イェーイめっちゃ鬼殺隊   作:あああ

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知らない景色

 

「すまない。もしかしたら俺は先に死ぬかもしれない」

「おっ、全然言葉が足りないな。弟弟子が連れてきた鬼に命でもかけたか?」

「うん」

「うんじゃないが……」

 

義勇と飯を食いに来ている、結構頻繁に。

愚痴とかがある訳でもないから、静かに食って満足して解散するのだが、今回は私がカレー食べたい病になったので珍しく都会に来ている。

もしも大正時代より以前に飛ばされていた場合、私は相当変な人だった事だろう。今も結構変な人で通っているし、たまに横文字が通じない。ハンガーってエモンカケっていうんだぜ。知ってた?

それで言うと鬼舞辻無惨のハイカラレベルは感心するほどである。平安貴族ってすごい。

 

「オムライス一口頂戴よ。美味い?」

「初めて食べた」

「鬼殺隊の過半数が食べてない可能性があるからね。メロンソーダも飲んでみてよ。反応が面白そうだから」

「怒らないのか?」

「何を? いや、さっきの話がまだ続いてんのね。禰豆子ちゃんと炭治郎は見に行ったけど大丈夫じゃないかな。うちの弟弟子も居たし」

「……弟弟子?」

「猪じゃなくて黄色い方。会ったらよろしくしてやってよ」

「わかった」

 

さて、原作は始まると早いもので、そろそろ無限列車がポーしている時期である。とりあえず義勇の口のケチャップを拭くことから始めよう。

 

さて、今回は原作を改変します。

 

 

死地に赴く条件はそんなに難しくない。列車の行き先が現代ほど多くないからである。いやぁ蒸気機関車?ですよ。かっこいいなぁ。

あの下弦ノ壱の人、途中から電車だったけどその場合脱線させて朝まで見てたら自然消滅したんだろうか? そんな馬鹿なことは流石にないか。

 

最期の晩餐になるかも知れないのでなるだけ豪遊しつつ、今回は義勇をここに留まらせる為だけに色々と遊びに行こうかと思っている。なんか義勇ってストイック過ぎて有給溜め込むイメージがあるよね。鬼殺隊に有給とか無いけど。そもそもこれって給料出るんだよね? 産屋敷家が出してるのか?

 

「とりあえず映画とか行こうよ!」

「……わかった」

「西洋劇とか見ようよ!」

「わかった」

 

大正時代の映画には、なんと音声が無い。

凄まじい技術進化を感じてしまった。義勇が楽しんでいるかはちょっとわからないが……そんでもって。

 

「レンゴク、煉獄キョウジュロウ、上弦ノ鬼ト戦闘チュウ!!」

 

めちゃくちゃ遅刻している。あり得ない。

もうちょっと厭夢君が頑張ってくれるもんだと思ってたな。遅刻してた理由がバレたら実弥ちゃんに殺されちゃう♡

 

「未来」

「ごめんちょっと遊び過ぎたのはマジで申し訳ないと思ってる」

「いや、こんな時間まで遊んで居なければ俺達はもう鬼を倒す為に他へ行っていたはずだ」

「あと面白い建物かと思ったらラブホだったのマジでごめん!」

「それは……少し焦ったから気をつけてほしい」

「ごめんねェ!!!怖かったね!!!」

 

爆走しながらした会話がこれである。たどり着いた頃はギリギリ夜。煉獄さんは右目が潰れ、腹から血を流していた。マジですいません本当にウワーッッ血だァー!?

 

「落ち着け、まだ煉獄は生きてる……!」

「よーし、やれるね義勇!」

「ああ。俺たち二人なら大丈夫だ」

「よーし、やるか私もぉ!」

 

さて、現時点の猗窩座は基本的に無理ゲーである。アザも無いし、首を斬っても二回戦が始まってしまうと思われる。それを踏まえて煉獄さんが最善の手を打ったのは否定のしようもない。芸術点は満点なのでケチの付けようは無いです、本当に!

しかしパワプロに転生されては悲しいのでワンチャンなんとか……既に目と肋が逝かれてしまっているけど朝までなんとか! その為の義勇です! 私は巻き込まれただけです。嘘、めっちゃ巻き込んでトンズラここうとしてました。

 

「邪魔をするな! 杏寿郎が最期の闘気を練っているのが見えないのか?」

「あ! 見て! 青い彼岸花だ!」

「なんッ!? なんだと?」

「よし二秒は稼げたな」

 

とりあえず煉獄さんを庇うのには成功した。後は全員で生きて帰れば良いって訳だ。一番簡単な作戦を立てたけど、夜明けまで後何分?

 

「……腹の立つ女だ。この中で最も弱い上に卑怯者ときた」

「何とでも言ったらいいさ。私は薬学に精通していて、青い彼岸花を煎じたことがあるんだぜ」

「どこまでが本当か知らないが、夜明けを拝めると思っているんだな?」

「思う!! 女に甘いでしょ?」

「………殺しはしないだけだ」

 

足元に羅針が出現! マジですか?

これで本当に死んだらそれはそれで原作改変になって大変だ。ところでかなり会話の手札を切っちゃったけど、明日の夜からめっちゃ鬼が来るとかありませんように。

 

「冨岡、俺も戦える!」

「煉獄は血を止めることに集中しろ。隠も来るはずだ」

「……不甲斐ない!」

「不甲斐ないのはこちらの方だ」

 

後ろで義勇と煉獄さんがグッドコミュニケーションをしている。事実、不甲斐ないので穴があったら埋まりたい。選手交代、三戦目だ。

本当に私も戦うんですか!?と思っているが、猗窩座戦は女の方に利点がありました。

 

「破壊殺 乱式」

「和の呼吸、雷ノ型──霹靂一閃」

 

今はないので、鬼舞辻無惨の前に引き摺り出されないように頑張りましょう。これだいぶ作戦の方が失敗してませんか?

 

「水の呼吸、拾壱ノ型──凪」

 

義勇のおかげで多分本来打たれなかった技の余波が相殺されている。これが義勇の良いところで、柱で一番切った張ったのフォローが上手いと思う。そして私も割と補助をメインに据えているくらいなので、義勇を含めた殺陣では一度も怪我をした事がない。防御最高!

 

「和の呼吸、炎の型──気炎万象」

「なんだその、ふざけた呼吸は」

「和の呼吸、花の型──御影梅」

「どれも見た事がある……お前、全ての呼吸が少しづつしか使えないんだろう!」

「和の呼吸、水の型──凪」

「それもさっき見たぞ!! 破壊殺──滅式」

 

案の定キレている。いや本当に正当なケチで、おっしゃる通りのものである。首を斬る気が無い型ばっかりなので尚更、単に逃げる為に踊ってるようにしか見えないだろう。もしかしたら「煽りの型──小馬鹿」とかが奥義かもしれないくらいだ。でも後ろの後輩達に良いところを見せる為にも一撃も貰いたくはない。

一応、嫁入り前の娘なのでね、ここまで残るタイプの怪我はした事がないのだ。

 

「和の呼吸、日ノ型──幻日虹」

「水の呼吸、拾弍ノ型── 虹霓」

 

……今なんか知らない技使わなかった?

 





「よくぞ帰ってきたね。杏寿郎、義勇、未来」
「「「はい」」」

帰って来れてしまった。刀を投げたりスッタモンダしたけど割と無傷で。冨岡義勇は凄いぜ。柱に嫌われてても読者には人気だからね。
なんか鬼さん途中から余波で木も吹き飛ばしてて、逃げる時大変そうだったな。また無限城で会おう。煉獄さんと義勇が相手をしてやる。私はもうやらない。

しかし、ハー、柱合会議ですよ。こないだもやってたじゃん。そんなにやることないじゃん。アゼルバイジャン。
まさか鬼殺隊の首領の前に出されるとは思っていなかったのでノーメイク丸腰寝起き、さっき蛇柱内にチクチク言われて鬱。あんまり馬鹿馬鹿しくない程度に報告したかったのだが、近くに居た理由がどうやってもデートだったので柱には程々に白い目で見られた。義勇が全然喋ってくれなくてほとんど私と煉獄さんで説明したようなもんだ。

個人的には猗窩座の人相をバスケットボールみたいな奴ですと説明したのが言い当て妙と思ったのだが、この時代バスケットボールが通じなくて少し悲しかった。

「それと、青い彼岸花とは何かな?」
「それは未来隊員しかわかりません」
「私もわかりません」
「未来、わかるだけでも教えてほしいんだ」

説明しまァす! 未来では枯れてましたよ。
言っても良いけど原作知識の最たるもんだ。竈門家の裏山に生えてるって聞いたことはあるが、見た事は流石にない。探すのは結構得意かもな……。

「えぇと、私は少し心を読む事ができまして。鬼が何を考えているかよく聞いているんです」
「ほう! だから義勇とも息があっていたのだな!」
「それで、たまに探させられている者が居るのですよ。青い彼岸花は……薬のようなものじゃないでしょうか」
「なるほど、詳しいんだね」

含みがありそうだ。こちらも含みまくっているので無理はない。お館様が起きていられるうちに持てる情報を明け渡してしまっても良いので、ここはまばたきでもモールス信号とかを送っておこう。SOSだけ有名だよね。通じるのか、この時代に。

「不甲斐ないことに片目と肋骨だけでなく肝臓まで潰れてしまいまして、一線を退くことをお許しください」
「杏寿郎、君なら片目でも並の剣士より強いと思うけれど」
「代わりに、未来を推薦します」
「ま………って下さい! 私の呼吸はまだ未完成です!」
「なら、完成したら柱に相当するんだね」
「しません!」「します」「……」

「完成を楽しみにしているよ。未来」

ぎ、義勇〜〜〜〜ッ!!相方なら退路くらい確保してくれ!!!
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