最終兵器指揮官〜ソシャゲ名物の指揮官系主人公かと思ったら最終兵器指揮官でした〜 作:ソシャゲ風っていいな
火力はひたすら下に向けて道を作り上げ、俺を狙う姑息で打ち漏らしたゼノはアリィやビグルが相手取ってくれる。僚機がいるのはこんなにも楽なのかと噛み締めながら、俺は前へと突き進む。
到着したランデブーポイント付近で、俺は降り立ちアリィとビグルと合流する。鉛玉を撒き散らしたお陰であたりはゼノの死骸だらけだ。満足満足。
「……指揮官殿?迎えのヘリは?」
「敵が多かったからな、迂回してこちらに向かってもらってる。」
「いや、うん、なんだろう。何から突っ込めばいいのやら……」
ビグルは冷や汗を垂らしながら、眼の前の明らかに通常の人間離れをした俺をの動きに困惑している様子だ。
……まぁ、このへんの地上にはゼノも確認できない、隠してるわけでもないし話す時間くらいはあるだろう。……と言っても、語れることなんて対してないのだが。
「そんな小難しい話じゃない。ただの肉体改造だ、お前らもやってるだろ?ホムンクルス。」
「肉体改造……って、そんな簡単に……」
「確かに、肉体改造で強大な戦力を手に入れる兵士は多く居ます。しかし、多くの場合はショックに耐えられず二三の戦闘で廃棄されると聞きましたが……」
「あぁ、その気になれば強大な頑強さと力を持つホムンクルスと同列の強さを得られる。が、リスクも割増だ。」
どうやら、人は0から100を作るのと1から100をつくるのでは、後者のほうが手こずるキライがあるようだ。なぜだろうな。
「大体、肉体改造って言っても体に武器を仕込むなんてどうかしてるわよ!?」
「じゃあ俺はどうかしてるんだな、違いないかもな。」
「あぁ言えばこう言うのかあんたは!!」
「ビグル、落ち着いて。」
ヒートアップするビグルをアリィが落ち着けさせる。ありがたい、ホムンクルスとはやり合いたくない。
「まぁ、こんな言い方をしちゃあれだが俺にゃ才能があったんだろうな。おかげで、この通り。今や立派なヒトモドキだ。」
俺は自由にガトリングが腕へ、腕からガトリング砲へ変化する腕を見せつけながら語る。……そこまで説明すれば、ある程度納得できたのかビグルも食い下がる。
「……まぁ、取り敢えずアンタの事情は理解できたわ。これ以上は説明してもらうのも面倒になりそ……」
「オレの部隊にはいるか?隠すような話はないからいくらでもしてやるぞ?」
「い!や!絶対にお断り。」
まぁ、そうだろうな……おれも軽いジョークのつもりなんだがここまでガチ拒否されるとは……まぁ、面と向かって俺は指揮が出来ないなんていい出す指揮官の元に誰が下りたいのやら。
「私は加わってみたいと考えてます。」
「だよな、嫌だよなぁ……はっ!?」
「アリィ!?」
えっ、この子正気か?
「私は過酷な戦地をいくつも経験してきたつもりです……どの戦場にも心安らげる場所ら無かった。でも今回の任務で、初めて戦地の中で安全な場所を見いだせました。……指揮官殿、貴方の後ろです。」
「えっ、この娘なに言ってんの?」
「ちょっっっとアタシもよく分かんない……」
アリィ、真面目かと思ったら割ととんでもないやつだな……
「あなたのような突出した力を持ち蹂躙する者、その後ろに隠れて援護する。これほどまでに安全な空間はありません。こらからもこのようにして戦えるのなら、私はそうしたいと考えるほどに……」
「アリィ?気持ちは分かるけど兵士としては割と言っちゃいけないこと言ってる自覚ある?」
「……ふふっ。」
「何を照れてるんだよ!?」
いや、頼られるのは悪くないなと思って……
「どうせこの部隊は解散になります。望めば、異動も受理してくれるでしょう。」
「アリィ……」
ビグルはもはや何も言うまいと、そんな表情を見せていた。……なんか、苦労してんだな。ビグル。頼られるのは悪くないが、なんというか、もっとこう……あるだろうというのは分かる。
すると、プロペラ音がこちらに迫ってくる……俺や二人がふりむくと、そこには一機の武装ヘリが近づいてきていた。途中で別れた回収部隊だ。
『メーデーメーデー!こちら回収部隊、間もなくランデブーポイントに到着!見えてきたぜ!最終兵器さん!』
「最終兵器なんて言い方はよせ……コッチからも見えた。」
「はぁ、やっと帰れる〜。お風呂入りた〜い。」
「指揮官殿、今回は助かりました。ありがとうございます。」
「ま、それが俺の仕事だから……な?」
突然、耳を劈くような警報音がヘッドフォンから耳に流れ込んでくる。俺はその音に身構え、警報の情報が出るよりも早く、とっさに機械の翼をはためかせて、アリィとビグルを抱きかえて飛び立つ。
「ッッッ!!!」
「っ!?」
「うわっ!?何々!?」
しまった、反射的に飛んでしまった……だが、この判断は正しいと直ぐに俺は思い知る。ヘッドフォンデバイスから情報が流れるよりも先に、地面からの明らかに先端からビーム砲の類が出そうな触手な無数に突き出てきたのだ。
「っ!?アレは……ゼノ!?」
「はっ!?反応はなかったじゃないの!?」
「地上には無かったな……地下に隠れてた奴がでてきたんだろ!!」
俺は軽く舌打ちしながらヘリと連絡を取る。
『おい、大丈夫か!?』
「何とか2人を抱えて飛んでる、が、長くは飛べない!ランデブーポイントを空中に変更する!!何とか上空で回収してくれ!!」
『どんな無茶言ってんだ!?ハッチは開くから、そっちから近づいてくれ!』
「了解!!……話は聞いたな!?」
「了解です。」
「ランデブーポイント空中に変更とか初めて聞いたよ……」
俺はよく空中で合流しろって無茶振りされるんだけどな……まぁいい。そんな事よりも……
「お前らホムンクルスだろ?耐久性は折り紙付きだよな?」
「えっ!?」
「……確かに、常人の何倍も耐久力がありますが、何故それを今!?」
「今から……お前等をGの地獄へ引っ張り回すから……なぁっ!!」
俺は迫りくる触手を超軌道で避けながら、なんとか目の前に映る武装ヘリへと近づこうとする。すると、触手の先端から光が灯り……予想通りレーザー砲が放たれた。
「ッ!!!」
俺は網目のように迫ってくるレーザーを避けながら、ほんの少しずつカタツムリのようにゆっくりとへリへと近づいていく。常人ならGで内臓が飛び出している頃合いだ。
「うっおえっ……吐きそ……!!」
「ッッッ!!中々……これは……!!」
だが、ホムンクルスのアリィとビグルは問題ないらしい、吐きそうで済んでいる、そこは幸いだった。常人をこんな殺人ジェットコースターを乗せるわけには行かないからな。
さして、漸く武装ヘリが手の届く範囲まで来た。あとはブーストかけて飛び込むだけだ。
「よし!届く!!」
俺が嬉しさでそう叫んだ瞬間、通信機から最後の通信が入ってくる。
『ッ!?ヤバい、下から来―――』
次の瞬間、武装ヘリの丁度真下からレーザーが放たれた武装ヘリを穿いた。次の瞬間、ヘリは爆炎をまき散らしながらくるくると回り……少し離れた地点に爆破と共に墜落する。
「ッッッ!!??畜生ォォォ!!!」
「そんなっ!?」
「嘘でしょ!?」
俺達がいくら逃避の言葉を投げようと、武装ヘリはただ爆炎を上げて墜落するだけだ。中にはホムンクルスの少女達もいるが、少なくともパイロットは生身の男。ホムンクルスもあのレベルでは生きて帰ることはできない。
「っ!!限界だ!一回降りるぞ!」
「っ!!」
「しょーがないなぁ!?」
そう言って俺は翼の昨日を一旦停止させ自由落下に切り替える。そうすると、追いかけてきていた触手達も一瞬で遅れて距離が稼げた。
そのまま翼を再起動してブーストをかけて触手達を振り切って近くの倒壊したビルの隙間へと飛び込むのだった。