いらっしゃったら教えてください。
他の発信源のあるホロウ内部。
デュアルショベルの時と違いアンドーを抜いたメンバーで、探索している。
「あっ、ここだよ。あの子――『Ⅲ型ホロウ用デモリッシャー』グレーテルの信号は、この近くから来ている」
「プロキシに先導してもらう必要があるな。グレース、デモリッシャーの特徴を教えてやれ」
「あの子は真面目な頑張り屋さんだ!小さい頃のおチビちゃんも、同じくらい可愛かったなあ」
「....おい、それで誰が分かるっつうんだよ.....」
どうやらクレタとグレースはかなり付き合いが長そうだ。
「君も変わったね、そんなことを言うようになって。あ~あ、小さい頃はあんなにかわいかったのに.....」
「うーん、子供が大きくなる過程で、急に反抗的になるのはよくあることだろ?デモリッシャーにも、ついにその時が来たというだけじゃ...」
「そんなのダメだよ。!」
「ん?」
「深夜に暴走族の集会に行ったり、わざと機体にキズを作ったり、剥がせない巨大ステッカーを張ったり、違法混合エーテル燃料に手を出したり、旧文明のアニメをマネして他の機械と合体なんてしようものなら....」
グレースの発言は、完全に母親のそれだ。重機をそこまで愛しているのだとわかるが。それはそうと少し怖くも感じる。
「わぁ....解像度の高い妄想だね。ちょっと見たくなってきた」
「プロキシ、それ以上あいつの神経を刺激するのはやめろ」
「取り返しのつかないことをする前に、あの子たちを見つけないと。プロキシ、先に急ごう!」
「てか、今回はバールか?なんで5本あるんだ?」
「バットが粉々に砕けてしまってな。5本あるのは、リンがどうせまた壊すだろうと、配慮してくれた物だ。」
「壊す前提かよ!!」
クレタの言う通り、縁壱の背中にはバールが確かに5本あった。リン曰く『バットが、砕けたならバールも逝くでしょ?』と言う意味のわからない理論の元、5本も渡したのだ。
「てか素手で戦えるなら、武器いらないだろ?」
「あったほうが戦いやすい。」
「ふーん。そうかよ。」
もはや誰もツッコまない。本人が言うなら、大丈夫だろうと感じ始めているのだ。まともなベンが、そういうものだと納得している。
そんな話をしながらホロウ内部を走り抜けていった。
走っている少し広い空間に出る。すると
『それ以上来ないで!ここはあたしたちの秘密の花園!』
響いたのは、可愛らしい女性の声だ。
「女の子の声?」
「上だ。」
縁壱が、そう言うと正面の作りかけのビルの上から重機が姿を現す。
『わかってるわよ!真白クンとの仲を引き裂く気でしょ?』
「デモリッシャー、会わないうちにいっぱしの乙女になって....!」
「グレース、おい...落ち着け」
グレースは、嬉しそうに言う。今までの発言もそうだが、まさに母親の言いそうな事だ。
「だが『真白クン』とは?白いのか?まさか作りかけのビルか」
『作りかけですって....!』
ベンの発言に怒りを露わにしたデモリッシャーは、大きく跳躍し目の前に落ちて来る。
『あたしね、真白クンと一生添い遂げるの!』
『だから今の取り消しなさいよ!』
乙女らしい可愛い声から、苛立ちを隠せていない声を出しながら巨大なチェンソーを振り下ろした。
「避けろ!!」
クレタが、そう叫び全員が横に避ける。するとワンテンポ遅れて、巨大なチェンソーが振り下ろされた。
振り下ろされたチェンソーは、そのまま横に薙ぎ払われる。
縁壱は、なんとかバールで受けようとするが当たった瞬間バールはバラバラに砕けた。
砕けた瞬間、振り払われたチェンソーに当たるより早く後ろに飛び回避する。
「なんで、受けようとしたんだよ!?あんなでかいチェンソーに耐えられるほどバールは、頑丈じゃないんだよ!!」
普通に考えれば、バールでチェンソーに打ち勝とうとするなど無理だと分かる。だが縁壱は、バールもチェンソーもよく理解していないため、様子見で受けれるか試したのだ。
早くもバールが一つ逝った。
やはり、5本は必要だったかもしれない。
グレースは、銃を撃ちながら援護。クレタとベン、縁壱は間を掻い潜り攻撃を続ける。
幸いデモリッシャーは、デュアルショベルほどの俊敏性を持っていないため、全員が攻撃を積極的に行っていた。
だが、硬い。デュアルショベルと違い、建設中の事故等も想定されてあるのか簡単にダメージを与えることができないのだ。
だが、強く殴るとバールがおもちゃのように粉々になっていく。もはや武器として機能しているか怪しい。
バールで、重機を殴り付けるとバールが砕けてしまう。その代わりに、一撃でバランスを崩す事に成功した。デモリッシャーの耐久性は、バールを破壊するほどの力がなければ意味をなさないのだ。
『キャ!!乱暴な人は嫌いよ。』
「ヤツはじきにバテるぞ! もうひと踏ん張りだ!」
クレタが、そう言い士気を高める。
広場から銃声に、ハンマーで叩きつける音、チェンソーの音で満たされる。
戦闘は、激しさを増しとうとう最後のバールが砕け散った。
『バールがなくなったわね?ならもう恐れる事は無いわ!!』
先程より勢いよく、チェンソーを振り払おうとする。
標的は、縁壱だ。この中で最も攻撃力が高く、素早い彼を倒せば後は何とかなると考えているようだ。
『終わりよ!!」
巨大なチェンソーが、迫ると縁壱は本体に肉薄し殴り込む。容姿のない一撃に、重機が凹み吹き飛ばされた。
『きゃあああああああ!!!!!』
巨大な重機は、数メートル吹き飛ばされた。凄まじい衝撃と轟音が響き地面を揺らす。
「え、殴って。吹き飛ばして。は?」
『えーと、縁壱って人間?』
全員が、縁壱を見る。デュアルショベルも吹き飛ばしたが、あれはバットを使っていた。しかも今回ほどは飛んでいなかった。なぜだか素手の方が力が強くなっていた。なお、当の本人は赤くなった手を見つめていた。
『うぅ。痛い。』
何とか体を起こす。その時、大量のエーテリアスたちが現れる。そのうちの何体かが、真白くんに着地していた。
「まずいな、 戦いの音を聞きつけて エーテリアスが集まってきたぞ!」
『やだっ!真白クンから降りてよ!ばっちい手で彼に触らないで!あっち行ってよぉ!これ以上失礼なことされたらあたし、あたし.....』
『メッタ切りにしてやっからなカビの生えたカス共がああ!!』
「き、急に豹変しやがった!」
「驚いた、これが恋する乙女のパワーってやつ?」
「1.4トンのチェンソーぶん回して、エーテルと電気のハイブリットで動く乙女がどこにいんだよ!」
『はあああー』
デモリッシャーは、凄まじい勢いで突進しチェンソーで切り刻む。だが、その先には真白くんがいた。
「待ってくれデモリッシャーさん!そっちは!」
ベンが、いち早く気づき呼びかけようとするが、もう遅かった。巨大なチェンソーが壁や柱を破壊してしまう。
『ごっ、ごめんね真白クン!あたしってば取り乱しちゃって....』
『?』
次の瞬間、真白くんが倒れてしまう。
ドシィィィンッ!
凄まじい振動と共に、白い瓦礫がデモリッシャーを覆い尽くした。
『真白クウゥ――ン!!しっかりして真白クンッ!!』
「さっきの一撃で耐力壁が壊れたか....」
『そんな、真白クン....全部あたしのせいだ.....』
「自分を責める必要はないさむしろ、私は君に『おめでとう』と言いたいくらいだよ!」
『え....?』
グレースが、近づきデモリッシャーにとんでもないことを言う。
「おっ、おい.....グレース!自分が今何を言ってるか、ちゃんとわかってるのか?」
「しまった!グレースはメカには強いが、恋愛は経験ゼロのド素人なんだ!」
「顔を上げて、周りを見てごらん。真白クンが君を抱きしめてるよ!」
『!!!』
確かに?実際にデモリッシャーの全身は真白くんの瓦礫に埋もれていた。
「これは建物にとって一生に一度しか交わせない『抱擁』さ。彼はそれを君にささげた上、エーテリアスからも守ってくれた。素敵な恋人じゃない、君はビルを見る目があるね」
『ううぅ....』
「大丈夫、これが永遠の別れじゃないさ――私達がそうさせない。ほら、一緒に帰ろう?みんなで力を合わせて、新たな土地に真白クンを立て直そう!」
グレースは、母親のようにデモリッシャーを慰める。声は柔らかく、優しく寄り添っていた。
『うわぁぁぁぁぁぁん!!.....ぐずっ....うん、あだぢ、一緒にがえる!』
え?縁壱がパワフル過ぎないかだって?
まあ、縁壱だし。
ちなみに、私みたいに縁壱だからと思ってしまった人は、病気です。
人とは何か学んできましょう。
ツール・ド・インフェルノカットしていい?
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いいよ。
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だめだ。