【つばめ視点】
・つばめ、ヒバリと出会う。
・死体探しの旅、スタート。一人目の死体を埋葬。
・ヒバリが処女だと発覚。彼女に土下座され、『心の準備ができたらS○Xさせてあげる』と約束。
・つばめ、処女をからかって遊ぶことにハマる。
・二人目の死体を発見、埋葬。
・大島へ到達。ヒバリの仲間のメッセージを見付ける。
【ヒバリ視点】
・ヒバリ、つばめと出会う。
・死体探しの旅、スタート。一人目の死体を埋葬。
・つばめに処女だとバレる。彼に土下座し、『心の準備ができたらS○Xさせてもらう』ことを約束してもらう。
・ヒバリ、処女をからかわれる日々が始まる。
・二人目の死体を発見、埋葬。
・大島へ到達。仲間のメッセージを見付ける。
僕とヒバリは大島を進む。
まだ建物が少ない。林と民家と小旅館くらいしかない。この辺りは、中島とさほど景色が変わらない。
道路の真ん中を歩き続ける。スーツケースの車輪がゴロゴロと音を立てる。
当然、信号は点いていない。車道上に何台かの車が乗り捨てられている。道端には、カラカラに乾燥したゾンビの死骸が転がっていた。
「生きてるかもしれない二人って、誰と誰だっけ?」
「来栖ミユさんと、馬場ジュンくんだ」
「ミユさんとジュンくんね、覚えたよ」
海岸で拾った紙片には『大島のホームセンターへ逃げることにする』というメッセージが書かれていた。
僕たちは物資を探索しつつ、彼らが向かったホームセンターへと向かう予定だ。
「あ、コンビニあるよ」
「入ってみようか」
店内へ入る。電池やインスタント食品があるかも、と期待したが――目ぼしいものは何もなかった。飲食物、お菓子の棚は全て空。日用雑貨は、マスクや文房具などが数点。窓際のコーナーには、数冊の雑誌があるのみ。
電灯が点いていない上に、ほとんど空の棚。無性に寂しさが湧いてくる光景だった。
「ん~~~。何もないね」
「おそらくパンデミック初期に、生存者が持っていったのだろう」
「だね、僕でもまずコンビニで物資調達するもん」
何の収穫もなく、コンビニを出た。
再び歩き始める。大島の中心部へ行くにつれて、徐々に背の高い建物が増えていく。
数分後、大きな建物が見えてきた。――道の駅だ。
「道の駅って食品売ってるんだっけ?」
「当時は売っていたよ、地元の野菜とか、お土産品とか」
道の駅で最も大きい売り場へと入る。食料品には期待できないとすぐに分かった。空の棚ばかりだ。
「う~ん、なかなかないね」
「この辺りはお店もないし、仕方ないね」
レジ周辺にちまちまとしたものは残っているが、ハンカチや木工細工などだ。何か使えそうなものがないか見ていると――。
「えっ、えっ!?!?!?」
――とんでもないものを見付けた。
「ヒバリヒバリ! 見て! すごいの見付けた!」
「え、なに」
ヒバリが僕の指差す先を見ると――「あっ」と声を漏らした。
野菜の種パックだ。1コーナー丸々残っている。トウモロコシ、ニンジン、ダイコン、エンドウ、カブ、レタス、タマネギ、ミニトマト――様々な野菜の種が、大量にあった。
「すごいすごい! これ!! すごい!!!」
「ああ、これがあれば何でも作り放題だ」
「やった~! これ全部持って帰ろう!」
僕のセカンドバッグとヒバリのリュックに、全ての種パックを入れた。大収穫だ。
「帰ったら畑耕さないとね」
「ああ、数面分の除草作業が必要になるね」
畑仕事は大変かもしれないけど、それ以上にワクワクしてくる。楽しみで仕方ない。
ちなみに、そのすぐ隣にも種パックのコーナーがあったけど、こちらは花の種だった。アサガオ、スイートピー、カーネーション、マリーゴールドなどなど。
これは持って行かないことにした。今の僕たちに花を愛でる余裕は、もちろんない。
道の駅を出て、さらに歩く。道幅が大きくなり、片側二車線の道路になる。いよいよ建物の密集具合が高まってきた。この辺りからは都会だ。
――廃墟都市だった。
灯りの点いていない建物群。車道には、ガラスの割れた自動車が大量に放置されている。
手入れされていない街路樹は、豊かに葉を茂らせていた。植え込みは雑草が伸び放題で、車道にも歩道にも草が飛び出し、巨大な草むらとなっている。
「本当に、人類滅んだんだね」
「ああ、そうだね」
終末世界の光景だった。
中島にも人はいなかったけど、ド田舎なので違和感がなかった。けれど、都会に人の姿がないというのは寒々しさがある。
さらに歩くこと15分。この地域最大のショッピングモールが見えてくる。
「ここは色々ありそうだね!」
「ああ、一番期待できる」
1階――飲食店と食品売り場。
めちゃくちゃゾンビの死体が転がっている。ここで感染した人も多いのだろう。
食品売り場を見て回ると――。
「あ~~~~~!!!!! これ! インスタント食品!」
――カップラーメンや缶詰が大量にあった。
「すごいすごいすごい!」
「いいね、持って帰れるだけ持って帰ろう」
「見て見て! カニの缶詰あるよ!」
「本当だ、こんなのもあるんだね」
缶詰とインスタント食品をトランクへ詰めていく。収納スペースが限られているので、上手く組み合わせないといけない。パズルみたいだ。
「あ、海苔とかもあるよ」
「海苔、海苔か……」
一応持っていくことにした。食べられるし。
「意外と残ってたね」
「おそらく、ショッピングモールはゾンビが多くて誰も近づけなかったんだろう」
「そうみたいだね」
そろそろお昼だ。僕とヒバリはフードコートへ移動した。大量のテーブルとイスが置いてある。
「すご~! フードコート貸し切りだ~!」
「ああ、変な気分だね」
こんな広いフードコートに、僕とヒバリのふたりだけ。ワクワクしてくる。
「じゃあ、お昼食べちゃおっか」
持ってきたタッパーを開ける。蒸しジャガだ。食べてみるけど、もう美味しいとは感じない。流石に飽きてしまった。
「缶詰開けちゃおう!」
「いいね」
ツナ缶を開けて食べてみる。
「美味し~~~~~~~~!!!!!」
しょっぱさ、ツナの旨味、ほろほろと崩れる触感。新鮮な味がダイレクトに味覚を刺激する。美味しすぎる。泣きそう。
ヒバリもじ~んと感動しているように見えた。
「帰ったらカニも食べようね」
「ああ、そうだね。今から楽しみだよ」
昼食を終えて、探索を再開する。
2階――アパレルショップ。
まず、ヒバリの服を見ていくことにする。アウター、インナー、ジャージ。ヒバリはあまりファッションにこだわりがないのか、さっと選んでリュックの下の方へ押しこんでいく。
次に、下着と靴下のコーナー。ヒバリは2枚のパンツを手に取り、見比べている。
と思ったら、急に僕の方を見てくる。ちょっと顔が赤い。
「そんなにじっと見られると恥ずかしいのだけれど」
「え~、いつも庭に下着干してあるの見てるし、今さらじゃない?」
「そうかもしれないけど」
ヒバリは下着類をいくつか選び、リュックへと入れた。これで彼女の買い物は終わりだ。
次に、僕の服を見ていく。僕の服は家に何着もあるので、絶対に必要という訳ではない。夏用と冬用に1点ずつ選んで終わりだ。
「じゃあ、遂にあのコーナーだね、ヒバリ」
「あのコーナーって?」
「男性用下着コーナーだよ」
「ああ、そうか。外で待っていようか?」
「ううん、一緒に見ようよ」
「そ、そうか」
ヒバリと共に下着コーナーへ入る。白い花柄のブラジャー。黒いレースのパンツ。うっすら透けているベビードール。様々な下着が並んでいる。
ヒバリはちょっとそわそわしていた。本来女性は入らないエリアだからだろう。
僕は気に入ったデザインのパンツを2枚手に取る。白と黒だ。
「どっちがいいと思う?」
ヒバリはちょっと嬉しそうな困り顔を見せた。
「く、黒で」
「ヒバリのえっち~(笑)♡」
「なっ……!?」
瞬間、ヒバリの顔が紅潮する。きまりが悪く恥ずかしそうな表情だった。
「じゃ、じゃあ白でも構わないが……」
「清楚系が好きなんだ(笑)♡ 処女っぽ~い(笑)♡」
「理不尽すぎるだろう!!!!!」
「あははっ! ウケる~(笑)」
「ウケるんじゃない! 処女だからってバカにするな!」
「ごめんね、でも処女からかうの楽しくて(笑)」
「ぐぅうううううううううううううッ!!!」
ヒバリの顔が羞恥と憤怒に歪む。耳まで真っ赤だ。睨んでいる姿すら、子犬の精一杯の威嚇みたいだ。可愛い。
僕は両方のパンツをリュックに入れ、他の下着も見ていく。
「他にもヒバリの好みの下着あったら教えてよ」
「どうせ何を選んでもバカにされるんだろう」
ヒバリは怒って、そっぽを向いてしまう。
「好きな下着教えてくれたら、初めての時着てあげるよ」
「!?!?!?!?!?!?」
ヒバリがぐいんっ!と首を回して僕を見る。
「ま、マジ?」
「うん、マジ」
ヒバリの口角がぴくぴくっと動いている。ニヤけるのを必死で我慢しているが、喜びを隠しきれていない。
「そ、そうか、じゃあ……」
ヒバリの声色は弾んでいる。そして、彼女の視線は、ある下着のところで止まった。黒いレースのネグリジェだ。生地が薄く、うっすら透けて見える。
「わぁ、えっちなやつだ」
「あっ、いやっ、そのっ」
僕はネグリジェを手に取り、リュックに入れた。
「いいよ、着てあげる」
「えっ!?!?!? いいの!?!?!?」
「うん」
「えっ、ま、マジか……じゃ、じゃあ、あれとかは……?」
「あれ?」
ヒバリが指差したのは、ガーター付きクロッチレスパンツだった。中央部分がパックリ開いている。つまり――ちょうどチ○ポだけ隠せないデザインだ。
「なっ、えっ、これはっ……」
流石に尻込みする。ヤバい、これは恥ずかしい。なにこの「今から僕のこと食べてください」みたいなデザイン。
「つばめでも照れることがあるのか」
「この変態っ! こんなのっ、大事なとこだけ隠せないじゃん!」
「流石にダメか……見たかったんだけど……」
ヒバリは肩を落とし、残念そうな顔をする。そ、そんなに期待してたんだ……。じゃあ……。
「わ、分かったよ。穿いてあげる」
「えっ」
「せっかくの初体験だもんね」
「マジ!?!?!?!?!?!?!?!?」
僕はクロッチレスパンツをリュックに入れた。ヒバリは驚愕し、信じられないものを見る目をしている。
「つばめ!!! 本当にありがとう!!!」
「あはは……」
これ、流石に恥ずかしいな……。まあ、その時がんばろう……。
続いて、3階――生活雑貨フロア。
「あ、ライターある!」
「よかった。多めに持っていこう」
調理の際に火を使うので、ライターは本当に重宝していた。
さらに、電池、ウェットタオル、救急キットなども手に入った。続けてインテリアコーナーを見ていくと――。
「あっ」
ランタンを見付けた。同時に、雨の日の会話を思い出す。
――あと、その……笑わないでほしいんだけど、夜にS○Xしたい。薄暗い部屋で、できればランタンくらいの光源だといいかも。
――分かった、ランタンだね。絶対大島で見つけてこよう。
「つばめ」
ヒバリの瞳には期待が宿っている。ちゃんと覚えているらしい。
「買っていこう。つばめの好きなものを選んでくれ」
「あ、うん」
電池式ランタンの電源を入れる。橙色の、仄明るい光だ。うん、ちょうどよさそう。
「これにするよ」
恥ずかしかった。こういうムードが好みですって宣言してるのと同じだから。
普段使いすることも考えて、ランタンを2つリュックに入れた。さらに次のフロアへ移動する。
4階――家電製品エリア。
テレビが並んでいる。二度と光を映すことのない真っ暗な画面が、僕たちを見ていた。
電気がない世界において、大体の家電は使えない。テレビ、掃除機、扇風機、パソコン、イヤホン。いずれも動かない。
電池式のハンディファンくらいなら使えるけど、必要ではないものだ。
ということで、家電エリアは完全スルーで次のフロアへ。
5階――電源ゲーム・ホビー用品売り場。
色々なゲームソフトが並んでいるけど、ゲーム機を充電できないのでプレイできない。
けど、アナログゲームなら遊べる。ホビー用品売り場に並んでいるボードゲームを見ていく。
「何か持っていこっか。これから暇になることあるだろうし」
「ああ、娯楽がトランプだけでは寂しいからね」
話し合いの結果、小さめのボードゲームを3点持っていくことになった。
*
僕たちはショッピングモールの最上階である9階まで上り、再び地上へと下りてきた。
6階以上は、スポーツ用品、クリーニング店、英語講座教室などばかりで、役に立つ物がなかった。
そして、近くのホテルへ移動した。適当な部屋に入る。ベッドがふたつ隣り合っているタイプの部屋だ。
「ひろ~い!!!」
「ああ、凄いね」
旅館の狭さもいいけど、やっぱりホテルの大きい部屋はテンションが上がる。連なっているふたつのベッドの上を、僕はゴロゴロ転がってみる。
「あっ」
その時、僕はとんでもないことに気付き、ベッド上で静止した。
「どうしたんだい?」
「今気づいたけど、千葉県の人ってディズニーのホテル泊まり放題なんじゃ……?」
「ああ、もし生存者がいればそうなるね」
「羨ましい~!!! 僕もディズニー泊まりたい~!」
「あはは、気持ちは分かるよ」
そんなこんなで、夕食の時間になる。
光源が月明かりだけだと不便なので、早速ランタンを使ってみる。室内が仄かな橙色の光に照らされた。
「なんか、キャンプみたいで好きかも」
「ああ、分かるよ。テントの中にいるような気分になる」
蒸しジャガを食べながら、ふと窓外を見る。向こう側の建物は窓が割れている。風もない。音もなく、光もない。寒々しい光景だった。
「なんか、世界に僕らしかいないみたいだね」
「……そうだね」
「だいじょうぶだよ、ヒバリには僕がいるし、僕にはヒバリがいるもん」
「あ、ああ。そうだね。……その通りだ。私たちには、お互いがいる。寂しくはない」
僕は笑顔を浮かべる。ヒバリも笑ってくれた。
「でも、それはそれとして、仲間には会えるといいね」
「ああ、無事でいてほしい」
「明日にはホームセンターまで行けるかな?」
「微妙だね、明日の夕方か、明後日の朝には着きそうだけど」
もしかしたら、ヒバリの仲間に会えるかもしれない。無人島を出て以来、ヒバリ以外の生存者と出会う初めての機会だ。ドキドキしてくる。
――食事を終えた。
ちょうど今日買ってきたウェットタオルで体を拭くことにする。
「じゃあヒバリ、あっち向いてて」
「えっ、ここで拭くのかい? 洗面所じゃなくて?」
「うん」
ヒバリは窓の方を見る。そして、僕は服を脱ぎ始めた。ガサゴソと、衣擦れの音だけが部屋に響く。
仄明るい橙色に包まれる部屋。ランタンが右側に置いてあるので、僕の影が左の壁に映っている。
ヒバリは、ほんのわずかに左を向いていた。服を脱ぐ僕の影を盗み見ている。
「ねえ、ヒバリ」
「な、なんだい」
僕は、向こうを向いているヒバリに近付く。そして――上の服を脱ぎ、ヒバリの足元に投げ落とした。
ヒバリは真下を見ている。足の上に乗った、僕の服を。
「僕、今、上裸だよ」
「な、なっ……!?」
「今振り向いたら、おっぱい見れるよ」
「…………」
ヒバリがゴクッと生唾を飲む音が聞こえた。耳も赤い。呼吸音も荒く、かすかに肩が上下している。
「見たい?」
「………………見たい」
「特別に、振り向いてもいいよ?」
「…………っ!」
ヒバリが息を呑む音が聞こえた。彼女はゆっくりと、こちらを振り向いた。
「いやインナー着てるじゃないか!!!!!」
ヒバリは一瞬ガッカリした顔をして、直後怒りの形相で叫んだ。
実は、僕は服を1枚脱いだだけだ。インナーも着ている。下半身に至っては1枚も脱いでいない。
「あははっ! 騙された~!(笑)」
「くそっ……! 処女の純情をからかいやがって……!」
ヒバリは悔しそうに表情を歪め、恨めしげに僕を睨んでいる。
「おっぱい見たかった?」
「見たかったに決まってるだろう!!!!!」
「残念だけど、処女さんに生おっぱいは刺激が強すぎるかな~?(笑)♡」
「ぐぅううううううううっ!!!!!!!」
ヒバリは憤怒の形相で身体を震わせている。顔が真っ赤だ。
「じゃあ、ここからは約束通り、パンツ見せてあげるよ」
「えっ」
「約束したじゃん、ヒバリの苗字忘れてたお詫びにパンツ見せてあげるって」
「えっ、えっ、えっ」
ヒバリが動揺している間に、僕は手早くインナーとズボンを脱いだ。スポブラとパンツだけになる。完全な下着姿だ。
「エロっ!!!!!!!!!!!!!」
「声でかっ(笑)」
「エッロっ!!!!!!!!!!!!!」
ヒバリは血走った目で僕を凝視してくる。顔は紅潮し、鼻息は湯気が出そうな程に荒い。
「うわ、えろっ、最高……」
じとっとした熱視線が、僕の身体に絡みつく。ヒバリは、スポブラとパンツ、胸元と股間を、舐め回すように交互に見てくる。
さらに、僕は後ろを向き、スポブラを脱いでみせた。
「えっ、えっ、なんでっ」
「せっかくだし、背中拭いてよ」
「いいの!?!?!?!?!?」
「いいよ、おねがい」
ヒバリがおそるおそる近付いてくるのが、影で分かる。
ヒバリが僕のすぐ後ろに来た。鼻息の音がすごい。興奮した獣みたいだ。
そして、彼女はウェットタオルを手に取り、僕の背中へと当てる。
「んっ……!」
「な、なにっ!?」
「冷たくて変な声出ちゃった」
「はあっ……! はあっ……! つばめ、エロすぎっ……!」
ヒバリは背中全体を拭いてくれる。けれど、その最中、彼女の影が前傾し、僕に重なろうとするのが見えた。
僕は自分の手でおっぱいを覆い、ガードする。
「こ~ら、覗いちゃだ~め(笑)♡」
「ぐっ……!!!!!」
振り向くと、ヒバリの悔しそうな顔が間近にある。
「ごめんね?(笑)♡ 処女さんが男子の生おっぱいなんて見たら、鼻血ぶーしちゃうかもしれないから(笑)♡」
「子ども扱いするなっ……!!!!!」
「処女さんが見れるのはここまでだよ(笑)♡ ほら、おしまい(笑)♡ あっち向いて?(笑)♡」
「ぐぬぬぬぬぬぬぬぬぅッ!!!!!!!」
ヒバリは心底悔しそうな呻き声を上げながら、反対側を向いてくれた。僕は前面と下半身を自分で拭き、再び服を着た。
そして、今度は僕が後ろを向き、ヒバリが自分の身体を拭いた。
清拭が終わり、ふたりでベッドに入る。
あとは寝るだけなのだが――ヒバリは布団に顔を埋めたまま「ふぅ~ッ! ふぅ~ッ!」と発情した犬のように苦しそうな声を漏らしている。
「もしかして、興奮して寝れない?」
「当然だろうっ!」
ヒバリは苦しそうだった。僕は彼女の布団へ侵入し、手の甲をつつーっと撫でる。
「なっ……!?!?!?」
「目ギンッギンでウケる~(笑)♡」
「はぁッ……! はぁッ……! もうやめてッ……! 苦しいッ……!」
「ほら、もっと発情しちゃえっ、えいえいっ(笑)♡」
ヒバリの脚に自分の脚を絡める。もぞもぞと動かすと、服越しに太ももが擦れ合う。
「あ゛あ゛あ゛あ゛っ……! マジでつ゛ら゛い゛っ……!」
今にも爆発しそうなほど真っ赤な顔。生殺しの状態でお預けされて、性欲が限界まで膨れ上がり、パンパンになっている。必死すぎて可愛い。
僕はヒバリの耳元に唇を寄せ、吐息を注ぎ込むように囁く。
「ざぁ~こっ(笑)♡」
「そろそろ襲ってやろうかホントに!!!」
*
どこかで、遠吠えが聞こえた気がした。身体が竦む。
「はっ……! はぁっ……! はぁっ……! …………」
目が覚めた。意識がはっきり冴えている。
……? なんだろ、今の遠吠え……。
隣を見ると、ヒバリが眠っている。胸が上下していた。
僕は先に起きて、ウェットタオルで顔を洗った。少し水を飲み、喉を潤す。
しばらくヒバリの寝顔を見ながら待っていると、彼女も目を覚ました。
「おはよう、ヒバリ」
「おはよう、つばめ」
「ねえヒバリ、さっきオオカミの遠吠えみたいなの聞こえなかった?」
「え……? いや、聞こえなかった。まあ、野犬くらいはいるかもしれないが、犬の鳴き声ではなかったのかい?」
「もしかしたら夢かもしれないけど、ワオ~~~~~~ンっていう鳴き声だったと思う。というかオオカミって日本にいるんだっけ?」
「いない。ニホンオオカミの最後の目撃情報は、たしか1900年頃だ。環境省では50年間生存を確認できなかった種を絶滅種と認定するから、私たちの生まれた頃にはもう絶滅済みだね」
「へ~! オオカミってもういないんだ!」
僕たちはのんびりと朝食を食べ始める。持ってきた蒸しジャガは半分くらいなくなった。
朝食を終えて、僕たちはホテルを出た。
――大島探検2日目、スタートだ。
ホームセンターに向けて歩いていく。もし道中で物資のありそうなお店があったら寄っていくつもりだ。
「あ、本屋だ」
書店があった。多分物資はない。けど、純粋な好奇心で入ってみたくなる。
「ヒバリ、寄ってみない?」
「ああ、私も入りたかった」
入ってすぐ、赤い背表紙が目に入った。ひとつの棚が、大学の赤本で埋め尽くされている。
「僕たち、本当なら来年受験しなきゃいけなかったんだよね」
「そうだね。けど、今の私たちに勉強する意味はない」
参考書も、資格も、もう意味を成さない。勉強は好きではないので、それは嬉しいことのはずだけど。いざ、しなくていいとなると、ちょっと虚しさみたいなものがある。
ヒバリが学術コーナーの本を手に取った。パラパラとページをめくっている。その表紙を覗き込むと――。
「地学書? そういうの好きなの?」
「ああ、いや、そういう訳でもないよ。なんとなく手に取っただけだ」
ヒバリは地学書を置いた。僕たちは2階へ移動する。マンガコーナーだ。色とりどりのイラストが目に飛び込んできて、急にワクワクしてくる。
「あっ」
週刊誌が平積みにされている。日付は、1年以上前のもの。ちょうどゾンビパニックが起こった週の日付で止まっている。
「ヒバリ、すごいこと気付いちゃった」
「なんだい?」
「僕たち、これタダで読み放題だよ」
ヒバリはニヤッと笑って「確かにすごい」といった。
僕たちはそれぞれ、少年マンガコーナーと少女マンガコーナーに移動し、好きなマンガを読み始めた。
1時間後。面白すぎてページをめくる手が止まらない。
2時間後。気付けば1シリーズを読破してしまった。別のタイトルへと手を伸ばす。
3時間後。面白すぎる。最高すぎる。早く次の展開が知りたい――と思って本棚を見たが、続刊がなかった。
うわ、そっか。もう絶対続き見れないんだ……。
残念な気持ちになりながら、マンガを棚に戻した。
というか、長居しすぎた。でも仕方ない。僕たちは娯楽に飢えていた。テレビもゲームもない世界で、マンガは最高級の娯楽だった。
ヒバリの方へと近づく。彼女も夢中でマンガを読んでいる。こっそり覗き込むと――男女がベッドで重なっているシーンだった。
「あ~! えっちなマンガ読んでる~!」
「なっ、なっ……!?」
ヒバリは慌ててマンガを閉じて背中に隠す。でも遅すぎる。
「うわっ、顔赤っ! もしかして興奮してた?」
「し、してないがっ!?」
「ごめんね(笑) お楽しみ中のところ邪魔しちゃって(笑)」
「別に楽しんでないし!!!」
「そういえば、前にオカズなくてつらいって言ってたね。せっかくだからお気に入りのやつ持って帰れば?」
「ぐっ……!!! ぐっ、ぐぅっ……。まあ、そうするか……」
ヒバリは何か言い返そうとしたが、急に素直になった。持って帰りたいという欲が勝ったのだろう。
ヒバリはリュックに数冊のマンガを入れた。そして、僕たちは書店を出た。
ホームセンターへ向けて歩き続ける。が、マンガを読みすぎたせいで、今日中に到着することはできなかった。
夜――ホテルを見付けたので入った。
サイドテーブルにランタンを置き、夕食にする。タッパーを開けると、蒸しジャガの量はあと3食分くらいだった。
「う~ん、だいぶ減っちゃったね」
「そうだね。でも、減った食料より回収している食料の方が多いから、その気になれば3日以上探索することもできる」
「そうだね、ゆっくり行こっか」
大島探検は3日間の予定だったけど、食料があるので延長もできる。焦る必要はない。
そして、夕食と体の清拭を済ませた後――。
「つばめ、ボードゲームをしないかい?」
「いいよ~」
ヒバリが取り出したのは、有名なカードゲームだ。ルールは、自分の手札を全て捨てることができたら勝ち。小学生の頃よくやったのを思い出す。
「せっかくだし、何か賭けないかい?」
「賭け? どんなの?」
「敗者は勝者の命令に必ず従う、というのはどうだろうか」
ヒバリの表情には、微かな緊張があった。
「あ~(笑)♡ ヒバリ、えっちな命令しようとしてるでしょ~(笑)♡」
「っ……!」
ヒバリは驚き、気まずそうに目を泳がせた。図星らしい。
「すけべ心丸出しすぎてウケる~(笑)♡ えっちな命令してやる~って顔に書いてあるよ~(笑)♡」
僕はヒバリの鼻先をちょんちょんっと人差し指で触る。
「ぐっ……! か、書いてないっ……!」
ヒバリは悔しそうに顔を歪め、僕の人差し指から逃れるように身を引いた。
「それで、ヒバリはどんな命令にするの?」
「私が勝ったらおっぱいを触らせてくれ」
「ぶふっ……!!!!!!!!!!(笑) あははははははははっ! やっぱりえっちな命令じゃん! もしかして、昨日おっぱい見れなかったのそんな悔しかったの?(笑)♡」
「う、うるさい。それで、勝負はしてくれるのか?」
ヒバリの顔は必死そのものだった。真剣に、大真面目に、おっぱいを触ろうとしている。
「いいよ~。ヒバリが勝ったらおっぱい触らせてあげる」
「よしっ!!!!!! 絶対勝つ! 絶対勝つからな!」
ヒバリの目は闘志に燃えていた。やる気満々だ。性欲に突き動かされている処女の姿だった。
ちなみに、僕の命令は「明日、僕の分の荷物も持って」にした。
山札をよく切り、お互いに7枚の手札を配る。そして、盤面はあっという間に進み、あっさり僕が負けた。
「負けちゃった~」
ずい、とヒバリが無言で近付いてくる。迫力ある表情だった。
「じゃあ、ベッド上がろっか」
「あ、ああ」
僕とヒバリはベッドに上がった。僕は服とインナーを脱ぐ。上半身を覆うのは、スポブラだけだ。
ヒバリのじとっとした粘っこい視線が胸に注がれる。血走った目で、凝視してくる。
僕はスポブラに手を掛ける。同時に、微かな羞恥心が湧いてくる。
今から、異性におっぱいを見せる。緊張して、ちょっと固まってしまう。
「ちょ、ちょっと待ってね」
「ああ」
ヒバリは僕の胸から一切視線を切らずにそう答えた。集中しきっている。今か今かと、おっぱいを待ち望んでいる。
恥ずかしいけど、ヒバリの期待を裏切るわけにはいかない。
僕はゆっくりと、スポブラを上へまくり上げていく。胸の下部分が露わになる。そして、中央部で一度止める。これ以上まくったら、乳首が見えてしまう。
最後の一線だ。
ヒバリは顔を真っ赤にして、目をギンッギンに見開いて、おっぱいを注視している。ゴクリと、彼女の喉から音が鳴った。
僕は覚悟を決めて――スポブラをめくり上げて、おっぱいを晒した。
すぅ~!と、ヒバリが息を呑む音が聞こえた。
おっぱいを見られている。自分からブラをめくり上げて見せている。
急激に恥ずかしさが込み上げ、顔が熱くなってくる。
「な、なんかいってよ」
「さ、最高だ……触ってもいいだろうか?」
「うん、いいよ……」
ヒバリは僕の胸に手を伸ばした。指をピンと伸ばし、大きな五指と手のひらで、僕のおっぱいに触れる。
「うっわ……これが男子のおっぱい……! うわ、わっ、わ~っ……!」
ヒバリは手のひらを動かし、胸全体の感触を堪能している。その表情は弛みきっていて、幸せそうだった。
「やっば……生おっぱいすごっ……! 私、今、おっぱい触ってる……!」
「ふふっ、よかったね」
「ああ、ありがとう、つばめ……!」
ヒバリは僕の目を見てそういった。真剣なお礼だった。心からの感謝なのがよく分かる。
ヒバリはずっと僕のおっぱいを触り続ける。手のひらと指で、感触を楽しんでいる。
「ヒバリ、顔くっつけてもいいよ」
「えっ」
「寝転がった方がいいかな、あ、僕の上乗っていいよ」
僕はその場に寝転がる。ヒバリも体勢を変え、僕の腰あたりに乗るような形になる。
ヒバリの呼吸が荒い。瞳孔が開き切っている。彼女はゆっくりと、姿勢を低くして――僕のおっぱいに顔を着陸させた。
「あははははははっ! 鼻息くすぐったいっ!」
「ふぅ~ッ!!! ふぅ~ッ!!!」
ヒバリは興奮状態のまま、左頬と右頬を交互におっぱいへ押し付けてくる。
「エロすぎっ! 最高すぎっ!! ありがとうつばめっ!」
「ふふっ、どういたしまして」
ヒバリはしばらく僕のおっぱいに頬擦りしていた。
そのまま結構な時間が過ぎた。けれど、ヒバリはまだおっぱいに夢中だ。
「ま、まだするの?」
「もうちょっとだけ……」
「また触らせてあげるから」
「うぅ……」
ヒバリは起き上がり、手のひら全体でおっぱいに触れ、再び頬擦りし始める。
「離れたくない……」
「こら、もうおしまい」
僕はスポブラを下げて、おっぱいを隠す。ヒバリはこの世の終わりのような絶望的な顔になる。
「そ、そんな……」
「どうせえっちする時いっぱい触れるんだから、今日はここまでね」
「わ、分かった……」
ヒバリは名残惜しそうに胸を見つめながらも、僕から降りて正座した。そして、そのまま頭を下げた。処女の土下座、三度目だ。
「つばめ、改めて、本当にありがとう。普通に生きていたら絶対男子に触れないはずだった処女に、おっぱいを触る機会を恵んでくれて、ありがとう」
「あははっ、ガチすぎてウケるけど、どういたしまして~」
ヒバリが自分のおっぱいにそこまでの価値を感じて、感謝してくれている。変な感じだけど、嬉しかった。
ヒバリは立ち上がり、スタスタと歩いていく。
「ごめん、ムラムラしすぎて襲いそうだからオ○ニーしてくる」
「あ、うん」
そして、ヒバリは洗面所へと消えた。そのまま数十分間出てこなかった。
【キャラクター】
『小野つばめ』
中島生まれ中島育ちの男子。高2相当。黒髪黒目。ボブカット。背が低い。可愛い。高校時代はヨット部、中学時代は吹奏楽部に所属。
ヒバリのことをカッコよくて優しくて博識で誠実で頼りになる女性だと思っていた。処女をからかって遊ぶことにハマる。
ヒバリにおっぱいを触らせてあげた。
『西園ヒバリ』
大島生まれ大島育ちの女子。高2相当。黒髪黒目。ポニーテール。背が高い。
何が何でもS○Xしたい処女。つばめからの好意と信頼を勝ち取るため、頼りになる女を演じていた。処女であることがバレて、つばめにからかわれて遊ばれることに。
つばめにおっぱいを触らせてもらった。
【進捗】
『後藤アンズ』発見済み。
『来栖ミユ』 未発見。生死不明。
『馬場ジュン』未発見。生死不明。
『井出ハジメ』発見済み。
【雑記】
『小島』
無人島を指す俗称。中島からヨットで行き来できる距離。
『中島』
T島を指す俗称。人口は200人程度だった。小島の10倍以上の面積がある。T高校が位置する。大島とは陸繋砂州で繋がっているため、干潮時のみ徒歩で行き来できる。
『大島』
O島を指す俗称。N県の全人口の半数が暮らしていた。N県最大の島。中島の約40倍の面積がある。