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「どりゃぁぁぁっ!」
「なんのおぉぉぉっ!」
重々しい衝突音が大きく響いた直後、衝撃波が風となって私達を突き抜ける。
ダークティラノモン*1とタスクモン*2の重量級同士のぶつかり合い。この迫力とパワーで成熟期なんだから恐ろしい物である。
眼前でそんなヘビーなデジモン同士が取っ組み合いしているにも関わらず、私ことナインナインの胸(おっぱいにあらず)は熱くなる一方です。というのも。
「いつ見てもいいよねぇ……恐竜って」
「ああ……いいよなぁ……」
「そっかぁ? めっちゃ危ねーんだけど」
ススム君のパートナーの癖に解っていないなぁピコデビモンくん。恐竜ってのは子供の頃から憧れるものなんだよ。太古のロマンなんだよ。
タクヤくんとレナモンも顎に手を添えながらダークティラノモンとタスクモンの喧噪を見守っている。こちらは両者の戦い方の違いに目を付けているみたいね。
「気持ちはわかるけど止めますっ! 行くよゴツモン!」
「合点でゴンス!」
「シューティングスターアッパー*3!」
シズカちゃんのデジヴァイスでゴツモンをスターモンに進化。タスクモンを上から抑えつけてるダークティラノモンの顎を殴り飛ばす。
「いっでーな何しやがんだコンチクショウ!」
「おうおう邪魔すんじゃねぇぞバカヤロウ!」
「ちょっとお尋ねしたいんダゼこのやろう!」
タスクモンとダークティラノモンにとってはじゃれ合いだったらしく乱入したスターモンにガンを飛ばし、そのまま喧嘩に巻き込んでいく。
スターモンも負けじと睨み返した後にそのまま巻き込まれ、ボコスカボコスカと大乱闘になちゃった。コノヤロウバカヤロウと言葉は汚いけどカラっとした喧嘩やぁ。
けどこのままじゃ埒があかないので……。
「
「うむ」
え、トシゾウさんが前に出るの? お爺さんはスゥーっと息を大きく吸い込み……。
「話を聞けぇっ!!!」
「「「は、はひ……」」」
ドッタンバッタン喧嘩していた恐竜型デジモン(とスターモン)を震えあがらせる雷鳴の如き一喝。間近で聞いちゃった私達は耳鳴りと振動ですっごいことに……。
「おっぱいプルプル震えててエッロブッヘ」
流石にちょっとイラっとしたのでタクヤくんにゲンコツいっこ。
「流石だぜトシゾウ、歳食っても変わらねー声量だな」
後方支援者面で腕組んでる場合じゃないでしょスピノモンや。
そんなわけで、私達はシズカちゃんのお祖父ちゃんことトシゾウさんに誘われて恐竜博物館ネットワークのデジタルワールド「タイラント・ランド」に冒険しにきてます。
「随分と凄いデジタルワールドを冒険なされたんですね……私も初めて来ましたよ」
遠ざかっていくダークティラノモンとタスクモンの背を見ながらそんなことを呟く。大きいはずの後ろ姿が小さく見えるのは私の気のせいじゃないと思う。
「なに、これでも若い頃は婆さんと共に各所のデジタルワールドを旅したもんじゃ。ここぐらい序の口じゃわい」
ほー……クワガーモンとカブテリモンが取っ組み合ったり、マスターティラノモンが倍以上デカい大樹を圧し折ったり、トリケラモンが周囲を薙ぎ払いながらヤンマモンを追いかけたりするようなデジタルワールドが序の口ですか……「暴君の森」の名称に違わぬ暴力的なこの世界以上に危険な所ってあるんだ………。
「んでよトシゾウ爺さん、探しデジモンってこの先にいんのか?」
「そうじゃよススムくんや。ちと危ないが景色が良いし腕試しにはピッタリな場所でな、お前さんらのデジモンのレベルアップに役立てるじゃろう」
そう、私達の目的は探し人ならぬ探しデジモン。トシゾウさんとスピノモンの知り合いだから一人と一匹だけで充分なんだけど、孫娘であるシズカがテイマーとして育ちつつあると悟り連れてきたのだ……私達も誘って。
「いやしかし、孫娘達が言っておったテイマーの師匠がお前さんみたいなうら若きお嬢さんとはのぉ」
「あはは。トシゾウさんには負けますよ」
「いやいや、中々の着眼点とリーダーシップ、それに責任感がおありで感心しますじゃ。咄嗟の判断力にも優れておりますし、随分と冒険慣れしておられる」
さっき茂みからアグモン達が出てきて咄嗟にススム君を抱き寄せて守ろうとした所もしっかり見ていた様子。
「所で……あのワープゲート。よくここに繋がりましたの」
青いグレイモン*5に喧嘩を売られたピコデビモンがデビドラモンに進化し暴れる中、トシゾウさんが真面目な顔をして私を見る。
「この子達がいるデジタルワールドって
レアモンを撫でながらそう説明する。ダスト・アートは、私が住んでる街で一番デカい電波塔のサーバーにあるんだよね。
電波塔を建てるっては
「そうじゃったのか。ええ所に建てれましたのぉ」
羨ましいもんですじゃ、とトシゾウさんは笑う。話している間に、グレイモン(青)VSデビドラモンの勝者は後者に決まったみたい。なんか二匹とも仲良くなってるし……。
「おーい! なんかこのグレイモン(青)に頼まれちまってさー!」
デビドラモンが肩を組んでいるグレイモン(青)を指差しながら何か言っている。ほんっとデビモン系統の癖に人が、いやデジモンが良いなコイツって……。
グレイモン(青)の話によれば探しデジモンがいるエリアに近い所に用があるみたいだし、スピノモンの許可を貰って行くことにする。
拠点開拓にピッタリの場所があるって聞いちゃったからなー。事を片付けられたら拠点作っちゃおうっかなー。ワクワクするよね、冒険の拠点を作るのって。
「ところでそこの姐ちゃん胸でけーな! ちと触らせてくれー!」
「ぎゃーっ! いきなり角を押しつけないで、なんで興味あんのー!?」
「昔デカパイの姉ちゃんにうっかり角が触れちまったんだが、あの感触が忘れられなくてよぉ! 以来、でかぱい見かけたら角を押し付けたくなっちまってな!」
「こらナインナイン姉さんを困らせるな触るな角をおっぱいで挟むな! このエログレイモンを止めろデビドラモン!」
「おうグレイモンよ~、ススムがデカパイを堪能したいから譲れってさ~」
「そっか、道理でオメーの臭いがすると思ったぜ! 存分にデカパイを堪能しな!」
「違うーっ!」
あははは……太古の世界モチーフでも、オッパイに関心を寄せるデジモンって『増えている』んだなぁって……この角パイでズリズリしたろかサービスで。
「……知っておるんじゃろうなぁ。彼女の祖父にお会いしたかったものじゃ」
何ブツクサ言っているんですかトシゾウさん、行きますよー?
久しぶりの投稿です。色々と目移りしてしまいまして(遊びで)。
日常パートだと続かないので今後は物語を進めるように書いていきます。