おやおやイアスは可愛いですね 作:一般通過探索者
ボンドルドは1ディニーボンプに連れられカチャコが連れ去られたと云う現場、ポート・エルピスに訪れていた。
「…此処で連れ去られたのですか?」
「ンナッ!(そうだよ!いきなり背後から変な棒で殴られて…)」
1ディニーボンプがピョコピョコと跳ねながら現場を指差す。
ポート・エルピスの端のデッキで起こった様だ。
確かに船が泊まっていたら周囲からは見えにくい上に小柄なボンプを襲っていても周囲からは魚と釣りで格闘している様に見えるだろう。
「1ディニーボンプ殿、1つ聞きたいのですが、何故釣りを?」
「ンナ!ンナナ!(皆で伝説の海塩バッテリーを釣るためだよ!)」
(海塩バッテリー…まさか噂を信じているボンプが居るとは…)
海塩バッテリーとはボンプ達の間で海で取れる事のある海塩バッテリーを使えばスペックが向上すると云う噂がある
ボンドルドも噂は聞いていたが話半分に思っていたがまさか現実にそれを信じているボンプが居るとは思わなかった。
(これは…世紀の発見です)
ある意味伝説のボンプを目の当たりにしボンドルドは仮面の下で鼻息を荒くしていた。
興奮に肩を震わせて居ると1ディニーボンプが不思議そうに見ている事に気付き咳払いをし話を続ける
「…それでは犯人はどの様な背格好をしていましたか?」
「ンナ?ンナー……ンナ!ンナナンナ!(背格好?えーっと…あっ!何か変な丸っこい玉を被ってたよ!あと身長はボンドルドさんの肩の高さよりもちょっと小さいぐらいだよ!)」
(変な丸っこい玉見たいなの被り物、身長は私の肩辺りとなると犯人は球体の被り物を被った170cm程度の人物、これだけでは犯人は割り出せませんね)
「他に何か特徴は?」
「ンナー……ナナッ!(うーん…分かんないや…ボク、海に落とされて少し記憶が……あっ!あの子なら知ってるかも!)」
ボンドルドの質問に1ディニーボンプが身体ごと捻って唸っていると何か閃いたのか耳をピンっと立て思い出した様に言う。
「何かアテが?」
「ンナ!ンナッ!ンナナ!(僕の友達にビビアンって言う子が居るんだ!その子は友達が沢山居るから何か知ってるかも!)」
「おや?顔の広いご友人が居るのですか?それなら話が早い、是非案内して下さい」
顔の広い人物にパイプがあるなら何か知っているかもしれない、手詰まりな現状を打開出来るかも知れないと踏んだボンドルドは1ディニーボンプの提案に同意する。
「ンナッ!(任せて!)」
ポンッと1ディニーボンプは張った胸を叩いた。
◆◆◆
1ディニーボンプが連絡するとビビアンは集合場所にルミナスクエアの人気の少ない公園を指定した。
指定の公園に早くついたボンドルド達は公園のベンチに腰を掛けた。
ボンドルドは隣に座って陽の光を浴びながらほっこりしている1ディニーボンプに声を掛ける。
「1ディニーボンプ殿」
「ンナ?(どうしたの?)」
「何故貴方はカチャコ殿の為に此処までするのですか?」
ボンドルドは初めから思っていた疑問を投げ掛ける、只々不思議だった、幾ら友達だからと言って行方不明になった友の為に1人で此処まで動くボンプ、いや人も含めて初めて見たからだ。
「ンナ?ンナッ!ンナナ!(?…だって友達だもん!)」
「貴方は友達の為に身を危険に晒してまで助けたいのですか?」
人もボンプだって自分が一番
それは意思を持つ存在として当然の事だ。
「?」
1ディニーボンプは頭を捻る、イマイチ理解出来ていない様だ。
「カチャコ殿を攫ったのは私の予想ではホロウレイダーです、そしてそのホロウレイダーは誰かしらからの依頼を受けカチャコ殿を攫ったと見ています」
「ンナ?(何でホロウレイダーが依頼を受けてるって思うの?)」
「今、此処に貴方が居るのが理由です」
「!!」
1ディニーボンプの耳がピッと立ち上がる
ホロウレイダーがボンプ攫う事は珍しくないだが今回はホロウレイダーはカチャコ以外にボンプが居たにも関わらずカチャコのみを連れ去った、これは不自然だ、何かしらの依頼を受けていたのだろう、カチャコはアストラのカメラマンだ。
カチャコを狙う勢力、例えばアストラの台頭を快く思わないフーガ・ミュージック社がアストラの写真集の発売阻止する為にカチャコを攫った可能性もある。
もしもこれが当たっていたら1ディニーボンプは1人でTOPSに戦いを挑んでいる事になる。
「ンナ!ンナッ!ンナ…!(も、もしも本当にフーガが絡んでるならホロウレイダー何かに頼らないで直接攫えば…!)」
「もし事が露見してもホロウレイダーを経由していればそのホロウレイダーさえ切り捨てれば証拠は残りません」
「……!」
1ディニーボンプの身体が固まるが直ぐ気を取り直し言った
「ンナッ!ンナナ!(でもボクの友達を傷付けるなら許さない!)」
「少し意地悪が過ぎましたね、申し訳ない」
少しからかい過ぎたのか興奮してしまった1ディニーボンプに謝る
「これは予想です、フーガが絡んでいるとは限りませんよ」
「ンナ…」
ボンドルドがそう言うと何処かほっとした様に1ディニーボンプは息をつく。
流石にTOPSが絡んでいると思うと気がたってしまったのだろう
「1ディニーボンプ殿は友達想いですね」
「ンナ?」
ボンドルドは1ディニーボンプの頭を撫でながら言う。
当の本当は頭からクエスチョンマークを浮かべている。
誰かの為に命をかける事はそう簡単に出来る事ではない
それでも自分以外の為に命を掛けると言う事は正に愛の形の一つだろう。
1ディニーボンプの友人達は幸福だろう、この様な友を持てるのだから。
すっかりボンドルドに撫でられるのが気に入ったのか、ボンドルドの膝の上で頭を撫でられている1ディニーボンプは今にも溶けそうになっていた。
「1ディニーボンプ殿は可愛いですね…おや?」
ボンドルドは公園に傘を差した薄い紫色の髪の少女が2人のいるベンチの前で立っている事に気付いた。
ボンドルドが撫でる手を止めると少女が口を開いた。
「こんにちは貴方がボンドルド様でしょうか?」
「おや?何故私の名前を…と言う事は貴方が?」
「はい、私はビビアン・バンシーと申します」
ビビアンと名乗った少女は礼儀正しくドレスの裾を掴みお辞儀をした。
パエトーンガチ勢とパエトーンの育て親②が出会いました()
感想くれると目が月に触れます
あと1ディニーボンプが喜びます