その稀血うさぎは鬼との生活を謳歌する 作:時長凜祢@二次創作主力垢
それにより彼女が思いついたのは、自身が料理を作り、養父たる鬼の始祖が嫌な思いをしてまで外食をしなくて済むようにしようと言うものだった。
無惨様と一緒に、外へと夕飯を食べに行った日から三週間。
あの日から無惨様は、時折私を連れ出して外で食事をする機会が増えた。
鬼である無惨様には無縁なことだが、人間側はそうもいかず、体調を崩したらいなくなることがしばしばある。
それを改めて思い知ったからか、外に食べに行くと言う選択肢を、無惨様は入れるようになったのだ。
ただ、外食となると、私一人で食べるわけにもいかず、無惨様も一緒に、人間の食べ物を口にしなくてはならない。
仕方ないことではあるが、無惨様にとって、少々複雑な気分になるようで、毎回、口にしては微妙な反応をするの繰り返しだ。
曰く、味がわからないわけではないが、やはり薄味過ぎて食べた気がしない。栄養になる様子もないため、効率が悪いとのこと。
それならば、出前や出張を頼めば食事を作ってもらえるのではと思いがちだが、この時代は、ウーバーみたいな出前系統の専門家はいない上、交通の便もあまりよろしくないため、わざわざ来てもらって作ってもらうというのも難しいため、鳴女の力を使って移動し、そこから予約した食事どこに向かうのが手っ取り早いのである。
うーん・・・・・・やっぱり自分で食事を作れるようになるべきか・・・・・・そんな風に思いながら、私は鳴女さんの元へと向かっていた。
「鳴女。少しいいですか?」
「はい。どうかなさいましたか?うさぎ様。」
いつものように、琵琶を弾いている鳴女に近寄り、彼女の名前を呼べば、鳴女はすぐに反応をして、私の声に応える。
「その・・・・・・鳴女は確か、お食事を作ることができましたよね?鬼が基本的に食べるのは人間ですし、そのまま生で丸ごといってますけど、前、試しに人肉を使ったお食事を無惨様に作っていたでしょう?
そこで、なのですが・・・・・・私に、お料理を教えていただきたいんです。」
私の言葉に、鳴女さんが纏う光が驚きと戸惑いに揺れる。
しかし、すぐに彼女は私の話に耳を傾ける姿勢を見せてくれたため、話を続けるために口を開く。
「度々無惨様はお食事に連れて行ってくれますが、外食をすると、無惨様も一緒にお食事を取らざるを得なくなります。
ですが、無惨様からすると、人間のお食事は口に合わず、あまり栄養にもならないため、効率が悪いといつも表情を歪めておりまして・・・・・・。
だから、私がお食事を作れるようになれば、無惨様にそのような表情をさせることもなくなりますし、何より、私自身もいつも誰かに食事を作ってもらう必要がなくなります。
無惨様が雇用していた、食事係の人から作ってくださっていた料理の作り方を教えていただければ自分でも作ることができそうですから。」
私の話を聞き、鳴女さんは小さく頷く。
彼女は、私のお願いを快く承諾してくれた。
☽❀☾
「・・・・・・何をしておるのだ、貴様らは。」
「「あ、無惨様・・・・・・。」」
鳴女さんと一緒に、無限城の中にある厨で過ごしていると、無惨様が姿を現した。
城主の帰還に、何度か瞬きを繰り返しながらも返事をすれば、無惨様は私たちの方へと近寄ってきた。
「・・・・・・説明しろ、鳴女。何だ?この状況は。」
「はい、無惨様。」
女が二人揃って厨に立っていることに、疑問を浮かべながら問いかけてくる無惨様。
鳴女さんは、すぐにその場で頷き、厨に足を運ぶ前に、私としていた料理の話を無惨様へと伝えた。
「・・・・・・なるほどな。まぁ、確かに、うさぎもすでに年齢は15になるしな。一通りの家事ができるようになっていてもおかしくはない年齢か。」
鳴女さんの説明を聞いた無惨様は、どこか納得した様子で言葉を紡ぎ、小さく溜息を吐く。
彼の周りに揺らぐ光は、仕方ないという諦観と、あまり見たことがない色合いの光だった。
どことなく不規則に、だけどすごく小さめに、そして、もやもやしたような揺らぎ・・・・・・この光は・・・・・・。
「厨の使用は許可するが、決してうさぎに怪我などさせるなよ、鳴女。貴様の血鬼術は便利故、首を刈る事まではするつもりはないが、それでもタダでは済まないことを努努忘れるな。」
「かしこまりました。うさぎ様の安全を第一に考えながら、対応いたします。」
「ふん・・・・・・」
あまり見慣れない光に、首を傾げそうになりながらも、無惨様を見つめていると、無惨様は鳴女さんに怪我をさせるなという命令を告げ、その場から立ち去って行った。
しばらくの間、立ち去って行った無惨様の背中を見つめた私は、何度か瞬きを繰り返したのち、先程無惨様が見せていた光が、ある感情からのものであると思い至る。
「・・・・・・もしかして、無惨様、私のことを心配してくれたのかな?」
「おそらくは。無惨様にとって、うさぎ様は大切な家族ですからね。」
「無惨様って、私を家族として思ってくれてるのでしょうか?」
「そうですね・・・・・・。無惨様のお考えを、我々が把握するなどと言う芸当はできませんが、うさぎ様と一緒にいる時の無惨様は、とても穏やかなお方となっていますので、大切にされていると思いますよ。」
鳴女さんから告げられた言葉に、少しだけ無言になる。
鬼の始祖からそこまでの扱いをされていると言うのは不思議以外の何者でもないが、それはそれとして、無惨様の側に、穏やかな心持ちでいさせてもらえると言うのは、嬉しいことだと思っていた。
あの人はずっと孤独だった。あるのは自身と駒である鬼、そして、利用できる人間と、食糧としてしか扱わない人間の四つしかなかった。
誰かに寄り添ってもらうことはなく、最後まで悪あがきをし続けるような人だった。
生きることに執着し、そのためならばあらゆることを切り捨てるのも厭わない人だった。
そんな彼の世界に、少しでも、あたたかい何かを残せているのであれば、少しは、マシな人生だと感じてもらえるかもしれない。
「・・・・・・いつか、無惨様にもお料理を作ってみたいです。」
「人肉を使うことになると思いますが・・・・・・」
「まぁ、そこは仕方ないと思います。それが、彼の生きる術ですから。ですが、まぁ、今更じゃないかなと。
だって、いつも見てますからね。彼が、あなたたちが、何を食べているのかを。」
鳴女さんからの言葉に、苦笑いをこぼしながらも私は答える。
見える世界が、普通の人間と違い、過ごす場所も、一般とはかけ離れてしまっている私だからこそ、言える答えを。
「流石に、私自ら人を・・・・・・と言うのは難しいですが、皆さんがそれを持ってきた場合、もはや私に、抵抗と躊躇いと言う感情はありませんから、料理にすることくらいは、許容範囲になってしまったようです。」
「・・・・・・うさぎ様らしい返答ですね。わかりました。いつか、うさぎ様が無惨様にもお料理を作れるように、私も精一杯お料理を教えます。」
「ありがとうございます、鳴女。」
鳴女さんと顔を見合わせながら、小さく笑った私は、再び厨に向き直る。
まずは自分が食べられる料理を完璧に身につけて、そのあと無惨様でも口にすることができる料理を作るための勉強をしよう。
うさぎ
外食のたびに無惨様の歪んだ表情を何度も目の当たりにして、とうとう自身も料理に手を出し始めた稀血の白ウサギ。
いつかは無惨様でも食べられるお食事を作るぞ!と意気込み、まずは今の時代の料理の仕方を学ぶ。
鬼舞辻無惨
鳴女とうさぎが厨にいたため、何をしているのかと様子を見に行ったら、うさぎが料理の練習をしていて少しだけびっくりした鬼の始祖。
ほぼ無意識のうちに、料理を学ばせるのはいいが、怪我だけは絶対にさせるなと鳴女に命じ、もし命令に背いたら、その時はわかっているな?と強めに告げる。
鳴女
うさぎが料理をしようとしたことに驚いたが、無惨様との食事の話を聞き、快く教えることを承諾した琵琶の鬼。
無惨様から、うさぎに怪我などさせるなと強めに命じられ、一部始終を見ていたうさぎに、彼があなたを心配しているのだろうと口にした。
①「謎の助言者ムーブで鬼殺隊を救済しながら、基本は単独で動く鬼殺隊うさぎ」と②「神出鬼没に鬼殺隊の前に現れ、甘味を食べたり、呑気に過ごしながら謎の助言者ムーブで鬼殺隊を助ける部外者うさぎ」どちらの話を見てみたいですか?
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①の助言者な単独行動する鬼殺隊うさぎ
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②の神出鬼没に現れる部外者な助言うさぎ
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どちらも読みたいから本編とifで見たい