デジモンクラッシャーズ!?   作:ヤトラ

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 Hカップのボディースーツくノ一(アバター)は好きですか?


ゴミ捨て場の来訪者

 我がダスト・アートにはケンキモン*1という切り札デジモンが居ます。彼……いや彼女?と、人海戦術ならぬデジモン海戦術も加われば、先日の戦闘で荒れ果てたエリア(大体ナノモンのせい)も半日で片付け完了! 材料(ジャンクデータ)は山のようにあるからポンポン建て直せます。

 

「ありがとうね、ケンキモンにナノモン!」

 

 崩れた建物を効率よく集めてくれたケンキモンとナノモンに礼を礼を言うと彼ら……いや彼女ら?は謎の機械音を発して頷き、ナノモンがレアモンに退化。頭を使ってエネルギーが尽きたであろうレアモンの口にデカいキャンディーを突っ込んでヌメモン達が運んでいく。

 

 ここまではいつも通りだけど、今回は一段と気合を入れて立て直します……その心は。

 

「というわけで~……ススム君達が来る前に店を展開するよ~!」

 

 続く沢山の「おー!」が心地良い。解ってくれて嬉しいよ私は。

 

 デジワ評価サイト*2では「汚物系デジモンが圧倒的に多い」という記事がとにかく目立ち、未だダスト・アートの評価は最低ランク。普通ヌメモンやレアモンが多くいるってだけで嫌がって来訪しないもんだからね~……ジャンクデータや外来デジモンは流れる癖に客人(アバター)は碌に来ないってどういうことよ?

 

 しか~し。事故とはいえ偶然流れてきたススムくんとシズカちゃんは、協力してエントモンを倒したこともあって彼らが良いデジモンだと解ってくれた。そのおかげもあって、テイマーとしての腕前を見込んで私に頼みたい事があるからと後日……つまり今日ダスト・アートに遊びに来てくれるのだ。

 

「お願いした甲斐あって友達も連れて来てくれるし、盛大に歓迎してダスト・アートの評判を広めて貰おう!」

 

 その時の2人と2匹の視線が四者四様で面白かったわ~。主に(おっぱい)への。

 

 ここからはイカしたデジモン、通称「親分ズ」のメンバーを紹介するぜ!

 

「ん~、エンターテイナーの血が騒ぐわ~! アンタ達、あちきのDJベースをピッカピカにしておきなさい!」

 

 ダスト・アート唯一のミュージシャン兼DJエテモン! 黒のニットキャップに黒のスカジャンを羽織るイカしたオネェ。

 

「警備ルートを強化するから募集をかけろ! 特にトレーニングエリアは念入りに手入れしておけぇ!」

 

 自称警備隊長ガーベモン! 赤のベースキャップを被った軍人気質のナイスガイ。

 

ーヌメヌメヌメ

 

 高速で算盤を弾いて金勘定する商売王ブラックキングヌメモン! 緑のバケットキャップを被ったダスト・アート中の屋台を仕切る商人(あきんど)

 

 この3体は、事が終わるとエネルギー切れで退化するキャップモンズとは違い、完全体で固定できる程にステータスの高いデジモンだ。私が鍛え上げたダスト・アート産デジモンの中ではパートナーに次ぐ(・・・・・・・・)レベルであり、ダスト・アート古参としてデジモン達を纏めてくれている。昨日はたまたま休暇だったんだよね。

 

「隊長、ブリンプモンの整備が終わっていません!」

 

「ケンキモンはこれから休憩タイムですし〜」

 

 メタルグレイモン像に寄り添うブリンプモン*3、真面目と呑気のコマンドラモンコンビ、そして先程のケンキモンの4名。いずれもガーベモン自らが他所のデジタルワールドへ出向いてスカウトした、ガーベ警備隊の総員である。いずれは巨大組織にしてみせるとガーベモンは夢見ているから頑張って欲しいものである。

 

「仕方ねぇ、コマンドラモンA・Bはブリンプモンの整備に取り掛かれ! ナイン嬢ちゃん、すまねぇが警備バイトの募集をかけてくれねぇですかね?」

 

「おっけ〜」

 

「では褒美としてこの勲章を進呈しよう!」

 

 ガーベモンの楽しみの一つである勲章贈呈ごっこに付き合う。そのへんのジャンクデータで作ったガーベモン手作り勲章はデザイン良くて私は好きなんだよね〜……って。

 

「あら綺麗なバッジ」

 

「他所から流れ着いたにしては新品同様だ。折角だしくれてやらぁ!」

 

「光栄であります〜」

 

 ロボットアームで敬礼! ガーベモンも敬礼し、その場を後にする。良いの貰っちゃった~。

 

「ちょっとナインちゃ〜ん! 催し物を何にするか纏まらなくて困ってるからアンタも来なさ〜い!」

 

「はいは〜い」

 

 エテモン姐さんの話だと、グルメツアー派・手造りアート体験派・盆踊り派の3グループに別れて騒いでるみたい。いつの間にかパートナーのレアモンもグルメツアー派に助太刀してるし。私は当然、手作りアート体験派だけどね!

 

 

 ……今、視線を感じたような?

 

 

 

―――

 

 一方、反対側にある菜園エリアでは。

 

「ふんふ〜ん♪ 綺麗な花が咲くと良いですね、ゴキモンのお兄様♪」

 

「そうですね弟よ。ナインナインのお姉さんの喜ぶ顔が目に浮かびます♪」

 

 ダスト・アートの食料を確保すべく畑を耕すベジーモン達に紛れ、自分達が管理する花壇に水を撒くゴキモンブラザーズ。全ては、他所から来た自分達を迎え入れてくれた、優しくて美しいナインナインに花束を贈る為に。

 

「そう言えばゴキモンのお兄様、そのバッジみたいなのどこで拾ったんです?」

 

「昨日の騒動の後です弟よ。イカすバッジでしょう?」

 

「他所から流れたにしては立派ですね、お似合いですよお兄様」

 

 反対側では件のお姉さんを筆頭に頑張っているのに呑気な兄弟である。ダスト・アートでは仕事と休暇を分担しているので無問題(モーマンタイ)

 

 そんな長閑な兄弟の時間は突如として崩れる事となる。

 

フラウカノン!

 

「「どっしぇー!?」」

 

 突然目の前でエネルギー弾が爆ぜ、土壌と共にゴキモンブラザーズが吹っ飛ぶ。いきなり爆発したことでベジーモン達は大慌て、急いで育てた肉*4を抱いて避難する。

 

「どこのどいつだ、オレ達の花壇を滅茶苦茶にしたヤツは!?」

 

「お花さんに罪はねぇんだぞ!?」

 

 土煙で見えぬ中、花を滅茶苦茶にされた怒りでゴキモンブラザーズの口調が荒くなる。不届き者が誰なのかを見ようと煙が晴れるのを待っていると……。

 

「そのバッジ返せー!」

 

「「ひえぇぇー!?」」

 

 高速飛行で接近する妖精型デジモン・リリモンの怒り顔が目に入り、どうみても「コ□してでも奪い取る!」と言っている危険な目つきだったので一目散に逃走! ゴキモンブラザーズは散々ナンパしては逆に襲われたので、レディの殺気には敏感なのだ。

 

「ゴキモンのお兄様、あの娘さんはそのバッジが目当てみたいですし、早く返してあげましょうよ!」

 

「それがですね弟よ……何故か外れないんです!

 

「オーマイガッ!」

 

 なんてマンガ的展開なんだ!と天を仰ぐゴキモン(弟)であった。

 

「アイツらまさかアレが何か知ってて(・・・・・・・・・)アタシから逃げてる訳? ……許さないんだからー! フラウカノンっ!」

 

 元々ゴキモンが大嫌いなリリモンは鬼の形相になって追いかけ、両手の花弁を合わせエネルギー弾を連射。何度も進路上で爆ぜるがゴキモンブラザーズは何事もなく避け、ひたすら複雑な地形を走り彼女を誘き寄せる(・・・・・)

 

 菜園エリアからリリモンを遠ざけ、ゴキモンブラザーズが向かう先は……芸術品展示エリア。

 

 

 

―――

 

 私も巨乳の女ですが、Hカップの爆乳が踊る様は心がドキドキしてしまうものです。

 

「―――って危なっ!?」

 

 咄嗟に右のアームを振り払わなかったら首絞められたわ! それぐらい、今さっきまで後ろから羽交い絞めしてた女性アバターは相当対人慣れしてる(・・・・・・・)って悟ったもん!

 

 私達の頭上を舞う女性……紺色のボディスーツでプロポーション抜群な全身を包んだ、スパイなんだか忍者なんだか分からない謎のアバター(口元は隠している癖に、何故か金髪セミロングと青い目は隠していない)。恐らく細いワイヤーを伸ばしているんだろう、周囲のガラクタを使って縦横無尽に飛び交ってる。ヌメモンらは勿論対応できないけど、完全体である親分ズですら目で追うのがやっとだ。

 

 私達みたいにデジモンをパートナーにするテイマーとなったアバターは、デジタルワールドを冒険するなら嫌でも沢山のデジモンや地形(・・)を相手にしている。私はこの油圧ショベルみたいな腕とアバタースキル【データ圧縮】を使い、道を塞ぐ倒木や岩をどかしたり、デジモンが起こす風圧などで飛び交う石礫や瓦礫から身を守ったりする。この痴女アバター(仮称)の素早い動きからして、ワイヤーアクションを使って逃走したり追跡したりするのが得意なんだろう。

 

 ワイヤーアクションと言えば思いつくのが……今みたいに、腕に絡ませての捕縛っ!

 

「こ……のぉっ!」

 

 逆に引っ張ってやる! 伊達にパワフルな異形腕にしてないっての……途端に重さがなくなりバランスが崩れる!? ワイヤーを向こう側から切って油断させたんだ! 痴女アバターは引き寄せられた勢いそのままに私へ突っ込んでくるけど……っ!

 

「撃てぇっ!」

 

 ガーベモンとコマンドラモンコンビが、ジャンクデータで造ったバズーカを撃つ。狙われた痴女アバターへ網が広がるも、新たに手から射出したワイヤーで回避。再び縦横無尽に動き回って私に狙いを定める。

 

「ナインちゃんに手ぇ上げるなんざ許せないわね~!」

 

ーヌメヌメヌメ!

 

 けどそれも、私を守るようにエテモンとブラックキングヌメモンが並び立ったことで不可能に近くなる。ガーベ警備隊の援護射撃もあってか、ちらっと見えた痴女アバターの顔は忌々し気だ……なんというか。

 

「ねぇ、どうしてそんなに焦っている(・・・・・)んですか!?」

 

 大声を出して尋ねてみる……うん、解り易い程に動揺してるわね! けどどうしても話し合いより先に実力行使を選びたいらしく、ワイヤーをエテモンとブラックキングヌメモンに射出、ボンレスハムみたいに絡ませて動きを封じる。ブラックキングヌメモンはともかく、力自慢のエテモンですら引きちぎれないワイヤーってなんのデータ使っているの!?

 

 わっかんない……私の何が目当てなの、この痴女アバター!?

 

 

 

 

 

 

「なんだ仲間割れか? だが好都合だ、纏めてデジモンクラッシャ―どもを蹴散らしてくれる!」

 

*1
複数の作業機械を合成したようなマシーン型デジモン。デジメンタルという特殊なアイテムを用いて進化するアーマー体だが、この個体は別のデジタルワールドから連れてきたので詳しいデータは謎のまま。

*2
なにせデジタルワールドは沢山あるので「出入り禁止しても無駄だったし、情報共有及び公開するから自己責任ってことで」と政府と企業が発表、個々のデジタルワールド評価サイトがネットに出回るようになった。

*3
成熟期/データ種のマシーン型デジモン。左側以外を装甲で覆われた気球船の姿をした乗り物系デジモンで、成熟期でありながら中型デジモン複数を空輸できるぐらいには巨大。

*4
何故かデジタルワールドでは肉が畑で育つ。その原理は発達した近未来のネットワークでも今ひとつ解っていない。不思議だ。




ゴキモン(兄)とナインナインのバッジ(?)のどちらかはお求めの本物。
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