ドデカいスカルグレイモン*1がどっしりと構え、その周辺を一定のルートで周回するトリケラモンが2体。いずれも、これでもかってぐらい目が紅く光っているのが特徴です。
「なー、変な事になってるだろー?」
「変な事というか、どう見ても操られているんですが」
茂みからコッソリ顔を出している青グレイモンに寄り添いながら、私はそう指摘する。
青グレイモンの頼みでやってきた場所は、クワガーモンが切り開いたという開墾地。但し現地デジモンではなく、他所からやってきた方のクワガーモンが、というのがポイントらしいです。
更に、目を凝らしてみれば木々に擬態しているウッドモンが何体かいる。青グレイモンの話ではこいつらも他所デジモンで、偵察トリケラモン以外のデジモンが入ると一斉に襲い掛かってくるらしい。
このデジタルワールドのボス的存在であるスピノモンと探しデジモンの目が届かない森に突如として沸いたという、昆虫型デジモンと植物型デジモンの群れ。
ヤツらは青グレイモンの喧嘩友達だったスカルグレイモン(別に闘争の塊って訳じゃなくて陽気なヤツらしい)とトリケラモンが味方にし、弱いデジモンを追い払って作物を育てているんだと。
「あの葉っぱ、やーな匂いがして困ってんだよ。スピノモンの知り合いなら追い払うの手伝ってくれよー」
「なんじゃスピノモン、今まで気づかなかったんか?」
「無茶言うなトシゾウ。タイラント・ランド全てを見渡せるわけねーだろ?
どうやらこのデジタルワールドの実質的なボスはスピノモンだったようです。トシゾウさんの育成がしっかりしていたからなんだろうな、流石は高性能お爺ちゃん。
「そもそも完全体3体相手はキツいやろ……ってスピノモンがおるからええんか」
タクヤくんの言う通り、こっちには
「どうする? もし追い払うのなら私達も手伝うが」
「あの葉っぱは確かにヤな予感がするな……うっし、オレがスカルグレイモンらを懲らしめるから他は頼むぜ」
レナモンの問いに頷き、伏せていた状態から起き上がるスピノモン。バキバキと枝を背中のブレードで斬り裂きながら好戦的な笑みを浮かべている……このデジタルワールドのデジモンって血の気が多いなぁ。
「よっし、完全体相手ならレアモンをレアレアモンに進化させて―――」
「隙ありーーーっ!!」
「「ハッ!!」」
木の枝から急降下してきた
「くそっ、流石はデジモンクラッシャー! この程度では仕留められんか!」
ギャリギャリと嫌な音を立てて火花を散らしているのは……ゲェーッ! ピストモンだぁーっ!?
「てめぇナニモン*2だぁっ!?」
「ピストモンだぁっ!」
強大過ぎて迂闊に動けないスピノモンに代わって青グレイモンが尻尾攻撃。ピストモンは私達の力を利用して跳躍、尻尾攻撃を躱し木の枝に着地する。
「◆◆◆ッ!? ЖΔζЭーッ!!!」
ピストモンの奇襲で偵察トリケラモンが私達に気づいた! 大きく咆哮して味方に伝え、ウッドモンが擬態を解いて集まり、スカルグレイモンが屈んで脊髄から有機ミサイルを放つ……追尾性からしてパワーアップ版の「オブリビオンバード」だ!
「ミサイルは頼むでヨウコモン!」
「任せろ! 邪炎龍!」
タクヤくんナイス! かろうじて遠距離まで飛ぶ炎「邪炎龍」が有機ミサイルに引火して大爆発。周囲の幼年期や成長期デジモンが逃げ出し、成熟期の恐竜型デジモン達がデカい喧嘩と察して遠ざかっていく。
こっちに寄ってきたウッドモンをスピノモンの尻尾スイングで一掃、そのまま跳躍して襲い掛かるもトリケラモン2匹が連携してガッチリキャッチ。重量級の完全体2匹とはいえ究極体のパワーを押し返せるはずないんだけど、あの勘違いピストモンがいるということは……!
「察しが良いな、当然だがパラサイモンが寄生している!」
「やっぱりーっ!」
盛大にネタバレするピストモンだが、バレてしまっては仕方ないとばかりに不気味な笑い声を上げて透明化を解くパラサイモン。スカルグレイモンにも寄生していましたー!
「レアレアモン、青グレイモン! 一緒にスカルグレイモンを抑えちゃって!」
「合点だぁ! 今止めてやるぞダチ公!」
レアレアモンが咆哮してゆっくりと移動、軽快な動きで走ってきたスカルグレイモンを青グレイモンと一緒に受け止める。いくらパラサイモンで強化されたスカルグレイモンと言えど、トリケラモンをも超える超重量級ボディのレアレアモンを押し返すのは梃子摺るようね!
「ブランブルショット!」
「どひーっ!?」
間一髪で回避! ダイレクトアタックは止めてーっ!
「チェストォッ!」
うっそデジモンが放った棘を一振りではじき返したっ!? 元
「ガイオウモン*3どんの修行に比べりゃ、こげなもん鉛筆も同然ばい!」
「シズカちゃんこの爺さん何者なの!?」
「……ノーコメントで」
侍みたいなアバター体で長い白髭も相まって渋カッコイイとは思ってたけど、まるで漫画みたいな高性能爺さんだったとか!
「極秘の電子ドラック栽培所がバレてしまっては仕方ない、今度こそ始末してやるぞデジモンクラッシャー!」
「いや自分からバラしてるじゃねーか!」
ツッコミついでにデビドラモンが紅い爪を振りかざすも器用に跳んで回避、今度は地面に着地して木々の間を走りながら姿を晦ます。相っ変わらずの早とちりっぷりだな……まーだ私のことをVAの仲間ことデジモンクラッシャーだと思い込んでいるみたいだし……。
とにかく、こんな森の中で高機動型であるピストモンに狙われるだなんて冗談じゃない!
・スピノモン+レアレアモン+青グレイモンVSスカルグレイモン+トリケラモン×2(パラサイモン込み)
・ヨウコモンとスターモンVSウッドモン&クワガーモン混合部隊(ピストモンの部下)
・デビドラモン&テイマー陣営VSピストモン
・援軍無し(タイラント・ランドではデカい喧嘩が始まると現地デジモンが離れる習性がある)
これって、控えめに言ってピンチなのでは!?
実際、深い森の中で高速移動するピストモンに狙われるとか怖すぎる。