新エリー都を照らす太陽   作:懐玉

20 / 20
誰かこの中に、次の武器をお持ちの方はいらっしゃいませんか?
いらっしゃったら教えてください。



恋する乙女?

他の発信源のあるホロウ内部。

デュアルショベルの時と違いアンドーを抜いたメンバーで、探索している。

 

「あっ、ここだよ。あの子――『Ⅲ型ホロウ用デモリッシャー』グレーテルの信号は、この近くから来ている」

 

「プロキシに先導してもらう必要があるな。グレース、デモリッシャーの特徴を教えてやれ」

 

「あの子は真面目な頑張り屋さんだ!小さい頃のおチビちゃんも、同じくらい可愛かったなあ」

 

「....おい、それで誰が分かるっつうんだよ.....」

 

どうやらクレタとグレースはかなり付き合いが長そうだ。

 

「君も変わったね、そんなことを言うようになって。あ~あ、小さい頃はあんなにかわいかったのに.....」

 

「うーん、子供が大きくなる過程で、急に反抗的になるのはよくあることだろ?デモリッシャーにも、ついにその時が来たというだけじゃ...」

 

「そんなのダメだよ。!」

 

「ん?」

 

「深夜に暴走族の集会に行ったり、わざと機体にキズを作ったり、剥がせない巨大ステッカーを張ったり、違法混合エーテル燃料に手を出したり、旧文明のアニメをマネして他の機械と合体なんてしようものなら....」

 

グレースの発言は、完全に母親のそれだ。重機をそこまで愛しているのだとわかるが。それはそうと少し怖くも感じる。

 

「わぁ....解像度の高い妄想だね。ちょっと見たくなってきた」

 

「プロキシ、それ以上あいつの神経を刺激するのはやめろ」

 

「取り返しのつかないことをする前に、あの子たちを見つけないと。プロキシ、先に急ごう!」

 

 

「てか、今回はバールか?なんで5本あるんだ?」

 

「バットが粉々に砕けてしまってな。5本あるのは、リンがどうせまた壊すだろうと、配慮してくれた物だ。」

 

「壊す前提かよ!!」

 

クレタの言う通り、縁壱の背中にはバールが確かに5本あった。リン曰く『バットが、砕けたならバールも逝くでしょ?』と言う意味のわからない理論の元、5本も渡したのだ。

 

「てか素手で戦えるなら、武器いらないだろ?」

 

「あったほうが戦いやすい。」

 

「ふーん。そうかよ。」

 

もはや誰もツッコまない。本人が言うなら、大丈夫だろうと感じ始めているのだ。まともなベンが、そういうものだと納得している。

そんな話をしながらホロウ内部を走り抜けていった。

 

走っている少し広い空間に出る。すると

 

『それ以上来ないで!ここはあたしたちの秘密の花園!』

 

響いたのは、可愛らしい女性の声だ。

 

「女の子の声?」

 

「上だ。」

 

縁壱が、そう言うと正面の作りかけのビルの上から重機が姿を現す。

 

『わかってるわよ!真白クンとの仲を引き裂く気でしょ?』

 

「デモリッシャー、会わないうちにいっぱしの乙女になって....!」

 

「グレース、おい...落ち着け」

 

グレースは、嬉しそうに言う。今までの発言もそうだが、まさに母親の言いそうな事だ。

 

「だが『真白クン』とは?白いのか?まさか作りかけのビルか」

 

『作りかけですって....!』

 

ベンの発言に怒りを露わにしたデモリッシャーは、大きく跳躍し目の前に落ちて来る。

 

『あたしね、真白クンと一生添い遂げるの!』

 

『だから今の取り消しなさいよ!』

 

乙女らしい可愛い声から、苛立ちを隠せていない声を出しながら巨大なチェンソーを振り下ろした。

 

「避けろ!!」

 

クレタが、そう叫び全員が横に避ける。するとワンテンポ遅れて、巨大なチェンソーが振り下ろされた。

振り下ろされたチェンソーは、そのまま横に薙ぎ払われる。

縁壱は、なんとかバールで受けようとするが当たった瞬間バールはバラバラに砕けた。

砕けた瞬間、振り払われたチェンソーに当たるより早く後ろに飛び回避する。

 

「なんで、受けようとしたんだよ!?あんなでかいチェンソーに耐えられるほどバールは、頑丈じゃないんだよ!!」

 

普通に考えれば、バールでチェンソーに打ち勝とうとするなど無理だと分かる。だが縁壱は、バールもチェンソーもよく理解していないため、様子見で受けれるか試したのだ。

早くもバールが一つ逝った。

やはり、5本は必要だったかもしれない。

グレースは、銃を撃ちながら援護。クレタとベン、縁壱は間を掻い潜り攻撃を続ける。

幸いデモリッシャーは、デュアルショベルほどの俊敏性を持っていないため、全員が攻撃を積極的に行っていた。

だが、硬い。デュアルショベルと違い、建設中の事故等も想定されてあるのか簡単にダメージを与えることができないのだ。

だが、強く殴るとバールがおもちゃのように粉々になっていく。もはや武器として機能しているか怪しい。

バールで、重機を殴り付けるとバールが砕けてしまう。その代わりに、一撃でバランスを崩す事に成功した。デモリッシャーの耐久性は、バールを破壊するほどの力がなければ意味をなさないのだ。

 

『キャ!!乱暴な人は嫌いよ。』

 

「ヤツはじきにバテるぞ! もうひと踏ん張りだ!」

 

クレタが、そう言い士気を高める。

 

広場から銃声に、ハンマーで叩きつける音、チェンソーの音で満たされる。

戦闘は、激しさを増しとうとう最後のバールが砕け散った。

 

『バールがなくなったわね?ならもう恐れる事は無いわ!!』

 

先程より勢いよく、チェンソーを振り払おうとする。

標的は、縁壱だ。この中で最も攻撃力が高く、素早い彼を倒せば後は何とかなると考えているようだ。

 

『終わりよ!!」

 

巨大なチェンソーが、迫ると縁壱は本体に肉薄し殴り込む。容姿のない一撃に、重機が凹み吹き飛ばされた。

 

『きゃあああああああ!!!!!』

 

巨大な重機は、数メートル吹き飛ばされた。凄まじい衝撃と轟音が響き地面を揺らす。

 

「え、殴って。吹き飛ばして。は?」

 

『えーと、縁壱って人間?』

 

全員が、縁壱を見る。デュアルショベルも吹き飛ばしたが、あれはバットを使っていた。しかも今回ほどは飛んでいなかった。なぜだか素手の方が力が強くなっていた。なお、当の本人は赤くなった手を見つめていた。

 

『うぅ。痛い。』

 

何とか体を起こす。その時、大量のエーテリアスたちが現れる。そのうちの何体かが、真白くんに着地していた。

 

「まずいな、 戦いの音を聞きつけて エーテリアスが集まってきたぞ!」

 

『やだっ!真白クンから降りてよ!ばっちい手で彼に触らないで!あっち行ってよぉ!これ以上失礼なことされたらあたし、あたし.....』

 

『メッタ切りにしてやっからなカビの生えたカス共がああ!!』

 

「き、急に豹変しやがった!」

 

「驚いた、これが恋する乙女のパワーってやつ?」

 

「1.4トンのチェンソーぶん回して、エーテルと電気のハイブリットで動く乙女がどこにいんだよ!」

 

『はあああー』

 

デモリッシャーは、凄まじい勢いで突進しチェンソーで切り刻む。だが、その先には真白くんがいた。

 

「待ってくれデモリッシャーさん!そっちは!」

 

ベンが、いち早く気づき呼びかけようとするが、もう遅かった。巨大なチェンソーが壁や柱を破壊してしまう。

 

『ごっ、ごめんね真白クン!あたしってば取り乱しちゃって....』

 

『?』

 

次の瞬間、真白くんが倒れてしまう。

 

ドシィィィンッ!

 

凄まじい振動と共に、白い瓦礫がデモリッシャーを覆い尽くした。

 

『真白クウゥ――ン!!しっかりして真白クンッ!!』 

 

「さっきの一撃で耐力壁が壊れたか....」

 

『そんな、真白クン....全部あたしのせいだ.....』

 

「自分を責める必要はないさむしろ、私は君に『おめでとう』と言いたいくらいだよ!」

 

『え....?』

 

グレースが、近づきデモリッシャーにとんでもないことを言う。

 

「おっ、おい.....グレース!自分が今何を言ってるか、ちゃんとわかってるのか?」

 

「しまった!グレースはメカには強いが、恋愛は経験ゼロのド素人なんだ!」

 

「顔を上げて、周りを見てごらん。真白クンが君を抱きしめてるよ!」

 

『!!!』

 

確かに?実際にデモリッシャーの全身は真白くんの瓦礫に埋もれていた。

 

「これは建物にとって一生に一度しか交わせない『抱擁』さ。彼はそれを君にささげた上、エーテリアスからも守ってくれた。素敵な恋人じゃない、君はビルを見る目があるね」

 

『ううぅ....』

 

「大丈夫、これが永遠の別れじゃないさ――私達がそうさせない。ほら、一緒に帰ろう?みんなで力を合わせて、新たな土地に真白クンを立て直そう!」

 

グレースは、母親のようにデモリッシャーを慰める。声は柔らかく、優しく寄り添っていた。

 

『うわぁぁぁぁぁぁん!!.....ぐずっ....うん、あだぢ、一緒にがえる!』

 

 

 

 

 




え?縁壱がパワフル過ぎないかだって?
まあ、縁壱だし。
ちなみに、私みたいに縁壱だからと思ってしまった人は、病気です。
人とは何か学んできましょう。

ツール・ド・インフェルノカットしていい?

  • いいよ。
  • だめだ。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

監察官のちょっと奇妙な冒険(作者:プロメイア推しの人)(原作:ゼンレスゾーンゼロ)

オリ主が転生して、赫灼熱拳するお話です。▼ストーリーは2.7から始めま~す。ん?まぁ、途中からにょきっと生えてくる感じで。(それでも過去キャラと絡みがあるのは許してちょ)


総合評価:789/評価:7.85/連載:10話/更新日時:2026年06月23日(火) 16:25 小説情報

世界は貴方の思い通り(作者:ゲーム最高)(原作:ゼンレスゾーンゼロ)

▼ギーツに憧れた主人公が創世の神へと転生し、曇らせ展開が多いこの世界を晴れ展開にする物語▼なお、たくさん人を救い過ぎて周りに愛される物語でもある▼報告▼2/10より「知られざる物語の章」を投稿いたしました!▼※この作品は時系列バラバラになっており、また原作沿いになっていますが、所々カットにされています。▼敵陣営は破壊されます。▼作者は文章力皆無です▼原作は最…


総合評価:858/評価:8.84/連載:24話/更新日時:2026年02月14日(土) 19:16 小説情報

フィジギフオリ主in新エリー都(作者:しじみを食べるクジラ)(原作:ゼンレスゾーンゼロ)

裏社会、ひいては治安局やH.A.N.D.にまで出回る一人のホロウレイダーの噂。▼「強きエーテリアスの近くに必ずその影あり」▼「戦う様子はまさに鬼神のごとく」▼その戦う姿を見た人々が口を揃えて「影すら目で追うことができなかった」と言ったことから「絶影」、そう呼ばれるようになった。▼そんな「絶影」は・・・▼「頼むリン。俺に接客業なんて無理だ。考え直してくれ」▼「…


総合評価:1796/評価:8.47/連載:4話/更新日時:2026年05月05日(火) 16:52 小説情報

ZZZ × 555(作者:びぎなぁ)(原作:ゼンレスゾーンゼロ)

ゼンゼロ世界にファイズをぶち込みたかった。▼それだけである。


総合評価:2091/評価:8.56/連載:321話/更新日時:2026年07月03日(金) 12:00 小説情報

止めるな!俺は日曜賛歌するんだッ!!(作者:一般開拓者)(原作:ゼンレスゾーンゼロ)

琥珀紀21XX年、「夢の地」ピノコニーは調和の歌声によって包まれた! ▼秩序は消え、開拓者が暴れ、全ての仕事が消滅したかのように見えた。▼だが、社畜(サンデー)は死滅していなかった! ▼【悲報】俺氏、サンデーさんになってしまう【助けて】▼これは自宅警備員からキングオブ社畜に成り変わったオリ主のお話...▼そしてなぜかゼンゼロの世界にも転移してしまったお話..…


総合評価:2193/評価:8.88/連載:10話/更新日時:2026年05月19日(火) 08:04 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>