今日は、レースの日・・・
トニービン
「折角、勝負服が完成したのに・・・何で着てくれないの!!」
博之
「周りをよく見てみろよ・・・誰も勝負服着て無いだろ」
「1人だけ勝負服だと妙に浮くだろ・・・だったら、周りに合わせてジャージでの出走が望ましい」
トニービン
「夜遅くまで頑張って作ったのに・・・」
博之
「G2レースの出走権を確保したら、ちゃんとライスに着てもらうから元気出せよ」
トニービンの頭を撫でながらご機嫌を取ると・・・
トニービン
「約束だからね!」
「今回は、博之に撫でて貰えたからチャラにします!」
「それじゃあ、私は関係者席でレースを見てるね!」
トニービンは、ご機嫌な様子で関係者席に向かった・・・
ライスシャワー
「タキオンさん、OPレースで勝負服を着るウマ娘は居るのかな?」
アグネスタキオン
「物凄く自信が有るウマ娘が着て出走した事は有るね・・・結果は少々残念な結果になっていたが・・・」
タキオンのトレーナー
「特に規定に違反しなければ服装の制限は有りませんが・・・良い結果を残さないと恥ずかしい思いをする事になりますから・・・」
アグネスタキオン
「G3レースかG2レースから着る事が多いから、今回はジャージでの出走で問題無いさ」
シンザン
「蹄鉄の状態も大丈夫ね」
「今回のレースが終ったら、今度は強化ステンレス合金で作った蹄鉄に交換するわ」
「アグネスタキオンの蹄鉄も同時に交換するわ。同じタイミングで交換する事で新しいデータが手に入る事を期待するわ」
アグネスタキオン
「次の蹄鉄も楽しみだねぇ~♪」
タキオンのトレーナー
「今回も無料で良いんですか?」
シンザン
「試作モニターって言う感じだから無料に決まってるでしょ」
「注文するなら通常料金を貰うけどね」
ライスシャワー
「次の蹄鉄は、少し重くなるのかな・・・」
博之
「ステンレス合金は、アルミ合金より重くなるからな」
「最終モデルのチタン合金はステンレス合金より軽くなるから、パワー系のトレーニングに多少の効果は有りそうだな」
シンザン
「まぁ、今後の成長は期待出来ると思うわ」
「適性距離が定まってくれば、専用蹄鉄も作れるから細かい注文にも応えられるし」
「ライスシャワーの好みの蹄鉄が分かってきたら凄い蹄鉄が完成すると思うから楽しみにしててね」
ライスシャワー
「うん・・・凄い蹄鉄が出来ちゃうんだ・・・」
博之
「出来れば、金額は控えめにしてくれると助かる・・・」
シンザン
「私が巻き込まれたトラブルを格好良く解決してくれたヒーロー相手に正規の金額なんて取らないわよ」
「超大特価で提供するわ」
博之
「・・・そうしてくれると助かる」
アグネスタキオン
「ヒーロー??」
タキオンのトレーナー
「何の事でしょうか」
シンザン
「気にしなくて大丈夫よ。個人的な事だから」
博之
「そろそろパドックの時間だな・・・ライス、準備は良いか?」
ライスシャワー
「うん・・・ちょっと緊張してきちゃった・・・」
博之
「あまり緊張すると精神的に吞まれるからな・・・」
「少しだけなら大丈夫か・・・」
博之は、ライスを優しく抱きしめて背中をさすってあげる・・・
ライスシャワー
「・・・凄く暖かい・・・」
博之
「もう良いか?」
ライスシャワー
「・・・もう少し・・・」
ライスの緊張を和らげてると・・・
コンコン!
スタッフ
「失礼します。博之トレーナーのお知り合いの方をお連れしました」
博之
「知り合い・・・翔太郎達か?」
ドアを開けると・・・意外な人物が立っていた・・・
園崎霧彦
「・・・久しぶりですね」
博之
「・・・霧彦」
園崎冴子
「その節は色々とご迷惑をおかけしました・・・」
ライスシャワー
「お兄さま・・・この人が霧彦さん?」
博之
「霧彦、一発殴らせろ」
園崎霧彦
「甘んじて受けましょう」
博之
「歯ぁ食いしばれ!!」
バキッ!!!
園崎霧彦
「・・・相変わらず貴方の一発は響きますね・・・」
博之
「馬鹿野郎・・・生きてるなら連絡しろよ」
園崎玲子
「・・・毒素を取り除いてから、動けるようになるまでに長期のリハビリ期間が有ったんです」
「1年前に完全に回復する事が出来てから、2人でウマ娘向けのアクセサリーショップを始めました・・・」
園崎霧彦
「今回は、今までのご迷惑をお掛けしたお詫びも兼ねて贈り物を渡しに来ました」
霧彦が包みを開けると・・・青い薔薇を模したブローチが綺麗に箱に収められていた・・・
ライスシャワー
「凄い綺麗だね・・・」
園崎玲子
「ライスシャワーさん、貴方に青薔薇のブローチを贈ります」
園崎霧彦
「青い薔薇の意味は、奇跡・夢かなう・不可能を成し遂げる・神の祝福の意味が有ります」
「博之がウマ娘トレーナーになったと左翔太郎から聞きました・・・今後の活躍を祈っていますよ」
園崎霧彦
「父と母と若菜もライスシャワーさんのレースを楽しみにしていると言っていました」
「辛い事も有ると思います・・・でも、貴方を応援している人達が居る事を覚えていてくださいね」
ライスの帽子に青薔薇のブローチを付ける・・・
園崎霧彦
「私と玲子の名刺を渡しておきます」
「今度、みんなでお酒でも飲みましょう」
博之
「・・・その時は、翔太郎達も連れて来いよ」
「俺は、嫁と子供を連れて行くよ」
園崎霧彦
「えぇ。必ず約束は守ってね・・・風都のもう一人の英雄さん」
霧彦達は、控室を後にした・・・
アグネスタキオン
「何だか、複雑な関係だねぇ」
タキオンのトレーナー
「色々と複雑な事情が有るんでしょうね」
シンザン
「今の人が博之が死んだと思ってた人?」
博之
「・・・まぁな。俺が使ったナスカの原型のガイアメモリを元々使ってたのが霧彦だ」
「でも、俺が使ってるナスカのメモリは新しく作られたT2ガイアメモリって特殊な奴なんだ」
「この事は、オフレコで頼む」
シンザン
「分かってるわよ。あんな事を目の前で見なきゃ理解出来ないからね」
ライスシャワー
「・・・何だか緊張が無くなった気がするよ」
博之
「なら、パドックに行こう」
準備を済ませて、パドックに向かってアピールを済ませた・・・
レース直前・・・
博之
「ライス、今日の作戦は自分のペースを作る為に先頭集団のペースを乱して、ライスのペースに作り替えるんだ」
ライスシャワー
「ライスのペースに作り替えるの?」
博之
「どのレースにも必ず逃げるウマ娘が居る筈だ・・・一番先頭で走るウマ娘の後ろにピッタリ張り付いてペースを乱せ」
「次に、ライスがペースメーカーになって後方のウマ娘を翻弄するんだ」
「ライスが行けると思った瞬間、思いっきりぶち抜け」
アグネスタキオン
「中々に嫌らしい作戦だが・・・効果は覿面だねぇ」
タキオンのトレーナー
「自分のペースで走れない・・・これ程にも苦しいと痛感しますからね」
シンザン
「面白いレースになると思うわよ・・・さぁ、祝福の名を冠したウマ娘の本格始動ね」
博之
「行っておいで、ライス」
ライスシャワー
「行ってきます!」
ゲート前・・・
ライスシャワー
「前を走ってる人に付いてく・・・付いてく」
明坂さん
「さぁ、本日は芙蓉ステークスの出走日です!!」
「天気は快晴で良バ場と天候にも恵まれました!」
細江さん
「本日は、どんなレースが展開されるのか楽しみですね」
明坂さん
「細江さん、パドックでのイチ押しウマ娘は居ますか?」
細江さん
「そうですね・・・5番のライスシャワーが一番仕上がっていると思いますよ」
「他のウマ娘も良い感じに仕上がっていると思いますのでレース展開が楽しみですね」
明坂さん
「さぁ、各ウマ娘が続々とゲートに入っていきます」
細江さん
「落ち着いてゲート入りが出来ていますね」
ライスシャワー
「見ててね・・・お兄さま」
「ライス、頑張るから」
明坂さん
「さぁ、ゲート入りが完了しました!」
細江さん
「各ウマ娘の体制が整いましたね」
ガコンッ!!!
明坂さん
「今、芙蓉ステークスが出走しました!!」
「先頭は8番!!その後ろに5番のライスシャワーがピッタリとくっ付いて走っていきます!!」
「その後ろに10人のウマ娘が追走していきます!!」
細江さん
「8番が快調に飛ばしていきますね」
「ですが、少し掛かっているように見えますね」
明坂さん
「かなりペースが速いですね」
「この調子だとレース終盤で失速してしまうかもしれません!!」
細江さん
「・・・5番のライスシャワーが依然8番にピッタリと付いて走っていきますね」
ライスシャワー
「付いてく・・・付いてく・・・付いてく」
「ライスがペースを作る・・・ライスが一番走りやすいペースを乱さない」
博之
「良い感じで走れてるな」
「後ろからピッタリと付かれて走れば、先頭のウマ娘は嫌でもハイペースで逃げざる負えない」
「少し意地悪な作戦だが、レースは真剣勝負・・・恨みっこ無しだぜ」
アグネスタキオン
「何だか悪い顔をしているねぇ」
タキオンのトレーナー
「知将・・・と言う感じでしょうね」
アグネスタキオン
「諸葛孔明とでも呼んだ方が良いかい?」
博之
「それは辞めろ」
シンザン
「今回の作戦は良いと思うわよ」
「既に先頭のウマ娘が少しずつ失速してきてるわ」
博之
「まだ自分のスタミナを完全に把握しきれてないから無理をすれば確実にレース展開をミスる」
「これも経験の1つともいえるだろう」
アグネスタキオン
「これまで完璧な敗北は精神的に来るだろうね・・・」
ライスシャワー
「・・・もうすぐ第4コーナー」
「お兄さま、ライス行くね!」
明坂さん
「おおっと!!5番のライスシャワーが一気に加速していく!!」
細江さん
「第4コーナー手前で凄い加速です!」
明坂さん
「ライスシャワー更に加速していく!!」
「このウマ娘の脚はどうなっているんだ~!!!」
細江さん
「ゴールまで残り200m・・・後続との差が縮まりません!」
ライスシャワー
「ハァアアア!!!」
博之
「そのままゴールを駆け抜けろ!!」
アグネスタキオン
「素晴らしいレースだよ!!」
タキオンのトレーナー
「これからの活躍が楽しみですね」
シンザン
「・・・新しい蹄鉄への交換時期は少し早めた方が良さそうね」
明坂さん
「先頭はライスシャワー!!ライスシャワーが一着でゴールイン!!」
細江さん
「後続に8バ身の差を付けてのゴール・・・今後が楽しみですね」
明坂さん
「素晴らしいレースでしたね」
「今後のクラシック三冠にも期待出来るかもしれませんね!」
細江さん
「今年のクラシック三冠は面白くなりそうですね」
地下バ道・・・
博之
「ライス、おかえり」
ライスシャワー
「お兄さま・・・ただいま♪」
アグネスタキオン
「素晴らしいレースだったよ」
タキオンのトレーナー
「最後のスピードは凄かったですね」
シンザン
「今後の蹄鉄の交換時期は少し早めた方が良いかもしれないわね」
博之
「今日は、ライスのレース勝利を祝ってご馳走でも作るか」
ライスシャワー
「ご馳走・・・何かな♪」
アグネスタキオン
「唐揚げは入れて欲しいねぇ」
タキオンのトレーナー
「こらこら、ライスさんのお祝いなんだから」
博之
「タキオンにも散々ライスのトレーニングに協力して貰ったから構わないぞ」
シンザン
「大人組は飲酒も有り?」
博之
「節度ある飲酒を心掛けるんであれば許可しよう」
シンザン
「ちなみに、場所は何処でやるの」
博之
「学食の一画を借りるからトレセン学園内で」
シンザン
「学園内なら飲酒出来ないじゃない!」
タキオンのトレーナー
「まぁ、微アルコール飲料であれば大丈夫だと思いますよ」
ライスシャワー
「お兄さまのトレーナー室なら大丈夫かな」
アグネスタキオン
「酒乱が居なければ問題無いだろうね」
博之
「何だか不安になって来た・・・仕方ない、俺の実家に行くぞ」
ライスシャワー
「お兄さまの実家・・・南や食堂のこと?」
タキオンのトレーナー
「多くのウマ娘達の胃袋を満たしている名店の定食屋ですね」
アグネスタキオン
「色々とオマケを付けてくれる良いお店だよ」
シンザン
「ちゃんと余所行きの服に着替えて来た方が良いかしら」
博之
「お前は何をするつもりだ」
シンザン
「博之のご両親に会うんだから・・・なるべく好印象を狙わないと」
博之
「何を馬鹿な事言ってんだ・・・さっさと行くぞ」
ライスシャワー
「どんなご馳走が食べられるのかな♪」
アグネスタキオン
「今日だけはカロリーの概念を無視させてもらうよ」
タキオンのトレーナー
「ちゃんとカロリーの計算はされてると思うよ」
シンザン
「・・・せめて、お清楚に振舞わないと」
博之
「言っておくが、咲良とコントレイルも連れて行くから変なことは出来ないからな」
それから、博之の実家でライスのお祝いを盛大に行った・・・
次の日、ライスの事がスポーツ新聞の一画に掲載された・・・