男女比がおかしい世界に産まれました   作:大気圏突破

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アンケートのご協力ありがとうございました。投票の結果ですが黒川家には夫は存在せず、あかねはアクアに父性を求める展開にします


修羅場×修羅場=とてもヤバい修羅場

 アクアの懇願を耳にしたとき、毎日が甘くラブラブな日々を過ごしていた斉藤夫婦の妻は怪訝な表情をしていた。過激なマスコミのせいで活動休止を余儀なくされしまった彼が「演技を学びたい」と口にしたからだ、正直なところアクアには何もさせたくなかった。蓄えもあるし国からも生活費が支給され弁護士に頼んで高額な慰謝料をマスコミ関係者から多く引き出してくれた。左うちわで暮らす可能である。成長して心を許している黒川あかねと籍を入れてくれれば良いと考えていた

 

 

「アクア、私たちに気を使って別に無理をしなくてもいいの」

「別に無理とかじゃなくて」

「アイから聞いたけど、そこには男の子が居ないんでしょ?その意味は分かるわよね」

 

 ミヤコが膝を曲げてアクアと同じ視線になり真っ直ぐに見つめている

 

「もちろん!だけどこのまま怠惰な生活をするのってメリハリが無いし、また動画投稿をやってみたい‼」

 

 

 彼の言うことも分かる。過保護にして刺激の無い人生を送った男性の遺伝子が極端に弱く、夜の営みをしても着床に至らないケースが僅かにだが起きていることを女性誌の片隅に記事として掲載されていた。無論アクアはそんなことよりも箱庭の中で退屈な生活を過ごしていくことに嫌悪感を抱いている

 

「それじゃあ演技の先生を呼んでレッスンを受けるのは?」

「ミヤコそれは駄目だ!アクアにとって与えられる疑似的な刺激より自ら歩んで四方八方から受けるリアルな刺激を受ける方が好ましいと思う。確かにアクア1人だけで行かせるのは危険だから対策が必要だけど、子供のやりたいって言っていることを否定するのはNGだ」

 

 首元にキスマークの痕が残る夫の意見に妻は少し悩む、アクアが自発的に”やってみたい”と口にしているのなら尊重してあげるのが大人である。しかし女の園に放り込むということは危険のとしか言えない。黒川家からの誘いということは彼女も一緒にいるが彼を守りきれるか不安である

 

 

「アイは?」

 

 ソファーに座る母親に尋ねると

 

「私も反対だったけど、アクアのやりたいことを止めることはしたくないって」

「つまり賛成の立場ね」

 

 結局ミヤコが折れる形でアクアの劇団入りが決まった!とは言え安全について考えなければならない。送迎に関しては以前住んでいたマンションで運転を務めてくれた女性に対して個別契約を結ぶ形で頼み黒川家を同伴させる。問題は稽古場で所属している女の子たちは身元と背景が保証されているのでアクアに対して犯罪行為をする可能性はスパロボの命中率17%ぐらいのものである。ミヤコと壱護で監視をするにしても見えないところがあるのでボディーガード役としてルビーを入れることにした。

 

 

 

 

 その日『あじさい』に所属する劇団員の女の子たちは心ここにあらずで浮ついていた。ちょっと前に加入した黒川あかねが星野アクアのスカウトに成功し、今日ここに連れて来るという知らせを受け天高く右手を掲げる者たちが続出した。彼は学校にいる弱々しい男の子とは違う子宮が疼くほどキュンキュンする存在である

 

「(これは天が与えてくれたチャンスよ、アクア君の心を射止めることが出来れば)」

「(ここでガツガツいくのは悪手だわ、彼はマスコミによって活動休止したのならアグレッシブに攻めるのは印象が悪くなる)」

「(ここは黒川あかねと仲が良いアピールをしておこう。まずは壁を取り払うことだ!)」

 

 

 邪な感情しかなく誰もが今日が合同で稽古する日というのを完全に忘れているが仕方のないことである。誰だって有名人が来るのであれば浮足立ってしまうのは自然の摂理なんだから

 

 

 

「アクア君行こうか」

 

 黒川あかねは違和感なくアクアと手を繋ぎ稽古場へ向かい、ミヤコたちは劇団の代表者たちと話込みルビーはチョロチョロと周囲を動き回り団員に近づき耳元で囁いている

 

 

 

 

「ねぇアクアの未公開生写真あるけど欲しい?」

「モノを見せて頂戴‼」

 

 ポシェットから取り出した複数枚の写真はどれも魅力的なモノばかりであった。パジャマでヘソチラをした状態で寝ている姿や水浴びをした後でTシャツ姿で下の肌が透けている写真や風呂上がりで裸の上半身をさらけ出したヌードまである

 

 

「欲しいぃ」

「1枚300円でヌードは500円」

 

 少女は悩んだ全く手が出せない金額ではないが手持ちの殆どを消費してしまう。しかしこんなチャンスは滅多にない100円玉を複数枚出すだけでアンダーグラウンドでも手に入らない男性ヌード写真が自分のモノになる。ポケットにある財布に手を入れようとした瞬間

 

 

「アダッ!」

「アクアで商売をするな‼」

 

 振り下ろされた拳がルビーの脳天に直撃し、彼女は床の上をゴロゴロと転がりながら部屋の端にまで回り続けた

 

「お嬢ちゃんごめんな流石に売ることは出来ないが、こっちのブロマイドならタダでいいよ!ただしアクア達に過激なことをするのはやらないこと、守ってくれるならもう1枚あげるよ」

 

 壱護たちは劇団員の女の子たちを監視ではなく懐柔することにした。敵ではなく味方を多く作ることでアクアを守る算段である。狙うのは分別のつく上級生中心で目を光らせてもらう。なおルビーの持っていた写真は殆ど没収されたが数枚だけ行方知れずとなっていた

 

 

 

「今日は他の劇団と合同で稽古なの」

「さっき代表の人が言ってたね、見学だから遠くで座っていた方がいいのか?」

 

 周囲をキョロキョロ見回すと、あかねの言っていた別の劇団に所属する女の子たちの目が血走っているように見える。アクアは”俺は上野のパンダかよ”と心の中でツッコミ大人たちが来るのを待っていると

 

 

「アンタ‼いったい何で!どうしてこんなところに?」

 

 背は少し小さいが赤髪で活発そうな少女がドシドシと足音立てて近づいてくるが

 

「誰?アクア君に近づくの止めてくれる」

 

 2人の間に立って少女がこれ以上彼に近寄らないようにガードしようとするが、少女はお構いなく距離を詰めてくる

 

「アンタこそ何者よ?私はアクアに用があるの!」

「アクア君知り合いなの?」

 

 振り返って尋ねるが彼の顔は少し悩んでいるように見えた。少なくとも良好な関係ではないことは分かる。そもそもアクアと出会ってから長い月日が経過しているが目の前にいる少女の影は1つもなく、もちろん彼の部屋にこんな赤い髪なんて落ちてなかった

 

 

 

「部外者なら帰ってください!アクア君は今日から私たち『あじさい』に所属する劇団員です」

 

 あかねの言葉に『あじさい』の面々は強く頷いて少女に侮蔑的な視線を向けた”よくぞ言ってくれた。星野アクア君は我々の同士なのだ!もっと言ってくれ”称賛と期待を込めた眼差しで彼女たちを見つめていると

 

 

「部外者じゃないわよ!小さい時に抱き合って写真も撮っているの、アンタこそ部外者でしょ‼」

 

 少女は持っていた携帯に保存されていた写真をあかねに見せつける。デビュー間もない頃に子供服の撮影をしたときに着替え部屋に潜り込んだ時のやつである

 

「私は関係者です!」

「本当なの~?同じ劇団だけってことでしょ?」

 

 目を細めて腕を組んで冷笑じみた表情で黒川を見つめるが

 

「小学校に上がる前から付き合っています!」

「オイッ!あかねその言い方は」

「それにアクア君の家にも遊びに行って妻としてオムライスを”あ~~ん”させたことも、してもらったこともあります!」

 

 言っておくがおままごとの範疇である。しかし勝ち誇ったような目で両手を腰に当てて胸を張って勝利者を演じる彼女に有馬は奥歯を強く噛みしめながら

 

「ぽっと出のモブのくせに幼馴染み気取りか!」

「誰か~殺虫剤持って来て~アクア君に悪い虫がつかないようにしないと」

 

 2人は当人であるアクアを放置し力比べをしているが両者のパワーが拮抗しているので互いの位置が1歩も動くことなく時間だけが経過し、指導者の大人たちが入室したところで勝負は水入りとなった

 

 

 

 

 

「ごめんなさいねアクア君、みんな浮足立ってしまって」

「別に被害があった訳じゃないので」

 

 部屋の端に設置された椅子に腰を下ろして稽古を見学するアクアは『あじさい』の代表から謝罪の言葉を受けた。中央では子供たちが熱心励んでいるが時折こちら側に視線を向けては注意を受けている

 

「(これじゃあ参観日だな)」

 

 彼が心の中で現状にツッコんでいると、他劇団の指導者の1人がこちらを向いて近づいて来る

 

「アクア君あなたもやってみませんか?」

「えっ?」

 

 その言葉に呆けた声を出してしまう

 

「待ってください彼は今日入ってきたんですよ、それをいきなり」

「誰だって最初から上手く出来る人なんていませんよ、失敗してもいい台詞を間違えてもいいチャレンジすることが大切だと思います。それに団員たちも集中力を欠いていますので」

 

 確かにアクアの人生は常にチャレンジが付き纏っていた。無論それは与えられた仕事をこなすだけで雨宮吾郎時代の経験を引っ張りだしたに過ぎない

 

 

「間違っても笑いませんよね?」

「もちろん!何もせずに縮こまって1歩を踏み出さない人より全然立派です」

 

 指導者からの言葉を聞いたアクアは台本を持って中央に向けて足を運んだ

 

 

「じゃあアクア君、ここからの台詞を読んでね」

「この空白になっている所ってなんですか?」

 

 彼が指さすのは「」が書かれているが台詞の文字が何も書かれていない所である

 

「そこはエチュード、アドリブって分かるかな?好きにやっていいってことだから自由にして構わないわ」

 

 台本を一瞥し脳内に記憶させる。生前に分厚い医学書や海外の論文を読み込んでいた彼にとって文章化された日本語を覚えるのは造作の無いことである。対面には赤髪の少女が立ち満面の笑みを浮かべている

 

「(アドリブね~、昔見たアニメの台詞でも使うか)」

「(アクアと演技、しかも初めての相手が私だなんて)」

 

 内心ウキウキの状態で実力を120%発揮出来るほど心が昂っていた。そして皆が注目するなか2人の演技が始まった

 

 

「夢から醒めた気分はどうだ?」

「あぁ最高だった!かつての友たちと語り合い、己の武勇を聞かせ果てることなく飲み明かした」

 

 アクアが台本を丸めて剣の形を作ると有馬にゆっくりと近づく

 

「また幾度となく我に挑み続けろ、世界の隅まで余すところなく全て我の手のひらにある。お前の辞書に退屈という文字を消し去ってやる」

「貴殿に出会えたことが最高の誉れだ悔いなど無い」

 

 アクアは彼女の腹に剣を刺してからアドリブが始めた。しかし最初に行動を起こしたのは有馬の方で彼に抱きつく形でもたれかかり離れないようにガッチリとホールドした

 

「(良い匂い、しかも少しガッチリしてて温かい、そうだこのまま押し倒してしまうのもアリだよね?だって私は死んでいるんだから倒れるのが普通なんだし、どさくさ紛れて唇を)」

 

 邪念100%の感情で動いているが

 

「死してなお我に反抗する気概、勝利に貪欲な姿は誠に王の姿そのものだ!敬意を込めて我の全力で屠ろう」

 

 彼は有馬の襟元に手を掛けると柔道の払い腰の要領で床に叩きつけると受け身のとれない彼女は”ウゲッ”という汚い言葉を無視し、横たわった彼女の腹に模造剣を突き刺し

 

「決して忘れぬだろう。小さな島国にいた誇り高き王の名を」

 

 その言葉を残し中央から去って行った




とりあえず有馬ちゃん再びとなりました。今後のことを考えるとどうやってMEMちょを絡ませるか頭を悩ませます。大輝お兄ちゃんとメルト君の登場をどうするか?原作とは違うルートで展開させたいんですよね~

先に2人よりも吉祥寺先生との展開を作ろうか悩んでいます。


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