お気に入り登録の数が一気に増えて驚いています。
「(僕は女が嫌いだ!アイツ等は男のことを煌びやかアクセサリーとしか見ていない。僕のことを見ずに肩書きの『男』の部分しか目を向けない。母親も嫌いだ!あのクズは、さも自分が優れているような振る舞いで周囲に自慢というくだらない妄言を周囲に撒き散らし、周りの有象無象たちも注意せずに褒め称える)」
「(僕はベッドの上で両手両足を縛られていた。目の前にはアイツより若いが僕の年齢の2倍以上の女性が下着姿で立っていた。顔の上半分を覆うキツネの仮面せいで顔は分からなかったが、この声は聞いたことがある。女優の姫川愛梨だ!彼女は僕の上に跨り、頬から首筋そして胸を経由して細い指が股間を軽く愛撫する)」
「高かったけど君のお母さんが首を縦に振ってくれたわ、初めてなんでしょ?大丈夫よ私の大事なヴァージンをあげるから君のも頂戴」
姫川は自分でブラのホックを外し自身の胸を彼の顔に押し付けた。鼻と口が塞がってしまい呼吸が出来ず胸に歯を立ててしまうが、彼女はそれをOKのサインだと勘違いしてしまう。体が反転しピンク色ショーツが彼の眼前に現れ、カミキのトランクスは破り捨てられた
「可愛い顔なのにここは強暴ね」
「(ここから先の記憶は消してしまいたい地獄だった。軋むベッド上で獣のような咆哮をあげ淫らに腰を揺らし僕のことを責め続けた。逃げたいのに体は反応してしまい欲望を解き放ってしまう)」
「ごちそうさま!」
朝日が昇る前にシャワー室から出て来た姫川は慣れた手つきで着替えると、ベッドで横たわる彼の枕元に札束を1つ置いて出て行ってしまった。カミキはそれを破ることも出来ずグチャグチャになるまで握り締め涙を零すのであった
「(アイツは僕を金のなる木と思い込み次々と非合法な夜を与え続けた。だから15の誕生日にアイツをこの世から切り離した。浴槽の底で段々と増える水位に怯え泣き叫ぶ姿は滑稽だった。目や口から出る液体のせいで己の死期を早めていることも知らず「愛してる」と言われても何も響かなかった)」
「(天涯孤独の身となった僕は日本を放浪した。年相応以上の見た目とスーツ姿で未成年と思う人はいなかった金なら十分にある稼ぎ方も知っている。しかし心に開いた穴は決して閉じることは無かった。大人の真似事をしてアルコールを飲んでも駄目だった。この世の全てが灰色で全員テーマパークにいる着ぐるみの頭を被り素顔を隠すバケモノに見えた。そんな時に彼女に出会った)」
「あなたがミヤコさんの言ってたイベント担当者の人?」
「ん?人違いじゃないか?こんな見た目だと間違えやすいのかな?」
「(アイと名乗る女は男装アイドルとして活動していた。その輝く瞳は見る者を魅了する神秘を感じるように深く美しく煌めいていた)」
「ねぇなんで貴方は”ここに居ないの”?」
「君は何を言って…」
「う~~~ん、心が無いって言うのかな?マネキンが動いているような感じかな?」
「(隣に座る彼女は僕の心を簡単に見通していた。野生の勘とかではなく感覚で人の心を見透かすことが出来るんだと思った。だからこそ興味を持った!もっと君のことが知りたいと)」
「私たち似た者同士かもね?」
アイとの邂逅は砕かれていたカミキヒカルの心を少しずつ修復するように止まっていた時計の針を動かし始める。2人は連絡先を交換し人目を忍んで会い続けた。互いに親の愛を受けることなく成長した2人はシンパシーを感じるようになりカミキの顔に初めて笑顔が宿った。しかし
「珍しいね、こんな夜遅くに会いたいなんて」
「ちょっとね今日が良かったの」
ベンチに座るカミキはアイが買ってきたジュースを飲みながら互いの近況を伝え合うが、いつも途中からアイの独壇場となってしまう。身振り手振りのアクションをする彼女の声をBGMにしながら微笑んでいると段々と瞼が重くなってくる
「大丈夫?」
「おかしいな何で?」
「ミヤコさんでも試してみたけど凄いんだねこれ」
「アイ……なにを?」
「じゃあこれも飲んでみようか」
ポケットから出された薬を無理やりカミキの口の中に入れて持っていたジュースを流し込む、しばらくすると下半身が熱くなり股間に血液が集中するように感じた。
「ねぇ君のことを私に感じさせて!」
まどろむカミキは手足に力を入れて逃げようとしたが
「だ~め逃げちゃ」
両手が手錠でベンチと繋がり足も拘束されてしまった。アイの舌はカミキの口内に侵入し互いの舌を絡ませあうと彼の衣服をカッターナイフで引き裂いていき上半身をゆっくり舐めていく
「うっ!」
「へぇ~脇腹が弱点なんだね、じゃあもっとやってあげる」
睡魔のある状態から無理やり覚醒する。強弱をつけて愛撫されていくカミキは大声を出そうとしたが、アイは持っていたハンカチを丸めて口の中に押し込んでしまい声を出すことが出来ない
「私初めてなんだ!でもDVDを見て勉強したから任せて」
カミキの脳内に初めて奪われた時のことを思い出していた。否!あの頃以上に悲惨な思いを現在進行形で受けている。信じていたのにアイになら本当の自分を晒すことが出来ると思っていたのに、彼女もまた姫川と同類なんだと
「思い出をありがとう」
夜空の星々が消える頃、彼の魂を受け入れたアイは太ももに付着した汚れを拭きとってカミキに感謝の言葉を述べ、裏切られたカミキの心は完全にクラッシュしてしまった。瞳から光が消え放心してしまった彼に彼女の言葉は届かない
「じゃあね」
カミキの口からハンカチを抜き取り公園を去って行くしかし彼女は忘れていた。ベンチにカミキのことを拘束したままだった。夜中の情事で高ぶってしまった精神は正常な思考を欠落させてしまった。アイが去ってからしばらくしてようやく心を戻した彼は助けを求めようと声をあげた。まずは体制を整えてからアイツのことを
「(君の罪はこの世に存在してしまったことだ)」
しかしこれが1番最悪な手段だと全く気付いていない。考えてみてほしい稀少な男性が拘束されて叫んでいるということは自分から敵を呼び寄せていることだ!彼に憎悪の思考がなければ冷静な判断が出来たはずなのに、それが出来なかった
「あら?」
最初に気付いたのは早朝マラソンをしていた女子大生だった。カミキは彼女に助けを求めようとしたが相手は携帯を操作していた。きっと警察か救急を呼んでくれると思っていたが数分もしないうちにゾロゾロと複数の女性が現れた。カミキの脳裏に不安がよぎる
「くぁwせdrftgyふじこlp」
それは人の叫びでは無かった!厄介なことにアイに盛られた薬がまだ体内に残っていたせいでイチモツが萎えることは無かった。草の上にボロ雑巾のように倒れていたカミキが目覚めたのは裸電球が光る部屋だった。衣服は身につけてなく靴も履いてなかった
「目が覚めたようね」
「ここは?」
スピーカーから聞こえて来る言葉に質問を返すと
「君は生涯ここで暮らすの、大丈夫よ決まりさえ守ってくれれば悪いようにしないわ」
「何を勝手なことを、ここから出せ!僕はアイツに」
カミキが叫ぶと電球が切れ周囲が真っ暗になってしまう。しかし直ぐに電気が点くと目の前に複数の女性が立っていた。すると彼女たちはカミキに襲い掛かるとベッドに押し倒してしまう。ひと通り終わると電気が消えて点灯すると女性たちは消えていた。
「いったい僕が何をしたんだと言うんだ?」
そこからは地獄の日々が続いた。毎日襲われる時もあれば数か月放置されることもあった。部屋に備え付けられたラジオのおかげで年月日と時間を確認することが出来た。反抗的なことをしなければ食事のリクエストも叶えてくれる。
『男装アイドルの星野アイさんが男女の双子を出産しました。名前は…』
ここに来てから1年が過ぎようとした頃にラジオから流れてきたニュースに驚いた!襲ってきた彼女が子供を産んで世間から称賛されている。こんなこと許しておけない!アイの歴史はこの手で終わらせる。その日から心に憎悪が宿った彼は脱出の機会を伺う為に行動を開始した。
「何をしている?」
「醜い体にはなりたくないから鍛えている」
仮に脱出に成功しても捕まってしまったら元の木阿弥であり復讐後のことを考えて体を鍛えていた。根気強く辛抱強く耐え忍ぶ、いつかチャンスは訪れる。そう信じ続けて1年半が過ぎた頃だった。従順し続けると監視側は気が緩むのは必然でありカミキはチャンスを見逃さなかった
「(出口はどこだ?)」
食事を運んできた女性の首を絞めて意識を飛ばすと彼女が来ていたTシャツとGパンを着込んで部屋を出た。周囲を見渡して階段を上ると蓋らしきモノがあり押し上げると地上の光が彼を包んだ。どうやら地下シェルターの中に監禁されていたみたいだ
「(ここはアイに襲われた公園の近くか?)」
既に脱走していることがバレている可能性を考慮したカミキは、急いで人混みが多そうな場所を探して身を隠そうと動いていた。しかし所持金の無い彼の移動手段は自身の足しかないので距離を稼ぐことが出来ず、夜は見つからないように草むらに隠れて周囲を警戒したせいで精神が削られてしまい倒れているところをアクア達に見つかってしまった。
「助けてくれてありがとう」
「何であんなところで倒れていたの?」
アクアの質問にカミキは少し黙ってしまったが
「家族と喧嘩してね、僕も言い過ぎたことがあるから頭を冷やしているんだ」
「家出って1人で大丈夫?」
「こう見えても、お兄さんは強いんだ」
右腕で力こぶを作りアピールすると更に飲み物を持ってきたミヤコがやって来た
「スポーツドリンク買ってきたわよアクア」
「ありがとうミヤコさん」
「(アクア?ミヤコさん?確かアイもミヤコって)」
「どうしたの?」
「ねぇ君の名前はなんて…」
「星野アクアマリンだけど長いからアクアにしている」
その瞬間に彼は神に感謝した。アイの関係者どころか息子に会えるなんて、この子を消してしまえば最高の叫びと絵を鑑賞出来る。そうだ最期には正しい行いをしていたニンゲンが勝つんだ
「(君には怨みはないけど悪いのはアイなんだ!)」
ポケットに文具店から万引きしたカッターナイフに手を掛けた瞬間
「見つけた!」
その声に振りむくと素肌にスタンガンを当てられ気を失ってしまう。市販されているモノを改造しているので耐えることは不可能である
「ほ~ら帰りましょう。私たちの部屋に」
「ご家族の方ですか?」
ミヤコの問い掛けに女性はニッコリと笑って頷いて
「ごめんなさい彼には躾けが必要なの、男だから敬えって増長しちゃうからこうやって矯正しているの」
「ですが、やりすぎでは?」
「私の家庭に口を挟まないでください」
そう言って彼女はカミキを肩に抱えてアクアとミヤコの前から去って行った。
「ミヤコさん、流石にやらないよね?」
「ワガママに育ったら考えるかな?」
この日を境にカミキヒカルは二度と日の光を拝むことは無かった。彼は周囲に恵まれなかった!彼のことを信じ心から愛してくれる存在が近くにいれば人生は違ったのかもしれない。最初で最後の父と息子の会話は短いモノだったが、それは神が許した小さな幸せだったかもしれない
カミキヒカルの最初で最後の出番だと思います(過去回想で登場するかもしれませんが)
作中の姫川愛梨はカミキの夜を金で買い、アイは懐に潜り込んで心を通わせてから襲いました。海馬社長並みにマインドクラッシュしています。
最初はカミキは姫川に襲われ→親に研究所で売り飛ばされる→愛梨に子供が産まれたことを知って数年後に脱走して会いに行く→途中でアイに襲われる→再び研究所に捕まるの予定でした
原作のアイも割と擁護できないことをしているので、カミキには不幸のどん底に落ちてもらいました。
高評価や感想を書いていただき誠にありがとうございます。最初はお盆中に3話だけと考えていましたが伸び方がえぐかったのでメインで執筆してました。こっからは週1話更新出来るように頑張ります。さて札幌記念の準備をしないと