これからも頑張っていきます。
「どういうことだ、小娘ごときにパールマン長官を攫われただと?」
「詳しいことは知らないが....パールマン長官が人質に取られた以上、爆破エリアの兄弟たちも、小娘の要求通り撤退するしかなかったそうだ」
「小娘はさらに、ここの責任者を出せと言ったらしい。それに応じたサラ長官が直々に交渉に出向いているとのことだ....」
猫又は、拘束したパールマンの隣に立ちながらサラたちと対面していた。
「あんたが今の責任者?あたしの要求は簡単ーー爆破を中止して、閉じ込められた住民たちの救出を約束すれば、こいつを返す。」
「はっ、簡単に言ってくれるわね。あなたの言う通りにしたとして、我々ヴィジョンはこの件をどう世間に申し開きすれば?それ以前に、あなたは誰?一人で交渉の場に来た度胸は買うけど.....狩る側が狩られる側になる可能性だってあるのよ?」
猫又の発言に、サラは少し嘲笑うように言う。
「おっと、自己紹介を忘れていた。あたしは猫宮又奈、猫又って呼んでもいいぞ。何を隠そうあたし、赤牙組の元組員なんだ」
「せ、赤牙組....!」
猫又の発言に、サラの部下たちが驚きの反応を見せる。
「そうだ。こっちから持ち掛けたからには、それなりの切り札がある。こんな筋書きはどう?赤牙組の残党、今亡き『シルバーヘッド』ミゲルの爪。旧都の住民を人質にして、工事を妨害した張本人ーーー猫宮又奈をヴィジョンは捕えた」
「自分を犠牲に幕を引くの?なかなか殊勝なことをするのね」
「殊勝?ははっ.....あたしは帰る場所を失くした、ただの野良猫。何処にも属さないあたしには、これくらいがお似合いなんだ。この取引でどう?今すぐメディアに連絡して、あたしが言った通りに.....」
そんな発言を気に留める事もなくサラは拳銃を取り出し狙いを定める。
「すべてを公表、すれば.....」
パンッ!
迷うことなく、引き金は引かれパールマンに何かを撃った。パールマンは、その場で倒れ気絶した。
「ーー?」
「安心して、中身は実験中の麻酔薬よ。死にはしないわ。」
「親切で教えてあげる。次は交渉する時に、切り札の価値を確認しておくことね。残念ながら、パールマンさんは....あなたが思うほど役に立たないの」
『gyaaaaaaaaaa!!!』
薄暗いホロウ内部にて、3体のエーテリアスが建物から同時に飛びかかる。だが、次の瞬間三体は、体を両断され絶命する。両断した縁壱は、そのまま周囲のエーテリアスを流れるように斬っていく。瓦礫を足場とし、跳躍し歩道橋上にいたエーテリアス斬りながら飛び越える。流れは止まらず、着地したのち地面を踏み込み一気に切り抜ける。制限なく倒しているように見える。
終わりは、地下鉄を経由してくるはずの列車が来るまでだ。
普通に考えれば、ホロウと言う危険地帯で絶対に来るとは限らない列車が来るまで待機と言う指示は、死んで来いと言っているようなものだろう。だが、縁壱からしたら苦でもない。
かれこれ20分近く1人でエーテリアスを倒している。
討伐範囲は、地下鉄の入り口付近のみ絞っているためそこまでの量は倒していない。
「縁壱ー!」
突然、反響しながらも自分を呼ぶニコの声が聞こえる。後ろには、アンビー、ビリーにボンプがいる。本来彼女たちと合流するのは、強奪した列車を走らせる時の予定だったが。列車の音も気配もない。何かあったと考えるべきだ。
「どうした。何かあったか?」
縁壱は、荒廃した地下鉄内に入る。奥からニコたちが走って来る。
見合わせたニコたちの顔は、焦りに包まれていた。
ニコたちが、事情を話す。
「なるほど。これからデッドエンドブッチャーを倒すのか。」
「ええ。あいつの場所は、わかってるわ。行きましょう。」
「わかった。」
ニコを先頭として4人は、走り出す。
数分後。
激しい豪雨が降り雷が鳴る中四人は、少し開けた場所に出る。線路が壊れて地面が陥没し辺りは、瓦礫で囲われ一部は燃えている。
「何もねぇな、あのデカブツはここに?」
「デカいのはいないわね、チビばっか」
「身を潜めているはず」
ビリー、ニコ、アンビーが、周囲を見ながら言う。確かに、デッドエンドブッチャーの姿はなく。ただのエーテリアスたちが6体しかいない。
そんな時、エーテリアスたちが狼狽えるように逃げていく。
「ん?雑魚たちが逃げてく.....」
「来るわ....」
「デカブツね?」
「BGM」
「はぁ???」
アンビーの、この場に見合わない発言はニコを困惑させる。
「映画なら悪役のBGMが....」
そんなコントのような会話をしている。2人の間をビリーが流れるように抜けポーズを取る。
「フッフッフ!安心しろアンビー!俺はスターライトナイトに必勝法を教わった!」
「悪役相手にルールは無用!開幕必殺キックだ!10秒で倒せば、BGMが流れる暇なんてねぇ!」
ビリーは、ポーズを決めながらそんな話をする。
そう話を切り上げた瞬間。ビリーの背後の空から何かが飛んでくる。
「後ろ!」
アンビー、剣に雷を纏わせ相殺するようにビリーの前にそれより早く縁壱は、飛来した物体を刀で受ける。
ドオォォォォォォォォォン!!!
凄まじい爆発音が鳴り砂煙が巻き起こる。砂煙が晴れると縁壱が刀を突き出し、後ろに稲妻を纏わせた剣で構えを取るアンビーと尻餅をついたビリーと横にニコが立っている。
「お、俺の予想を読まれた!?」
「おバカ!エンドロールが流れるとこだったじゃない!」
「さてはスターライトナイトのファンだな!?」
二人は後ろで、そんな会話をする。今の状況に見合わない会話から仲がいい事に間違いはないだろう。だが今じゃない。そしてビリーは少し抜けているようだ。
飛来した物は、信号や標識を無理矢理くっつけたような巨大な斧だった。
そして、正面の建物の上には巨大なエーテリアスがいた。
雷雨が降り注ぐ中、こちらを見下しているその様は強敵だとはっきりとも変わる。
雷が光ると、建物の上にはおらず目の前に飛び降りていた。
勢いよく着地したことで、砂煙が舞うが気にすることもなく。
「GYAAAAAAAAA!!」
先ほど飛来した斧を右手に、持ちこちらに咆哮を浴びせる。
2メートル以上ある身長に、巨大な斧は確かに人間を恐怖させるだろう。
「ふんっ。いくら吠えたって怖くないんだから。縁壱やっておしまい!」
ニコは、まで自分の力を示すかのようにして言い放つ。
その瞬間、縁壱は地面を蹴りデッドエンドブッチャーの片足を切断し通りすぎた。
「gaaaaaaa!!」
その咆哮は、先程と違い痛みうろたえるような叫びだった。
片足が根元からなくなり、体が左に傾きながらもすぐさま自らの足を切断した相手を見る。
縁壱は、足を切り落とした速度のまま壁を蹴って移動していた。
目視することはできたが、今の足歩くことが不可能だった。そのことをすぐ様理解し、自分の武器だった斧を放り投げる。
凄まじい速度で、目標に飛んでいくがその目標は、あまりにも速く当たる事はなかった。
「GYAAAAAA!!」
またしても、咆哮を上げると背中から巨大な腕を生成した。先程より威圧的により怪物感が増した。
奴は、力を溜めこむと大きく跳躍しこちらに向かって来た。
その巨体は、地を蹴って移動し自分に肉薄して来たのだ。
下2つの手で、壁を掴み巨大な背中の両腕が、振り下げられる。
「日の呼吸参ノ型 烈日紅鏡」
刀を素早く振り、二つの斬撃を同時に行う。振り下ろされた両腕は容易に切断された。
「GYAAAAAA!!」
デッドエンドブッチャーは、大きく叫び声を上げ縁壱を元からあった2つの腕で殴ろうとするが、もう目の前にはいなかった。
切断と同時に縁壱は、地面に着地していた。
刀を大きく振りかぶり、そのまま空を斬る。
赤い斬撃が、デッドエンドブッチャーと建物を巻き込み切断した。
ドカァァァァァァンッ!!
破壊された建物が、崩落し砂煙を巻き起こす。
誰が見ても一見目でわかるだろう、勝者は縁壱であると。
数分後、 デッドエンドホロウの外、 ヴィジョンの爆破解体本部-
「そうか.....パールマンはただの操り人形。陰で糸を引いてい爆発解体を企てたのは、あんただったんだ!どうして.....ヴィジョンにとってこのプロジェクトは、人の命より大事なものだったの?」
「大事かどうか?あなたみたいな小物に尋ねる資格はないわ。無駄話をしすぎたわね。そろそろ本題に入りましょう」
サラは、拳銃を捨ててどこからか何かを取り出す。
「それはなんだ!」
「この小さな『おもちゃ』?もちろん、爆薬の起動スイッチに決まってるじゃない。」
「そんな、待っーーー!だめだ!!」
「私からも....『存在しない住民』たちに、お悔やみ申し上げるわーーー」
猫又の静止を待つ事なく、ボタンに指を置いた。
その時、トンネルから黒い何か高速で近づき。
カンッ!
「なっ!」
起爆装置は、強い衝撃と共に地面に落下し踏み潰される。踏み潰したのは先程と違い黒い服を着た縁壱だった。
サラの手を刀で叩き起爆装置を落とさせたのだ。
「サラ長官!」
近くの部下が、銃を構え引き金を引こうとすると。
同時に、トンネルからたくさんの人が現れる。
「ヴィジョンは命を軽んじたわ! ヴィジョンを倒すのよ!ヴィジョンの手は血まみれだ!」
「その体の隅々まで、罪なき一般市民の血に塗れているんだ!」
「いつまでも私たちの口を 封じられると思うな!」
出てきたのは、ニコたちに住民たちだった。
サラは、先程起爆装置を弾かれたことを驚きながらも、すぐに気を引き締めて言い放った。
「あら、爆破エリアから抜け出してくるなんて... 中々やるじゃない。でも、それで全てが公になる なんて思ってないわよね?ふふ、忘れないで...ここにはうちの人間しかいないの。」
起爆装置が弾かれ、縁壱が来たがそれでもサラに勝算はあるようだ。いや実際にはわかっていないようだ。日輪の剣士が相手だと。
「命令よ。撃ちなさい。」
その命令は、まさに非人道的だった。
「そ、そんな!」
「あの女、本気だぞ。」
住民たちの、怯えた声が響くが時が待つこともなく進み引き金は弾かれた。
「日の呼吸陸ノ型 日暈の龍・頭舞い」
縁壱は、すぐさま反応した強く地面を踏み込み蹴る。
次の瞬間には、炎の竜が、美しく舞うようにして弾丸を斬り落としていた。
信じられない速度で、移動し的確に弾丸を斬っていきながら銃も切断していく。
「うわっ!」
サラの部下たちは、とてつもない速さで何かが動く光景と自分たちの銃が破壊されていく様を目撃する。
銃弾を斬りながらも銃を破壊していると。
WEEーーWOOOーー
「なんの音だ!?」
パトカーの音、即ち本物の治安局が来たのだ。
いや、それだけではない。たくさんなメディアも来ていた。
縁壱は、治安局が来た瞬間に高速でその場を離脱した。
「速報!速報です!ーーあの『ヴィジョン』に重大な人命軽視が発覚しました!情報を受け、本局の記者は治安局の部隊の後に続いて、デットエンドホロウ入口付近の爆破解体本部に駆け付けました。現在、治安部隊は現場を封鎖しており、治安局を装った不審者を多数確保したとのことです!」
「サラ長官、サラ長官!治安局に囲まれました。」
現場は、サイレン音にヘリの音などが響いていた。
縁壱は、そんな光景を見ながらホロウ内を通りビデオ屋に戻った。
「今帰った。」
縁壱は、ビデオ屋Random Playに戻っていた。
「おかえり。縁壱。悪かったね。最後は結局君に頼ってしまったよ。」
部屋には、ソファでアキラがくつろいでいた。
「構わない。それであの後ニコたちはどうした?」
「ああ、猫又としっかり和解したよ。まあ仲が悪かったわけじゃないけど、お互い腹を割って話したって感じかな。」
「そうか。」
縁壱は、アキラと会話しながら和服の上から着ている黒い服を脱ぐ。
今回の事件は、ニュースになるだろう。そこで、犯行を解決した邪兎屋は一時的とは言え、注目を浴びてしまう。そんな中、縁壱もとい日輪の剣士も事件解決に噛んでいたらそこでの関係性を疑われるだろう。
もし治安局が、邪兎屋と日輪の剣士のことを徹底的に調べれば。いずれはビデオ屋までもがスポットライトに浴びる可能性がある。それを避けるため、サラたちが縁壱を日輪の剣士だとわからないように大きな特徴である赤い和服を無くして黒い服を着てもらった。しっかりと助け出した人間には内緒にしてもらうようにしている。
これで、ビデオ屋が注目を浴びる事は無いだろう。
「縁壱は、やっぱり赤の方が似合うね。」
「そうだろうか?」
そんな2人の会話をしているとリンが着替えを終えて2階から降りてきた。
「縁壱。行くよ!」
「どこにだ?」
「え。お兄ちゃんから聞いてないの?」
リンがアキラを見ながら言う。
「ああ。すまない。まだ話しなくてね。」
「なるほどねー。」
「?」
何の話も聞いていないため、縁壱はいまだに理解していない。
「あの後の話し合いでみんなでご飯に行くことになったんだ。」
「なるほど。そうだったか。」
アキラが、疑問を浮かべている縁壱に説明した。
「ほら、縁壱。着替えて来て。そろそろ取り締まりも終わるっぽいから。」
リンは、少し急かすように言う。
その数分後。アキラ、リン、縁壱は、ビデオ屋を出て行った。
ツール・ド・インフェルノカットしていい?
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いいよ。
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だめだ。