ハズレ進化デジモンに属する程に戦闘能力が低いゴキモンだが、素早さと生命力の高さは成熟期でも上位クラスという偏った性能をしている。どんな所でも生き延び、強敵や面倒事からは逃走する図太い生き方が彼らの強みだ。
とはいえ今追っているデジモンは華奢な女の子に見えても立派な完全体……それも相当鍛えた植物型デジモンでしか進化することを許されていない、高い育成レベルを要求する個体である。
「フラウカノンっ! フラウカノンっ! フーラーウ……カノォーンっ!」
「「ひぃぃぃトリガーハッピーデジモンんんんっ!?」」
それを差し引いたとしても、ゴキモンに迫る速度で飛行しながら必殺技のエネルギー弾を撃ちまくるこのリリモンは少々……いやかなり無茶苦茶な個体らしい。恐らく相当ハイレベルなテイマーによって鍛えられたのか、高いスタミナとスピード、何より何処までも追跡しかねないド根性が素晴らしい。
「見えてきましたよお兄様!」
「よしオレが引きつける! 後は頼みます弟よ!」
「ここから先、芸術展示エリア」と描かれた道標アートは、ゴキモンブラザーズが二手に分かれた直後「フラウカノン」の餌食となった。
「待~て~!」
「その光らせてる腕を引っ込めたら考えますね!」
芸術展示エリアは「
「あーもう見失っちゃったぁ……絶対見つけだしてボコボコにして取り返してやるんだからぁ!」
しかし元ジャンクデータとはいえ選りすぐりの芸術品が並んでいるということもあり。
「うっそ鏡みたいにピッカピカー!」
偶然にもリリモンの琴線に触れたのは、磨きに磨いて輝くようになった外国車のデータ。先程までの怒りと使命感が瞬時に萎え、代わりに心の底に眠っていた車への憧れが溢れ出てキャーキャーと騒ぎ出す。
他にも磨かれたジャンクデータを使ったエンジェモン像、ブロッサモンのスプレーアート、筋肉が美しいモリモリマッチョレオモンの彫刻など、いつの間にか目的を忘れたリリモンはヌメモン達に混ざって廃材の芸術品を見て楽しんでいた……彼らの(ダレだろうこのデジモン…)という視線を無視して。
中でもリリモンの心を掴んだのは壁に描かれた油絵……先日見た女性ことナインナインをモデルにした肖像画だ。油絵のレベルも高いが、油圧ショベル腕の力強さと当人の笑顔が対照的でリリモンの印象に残る。
「これってあのテイマーよね……綺麗」
「良い絵でしょ? お兄様との合作なんですよ」
「へぇー、あんたら兄弟で描いたんだ……ってウソっ!?」
いつの間にか隣にゴキモン(弟)が居た事やさらっと会話が成り立っている事よりも、リリモンはこの油絵がゴキモンブラザーズ作である事が信じられず……作者欄を見て事実だと知り「マジだ……」と目を丸くするのだった。
「お嬢さん、オレ達はこの絵のモデルになってくれた女性……ナインナインの姉さんに誓って、決してアナタに危害は加えません。なのでどうか話を聞いてくださいボコボコにしないで……」
「むぅ……」
大嫌いなゴキモンとはいえ、彼の言葉に嘘はないと感じリリモンは少し考える。昨日の活躍を見ればナインナインの人柄をある程度だが理解し、このゴキモンブラザーズからも相当慕われているんだと絵を見て解った。それに見惚れてた自分を奇襲出来たろうにしなかった事もあり、まぁ信じて良いだろうと肩の力を抜いた。
「お待たせしました、いや〜やっと取れましたよ!」
「あっと……ありがと……」
今度は隠れてたゴキモン(兄)が登場、手に持った
「良かったですねゴキモンのお兄様、お嬢さん。しかしなんのバッジだったんです?」
「それがですね弟よ、人間世界で流行りらしいお菓子
「ああアレですか」
ダスト・アートではVR世界のアバター用に振る舞わわれるお菓子や玩具の景品がちょくちょく流れるのだ。少し前まで
「……ち」
「「
「ちっがーーうっ!!!」
パートナーと探し求めていたものと全く違うものを追いかけ回していた事に腹を立てたリリモンの怒鳴り声が、芸術展示エリアに木霊するのだった……。
一方その頃、ナインナイン達はといえば。
「どひぇぇぇっ!?」
必死で避ける! 痴女アバターに比べれば動きは遅いけど私だってデジワ冒険歴3年のベテラン(自称)だい! こう見えてサーベルレオモン*1の爪攻撃を避けた事だってあるんだぞう!?
痴女アバターの次は、どっかのデジタルワールドから来たらしい、ピストモンとその配下らしいスナイモン*2の合わせて4匹が襲いかかってきた! しかも私達アバター狙い撃ち……何故に!?
「見た目の割にちょこまかと!」
「ナインちゃんに手ぇ出すなおどれらぁ!!」
ギャリギャリとドリフトして追撃しようとするピストモンに向け、ドスの効いた声で怒鳴り鉄山靠を食らわすエテモン。彼は貸したバトル漫画にハマって功夫を覚えた変態デジモンです。スナイモン3匹はガーベ警備団指揮下で住民デジモン達が抑えてくれているし、万が一の時を考えて鉄壁の防御力を誇るブラックキングヌメモンを抱えてる……何が役得だオッパイに頬擦りすんなエロモンめ。
「そもそも! アンタも! なんで私を狙うのー!?」
目から黒い
「我らが電子ドラッグ組織を潰した怨敵デジモンクラッシャーの仲間だからだ!」
「電子ドラッグ!? デジモンクラッシャー!?」
「とぼけようとも無駄だ、そのデカい胸につけた
とぼけてるつもりはありません全く知りません! ニュースでやってて電子ドラッグ流行ってるなー怖いなーって思ってたぐらいで! ていうかデジモンクラッシャーって何、VA*3の亜種ですか!?
エテモンの功夫を跳んだり受け流したりしつつハンドルから射出した棘を、ブラックキングヌメモンの王冠みたいな殻で受け止める。仕返しの「ダークピューピル」を放つも向こうのスピードが速すぎて威嚇射撃にすらならない!
というかピストモンの話から推測すると……そう思って痴女アバターの方を見たら「これ、これ!」と言わんばかりに自分の爆乳……私の胸元に飾られているバッジを示す。
「これが原因かーっ!!」
ガーベモンの拾い物バッジで誤解されるとか!
「けどこれで誤解は解け、てぇぇぇっ!?」
「よくやったパラサイモン、そのまま捕らえろ!」
いつの間にか触手で体を縛られ……こらエッチな縛り方はよくないと思……あーっブラックキングヌメモンを放り投げないで、私の盾ーっ!?
ていうかパラサイモン*4!? なんて究極体を用意するんだコイツら!?
気づけば痴女アバターの方にもパラサイモンが……お前もエッチな縛り方するんかい! そのダイナマイトボディをよりエッチにするだなんて嫌らしいヤツだご馳走様!
とにかく拙い、非常に拙い! エテモンはピストモンに、ガーベ警備隊はスナイモン×3に抑えられて動けないし、ヌメモン達は縛られた私達を人質にされて手が出さないし、ブラックキングヌメモンはどこ飛ばされたか分からないし!
止めて、私達を操るつもりなんでしょ!? エロ同人誌みたいに!
「二人を離せぇーっ!」
「クリムゾンネイル!」
赤い爪が私と痴女アバターを縛る触手を引き裂き、咄嗟に細く長い腕にしがみつく!
最高のタイミングだよススムくんにデビドラモン……顔真っ赤だぞススムくん、思春期に縛りプレイは刺激が強すぎた?
寄生型ってエロ妄想しやすいよね…。
デジモンストーリーサイスル買ってプレイし始めました。