その稀血うさぎは鬼との生活を謳歌する   作:時長凜祢@二次創作主力垢

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  こちらの物語は予め流れを決めた上で執筆しております。
 過度な考察などをするための物語ではなく、私が読みたいと思った話を少しずつまとめて書いているものですので、展開の考察、もしくは考察サイトや動画などで語られた非公式考察等の引用などは控えていただけると助かります。
 あくまでこれは、こんな存在がいたら、鬼側や人にこんな影響をもたらしてくれるのではと言う思いのままに書いている二次創作でありIFの物語です。
 考察をしてもらうための話ではなく、鬼側にも穏やかな日々があったらと言う願いを主軸にしているため、深く考えることなく閲覧してください。

 なお、そのようなコメントは見つけ次第、非表示欄に移動していますが、あまりにも何度も書かれるようであれば、こちらの物語自体閲覧不可にすることも辞さないため、よろしくお願いします。



ウサギ鬼と白うさぎ

 無惨様から鬼化したウサギこと叢雲を受け取り、生活し始めて一週間。

 この間、観察した叢雲の生活はなかなか変わったものだった。

 

 基本的にこの子が口にするのは、野菜や穀物と言った、通常のウサギとなんら変わりのないものであり、食性はどちらかと言うと草食寄り。

 不思議とこの子はスヤスヤと眠りに落ちることがあり、目を覚ましたら再びモサモサとそれらを口にする。

 鬼は眠らないはずなのに、この子の生活は本当にウサギと変わらないため、なんとも変わった生物である。

 無惨様も、あまりにもウサギと変わらない生活を繰り返す叢雲を見て、かなり困惑しているようで、本当に鬼になってるのか?と、少しだけ肉を近づけるなどをしてみたが、叢雲はそれを口にすることはなく、私の手からも肉は食べようとしなかった。

 意味がわからないと言いながら、無惨様は叢雲の血液を取り、その血液を確かめたりしていたが、どうやら鬼化はしているようで、ますます混乱してしまっていた。

 

 他にも、叢雲はどうやら私以外の存在に対しては敵対しかしない様子がある。

 唯一、無惨様にだけは敵意を見せることなく、襲いかかると言う行動も起こさないようだが、言うことは絶対に聞こうとしない。

 採血をすると言われたら、鬱陶しいと言わんばかりの反応を見せて逃走するし、黒死牟や猗窩座が捕まえようと動くが、容赦無くツノで攻撃され、思い切り蹴り飛ばされると言う始末。

 私が名前を呼び、自分の元に呼び寄せるまでは、おとなしくすること自体が皆無と言う状態だった。

 

 無惨様曰く、叢雲に入れた無惨様の血と、私の血が混ざっていることにより、叢雲の主導権を握れる存在が逆転しているのではとのことだ。

 無惨様に対して敵対しないのは、私が無惨様に対して従順であり、他の鬼達には友人感覚で接して平等に認識しているから、叢雲自身もそれを感じ取り、判断を変えている可能性があると言っていた。

 

 となると、私は黒死牟達に対しての接し方を改めた方がいいのだろうか・・・・・・そのように考えたりもしたが、堕姫ちゃん達から、義理とは言え、無惨様の娘である存在に畏まられるのは逆に違和感しかないから勘弁して欲しいと返され、対応は変えないことになってしまった。

 

「・・・・・・叢雲。本当にお肉とか血を摂取しなくても大丈夫なの?」

 

「ぷ!」

 

「・・・・・・大丈夫ってこと?」

 

「ぷぅ!」

 

 そんなことを思いながら、私は“青い彼岸花”探しをしている。

 今日は叢雲も一緒に行動を取っており、太陽の光を避けるため、私の頭の上に乗っかっている。

 本来、通常のウサギだと、かなり重たいはずだが、叢雲はサイズの可変が可能らしく、ちまっちゃいぬい(10cmくらいのやつ)くらいの大きさになって、おとなしくしている。

 重たくないだけ助かるが、やはり、日中の外に出すのは間違いのようでならない。

 まぁ、無惨様から連れて行けって命じられているし、逆らうつもりは毛頭もないのだが・・・・・・。

 

「叢雲〜。太陽はやっぱり駄目そう?」

 

「ぶぅ・・・・・・」

 

「うん、音からして無理って言ってるのがよく分かった。眠らないはずの鬼が眠ってる分、ちょっと変化があるかもって思ったんだけどなぁ・・・・・・。」

 

 どうしたものかと思いながらも、頭の上にいる叢雲に手を伸ばせば、叢雲はすぐに私の手をひくひくと嗅いだ後、スリ・・・とツノを避けるようにして擦り寄ってくる。

 そのことに小さく笑いながら、首元を指先でくすぐるように撫でれば、ぷぅぷぅと上機嫌な声が聞こえてきた。

 

 ・・・・・・ふいに、鼻を鳴らす音で感情を表現して思いを伝えてくる叢雲に、言語能力がついたらどうなるだろうかと考える。

 鬼だから、もしかしたら、意思疎通できるかもと思っていたのだが、やっぱり難しいのだろうか。

 

「・・・・・・ウサギ鬼だから難しいかもだけど、力がつけば、叢雲もお話できたりするのかな?」

 

「ぷ?」

 

「ありえないことを考えてるのは分かってるんだけどね。元はウサギさんだし。ただ、鬼って言語を扱う存在でもあるから、ちょっとだけそんなことを考えちゃうんだよねぇ・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・。」

 

 あったら面白いのにと思いがちなことを口にしつつ、叢雲を撫でる。

 叢雲は相変わらずスリスリと擦り寄ってくるだけで、言葉を口にすることはない。

 

「・・・・・・にしても叢雲。君って本当に草とか野菜しか口にしないよね。健康的でいいとは思うけど、無理して食べないようにしてるとかない?大丈夫?」

 

「ぷっ!」

 

「それは無理をしてないって反応でいい・・・・・・んだよね?」

 

「ぷぅ!」

 

「それならいいけど・・・・・・もし、必要になったら、狩りに行っていいからね?私は、無惨様達に囲まれて過ごしてる分、無惨様達が人間を食べる姿を見慣れてるし、栄養不足になったら、辛いのは叢雲だしさ。」

 

「ぶぅぶぅ!!」

 

「食べなくていいんだってばとでも言いたげな反応だな・・・・・・」

 

 不満を表に出すように、鼻を鳴らす叢雲に苦笑いをこぼしながらも、“青い彼岸花”を探すように見渡す。

 うん。ちらほらと彼岸花の葉っぱは見つかるけど、彼岸花は見つからない。

 

「まぁ、時期が時期だから、咲いてるわけないかぁ・・・・・・。無惨様が求めてる“青い彼岸花”って、本当に見つからないねぇ・・・・・・」

 

「ぷ!」

 

 叢雲に話しかけながら、のんびりと山の中を散策し、昼時になったら一旦太陽の光が入り込まない洞窟へと向かい、昼食として用意された握り飯を食べる。

 叢雲には無惨様が私の食事と一緒に持って来てくれた野菜や果物の切れ端や皮などを与えれば、この子もお腹いっぱいになる。

 鬼が血肉を喰らわないことに関して、無惨様は理解できないと言った反応を見せていたが、余計な手間がかからない分、まだマシかと既に割り切ることで、考えるのを放棄している様子だったが、さて、叢雲は太陽光を克服するのだろうか・・・・・・。

 

「ここにいたか。叢雲がいる分、お前の位置は割と把握しやすくなったな。私の血石も機能しているが、それ以上に叢雲の位置で把握することができる。やはり、しっかりと鬼化はしているようだな・・・・・・。」

 

「無惨様。」

 

「・・・・・・・・・ぶ。」

 

「叢雲・・・・・・私が来たことに不満そうな声を出すな。」

 

 無惨様を視界に入れるなり、ふんっと視線を逸らした叢雲に、苦笑いをこぼしてしまう。

 叢雲、本当に無惨様に対して敵対心はないけど、忠誠心も皆無だな・・・・・・。

 

「チッ・・・・・・うさぎが制御できる故、なんとか我慢できるが、やはり腹立たしいなこの獣畜生は・・・・・・。」

 

「獣畜生て・・・・・・。」

 

 確かに無惨様に対しても明らかに反応が塩ですけど・・・・・・と苦笑いをこぼしてしまう。

 しかし、すぐに私は、自身が着ていた服の袖をまくり、いつものように自身の腕を差し出す。

 

「どうぞ、無惨様。」

 

「・・・・・・ふん・・・・・・相変わらずお前は従順だな。そこの獣畜生とは大違いだ。」

 

 自身の腕を曝け出し、採血をしやすいように待機していれば、無惨様は注射器を取り出し、私の腕にある血管へとその先を突き刺す。

 完全に慣れてしまった痛みに、表情すら歪めることがなくなってしまい、随分と私もおかしな方向へと成長してしまったものだと考える。

 

「・・・・・・叢雲。貴様の血も採るぞ。」

 

「・・・・・・ぶぅ・・・」

 

「貴様は相変わらず太々しいな・・・・・・。貴重な検体であり、うさぎが気に入っているから生かしてやっていると言うのがわからぬのか?」

 

「・・・・・・・・・。」

 

 そんな中、叢雲からも採血をするために声をかけた無惨様。

 しかし、叢雲はフンッと無惨様から視線を逸らして耳だけを彼の方に傾けた。

 無惨様はそんな叢雲に苛立ちを抱きながらも、耳から血液を採取した。

 

「“青い彼岸花”は見つかったか?」

 

「残念ながら見つかっていませんね。時期ではないからか、彼岸花の葉は見かけますが、花は一つも咲いておりませんでした。」

 

「ふむ・・・・・・やはり季節が違うのか・・・・・・?いや、別の条件下により咲くのか・・・・・・?しかし、季節と環境の両方だとしたら、時期と環境のどちらかがあっていない可能性もあるか・・・・・・。

 あの人間がどの地域のどの山に、どのような環境で咲くのかくらい事細かく書いてさえいれば・・・・・・」

 

 苛立ちを抱きながらも、怒りを爆発させることなく情報を整理する無惨様。

 これまでの彼であれば、怒りを爆発させるのが当たり前だったはずだが、本当に丸くなったものである。

 

「そうそう・・・・・・叢雲なのですが、どうやら今はまだ太陽の光の下に出られないみたいです。

 ただ、睡眠を取ったり、血肉を必要としなかったりしますから、何か違う存在になっている可能性はなきにしもあらずかと。」

 

「ふむ・・・・・・それは言えているな。やはりしばらくは様子を見る必要があるか。これまで長らく作りたくもない同胞を増やして来たが、このような特性を発揮するものはいなかったしな・・・・・・。」

 

 要観察・・・・・・と言ったところだな・・・・・・と小さく呟き、叢雲を見つめる無惨様。

 無惨様から視線を向けられた叢雲は、鬱陶しいと言わんばかりの様子で不満気に鼻を鳴らしては、私の頭の上に乗っかって眠り始めた。

 

「・・・・・・重くないのか?それは。」

 

「実はあまり重たくないんですよね。ちまっちゃくなってる分軽いです。」

 

「そうか・・・・・・。だが、首に負担がかかるようであれば、甘やかさず引き摺り下ろすこともするべきだ。痛くなっても知らぬぞ。」

 

「は〜い。」

 

 スヤスヤと眠る叢雲に、呆れたような表情をしながらも、私に注意をしてくる無惨様に返事をすれば、一度だけ叢雲が乗ってる位置からズレて優しく頭を撫でてその場から立ち去るのだった。

 

 

 




 うさぎ
 叢雲を可愛がっている稀血の白ウサギ。
 通常のウサギの食性と全く同じ食性をしている叢雲に首を傾げている。

 叢雲
 うさぎに可愛がられているウサギから鬼になった一角鬼。
 無惨様には敵対しないが忠誠もなく、あくまでうさぎが従っているから敵対していないだけである。
 しかし、他の鬼に対しては容赦なく敵対する。

 鬼舞辻無惨
 うさぎが可愛がっていることや、希少な検体でもあるため手をかけていないだけで、自身に忠誠心がない叢雲に苛立ちを向けている鬼の始祖。
 うさぎが関わると、思考が結構柔らかくなるのか、怒りを爆発させることが少なくなった。

①「謎の助言者ムーブで鬼殺隊を救済しながら、基本は単独で動く鬼殺隊うさぎ」と②「神出鬼没に鬼殺隊の前に現れ、甘味を食べたり、呑気に過ごしながら謎の助言者ムーブで鬼殺隊を助ける部外者うさぎ」どちらの話を見てみたいですか?

  • ①の助言者な単独行動する鬼殺隊うさぎ
  • ②の神出鬼没に現れる部外者な助言うさぎ
  • どちらも読みたいから本編とifで見たい
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