料理上手なトレーナーさん   作:暁海斗

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シンザンの悩み

 

 

 

 

 

無事にハルウララが初勝利を掴み取った翌日・・・

 

 

 

博之

「さて、無事に初勝利を収めてJBCスプリントの優先出走権を手に入れた訳だが・・・ウララの今後の教育方針を考えよう」

 

ハルウララ

「教育方針??」

 

ライスシャワー

「ウララちゃんの今後のレース方針を決めるんだよ」

 

キングヘイロー

「ダートのG1レースに出走した後のプランね」

 

ホクトベガ

「・・・有馬記念に出走するなら早めに路線変更するべきね」

 

マルゼンスキー

「ダートから芝に路線変更するのは物凄く大変よ!!」

 

スーパークリーク

「走り方を変える必要が有りますからね~」

 

大道克己

「だが、ハルウララの意志が固ければ反対は出来んさ」

 

奈瀬トレーナー

「私達も協力しますよ」

 

博之

「ウララ、今後のレースは何に出てみたいんだ?」

 

ハルウララ

「有馬記念は一回走ってみたい!!」

 

博之

「なら、JBCスプリントが終わった後で時間を掛けて有馬記念に向けて調整していこう」

 

「ただし、ダートの短距離しか走れないウララには文字通り血反吐を吐く位の想像を絶する厳しいトレーニングが待ってるぞ」

 

「それでも有馬記念に出たいのか?」

 

ハルウララ

「トレーナーと一緒なら頑張れるもん!!」

 

博之

「・・・分かった。とりあえず当面の目標はJBCスプリントだからな」

 

「有馬記念の事は心の中に仕舞っておきなさい」

 

ハルウララ

「は~い!」

 

博之

「とりあえず、優先出走権は確保したから無理せずにトレーニングしていこう」

 

ハルウララ

「トレーナー、昨日のレースで蹄鉄が取れちゃったの」

 

ライスシャワー

「右側の蹄鉄が取れちゃったんだね」

 

キングヘイロー

「新しい蹄鉄を買った方が良いかしら」

 

ホクトベガ

「G1に挑むわけだし・・・少しくらい奮発しても良いんじゃないかしら」

 

マルゼンスキー

「今回は、お姉さん達が大奮発して蹄鉄を買ってあげるわ!」

 

スーパークリーク

「お幾らになるか分かりませんが・・・奮発しちゃいますよ♪」

 

大道克己

「ある程度の支援はしてやるぞ」

 

奈瀬トレーナー

「相談して決めましょうね」

 

博之

「・・・仕方ない。シンザンに相談してみるか」

 

キングヘイロー

「シンザンさんの蹄鉄って凄まじく高価なんじゃ・・・」

 

博之

「多分大丈夫だろ」

 

ハルウララ

「ウララ、お金無いよ?」

 

ライスシャワー

「大丈夫だよ。シンザンさんは優しいから♪」

 

ホクトベガ

「本物のシンザン製の蹄鉄を見る機会があるなんて・・・」

 

マルゼンスキー

「何かお土産を買っていきましょう♪」

 

スーパークリーク

「お酒に合うお菓子が良いですね♪」

 

大道克己

「酒は辞めておけ」

 

奈瀬トレーナー

「シンザンさんは酒癖が悪いそうなので・・・」

 

博之

「俺がお土産を選ぶから大丈夫だ」

 

 

近所のスーパーで適当にお土産を見繕ってから、シンザンの工房に向かった・・・

 

 

 

シンザンの工房・・・

 

 

シンザン

「この蹄鉄は失敗ね・・・強度が圧倒的に足りて無いわ」

 

「ダートでも芝でも使えないガラクタは処分行きね・・・はぁ、お腹すいたわ」

 

博之

「シンザン、差し入れを持って来たぞ」

 

シンザン

「神は私を見放さなかった!!」

 

ライスシャワー

「シンザンさん・・・少しやつれてるね?」

 

シンザン

「・・・面倒な客から厄介なオーダーを貰っちゃったのよ・・・」

 

「芝とダートの両方でレコードを叩き出せる蹄鉄を作れって・・・」

 

博之

「そんな無理難題を出してくる客なんて捨てちまえ」

 

「お前は、本当にシンザン製の蹄鉄を使いたいって真剣に訴えて来る客だけ大切にすりゃ良い」

 

シンザン

「でも、依頼を引き受けた以上は・・・」

 

大道克己

「職人も客を選ぶ権利が有る・・・迷惑な客は排除すれば良い」

 

「何処かの有名な資産家か?」

 

シンザン

「そうね・・・某企業の社長の娘からの無理難題ね」

 

博之

「その会社名を教えろ」

 

シンザン

「〇〇〇っていう会社」

 

ハルウララ

「その会社って凄く有名な会社だね!!」

 

キングヘイロー

「ウマ娘が使う設備を取り扱う会社ね」

 

ホクトベガ

「でも、設備の品質が悪いって一部では噂になっているわ」

 

マルゼンスキー

「もしかして表示法に違反してるんじゃないかしら!!」

 

スーパークリーク

「犯罪は駄目ですよ~」

 

奈瀬トレーナー

「でも、警察が介入しないと調査は出来ないんじゃ・・・」

 

博之

「ふむ・・・」

 

 

博之は、ウマホで例の会社が取り扱っている設備関連の情報を調べてみる・・・

 

 

ライスシャワー

「シンザンさん、サンドイッチを買って来たから食べてね」

 

ハルウララ

「おにぎりも有るよ!」

 

シンザン

「ありがたく頂くわ!」

 

博之

「シンザン、少しパソコンを借りるぞ」

 

シンザン

「エロサイトには繋がないでよ」

 

博之

「繋ぐか馬鹿!!」

 

 

パソコンを借りて、某企業の機密情報を保管しているサーバーにハッキングして色んな情報を閲覧していく・・・

 

 

ライスシャワー

「お兄さまは何をしてるのかな」

 

ハルウララ

「パソコンとにらめっこしてるね!」

 

大道克己

「あれはハッキングだ」

 

キングヘイロー

「ハッキング!?犯罪じゃない!!」

 

ホクトベガ

「警察に通報した方が良いのかしら・・・」

 

大道克己

「情報を閲覧するだけなら犯罪じゃない・・・グレーな所だがな」

 

マルゼンスキー

「博之ちゃんの真剣な顔は格好良いわね!」

 

スーパークリーク

「眼鏡が似合いそうですね♪」

 

奈瀬トレーナー

「どんな情報を閲覧しているんでしょうか」

 

シンザン

「何か相手の不利益になる情報を探してるんじゃないの~」

 

「あぁ・・・サンドイッチが美味しい」

 

 

数分後・・・

 

 

博之

「随分と下衆いことをしてるなぁ・・・設備の材質を表示してる材質より劣る材質を使ってるらしい」

 

「社長の指示で不正を行ってるようだな・・・この情報がリークされたら会社が潰れるな」

 

大道克己

「流石に情報のリークは犯罪になるぞ」

 

博之

「それに関しては作戦が有る・・・理事長に問題の設備の検査を第三者にお願いする様に進言しておく」

 

「ウマ娘に被害が出てからじゃ遅いからな・・・表示されている材質と違う材質が使われていれば消費者庁が動く」

 

「それで、会社はペナルティを喰らってお祭り騒ぎだな」

 

シンザン

「あの面倒な客の注文が無くなるなら何でも良いわ」

 

博之

「とりあえず、それに関しては学園に戻ってからだな」

 

シンザン

「まぁ、蹄鉄の話は今回の事が片付いてからでも良いかしら?」

 

ハルウララ

「何でウララ達が蹄鉄の事で来たって分かるの!?」

 

シンザン

「わざわざ、茶飲み話をする為に工房迄来ないでしょ?」

 

「一件が片付いたら、全員の分の蹄鉄を無料で作ってあげるから・・・それで良いでしょ?」

 

キングヘイロー

「憧れのシンザン製の蹄鉄を無料で作ってくれるなんて・・・」

 

ホクトベガ

「破格の好条件ね」

 

大道克己

「とりあえず、差し入れを渡して帰るぞ」

 

ライスシャワー

「シンザンさん、お酒は控えめにね」

 

奈瀬トレーナー

「今度は、他にもご飯を買ってきますね」

 

シンザン

「楽しみに待ってるわね~」

 

 

博之達は、シンザンの工房を後にした・・・

 

 

 

シンザン

「さて、ダート専用の蹄鉄のプランでも考えようかしら」

 

 

 

 

理事長室・・・

 

 

秋川やよい

「承諾!!我々も良くない噂を耳にしている!!」

 

駿川たづな

「前回、導入した設備に少々不具合が見られるようなのでスグに調査を依頼しましょう」

 

秋川やよい

「信頼できる第三者の調査機関を頼るとしよう」

 

博之

「念の為に消費者庁にも一言は伝えた方が良いかもしれませんね」

 

駿川たづな

「今スグに対応しましょう」

 

 

 

数日後、理事長が手配した調査機関の調査員たちと消費者庁の職員たち、一部のトレセン学園のトレーナーとウマ娘の立ち合いの元で設備の調査が行われた・・・

 

 

秋川やよい

「では、よろしくお願いしよう!!」

 

調査員

「では、設備を分解して使われている材質の調査から始めましょう」

 

職員

「仕様書では、設備のフレームにはチタン合金とステンレス合金を使用していると書いてありますね」

 

調査員

「最新式の検査機なので材質の調査はスグに出来ますよ」

 

 

検査機に設備の部品を順番に入れていき、検査していく・・・

 

 

シンボリルドルフ

「設備の材質偽装など断じて許される事では無い」

 

エアグルーヴ

「耐久性に問題が有れば全ての設備を入れ替える必要も有ります」

 

ナリタブライアン

「予算が足りないぞ」

 

駿川たづな

「今回は異例の事態なので、特別予算を用意します」

 

「名家の当主様達にも今回の事態を伝えて有ります。最悪の場合の資金援助はしてくださるとの事です」

 

スピードシンボリ

「多くのウマ娘達の人生を左右する問題だからね」

 

メジロアサマ

「もし本当の事なら許させる事ではありません」

 

ハギノトップレディ

「既に信頼出来る設備を取り扱う会社を見つけて有るわ」

 

 

時間を掛けて、設備の部品の検査を終えると・・・

 

 

調査員

「・・・クロですね。部品の材質は粗悪なアルミニウム合金が使われていますね」

 

「これでは想定された強度に耐える事が出来ませんね・・・現に、金属疲労で一部に微細な亀裂が入っていますね」

 

職員

「この一台が悪いと言う事は無い筈です」

 

「この会社が納品した設備を全て点検してみましょう」

 

 

博之

「あらら~随分と大掛かりな事になったね~」

 

ライスシャワー

「大変な事になっちゃったね・・・お兄さま」

 

ハルウララ

「ウララが使ってるトレーニング設備だったよ」

 

博之

「ウララ達が怪我する前に気付けて良かったな~」

 

大道克己

「ウマ娘の脚はガラス同然だ・・・どれだけ神経を使って維持をしているかメーカーの奴らには分からんさ」

 

マルゼンスキー

「怒っちゃうわね!!」

 

スーパークリーク

「全部の設備の入れ替えは凄く時間が掛かりそうですね~」

 

奈瀬トレーナー

「設備投資も凄い金額が掛かりますからね」

 

博之

「ふう・・・お茶が美味い」

 

ライスシャワー

「お饅頭を用意したんだ~」

 

ハルウララ

「柏餅だよ~!!」

 

大道克己

「調査が終わるまでは何も出来ないからな・・・タバコでも吸いながら時間を潰すに限る」

 

マルゼンスキー

「克己ちゃん、タバコは駄目よ!」

 

大道克己

「冗談だ」

 

奈瀬トレーナー

「クリーク、編み物でもしながら時間を潰そうか」

 

スーパークリーク

「は~い♪」

 

 

それから、トレセン学園内の全ての設備を調査して・・・8割の設備に欠陥が見つかった・・・

 

 

秋川やよい

「憤慨!!このような事実を目の当たりにして黙っているトレセン学園ではない!!」

 

「大規模な訴訟を起こして、企業に損害賠償を請求するべきだ!!」

 

駿川たづな

「そうですね・・・直ちに弁護士の手配をします」

 

アグネスワールド

「ヒロ君に呼ばれて弁護士の私が来たわよ」

 

博之

「姉さん、後の事は頼んだわ」

 

アグネスワールド

「お姉さんに任せなさい!!そのかわり、お弁当をお願いね~」

 

博之

「はいは~い」

 

 

それから、確固たる証拠を幾つも揃えて・・・最初は消費者庁に報告して、企業に対して措置命令を通告して企業は大混乱に陥った・・・

 

 

その後、全国ニュースで企業の不正が大々的に報道され会社の株価は大暴落・・・全国からの問い合わせが殺到して会社は機能不全に陥った・・・

 

 

その後、トレセン学園が損害賠償を請求する裁判を起こしたのを皮切りに・・・全国で会社に対して損害賠償を求める裁判が相次いで起こった・・・

 

 

 

悪社長

「何故だ・・・不正は完璧だったはずだ!!」

 

~♪~♪~♪

 

シンザン

「もしもし~?」

 

悪社長

「何の用だ!?」

 

シンザン

「前回の無理難題を吹っ掛けて来た蹄鉄が完成したから連絡してあげたんじゃない」

 

悪社長

「今がどんな状況かわかっているのか!?」

 

シンザン

「分かってるから電話してるんでしょ。代金を払わずに逃げられる前に貰えるものは貰っておこうと思ってね~」

 

「代金は2000万円だから~1円たりとも値切りはしないから明日までに振り込んでね~」

 

悪社長

「そんな大金が払える訳が無いだろう!!」

 

シンザン

「お前が無理難題を吹っ掛けて来たんだろうが!!」

 

「それに対して金が払えないんなら依頼なんかしてくるんじゃないわよ!!」

 

「ちなみに、契約書を発行して署名している時点で法的に契約は締結されてるから逃げたって地獄の果てまで追い詰めて金を請求するから」

 

悪社長

「そんな・・・」

 

シンザン

「蹄鉄変えただけでレコード叩き出して無双できるなんて安易な考えを持つお前にウマ娘専用の設備を作る資格なんて無いんだよ」

 

「いずれは不正がバレるんだから観念して刑務所に入ってろ・・・ご愁傷様~♪」

 

 

シンザンからの電話が切れると・・・警察と数人の弁護士が社長室に入ってきて、逮捕状と訴状を読み上げて悪社長の社長人生は終わった・・・

 

 

後日、会社は全財産を差し押さえられて倒産した・・・

 

 

 

博之

「さて、安心してシンザンに蹄鉄の製作をお願い出来る様になりました」

 

シンザン

「それは明日にしてね~今日は最近寝不足だったから思いっきり寝たいから」

 

博之

「また差し入れを持って行くわ」

 

 

 

シンザンは、かなりすっきりした表情で帰っていった・・・

 

 

 

 

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