えーっと、結論として申し上げますと……私とレアレアモンは役立たずです。
「ジェノサイドアタック!」
ーディスケイズン
大きな翼を広げ悠々と飛びながら、メガドラモンが乱射する追尾性能と破壊力に秀でる有機ミサイル「ジェノサイドアタック」をレアレアモンの猛毒ガス「ディスケイズン」で消し去る。
それぐらいしかできません。しかたないじゃない、とべないもの。
エヴァー・ウィンドは高高度の天空がメインの
鈍間な重量級であるレアレアモンと、制空力と中距離火力に秀でたメガドラモンとの相性は、このデジタルワールドでは最悪と言っても過言ではないのだ。地形との相性による戦闘の有利不利も、デジモンとの冒険と戦闘ではお馴染みである。
にしても……。
「ジェノサイドアタック!」
「邪炎龍!」
「ジェノサイドアタック!」
「クリムゾンネイル!」
「二度あることは三度あるジェノサイドアタック!」
「ブラストレーザー!」
このメガドラモンのミサイル、必殺技の癖に装填はやすぎぃ! めっちゃ撃ってくるミサイルをヨウコモン・デビドラモン・アクィラモンが撃ち落としてくれるけど、アイツ明らかに浮遊大陸を削って飛べないデジモンを落とそうとしてるな~?
勿論こちら側も黙ってはいない。攻撃の要となるデジモンは
「この間みたいにはいかないんだから! シャドーウィング!」
「やっちゃえガルダモン!」
エントリーNo.1・ガルダモン。フウコのデジヴァイスでバードラモンが進化した完全体の鳥人型デジモンだ。
余りの速さ故に黒い鳥に見えるという超音速の真空波を繰り出すも、メガドラモンは目敏く身を翻して回避。大柄な癖に、関節が柔らかいからかグネリと避ける。
「オデ、いやオレの新たな力でゴ……ダゼ! メテオスコール!」
無理やり口調を変えながら必殺技名を叫ぶ星型のデジモン。
このスターモン*1は、ゴーレモンが主な進化先だったシズカちゃんのゴツモンがダスト・アートの厳しいトレーニングで進化した姿だ。ゴツモンにとってはカッコいいデジモンらしく、進化してからは喋り方にも気を遣うようになった。意外とオシャレに憧れていたのかもしれんね。
そんなスターモンの必殺技は、小型の流星群を相手の頭上に降り注ぐという範囲攻撃。空中戦を得意とするデジモンに有効な対空攻撃と成り得る……はずなのだけど。
ーひゅーん
ーひゅーん
ーひゅーん
ーゴツッ
レアレアモンに 10の ダメージ。
「弾幕薄いよ、なにやってるの!?」
「すまんダゼ、シズカ……」
まだ進化して間もないから、流星の数も威力も少ないな~。コントロールも悪いし、要練習ね。勿論ダスト・アートでやったら被害が尋常じゃないから、他所のデジワでやって!
それでも威嚇射撃にはなるのか、メガドラモンは予想より動きづらくてイライラしている。けどそのイライラを主戦力であるガルダモンで晴らそうと、取っ組み合いを狙って空中レースを繰り広げている。
ブリンプモンに成長期以下のデジモンを乗せて逃がしといてよかった。前回バードラモンとアクィラモンが負けたのも、他のデジモンがメガドラモンの暴威からまもるのに必死だったからね。
それにしてもこのメガドラモン、想像以上に強い。一番厄介なのはこの機動力と制空力、そして……っ!?
「隙有!アルティメットスライサー!」
ガルダモンを追いかけ回していると思わせてからの、急旋回&急接近!?
太い機械の腕からは想像できない切れ味を誇る「アルティメットスライサー」が、私とレアレアモンがいる浮遊大陸を袈裟斬りにする。
ズズズッて静かにズレ落ちて、残りの地面は一気に2/3に減った。しかもレアレアモンが重くて浮遊大陸が斜めに偏っちゃう!
「あわわわわコッチ、コッチに移動して~!」
「ンガ~ッハッハッハ! 参ったって言うするなら今の内だぜ~!」
中距離戦だけじゃなくて格闘戦にも強いとか~! 調子乗れるわ、この戦闘力!
「この野郎っ! クリムゾンネイル!」
「ギャァッ!?」
よし、デビドラモンの爪がメガドラモンの爪を斬り裂いた! けど傷が浅い……このままじゃ!
「しっかりしろメガドラモン!【
そう言って、メガドラモンの背にしがみついていたパンクロックチンピラがアバタースキルを使って翼の損傷を治す。
なんとこのパンクロックチンピラ、こんな見た目で
シャドーウィングをメインに避けて他の攻撃への対応がおざなりなのは、このパンクロックチンピラの回復があってこそ。メガドラモンの空中機動力があれば大抵の攻撃はかわせるため、その間に微量な回復を繰り返して僅かな損傷を無かったことにしている。
ずるいぞ、そんだけ強いのに回復役が付いているだなんて!
けどこのコンビ……言動こそチンピラだけど、互いを信頼しあってないと背中に乗せて高速飛行だなんてできないよね……それも成熟期以上のデジモンに囲まれても冷静かつ的確に【
「だからって偉ぶって暴れていいわけねぇだ……ろっ!」
ーヒュンッ、ギュルルッ!
「ひ、ひぇぇぇっ!?」
デビドラモンとメガドラモンがすれ違う最中で、ススム君の【
「なっ!? て、てめぇら卑怯だぞテイマーを人質に取るだなんて!」
自らのテイマーが捕まったと知って解り易い程に狼狽するメガドラモン。まんまチンピラな乱暴者だけどパートナーへの友情は本物みたいだ。
「人質じゃねぇ
デビドラモンにしがみ付きながらも鞭の柄をしっかりと握り締め、空中ブランコ(仮)に泣き叫ぶパンクロックチンピラを落とさないようにしている。力もついたなぁ
メガドラモンが強いから人質に取りたいわけじゃない。
メガドラモンが強いから
「フウコさんパスっ!」
「ぎゃああぁぁぁっ!?」
「任されたっ!」
風圧に負けないよう遠心力を付けて柄をぶん回し、鞭をほどいてパンクロックチンピラを放り投げ、それをフウコが両脚(鳥の脚じゃなくて人間の脚)で挟んでキャッチ!
これで―――
「今だ、総攻撃っ!」
「■■■■ーーッ!」
ススム君の号令直後にデビドラモンが咆哮、悪魔型デジモンならではの残虐性と攻撃性を剥き出しにし、防御なんか知ったこっちゃねぇと言わんばかりにデビドラモンに掴みかかる!
「ぎゃぁぁぁいででででっ!?」
メガドラモンの尻尾に赤い爪を突き刺して抱き着いて噛み付くデビドラモン。あまりの痛さに反撃を忘れて我武者羅に飛び回るメガドラモンを、更にガルダモンが急接近して羽交い絞めする。
あっちはテイマーが背に乗っかっていようとも遠慮なくミサイルをぶっ放すけど、こっちはチンピラとはいえテイマーがいるからと無茶できなかったのよね。幾ら過度なダメージを受けるとシャットダウン仕様するとはいえ、現実世界では体験しないような痛みや恐怖を与えるのはちょっと……ねぇ?
かと言ってメガドラモンが想像以上に手強いので、数が揃っていて戦闘力がそこそこあるデジモンが揃っているとはいえ、メガドラモンだけ抑えてパンクロックチンピラの被害を最小限に……ていうのは無理だと判断。
なので【
羽交い絞めされて両腕の武装が振るえないメガドラモン。苦し紛れにミサイルを乱射しても、こちら側に当たるヤツだけをヨウコモンとスターモンが撃墜するので特に意味はない。そのままガルダモンとデビドラモンが息と翼を合わせ、メガドラモンを此方に引き寄せる。
そう……レアレアモンの目の前に。
「……あ~っと」
「いらっしゃ~い♥」
汗ダラダラのメガドラモンに満点の笑顔を浮かべ……レアレアモンにGOサインを送る。
ーダイジェス(お仕置き甘噛みver)
「いでででで絶妙に痛い噛み噛みやめてぇぇっ!?」
機械の両腕をレアレアモンの両腕の口で噛み付いて封じ、上半身をガブリと大きな口で覆う。傍から見たらレアレアモンの頭頂部で尻尾と翼がバタバタ暴れており、まさに犬〇家(要するに逆さ埋め)状態。
「竜型だけど犬〇家……ブフッ( ´艸`)」
そこはゴツモンの頃から変わらないねスターモンや。
さーて、退化するまでどれくらいかかるかなー。もう少し空の旅を楽しんでねチンピラさん。
これが終わったらお説教、その後で諸々を聞かせてもらいましょっと。
高い戦闘力+回復テイマー+人への気遣いで中々攻めれないの図。
加えてナインナインらは完全な悪党であってもアバター殺しは避けたい善人寄り。
これがデジモン単騎だったらボコボコにしてる。戦わないと生き残れない野生寄りの自然が相手だからね。