平成の仁義なき戦い   作:アサシン・零

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第4話「逃亡の果て」

広島市中区、8月7日の朝は血と硝煙の匂いに満ちていた。凶道会会長・沖武信の死から一夜、裏社会は一気に動いた。上八丁堀の富山組事務所が爆発炎上し、組長・富山義弘が大月晴信に刺殺された。石上組が相田組派に寝返り、凶道会は若頭・相田剛(40代)の支配下に落ちた。午前11時、広島市内の雑居ビルで開かれた凶道会緊急会議。相田剛の冷たい広島弁が響く。「霜田組、富山組、石上組は解散じゃ。凶道会は新しく生まれ変わる。鷹山組、大月組、下根組、有吉組、柿田組、横田組で、広島を握るけえ。」

 

相田組派の勝利だった。鷹山寿浄(34歳、ITの鬼才)と大月晴信(39歳、武闘派かつ策士家)が相田の両腕となり、下根組、有吉組、柿田組、横田組が新たな子分組織として凶道会を支える。沖田組の沖田慎二(35歳、商売上手)は中立を貫き、静かに次の手を考える。広島の裏社会は、相田の欲望に染まり始めた。

 

佐々木暁斗(22歳、黒スポーツキャップ、黒Tシャツ、白ズボン)は、炎上する富山組事務所から間一髪で逃げ出した。義兄・塩村克彦(28歳)の叫び声、「暁斗、逃げろ!」が耳に残る。手に握るのは、塩村から渡された『孫子』とニーチェの哲学書。ガラケーが鳴り、影山美月(18歳、流川のスナック嬢)からのメール。「暁斗、生きとる?警察がうろついとるけえ、気をつけて!」桜野彩花(17歳、中道高校の後輩)からも。「先輩、どこ?無事なら返事して…。」二人の女への想いが胸を締めつけるが、暁斗に立ち止まる暇はない。

 

広島県警察の汚職警官・田中(40代)と大森(30代)が上八丁堀を封鎖。田中の声が路地に響く。「佐々木暁斗、逃げても無駄じゃ!檻にぶち込むぞ、じゃけえ!」暁斗は路地のゴミ箱に身を隠し、バイクを盗んで広島市中区を脱出。目指すは安佐北区高陽町亀崎、蒼月弧狼組の縄張りだ。相ida組派の追手と警察の目をかいくぐり、山間の田んぼ道を走る。2002年の広島、L’Arc〜en〜Cielの「STAY AWAY」がバイクのラジオから流れ、ガラケーの着信音が鳴り響く。

 

午後2時、高陽町亀崎の山間に佇む古い日本家屋。蒼月弧狼組の本部は、農家の納屋を改装した簡素な建物だ。畳の部屋には、碁盤と帳簿が並ぶ。蒼月弧狼組会長・梶谷沖久(30代、島根県梶谷氏の分家出身)は、落ち着いたスーツ姿で暁斗を迎えた。冷静沈着な戦略家、農家のシノギと密輸ルートを握る男。広島弁の柔らかな口調が、鋭い眼光と裏腹だ。「佐々木暁斗、よく逃げてきたのう。富山のガキが、こんなタマ持っとるとはな。」

 

暁斗は息を切らし、キャップを脱いだ。「梶谷さん、俺、相idaの野郎にハメられた。富山組は潰され、組長は大月に…。」声が震える。薬の副作用で瞼が重いが、気合で耐える。梶谷は碁盤の駒を動かし、ニヤリと笑う。「お前、薬でフラフラじゃろ?やめていいぞ。欲望があってこそ、この世界じゃ。勉強も剣も、俺が教えてやるけえ。」

 

暁斗は薬の瓶を握り潰し、床に投げつけた。「もう、眠気に縛られん。広島を獲るため、俺は変わるけえ!」梶谷の言葉に火がつき、暁斗は新たな一歩を踏み出す。蒼月弧狼組の若衆、守谷(28歳)や大片(26歳)が、暁斗に剣道の稽古を付ける。竹刀の音が山間に響き、暁斗は『孫子』を読み直す。農家の生産データを学び、密輸ルートの仕組みを吸収。梶谷の家屋で、暁斗は一時的に身を寄せ、力を蓄える。

 

一方、流川のスナック「瀬戸の月」は相田組派の支配下でも存続していた。影山美月はカウンターで働き、相田組の監視をかわしながら暁斗の情報を集める。「暁斗、どこおるん…。生きとってくれよ。」広島弁の呟きに、客の目から逃れる涙が混じる。

 

桜野彩花は、鷹山組が流川に新たに開いた風俗店で働かされていた。17歳の純真な少女、制服姿で客に笑顔を振りまくが、心は暁斗を想う。「先輩…私、こんなとこで何しとるん…。」彩花の人気は火がつき、鷹山組のシノギに貢献するが、彼女の目は虚ろだ。

 

美月は彩花を訪ね、励ます。「彩花ちゃん、暁斗は生きとるよ。私らで助けるんじゃけえ、強うなれ!」二人の女は、暁斗を想う絆で結ばれるが、嫉妬と葛藤が胸を刺す(三角関係の匂わせ)。

 

 

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