ドスンって大きな音と同時に大きく揺れ、自動ドアが開く。
「到着~っと」
ブリンプモンが着陸したのでレアモンと一緒に車両から降りる。暖かな日差しと風が心地いい。
「うわぁ……神秘的……」
「まさに古代遺跡って感じでんなぁ……あはは、郵便ポストみたいな石像があるで」
シズカちゃんとタクヤくん、ゴツモンとレナモンも浮遊大陸の景色を楽しんでる。
ブリンプモンやエアドラモンと言った飛行デジモンが飛び交う大空の景色も勿論良いのだけど、この小さな浮遊大陸特有の持ち味があるってもんだ。
エヴァー・ウィンドは郵便局のサーバーを媒体にしているからか「空と懐古」を基に構成されているっぽい。浮遊大陸はどれもこれも、大昔に滅んだ古代遺跡って風貌だ。所々を覆い被さっている植物の数々が太古のイメージを促進させている。
個人的に面白いと思えるポイントは、タクヤ君が言うように郵便ポストみたいな石像がアチコチ並んでいる所だ。四角いやつから円柱のやつまで揃い踏みである。
「お前ら……人の苦労も知らないで……」
「あ、来てたんだススム」
止まり木の上で伸びをするデビドラモンとススム君の草臥れ具合の対比が美しい(笑)
「あーヨソモノだー」
「どこから来たのー?」
「おうブリンプモンやんけ! 久しぶりやんけ!」
「うおぉぉ黒くてデカくてカッコいー!」
「バードラモンが言ってたスケットってオマエらかー?」
草陰から続々と出てくるエヴァー・ウィンドのデジモン達。ピヨモンにコクワモンにララモンといった成長期が私達を取り囲み、フライモン*1が旧友のブリンプモンに気さくに話しかける。
昔と変わらぬ友好さで安心したよ。レアモンにもデビドラモンにもビビらず近づくから警戒心が低いとも言うけど……あ、デビドラモンの一吠えで一斉に逃げた。足の速さも昔のままみたいね。
わりぃわりぃと平謝りするデビドラモンに現地デジモン達がプンスカしていると、遠くから大きな羽音が聞こえてくる。丁度いいタイミングで来たみたいね……予想より一匹多いけど。
「お待たせー!」
現れたのはバードラモンとアクィラモン*2、そして風間彩子のアバター「フウコ」だ。
「は、ハーピィだ……」
ススム君の言う通り、フウコの見た目は半鳥半人の魔物「ハーピィ」そのもの。エッチなコスプレはしてないよ?
大きな薄緑色の翼が両腕となっている以外は、飛行帽にフライトジャケットと「飛行機のパイロット」をイメージしている。赤い郵便マークと度入りゴーグルがトレードマークだ。
「最初はアバタースキル【
たはは、と照れくさそうに笑うフウコ。異形腕ってカッコいいよね。
「流石はナインナインさんのお友達って感じね……胸はそこそこって所ね。ホッ」
そこ安心するんかいシズカちゃんや。
「パイロット服×ハーピィとかベタやけどええ組み合わせですやんカッコカワイオウフッ」
一々口に出してはレナモンに制裁されなきゃいかんのかいタクヤ君や。
「んで、オメーらがナインナインの友達のパートナーデジモンかよ?」
「そうよ! アタシはフウコのパートナー・バードラモン! よろしくね!」
「オレはアクィラモン。バードラモンとは同期でな。ようこそエヴァー・ウィンドへ」
止まり木の上でデビドラモン・バードラモン・アクィラモンがそれぞれご挨拶。翼を持つもの同士のシンパシーでもあるのか、初対面にしては良い雰囲気だね。
「オデはゴツモンでゴンス。オデ達は何をすればいいんでゴンスか?」
止まり木代わりに丁度いいのかホークモンが頭に乗っている状態のゴツモンが訪ねてくる。体幹鍛えた甲斐あってビクともしないね。
「頼みってのはね……」
ふむふむ……ほおほお……うへぇ……えー……。
ーーー
先行するバードラモンとアクィラモン、それとアバタースキル【
途中に幾つか
「ンガ~ッハッハッハ! 強いぞオレ様~!」
「いえーい!」
メガドラモン*3とそのテイマーらしきパンクロックな男性が浮遊大陸を陣取ってた。
うわぁ~、典型的な進化酔い*4じゃん……しかもメガドラモンとか最悪の組み合わせじゃない。とりあえず近場の浮遊大陸に降りてっと……。
「こら~! 調子に乗るのもここまでなんだからね~!」
「あ゛ぁ~ん? いつぞやの負けドラモンと負けィラモンじゃねぇか!」
自ら粉砕して作ったらしい石像の残骸に腰掛けてたメガドラモンの視線がバードラモンに向く。
「あれッスか~? 暴れるな~ってテンプレだったりします~? あんまりしつこいとメガちゃんキレるよ? キレてジェノるよ?」
いいのかな~って揶揄う姿は、トゲいっぱいの世紀末なパンクファッションに違わぬ悪役っぷり。なるほどこのテイマーにしてこのデジモンありってヤツか……。
「うん、これはタコ殴りにしてでも懲らしめないとダメなヤツだわ」
「でしょ?」
フウコと一緒に頷く。こういう調子に乗ったテイマーとデジモンって痛い目に見ないと広い範囲で被害を及ぼすからね~。浮遊大陸への破壊活動も結構な頻度でやっているみたいだし、そりゃサーバーの負担も増すわ。
「……ってうわ~ぉ、鳥女よりも別嬪さんはっけぇ~ん! 腕はともかくすげぇオッパイ! 爆乳じゃん!」
うわ、厭らしい目つきを隠そうともしない! 完全にターゲットをコッチに向けてきたな!?
「んじゃ、この間と違って逃がさずイジメちゃって~、デカパイねーちゃんとあ~んなことやこ~んなことしちゃうもんね~! メガちゃん、一匹ごとに巨大肉1個でどう?!」
「おっけ~、安い仕事だぜ~! 果物もオマケしたら鳥女も攫っちゃうぜ~!」
「とりまそれで~!」
いえ~い!とハイタッチの仕草をするメガドラモンとパンク男。いやな息の合いっぷりだな!
「やいテメェら、ナイン姉さんに手ぇ出すんじゃねぇぞ!」
お? ススム君がすんごい怒ってる。デビドラモンもメガドラモンに向けて唸っているし……ほんっと悪魔型デジモンなのに人が良いねぇ。そういう所が好きよ、私は。
「あ~、お子ちゃまは引っ込んでて欲しいんだけど~? 大人の遊びに割り込むんじゃねぇよクソガキちゃんがよ~?」
「その子ども扱いに叛逆する! デビドラモン、皆、力を貸してくれ!」
「あたぼうよ! クソ大人相手にお利口さんになれるほど、オレ達ぁ良い子ちゃんじゃねぇーんだよ!」
「あんたみたいなスケベにお姉さん達は渡さないんだから!」
「オデの新しい進化の力を見せる時でゴンス!」
「こっちは修行で完全体3体も相手にさせられたんや、今更ビビるかっちゅうねん!」
「メタルグレイモンに匹敵するとされるメガドラモン……相手にとって不足なし!」
「ナ・マ・イ・キィィィ! ジェノサァァァイド!!」
反抗的な子供達を前にメガドラモンが咆哮する。
さぁて……いっちょ悪乗りしてるお兄さんにお姉さんが説教してあげましょうかね!
こういったチンピラはデジタルワールドにアチコチ出てくるので対策もソコソコある。
その為にも、まずは力ずくで黙らせてあげる必要があります。数の力でね……。