ある~日♪ 暴君の森の中~♪ ピストモンに~♪ 出会った~♪
「よい……しょっ!!」
スタコラサッサだぜ〜!
「キリングケイデンス!」
ーギャリリリッ!
適当な樹の根ーただし人間の倍はあるデカい根っこーを掴んだ腕の力だけで身体を浮かす!
今さっきまで私がいた所は、超スピードのまま身体ごと車輪を傾け樹の根ですら薙ぎ払う「キリングケイデンス」が通り過ぎた。ま、間に合った!
「鈍間な見た目の割に逃げ足だけは立派だなデジモンクラッシャー!」
「だーかーら! 私はデジモンクラッシャーじゃないって言ってんじゃん! アイアム、一般テイマー!」
「我らが管理する秘密の栽培所を見つけておいて何を抜かしおる! やっと都合の良いデジタルワールドを見つけ電子ドラックの栽培を再開したというのに……ブランブルショット!」
ダメだこのピストモン話が通じねぇ! ほんっと困るわ、こんな悪役みたいなデジモン!
怒り心頭のピストモンのハンドルから射出された棘を、木の枝に飛び移ったススム君の【
「ありがとススムくん!」
「とにかく急いで森から出まひょ!」
丁度タクヤくんが近くにいたので一緒に走って逃げる。木々を【
「待てこの……っ!」
「オメーの相手はオレだぁ!」
枝や葉を薙ぎ払いながらデビドラモンが急降下、斜め上からピストモンに突進した。あの形状からして横からの衝撃には弱いらしく、呆気なくデビドラモン共々吹っ飛んで行った。これで逃げる時間が稼げる!
とはいえ恐竜世界をイメージしてデータ収集されたのか、森は鬱蒼としていて大樹ばかり。障害物が多いから逃げ伸びやすいけど、デビドラモンのような飛行型デジモンとは相性が悪いから急いで広い場所に出たい。
「この先に森の出口がある! 踏ん張るんじゃっ!」
トシゾウさん足早すぎ!十傑集走りとか、
しかし光が見えてきた! うおぉぉぉ唸れパルクールランニングで鍛えたスタミナと脚力ぅぅっ!
森を抜けるとブラキモン*1の群れがいた。森の奥でスピノモン達が暴れているのを察知して逃げている最中みたい。
ードスンッ!
「どひーっ!?」
ブラキモンの一歩で一番小柄なタクヤ君が大地で跳ねる。何頭も固まって走っているから地震そのものだ!
「こ、この中を逃げろっての!?」
「ピストモンも迂闊には追いかけてこまい!」
あ、待ってトシゾウさーん! シズカちゃんは【
「逃ぃぃがさんぞぉぉぉ!」
「頑張ろっかタクヤ君!」
「おっぱいがそこになかったら諦めてましたわ!」
走るとおっぱい揺れるからね、素直か! にしてもタクヤ君のアバタースキルってなんだろう?
兎にも角にも走れ走れ! プレス機よりデカいブラキモンの踏みつけが怖いけど、後ろから高速で追いかけるピストモンも怖いのよー!
「ぐぬぬ……デカ女と糸目は諦めるが、他は逃がさん!」
ピストモンはブラキモンの尾から背中へと疾走し……ススム君をターゲットにした!?
「拙……っ!」
「まずは一人……!」
跳躍し、前輪を高速回転させて落下するピストモン。このままじゃデビドラモンが助け出す前に「キリングケイデンス」がススム君を真っ二つに……!
「止めやがれぇーっ!!」
デビドラモンが咆哮の如く叫んだ直後、光に包まれ人型に進化、ピストモンの前輪こと「キリングケイデンス」が切り裂くよりも先にススム君を抱き上げた。
それだけでなくススム君を抱きかかえたまま横に回転、目にも止まらぬ回し蹴りでピストモンを蹴飛ばし、別のブラキモンの背まで吹っ飛ばした……けどピストモンは「キリングケイデンス」を発動したまま危なげなく着地した。
レディーデビモン*2……データでは知っていたけど実物のデジモン、それもテイマーから進化したのを見たのは初めてだよ……というか。
「「「「でっ」」」」
ススム君の上半身を包み込む程の爆乳のインパクトが余りにもデカ過ぎた。
「おっぱいスキャン完了……あ、Iカップやとぉ!?」
解説ありがとうタクヤく……
これが……トレーニングで鍛えられた成果だというの……!?
「何だか知らんが、にわか仕込みの完全体如きに負けてられんわぁ!」
「てっめぇ痛ったいんだけどぉっ!?」
ピストモンが前輪でギャリギャリ削りながら叫ぶけど、そこはブラキモンの背中なわけで……その長く太い首が振り向き、ブラキモンの怒り顔が現れる。
ーブラキオバブル!
ーダークネスウェーブ!
無数の泡とコウモリを模したダークエネルギーがピストモンに襲い掛かる。大量にばら撒かれた泡と追尾性能のあるダークエネルギーを前に、高速ファイターであるピストモンも流石に何発か被弾せざるを得なかった。
それでも泡に濡れ、ダークエネルギーで傷つきながらも、これ以上の追撃は難しいと判断して逃げようとするピストモン。レディーデビモンも向上した飛行速度で追跡し、猛スピードでブラキモンの群れを抜けていく。
というかピストモンの先にあるのって、この間みたワープゲートじゃ―――何か跳んできた!?
「▲▼▲--ッ!!」
甲高い咆哮と共にピストモンの真上から振り下ろされる巨大な刃。
断頭台の刃の如く飛来した刃はピストモンを―――両断されず後輪のみが切り離された。
余りの唐突の出来事にレディーデビモンは急ブレーキをかけ、ピストモンは切断面からデータの残滓をまき散らしながらも緑のワープゲートに突入。ピストモンを飲み込みワープゲートは消えて行った。
「ディ、ディノレクスモン*3やないか……!」
「きゅ、究極体!? それも獰猛と名高き、スピノモンに並ぶ恐竜型デジモンの頂点……!」
そのあまりの威圧感に私達どころかブラキモン達までもが立ち止まる。レディーデビモンはススム君を抱きかかえたまま警戒するも、その青白い肌には脂汗が沢山浮かんでいる。
トシゾウさんも仁王立ちで止まっており、緊迫した空気が漂い……。
「
威圧感が瞬時に霧散し、人懐っこい顔を浮かべながらディノレクスモンが駆け寄る……その先に居る
ブラキモンから飛び降り緊張のあまり立ち止まっていたシズカちゃんだが、今度は唐突な展開に追いつけず、そのままディノレクスモンの頬ずり攻撃を受け止めてしまう。
それでも力加減は完璧らしく、「え? え?」と戸惑うばかりで力押しされる気配もない。ていうかなに、この状況……?
「あの、
「んぁ? スンスン……モモカじゃねぇ?」
「ほっほっほ。その子は
「あぁん? スンスン……トシゾウか! この間ぶりだな!」
シズカちゃん、そして気さくに近づいて来たトシゾウちゃんと匂いを嗅ぐディノレクスモン。
「……なんだよ、この状況?」
どうやら探しデジモンは、このディノレクスモンだったみたいですよレディーデビモンや。
それよりススム君を離してあげて。体中から湯気出てるから。恥ずかしすぎて。
「……ほ~れほれ、パイでズリズリ~」
「んぶっ」
あ、ススム君がビクンビクン跳ねてる。タクヤ君も羨ましそうに指を咥えて眺めてるな。
なお、スピノモン達は無事に終わったようで戻ってきました。スカルグレイモンと青グレイモンが楽しそうにレアレアモンを担いできたのが印象的ですね。
むちむち爆乳は正義。異論は認める。
トリケラモンも元通りになり、謎の栽培所も「ブループロミネンス」でキャンプファイヤーしてやったそうです。