その稀血うさぎは鬼との生活を謳歌する   作:時長凜祢@二次創作主力垢

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稀血のうさぎの特徴は

 無惨様にとっての及第点をしっかりと突破することができた日から早くも一週間。

 私は、無限城内で与えられた部屋でのんびりとした生活を送っていた。

 

 最初のうちは慣れない事だらけな上、どうしたもんかと思っていたが、人間、やはり順応力を持ち合わせている以上、いつの間にかこの珍生活にも慣れてしまう物である。

 まぁ、住めば都とも言うからね。数日もすれば、過ごし方なんて嫌でも把握してしまう。

 無限城が都ってなんだよと思わなくもないが。

 

 さて、そんな私の一日は、基本的に無限城の中であれば自由と言う物だった。

 無惨様曰く、外にさえ出なければ問題はない。外に出られるはずがない、とのことらしく、大体は好き勝手に過ごせるのである。

 

 まず、朝は鳴女さんに起こされる。

 次に、人間の世界に紛れ込む中で、必要な地位を持ち合わせている無惨様が、周りに何か上手いこと言っているのか、ほかほかの出来立てご飯を持ってくるため、それを食べる。

 度々無惨様が地位を利用して、表の住居に呼び出したらしい呉服屋により作られた、体に合った服(めちゃくちゃ質がいい奴ばかり)に袖を通す。

 私が暇にならないようにするためか、それとも地頭の良さをいずれはいかせるようにか、表向きの生活をしている無惨様から、時間がある時に勉学を教えられ、その時間がない時は、適当に読書タイムに耽る。

 昼時になったら、握り飯を与えられるため、それを食べて、再び空いた時間で勉学か読書を行い、夕方になったら用意された夕餉を食べる。

 最後に、夜になったら湯浴みを行い、そのまま就寝すると言う流れだ。

 

 あれ?思ったよりいい生活をさせられているな?と思ってしまうのも無理はない。

 てっきり私は、他の鬼・・・・・・例えば、黒死牟辺りに世話を押し付けられると思っていたが、予想以上に無惨様にお世話されてしまっている。

 

「うさぎ。採血を行うぞ。こちらに来い。」

 

「はい、無惨様。」

 

 この人、普通に生き物の世話なんてできたんだ・・・・・・と、人間である今だからこそ考えることができる失礼なことを脳内に過らせながらも、私は無惨様の元に近寄る。

 私の一日のルーティンは、起床、朝食、着替え、勉強or読書、昼食、勉強or読書、夕食、湯浴み、就寝・・・・・・そして、朝昼晩の採血だ。

 

 私の稀血を様々な方向性から調べるとのことらしく、その日の体調や、食べた物による変化、他にも、無惨様が持ち合わせている鬼の血を混ぜた場合の変化などを確かめていると教えられている。

 

 最初のうちは、久々の注射に泣きたくなる程の痛み(令和の注射針より太いから痛みがひどい)を感じていたが、数日もすれば慣れてしまった。

 もしや、転生した後の私、世界に対する順応力が高いのでは?と思ってしまう程に早く。

 まぁ、無惨様の機嫌を損なわないなら何だっていいかのスタンスだからか、余計に慣れが早いのだろう。

 

「調べてみたところ、やはりお前の血は稀血の中でもかなり特殊なようだな。

 私の血を混ぜた実験では、一部の成分が分解されてしまうことがわかった。

 恐らくだが、それが稀血のお前を見ても喰らおうと言う欲が出てこなかった原因だろうな。」

 

「無惨様の血を一部分解って・・・・・・それは、何というか・・・・・・不思議と言うか、無惨様の天敵というか・・・・・・」

 

「確かにな。お前の血により、私の血が分解されてしまうとなると、私にとっては何よりも天敵と言えるだろう。その血を口にすることにより、人間に戻る可能性があるということだからな。

 だが、捉え方によっては、その分解能力を解析すれば、鬼のまま日の光を浴びても消滅しない状態を作り出せる可能性があるとも言える。」

 

 “私の言いたいことはわかるな?”と言う無惨様の問いかけに、少しだけ私は思案する。

 無惨様の血を分解してしまう私の稀血・・・・・・鬼が持ち合わせている食人衝動の抑制・・・・・・人間に戻してしまう可能性・・・・・・あ・・・・・・。

 

「分解する成分の分析、および指定ができれば、日の光を浴びたら消滅してしまうと言う悪い効果を打ち消すことができる可能性が出てくる・・・・・・と言うことでしょうか。」

 

「その通りだ。よくわかったな。」

 

 “褒めてやろう”と言って、私の頭を撫でてくる無惨様。

 え?この人、人の頭を撫でるなんてこともできたの?などと失礼なことを考えながらも、その場で思案する。

 

「・・・・・・ですが、仮にそれができたとして、指定する成分の分析や、成長に伴う血液の変質。

 女人であるからこそ発生する生理現象や、体調による血液の変質。その他諸々の要因から、分析にかなり時間がかかる可能性もありますし、場合によっては、私が何らかの要因により、無惨様の前からいなくなってしまう可能性も、無きにしも非ずのような・・・・・・。」

 

「ああ、そうだな。だからこそ、並行してお前の血に私の血がもたらす影響を調べるのだ。

 お前の血は私を完璧な生物へと至るための鍵となる可能性が出てきた以上、私の前から姿を消すことなどできぬようにする必要があるからな。」

 

「・・・・・・ようするに、寿命で逃げられると思うなよってことですね。把握しました。」

 

 変な血液特性を持ち合わせてしまったが故に、厄介な人に執着されることになってしまったようだ。

 てか、無惨様の血を分解してしまうってどんな血液だよ私の稀血。

 

「ところでだ・・・・・・。うさぎ。お前は人の顔を覚えるのが得意ではないようだが、それは元からか?」

 

「へ?」

 

「この一週間、人間共の中に紛れ込むため、人間であるお前を私の養子として連れ歩くことがあったが、定期的に会う人間の顔を覚えていないように見える。

 本来ならば、一週間もあればある程度覚えるはずだが、お前はそれができていない。

 他にも、人間に擬態して関わりを持つ者共から、やけに人の顔を見る際、目を細めて把握し辛そうにしていると聞いているが?」

 

 無惨様からの指摘を聞き、私は何度か瞬きを繰り返す。

 そして、しばらくの間、自身の記憶を辿るように思考を巡らせ、あることに気がついた。

 

「あ・・・・・・言われてみれば・・・・・・。この城の内部は明る過ぎず、かと言って暗過ぎるわけでもないため、特に異常はないのですが、人々の中に紛れ込む時は、人の顔どころか、景色もかなり見え難くなっています。

 何と言うか、視界が一気に悪くなるんですよね。一応、姿が見えないと言うわけではないのですが、明る過ぎる場所だと、わずかな輪郭と髪型、背格好だけでしか人の姿が判別できなくなるんです。

 多分、この目のせいでしょうね。お医者様にかかったことはないので、断言できるかどうかは微妙なところではありますが、元から紅色の瞳でしたし・・・・・・」

 

「ふむ・・・・・・。」

 

 そう言えば、明るいところだと人の姿がはっきりと見えなかったことを思い出し、そのことを無惨様に伝えれば、彼は考え込むような様子を見せた後、私の元に近寄ってきた。

 同時に、私の顎を掴み、そのまま無理矢理視線を合わせてくる。

 

 いきなり掴まれた上、目を合わせるために上を向かされて首が痛い・・・・・・とやっぱ無惨は無惨だな、なんて、少しだけ雑な扱いをしてくる彼に対して思いながらも、何度か瞬きを繰り返した。

 

「・・・・・・少しばかり調べてみるか。」

 

「調べるんです?」

 

「お前の視力がどれ程の物であるかを調べ、結論を出しておく方がこれから先面倒がないからな。」

 

「はぁ・・・・・・左様ですか・・・・・・」

 

 明治時代の視力検査ってどんなものがあんの・・・・・・?と疑問を浮かべながらも、無惨様の言葉に頷けば、彼はすぐに行動に移し始める。

 まぁ、調べてもらえるなら調べてもらえるだけありがたいものではあるか・・・・・・。

 視力って、これから先の生活でもかなり使うからね。

 

 

 

 

 

           ܀ꕤ୭*

 

 

 

 

 ・・・・・・で、まぁ、行われた視力検査だが、一定の距離から無惨様が手にした紙に記されている模様や、文字、無惨様が何本の指を立てているのかを言い当てるテストをさせられた。

 暗がりと明るい場所での視覚的変化なども把握するため、明るい場所、暗い場所、明るくもなければ暗くもない場所など複数の場所で行われた。

 他にも、光を見るというテストも施され、私は自身の視力がどのような物であるかを知っていく。

 

「どうやらお前は、かなり視覚に問題があるようだな。明るさの変化による異常性等も調べてみたところ、暗がりでは物がしっかりと見えておらず、明るい場所では光の刺激により視覚が使えない状況に陥っている。

 しかし、程よい灯りがある場所であれば、視覚は問題なく機能しているようだ。

 まぁ、先天的に目が悪いのは変わらんようだが・・・・・・」

 

 無惨様が医学書と思わしき物に視線を落としながら、私の目に関しての結論を告げてくる。

 やはり、私は相当目が悪いようだ。先天的に目が悪いと言うことは、前世の小説などに記されていた、アルビノの人間の視覚異常の話は、完全なるフィクションと言うわけではなかったのか。

 

「ふむ・・・・・・手持ちの書物には白人(しろびと)に関して詳しく記されているものはない・・・・・・か。

 事例の一つか二つは見つかると思っていたのだが、どうやらその読みは外れたようだ。」

 

 そう言って無惨様は、手元にあった医学書を本棚へと戻し、私の方に近寄る。

 そして、かなり低い位置にある私の目線に合わせるようにしゃがみ込んだ。

 

「独自で調べて行くしかなさそうだな。だが、白人(しろびと)と稀血と言う特性を持ち合わせている人間など、これから出会す可能性は極めて低いと言えるだろう。

 どちらか片方の特徴を持ち合わせている人間ならば、かなりの頻度で出会すことがあるだろうがな。」

 

 静かに伸ばされた大きな手のひらは、緩やかに私の頬を撫でる。

 そのことに少しだけくすぐったく思いながらも、無惨様を見つめていると、彼は口元に不敵な笑みを浮かべた。

 

「運がいいものだ。二つの特異性を持ち合わせていることにより、命拾いをしたのだからな。

 物珍しい容姿と特徴を持ち合わせて生まれたことに感謝するといい。」

 

 “お前に対する興味は、長らく維持することができそうだからな”・・・・・・と口にする無惨様の姿を見て、背中をゾワリとした寒気が駆け上がる。

 しばらくの間、命の保証がされることを告げる物ではあるが、同時にこちらの逃げ道を完全に塞ぐ物だと感じ取り、思わず引き攣った表情をしそうになってしまった。

 だが、少しでも不快感を感じることがあれば、珍しいサンプルでも容赦なく手にかけるであろう男が鬼舞辻無惨だと知っている以上、どこで地雷を踏むかわからないため、何とか表情が引き攣るのを我慢する。

 

「そう・・・・・・ですね。私の命運はこの容姿と特徴にかかっており、生殺与奪の権利は無惨様に握られている・・・・・・。

 流石に私も幼いながらに死ぬことはしたくないので、時が訪れるその日まで、あなたに従順な娘でありましょう。」

 

「懸命な判断だ。お前がちゃんと私の言うことを聞くのであれば、私の擁護下に置いたまま可愛がってやろう。」

 

 言ってる言葉が完全に悪役のそれである。

 いや、まぁ、この人悪役どころか鬼滅の刃の元凶の黒幕だから、改めてそう考えるのはおかしいんだけど。

 それはそれとして、関○彦さんのねっとりセクシーボイスは色んな意味でゾワゾワするからちょっと色々とアレなんですけど。

 これが幼児の初恋泥棒こと土井先生と同じ声とか信じられないよ・・・・・・。

 某刀の擬人化の方は、飄々としたおじいちゃんって感じだったけど。

 

 あとは他に誰の声やってたっけ・・・・・・。

 某運命の物語の人理修復に出ていた復讐者クラスの一人と、某国民的妖怪アニメの劇場版にいたパパンとかだっけ?

 うん・・・・・・全く印象違い過ぎないか・・・・・・?

 

 ─────・・・・・・この人の中の人が、ちゃめっ気ある可愛らしいおじさまだと誰が想像つくのやら・・・・・・。

 

 まぁ、この世界だと中の人なんていないんだけどさ・・・・・・。

 

 




 うさぎ
 アルビノ特有の視覚異常を持ち合わせている稀血兎。
 明るい場所は刺激が強過ぎてしんどい。暗すぎる場所は視覚が完全に死ぬから苦手。明る過ぎず暗過ぎないがちょうどいい塩梅で視覚も良好になる。
 このたび、自身の稀血にトンデモ効果が付与されていることを知ることとなった。解せぬ・・・・・・。

 鬼舞辻無惨
 調べれば調べるほど興味が尽きない仔兎に、自身の希望を軽く見出し、内心ウキウキな鬼の始祖。
 視覚が悪い意味でトンデモ数値を叩き出しているので、それにだけは呆れてしまった。
 自身の血を分解する特性を持つ稀血に危機感を抱くと同時に、一つの可能性を見つけたため、仔兎は絶対に手放さない。
 鬼狩り共に特性を利用されるようなことになると面倒だ。常に手元に置いておくとしよう。

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