のぺったんこに比べたら、かなりふくよかになってきてるものね。普通に男を転がせそうな体つきになって来たじゃない。まぁ、アタシ達がアンタにそんなことさせるつもりないんだけど。」

 

 だいぶ胸の膨らみが出て来たな・・・・・・と考え込みながら過ごしていると、いつの間にかやって来ていた堕姫ちゃんに背後から抱きつかれる。

 度々行われている彼女からのスキンシップの一つのため、背後を覆う温もりに軽く寄りかかりながら見上げれば、小悪魔のような綺麗な笑みを返された。

 

「これまでのあどけなさのあった顔もいいけど、今のアンタは大人と子供の中間って感じ?チビの時はぽやっとしてる間抜けな雰囲気があったけど、今はだいぶ変わって来たわね。」

 

「堕姫のような色気は出せませんがね。」

 

「アタシみたいにできる人間なんてほとんどいないわよ。でも、アンタならいずれはできそうよね。」

 

「でも、そう言うことをさせるつもりはないのでしょう?」

 

「当たり前じゃない。アンタはアタシの可愛い妹みたいな存在だもの。それに知ってる?こっちの世界ってブサイクやキモいヤツがほとんどなの。

 まぁ、金を払わなきゃいい女と寝られないような人間が集まるからね。当然と言えば当然なんだけど。」

 

「度々言ってますもんね。今日はキモいヤツの相手をさせられたとか、汚いブサイクが来たとか。」

 

「ええ、そうよ。まぁ、遊郭なんてものは、女が体を売る場所だし、仕方ないんだけどね。」

 

 自身に寄りかかってくる私のことなど気にしていないのか、堕姫ちゃんは寄りかかる私の頬を優しく撫でながら笑みを浮かべる。

 この人にとって、私は妹のような存在でありながら、ある種の愛玩動物のような認識なのだろう。

 まぁ、容姿が整っていた上、珍しい見た目をしてるから、その分気に入られたのだろうけど。

 

「うっわ・・・・・・今日はアンタがいるの・・・・・・?」

 

「あら、累じゃない。うさぎに会いに来たの?」

 

「だって、山の中にいるのは退屈だからね。話をしにくることくらい構わないでしょ?」

 

「まぁ、うさぎって話し相手として最適だし、居心地の良さを感じるのも同意するけどね。見ての通り、今はアタシがうさぎと話してるの。ガキが邪魔しないでちょうだい。」

 

「なんだって・・・・・・?」

 

 ピリッとした殺気の気配に思わずピクリと反応する。

 猗窩座や黒死牟から護身用にと教えてもらった戦闘技術は、完璧には程遠いけど身につけている。

 だからか、無惨様に引き取られた数年前に比べたら、遥かに空気や気配に敏感になっているため、殺気を感じ取ることは普通にできてしまうくらいにはなっていた。

 そのおかげと言うべきか、そのせいだと言うべきか、堕姫ちゃんと累の間にある重苦しい気配に、私は何度か瞬きを繰り返した。

 

「なぁに?アタシに楯突くつもり?」

 

「上弦だからと言って、所詮は一番下の陸だろ。そっちこそ、僕に喧嘩売ってんの?」

 

 堕姫ちゃんと累のやり取りに、冷や汗をかく。

 無惨様苛立ちマックスの姿に比べたら何倍もマシではあるけど、それでもやばい感じは変わらないわけで、少しだけ底冷えするような感覚を覚えた。

 うん、止めよう。私としては、堕姫ちゃんも累も大切なお友達なわけで、喧嘩して欲しくないので。

 

「堕姫も累も、そこまでですよ。流石にちょっと火花を散らし過ぎです。二人に好かれるのは嬉しいことではありますが、喧嘩をするのはやめてくださいな。」

 

「「!」」

 

 私を抱きしめる堕姫ちゃんの腕に触れ、目の前にいる累の手を片手でそっと握りしめながら話しかければ、二人はハッとしたような表情を見せた後、私の方に視線を向けてくる。

 イライラが霧散したのを確認することができた私は、その場で少しだけ笑い声を漏らした。

 

「鬼は無惨様のために強くなり、そのお役に立つことこそが生きる意味。そう考えれば、火花を散らしてしまうことも理解できますが、衝突はほどほどに。

 無惨様からも言われているでしょう?どうしても衝突したいのであれば、入れ替わりの血戦で、とね。

 今はその気がないのであれば、これ以上の喧嘩は御法度ですよ?なんなら黒死牟を呼んでしまいますが、どうしますか?」

 

 “二人揃って序列を乱すなって怒られると思いますけど”・・・・・・とやんわりと軽い脅しを含めながらも声をかければ、堕姫ちゃんと累は一旦顔を見合わせたのち、むすっと拗ねながらも喧嘩をやめてくれた。

 流石に上弦の壱と言う無惨様の右腕的ポジションの存在に怒られたくはなかったようで、落ち着いてくれたようだ。

 まぁ、納得はいってないようだけど。

 

「ちょっと、うさぎ。黒死牟様の名前を出して来るのは狡くない?」

 

「そうだよ、うさぎ。僕らがあの人に敵うわけないだろ。」

 

「それを把握した上での忠告したのですよ。基本的に無惨様はこちら側のやり取りに関して我関せずな部分がありますが、黒死牟は違います。

 血戦に関しては向上心を上げる要因になるし、黒死牟自身も挑んでくるのは大歓迎派ではありますが、彼は規律も重んじます。

 目の前で急に争われても困りますしね。規律違反はほどほどにした方がいいですよ?」

 

 “そろそろ黒死牟も戻って来ると思いますしね”・・・・・・と口にした瞬間、ふわりと黒死牟の気配がその場に現れる。

 堕姫ちゃんと累は、私が黒死牟の名前を出した瞬間、その御本人が現れたからか、ビックリしてしまったのか固まっていた。

 

「・・・・・・何かあったのか?」

 

「いいえ。ちょっとだけ、堕姫と累が口喧嘩をしてしまっただけで、特に大事は起きていませんよ。」

 

「そうか・・・。」

 

 堕姫ちゃんと累が動きを止めて見つめて来るからか、少しだけ黒死牟は困惑しながら、何かあったのか聞いて来る。

 すかさず、少しだけ累と堕姫ちゃんが口喧嘩をしてしまっただけで、それを止める流れが発生してしまったことを説明すれば、黒死牟は短く返事をしたのち、二人に目を向ける。

 

「お前達・・・あまり序列を乱すなよ・・・。今回は・・・うさぎから注意を受けた様子があることから・・・強く言うつもりはないが・・・衝突したければ・・・累が堕姫に入れ替わりの血戦を挑め・・・」

 

「「・・・・・・・・・わかりました。」」

 

 黒死牟からも注意され、累と堕姫ちゃんは返事をしたのち、少しだけ顔を見合わせては、フンッと同時に顔を逸らした。

 子供の喧嘩のようなやり取りに、苦笑いをこぼしていると、黒死牟が私の方に近寄って、頭を優しく撫でてきた。

 

「無惨様からの・・・言伝だ・・・。時期的に・・・鬼狩りが少しずつ増えて来るからな・・・。“青い彼岸花”を・・・探す時間や・・・探す範囲に変化をつけると言っていた・・・。

 お前や・・・童磨の元に集まる信者達・・・そして・・・堕姫が自身を目当てにやってきた人間達を・・・動かしたことにより・・・探し終わった範囲は・・・かなり増えてきたため・・・これからは・・・彼岸花が群生する地域へと・・・定期的に送り込むとのことだ・・・。

 咲く場所や・・・咲く時間が決まっているのであれば・・・各地域に・・・数日ごとに時間をずらしながら・・・送り込むと言っていた・・・・・・。」

 

「そうですか・・・・・・。私が言い出したにも関わらず、なかなか探し出せないことから無惨様には申し訳なく思っていましたが、そう言うことでしたらわかりました。」

 

「希少な花であれば・・・探すのが困難であることも・・・無惨様は理解していたからな・・・。恐らくだが・・・その考えも含めて・・・探す範囲を絞ることができた今・・・本格的に動かそうとしているのだろう・・・。

 私や・・・猗窩座から師事を受け・・・体力にも余裕ができ・・・成長もした今・・・行動できる時間も変わってきているしな・・・・・・。」

 

「なるほど。わかりました。では、私はこれまで通り、無惨様から指定された場所を重点的に探すことになるのですね。」

 

「ああ・・・。時には・・・人里付近にも・・・移動させるとのことらしい・・・。お前自身も・・・探し物をしている旅人として・・・これからも情報を集め・・・捜索に励むといい・・・。

 夕暮れ時になれば・・・無惨様も・・・私や・・・猗窩座をお前の元に向かわせ・・・お前を回収することになるだろう・・・。」

 

 上弦の鬼がお迎えに来るのはなかなか特殊だな・・・・・・と少しだけ思いつつも、鬼狩りが増えてきたと言う言葉を脳内に巡らせる。

 明治の後期であることは確かだが、明治の何年かまでは把握しきれていないため、今がどの時間軸なのかはわからない。

 原作前であることは確かだが、誰が鬼狩りになる時期なのかまでは知識として持ち合わせていない。

 

 とは言え、鬼殺隊側の被害が広がるのは間違いないだろう。

 上弦の鬼・・・・・・さらに言うと、壱と参の文字が刻まれた上位の二人が定期的に表に出て来るとなると、鉢合わせてしまう確率は格段に上がってしまう。

 同時に、私も気をつけなくてはならない。時期的に、原作で柱をしていた鬼殺隊と接触してしまう可能性が上がってしまっている以上、無惨様との繋がりが、産屋敷側にバレてしまう可能性があるのだから。

 

「私も、色々と気をつけないといけないですね。鬼狩りが増えると言うことは、私自身、接触してしまう可能性が増えていることになるのですから。

 彼岸花の群生地は、人が少ない時がほとんどですが、鬼狩りが増えるとなると、向こう側も行動範囲が広くなることになりますし。」

 

「そうだな・・・。それに・・・鬼狩りは・・・定期的に・・・爆発的な人数の増強が発生する・・・。何がきっかけとなり・・・それが発生するのかはわからぬが・・・その際は・・・数年に一度の逸材が・・・鬼狩りの方に紛れ込む時期と一致する・・・。

 無惨様や、私達も意識を配るが・・・お前自身も・・・気をつけた方が良いかもな・・・・・・。」

 

 黒死牟の言葉に、私は小さく頷き返す。

 同時に、もしもネームドに出会してしまったらと、脳内を思考の海へと沈めた。

 私は、無惨様達が大切だ。できることならば、死んでほしくないと望むほどに。

 だけど、原作の知識があるからこそ、鬼殺隊側の幸せも、わずかながらに願っている。

 彼らを救済することは、鬼側に不利を突きつけること・・・・・・そう考えれると、救済しない方が正解だ。

 

 でも・・・・・・

 

 ─────・・・・・・結ばれたかもしれない人達が、結ばれなかった原作の話に、傷つかないかといえば嘘になる。

 

 ─────・・・・・・鬼も、鬼殺隊も、幸せになれたら一番いいのに、どちらかの幸せを願うことは、どちらかの幸せを切り捨てなくてはならない。

 

 そこまで考えて、私は小さく溜め息を吐く。そんなことをしたら、黒死牟や堕姫ちゃん達から視線を向けられるのはわかっているのに、溜め息を吐きたいと言う衝動は、抑えることができなかった。

 

「溜め息なんて随分と辛気臭いもんしてるわね。」

 

「何かあったの?うさぎ。」

 

「何か・・・不安なことでもあるのか・・・・・・?」

 

 堕姫ちゃん、累、黒死牟の順で話しかけられ、私はその場で苦笑いをこぼす。

 3人の質問に返すべき言葉は・・・・・・

 

「鬼狩りが増えると言う言葉に、少しだけ思うところがありまして。私は、人間でありながら、鬼の側につく者です。

 だから、鬼狩りと接触するようなことが起こった時、どのように行動を取るべきかを考えておりました。

 ボロを出して、無惨様のことを知られるわけにもいきませんからね。私が、無惨様の義理の娘である人間であることも、気づかれないようにしないとですし。」

 

 ・・・・・・嘘は言っていない。鬼殺隊が増えたことにより、接触する可能性が上がった以上、私は彼らにどのような対処をするべきか考えていたのだから。

 

「そうね・・・・・・アタシと累は基本的にに根城にしてる場所から動けないからなんとも言えないけど、黒死牟様や猗窩座に任せればいいんじゃない?」

 

「もしくは、鬼狩りがいない場所に移動するとか・・・・・・?うさぎは、気配に敏感みたいだし、普通の人間に比べて鬼狩りってちょっと独特な気配をしてるから、判別はできるかもよ?」

 

「目をつけられた場合・・・私や・・・猗窩座が動くこともできる・・・。鬼狩りを・・・どこかに誘き寄せ・・・そのまま・・・伝達用の鴉ごと・・・消すこともできるだろうしな・・・・・・。」

 

「うーん・・・・・・黒死牟の発言がちょっと物騒ですが、それしか方法はないですよねぇ・・・・・・」

 

 三者三様の回答に、苦笑いをこぼしながら言葉を紡ぐ。

 できることならば、鬼狩りに会わない未来でありますようにと願いながら。

 

 

 




 うさぎ
 鬼側につく人間としての自覚を持つ14歳になった白ウサギ。
 鬼狩りに会いたくないと願いながら、みんなの幸せはどうすればと考える。

 堕姫
 すでにうさぎは妹認識になっている上弦の陸の片割れ。
 うさぎの側は居心地がいいし、構うのもかなり好きなため、定期的に顔を出しては、累と衝突することがある。

 累
 うさぎと話すのが退屈しのぎの息抜きになっている下弦の伍。
 定期的にうさぎの元に来ては、しょっちゅういる堕姫と衝突することがある。

 黒死牟
 うさぎの様子を見るために、毎日無限城に足を運ぶ上弦の壱。
 定期的にうさぎの周りで序列が乱れることがあるが、その度にうさぎが仲裁に入っているため、うさぎがいない時よりかなりマシな状態で、流石は無惨様の娘だと思っている。

①「謎の助言者ムーブで鬼殺隊を救済しながら、基本は単独で動く鬼殺隊うさぎ」と②「神出鬼没に鬼殺隊の前に現れ、甘味を食べたり、呑気に過ごしながら謎の助言者ムーブで鬼殺隊を助ける部外者うさぎ」どちらの話を見てみたいですか?

  • ①の助言者な単独行動する鬼殺隊うさぎ
  • ②の神出鬼没に現れる部外者な助言うさぎ
  • どちらも読みたいから本編とifで見たい
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