げんしん☆もんすたー   作:ちぃの

11 / 14
ガイア視点。
作者の知識がガバガバなので、大目に見てください。


氷のような二人 宿命の対決!

その日の夕方、アカツキワイナリーには見馴れない来客があった。

 

「よお、ディルック。調子はどうだ?」

 

無論、俺の事だ。

 

そろそろ店仕舞いをしようとしていた赤い髪の男が振り返る。

 

 

「…ガイア。最後に会ったのはいつだったか…」

「そりゃあ、あれからもう十年は経ってるぜ?」

 

十数年ぶりの再会なのに、どうとも思っていないような仏頂面だ。

 

 

「朝の旅人連中が噂をしていたが、まさか君もあんな遊びをしているのか?」

「遊びねぇ…ひょっとしてこれの事か?」

 

集めた4枚のバッジを出す。

 

呆れが混じったように見えるあいつの前で、それを躊躇無く放り捨てた。

 

「別にそんな事の為にやってた訳じゃない。これはあくまでも、お前と対等に戦う為のチップってだけだ。」

「…そうか。」

「昔からそういうのが好きだったろ?…それとも、少しは丸くなったか?」

 

ディルックは、一度溜息をついてから答えを言った。

 

「それで、俺に何をしてほしいんだ?」

 

これで最初の賭けには勝った。

あいつは、何の肩書も無ければ相手にしてくれなかった筈だ。

 

質問の答えは最初から決まっている。

 

「そうだな…もし俺が勝ったら、一緒に酒場にでも飲みに行こう。」

「それだけか…くだらん。」

「…約束は約束だぜ?特にお前が無視するとは最初から思っちゃいない。」

 

念の為持って来た、紫の瓶を見せる。

 

「そっちが良いってんなら、もうここで飲んでも良いがな。」

「からかってるのか…?俺は昔から酒は飲まない。」

「ただの冗談さ。そう気に留めるなよ。」

 

歩きながら話すうちに、俺とディルックはワイナリーの中庭に着いていた。

昔と何も変わらない殺風景だ。

 

「…何体持ってる?」

「3だ。」

「本当に変わっちゃいないのか。」

 

…やはり変わっていない。

 

聞き返してくるディルック。

 

「君はどうなんだ?」

「俺も同じさ。」

「…なら良い。」

 

…2匹も集めたのは結局、いつかお前と戦う為だった。

 

荷物は端に寄せ、ボールを用意する。

 

「良いか?」

「とっくにな。」

 

一つだけ、付け加えておく。

 

「これはトレーナー同士の戦い、ってつもりだが…そっちこそどうだ?」

「勿論だ。」

 

変わらない最低限の返答。

それぞれがボールを握り、光が放たれる。

 

 

 

アカツキワイナリーの ディルックが しょうぶをしかけてきた!

 

 

 

「ラプラス!」

「ヘルガー!」

 

巨体が地面に影を落とし、周囲の空気が一気に冷える。

対するヘルガーは低く唸り、赤い瞳でこちらを睨んでいた。

 

「……さて。」

 

俺はわざと曖昧に言った。

 

「まあ、いつも通りでいい。」

 

ラプラスの周囲に、冷気が広がる。

 

「……ちょうはつ。」

 

その声を待っていた。

 

「こごえるかぜ。」

 

ラプラスが大きく息を吸い、冷たい風を吐き出す。

 

突風が中庭を横切り、ヘルガーの体を正面から叩いた。

氷の粒が石畳に霜を降ろす。

 

「……最初からそれか。」

 

ディルックの声が低くなる。

 

「天候技かと思ったか?。」

 

俺は肩をすくめた。

 

「俺は、そう簡単には動きを読ませないからな。」

 

そう告げて、更に指示を出して行く。

 

「なきごえ。」

 

ラプラスの鳴き声が、相手の戦意を削いだ。

 

「バークアウトだ。」

 

返しの咆哮。

空気を震わせる音波がラプラスを包む。

 

遠距離の撃ち合いに持ち込むつもりか。

 

…掛かったな。

 

体力のあるラプラスは、この程度では微動だにしない。

 

「もう一回こごえるかぜだ。」

 

再び、広範囲に冷気を浴びせる。

 

「……まだやるのか。」

 

ディルックの視線が鋭くなる。

 

「いや、もう止めで良いだろう。」

「来るか…。」

「……ハイドロポンプ。」

 

ラプラスの前方に、水が集まり始める。

 

それを見たディルックも落ち着いて指示を出す。

 

「……ニトロチャージ。」

 

ヘルガーが加速しようとする。

 

しかし、その足元は凍りついていた。

踏み出しが、確実に一瞬遅れる。

 

「大人しくしようか…!」

 

圧縮された水流が、真正面からぶつかる。

勢いのまま、ヘルガーは地面に叩きつけられた。

 

「……戻れ。」

 

ディルックは短く言い、ヘルガーをボールに収めた。

 

「まあ、悪くない選択だったぜ。…全部読んでたんだろ?」

 

そう言って、視線を向ける。

 

「人に読ませておいてよく言えるな。」

 

ヘルガーを戻したディルックは、次のボールを手に取った。

 

「……。」

 

ボールから次が出ると共に、感じる熱気。

 

「ブースター、か。」

 

俺は、ラプラスを戻して静かに次のボールを握った。

 

「なら、俺も出さないとな。」

 

白い光が弾け、冷気が辺りをまた覆う。

 

「……グレイシア。」

 

ディルックの視線が、わずかに揺れた。

 

「……。」

「別に驚く事じゃないさ。」

「俺が選ばなかったのは、知ってるんだろ?」

 

ディルックの声は低い。

 

「後悔はしていないようだな。」

 

その言葉に、俺は笑った。

 

「悪いな。後悔はしない主義なんだ。」

「…変わったな。」

 

ブースターが小さく唸る。

グレイシアは、静かに息を整えていた。

 

「……行くぞ。」

「望むところだ。」

 

互いに踏み込まず、距離だけを保ったまま視線だけが交差する。

最初に動いたのは、ブースターだった。

 

「ねっぷう。」

 

熱を孕んだ風が、地面をなぞるように吹き荒れる。

直線ではない。逃げ場を削る撃ち方だ。

 

「みずのはどう。」

 

グレイシアの前方で水が圧縮され、解放される。

正面からの冷たい水は、熱波を相殺した。

 

「ほのおのうず。」

 

渦を巻く炎が、徐々に間合いを狭めてくる。

 

ただ置くだけじゃなく、囲い込むつもりらしい。

 

「ふぶき。」

 

渦を冷やし尽くし、白銀の風が舞う。

 

一瞬遅れて、熱が走った。

 

「だいもんじ。」

 

作られた隙に…大技が飛んでくる。

避けられないタイミングだった。

 

「…おっと。」

「予想外だったか?」

「そういう訳じゃないな。」

 

軽い一撃じゃないが、このくらい想定内だ。

 

俺の声に、グレイシアは体勢を整える。

ブースターは踏み込まない。

距離を保ったまま、確実に削りに来ていた。

 

だからこそ。

 

……そろそろだろ。

 

ディルックの視線が、わずかに鋭くなる。

 

一瞬、空気が張り詰める。

 

「……とっておき。」

 

ブースターの全身が、力を溜める。

 

「……!」

 

白い光が、一直線に走った。

迷いがない。判断も完璧。

 

「……受けるぞ。」

 

グレイシアは、同じ白光を纏った。

 

衝突。

音がかき消える。

 

衝撃が拮抗し、互いの体が弾かれた。

 

次の瞬間。

 

「こっちもだ、とっておき。」

 

ディルックは、初めて目を見開いた。

 

同じ構え、同じ踏み込み。

今度こそ光が、ブースターに直撃する。

 

さっきより小さく、重い衝撃の後、ブースターはもう倒れていた。

 

「ブースター…。」

 

ボールに戻る橙色の影。

俺は、一度気を抜いて息を吐いた。

 

「悪いな。」

「……いや。」

 

一拍置いて、ディルックは言った。

 

「種は分かった。まねっこだろ?」

「ああ。」

「あのタイミングで撃たれた時点で、俺が気付くべきだった。」

 

ディルックは、3つ目のモンスターボールを構えた。

同じ様に、こちらもグレイシアを戻して持ち替える。

 

「ファイアロー。」

 

赤い猛禽が、空を裂き現れる。

 

「バイバニラ…!」

 

こちらには氷菓子を模した様なポケモン。

とはいえ、見た目で侮ってはいけない強さだがな。

 

「つばめがえし。」

 

ディルックが指示を出す。

ファイアローはもう視界の外だ。

 

「……!」

 

反射的に身構える。

 

「てっぺき。」

 

衝撃。

こちらが身を固めるよりも速く打撃が来た。

 

想像以上だ。

速いだけでなく鋭さも違うってか。

 

 

…ファイアローの纏う空気が、熱くなった。

 

「ミラーコート。」

 

「だいもんじ。」

 

真正面から叩きつけられる、暴力的な炎。

 

炎が見えない膜に当たり、反射する。

跳ね返された熱が空へと逆流し、赤い影をかすめた。

 

「…これは弾いてくるか。」

 

ファイアローが距離を取る。

 

「ぼうふう。」

 

風が荒れ狂う。

赤い影が、風の中に溶けた。

 

ただ、読める。

 

このまま上から来るな。

 

「…ゆきなだれを準備しろ。」

 

構えた瞬間。

 

風が、消えた。

 

差し込む、不自然なほどの日差し。

 

「…そりゃあないぜ。」

「そうか。だいもんじだ。」

 

上空のファイアローが轟炎を放った。

バイバニラは正面から受けたが、これ以上は流石に厳しくなって来た。

 

「……ゆきなだれ。」

 

お返しに、山になった雪が辺りを白く染める。

互いの視界から相手が見えなくなった。

 

ディルックは慎重さ故に闇雲には飛び越えない。

 

「もう一撃だ。これで判決を下す…!」

 

安定を取ってのだいもんじ。

 

あいつは、やっぱりリスクを取らなかったのか。

 

お陰で出来た時間で、最後の指示を出す。

バイバニラは雪煙から飛び出し日差しの下に身を晒した。

 

 

「…だいもんじ!」

 

一拍の動揺。

しかし、その遅れは致命的な物だった。

 

「今だ。」

 

炎が放たれるより、速く。

 

最後の一発を撃ち込む。

 

 

「……ぜったいれいど。」

 

 

冷気が、世界を襲う。

 

音が消え…

 

全てが熱を失った。

 

 

空中で完全に停止したのは赤い影。

ファイアローは、ただの氷の塊となって地に落ちた。

 

 

 

 

乾いた音が中庭に響き、すぐに静寂が戻る。

 

「……。」

 

ディルックは、しばらく動かなかった。

 

やがて、短く息を吐く。

 

「……戻れ。」

 

ボールに吸い込まれていく赤い影。

最後の光が消えたあとも、彼はその場から目を逸らさなかった。

 

「負けだ。」

 

俺もバイバニラを戻してディルックの方を向く。

少し間を置いて、視線が合った。

 

「君の勝ちだ、ガイア。」

「そうか。名前で呼び合うなんていつぶりだろうな、ディルック。」

 

軽く返してから、周囲を見回す。

夕方の風が、ワイナリーの中庭を抜けていく。

 

「ここも昔と変わらないな。」

「余計な物を増やす趣味は無い。」

 

相変わらずの返しを、思わず鼻で笑う。

 

「はは。そういうとこだ。」

 

しばらく、言葉が途切れる。

 

戦いの余熱が、ようやく冷めてきた所で、俺は思い出したように荷物を漁り一本の瓶を取り出した。

栓を抜き、2杯のコップに注ぐ。

 

ディルックは一瞬だけ眉をひそめたが、何も言わずにコップを受け取った。

 

「飲めよ。」

「…俺は酒は駄目だと言った筈だ。」

「これは最初っからただのブドウジュースだぜ?」

 

ディルックは、何も言わずに口を付けた。

 

近くにあった端のベンチに腰掛ける。

 

「こんな静かな所で話すよりも、約束通り酒場でも行かないか?」

「…良いだろう。」

 

 

夕暮れのモンドの町中は、妙に落ち着かない。

 

風は穏やかなのに、人の気配が多いせいか空気がざわついている。

ディルックと並んで歩きながら、俺は何となく周囲を眺めていた。

 

 

「おっと。」

 

思わず、声が漏れる。

少し先の路地、建物の影に寄りかかるように立っていたのは見覚えのある後ろ姿だ。

 

赤いスカーフ。

無駄に元気なイメージだった割に、今は妙に静かだ。

 

何かを探しているというより、考えを整理している感じだ。

声を掛ける前に、ディルックが足を止める。

 

「……あのトレーナーか。」

「覚えてるのか?」

「今朝。」

 

それだけ言って、ディルックは黙った。

 

「よお。」

 

アンバーが振り向く。

一瞬きょとんとして、それから目を見開いた。

 

「……ガイアさん?」

「路上で黄昏れるには、まだ早い年だぜ?」

 

でも、無理に元気を作ってないのが分かる。

 

「ディルックさんも…。」

「……。」

 

軽く会釈するディルック。

アンバーは少し気まずそうに視線を泳がせた。

 

「えっと、みんなはとっくに宿に戻ってて……」

「一人で考え事か。」

「うん…。」

 

俺はディルックを一度見てから、アンバーに視線を戻す。

 

「よし、暇なら一杯付き合え。」

「え?」

「飲むのはジュースでもいい。俺が奢ってやるさ。」

 

アンバーが一瞬戸惑うが、案の定断る理由を探すほどの余裕は無さそうだった。

 

「いいんですか?」

「いいも悪いも、これから行くところだ。」

「……ディルックさんも?」

 

視線が向く。

 

「……問題ない。」

 

それを聞いて、アンバーは少しだけ肩の力を抜いた。

 

「じゃあ、お言葉に甘えます。」

「よし決まりだ。」

 

今度は三人並んで歩き出す。

 

「……あのさ。」

「ん?」

「私、リーグ……」

 

言いかけて、アンバーは言葉を切る。

 

俺も、ディルックもそこで口を挟まなかった。

今はまだ、結論を出す時じゃない。

 

「まあまあ、その話は座ってからだ。」

「……はい。」

 

 

酒場の灯りが見えてくる。

 

その扉を開けると、一人の相手と目が合った。

 

 

「おっ?珍しい組み合わせだね。」

「ウェンティ…丁度いい、来てたのか。」

 

既に出来上がっているのが、一目で分かる。

 

「相変わらずだな。」

「それ、褒め言葉?」

「違う。」

 

ディルックが即答する。

3人はウェンティの近くの席に着いた。

 

「俺はブドウ酒。ディルックはブドウジュースだろ?」

「じゃあアップルジュースで。」

「僕は同じのをもう一杯~!」

 

一通り注文を頼む。

 

「で?どういう集まり?」

「成り行きだ。」

「へえ〜。成り行きであの二人が一緒に酒場?歴史的瞬間だね!」

 

ウェンティがニヤニヤする。

 

「僕のおかげで仲直り出来た?」

「まだ仲直りはしていない。それと、こいつの仕業か?」

「いや、ウェンティは俺に何も関与しちゃいない。」

「えっ!?お義兄さんがジムリーダーをやってるって僕が教えてあげたのに…?」

 

アンバーはそれにくすっと笑った。

 

 

少しの静寂のあと、グラスを見つめているアンバーが切り出す。

 

「実は私、辞めようかなって思ってて。」

「まさかリーグを?違うよね?」

「そのリーグの話…」

 

そう聞いた途端ウェンティが騒ぎ出す。

 

「言っていなかったが、俺はもう辞めるからな?」

「酷いよ〜!主人公枠に初のシニア枠までリーグを抜けるなんて〜!」

「枠って…」

 

もっとうるさくなったウェンティを他所に、こっちで話す事にした。

 

「目標を決めてた俺はいいが、お前はどうして辞めるってんだ?」

「辞めるって決めたわけじゃない。ただ……違うなって。」

 

アンバーの声は、案外はっきりしていた。

 

「勝ちたいとか、負けたくないとかじゃなくて…私は、そもそも戦いたいわけじゃないなって。」

 

持ち上げたグラスの氷がカラリと鳴る。

 

「私は…このモンドを守りたいんです。」

「そういう問題か。」

 

ディルックが、珍しく口を挟んだ。

 

「なら無理に続ける必要はない。君にしかできないことがあるだろう。」

「……ありがとうございます。」

 

ウェンティは頬を膨らませる。

 

「もう!真面目すぎるよ二人とも!」

「お前が言うな。」

「えへへ。」

 

笑い声が、酒場に溶ける。

 

アンバーは、少しだけ楽になった顔をしていた。

今はそれでいい。

結論なんて、夜が明けてからで十分だ。

 

 

 

翌朝。

 

俺が宿のロビーで休んでいると空に蛍とパイモンが、そして何やら苦しそうなアンバーが遅れて出て来た。

アンバーはその割に、どこか清々しい顔をしていた。

 

「あっ、ガイア!」

「アンバーがこうなってるのって…何かあったの?」

 

昨晩の出来事をあらかた説明をする。

 

「まあそれで、アンバーはこっちで酒場に連れてってたわけさ。」

「アンバーも結局帰ってこなかったから心配してたんだよ!」

「うーん、それだけじゃこの状態は説明出来ないぞ?」

 

パイモンの疑問の通りだ。

言おうとしたが、結局の答えは当人が答えてくれた。

 

「それで…おかわりで飲んだジュースがお酒だったみたいで……酔ってそこから先の記憶が無い。」

「大丈夫なのか?」

「うん。…代わりに吹っ切れて全部答えは纏まったから。」

 

そして、アンバーは話した。

 

 

「私...リーグ挑戦は辞退する。代わりに、モンドに残ってジムリーダーになりたいと思う!」

 

パイモンは目を丸くして叫ぶ。

 

「何だってー!?」

「そっか。…アンバーらしいな。」

 

空は少し驚いた顔をしていたが、すぐに納得した表情を見せた。

 

 

「...アンバー、本気?」

「うん、本気。」

 

アンバーは力強く頷いた。

 

「ここまで頑張ったじゃん。ディルックにもあと一歩だったし!諦める理由なんてないよねっ?」

 

蛍の言葉には、強さへの執着と仲間への純粋な期待が滲んでいた。

実にあいつらしい。

 

「諦めるんじゃないの。違うんだ、蛍ちゃん。私には、私のやるべきことがあるって分かったの。」

 

アンバーは少し困ったように笑いながら続けた。

 

「ノエルちゃんとかディルックさんみたいに、このモンドの街で、誰かの目標になりたいんだ。」

 

蛍の言うことも一理あるだろうが、アンバーが決めた道は彼女にとって最善なのだろう。

 

「...まあ、それも悪くない選択だ。」

 

俺はいつも通り肩をすくめた。

 

「騎士として、ジムリーダーとして、この街を守るんだろ?」

「うん!」

 

アンバーは満面の笑みで頷いた。

蛍はまだ少し納得していないようだったが、空が蛍の肩を叩いた。

 

「蛍、アンバーが決めたことだ。僕達がとやかく言うことじゃない。」

「…そうかも。」

 

蛍は少し俯きながらも、最後にはアンバーを見て小さく笑った。

 

「じゃあさ?」

「ん?」

「次に来る時は、アンバーのジムに挑戦するってことだよね。」

「……うん、そうなるね。」

 

その言葉に、場の空気が少しだけ軽くなる。

 

空と蛍は、パイモンを連れて荷物を背負い直し街の出口へ向かった。

 

「じゃあ、またね!」

「次は負けないからな!」

「……元気で。」

 

それぞれの言葉を残して、二人は歩き出す。

 

 

「……さて。」

 

アンバーの隣に立ち、俺は広い青空を見上げた。

 

「ジムリーダーになるってのは、思ってるより忙しいぞ?」

「覚悟してます!」

 

即答か。

やれやれ、大したもんだ。

 

モンドの風が、変わらず街を吹き抜けていく。

 

旅立つ者と、残る者。

そのどちらもを包み込むように。




ディルック:この日まで、ジムリーダーとしては無敗だったらしい男。
動きを全部読んでくるのは、本人の性質ではなくただ格上だからである。多分同ランク帯では読み合いが苦手な方。
義弟だったガイアとは因縁があるが、その辺りは誤魔化されている…
何故なら…私が書くとボロが出るからである。

ガイア:原神プレイヤーなら勿論ご存知のガイア。何かとネタ枠扱いされるが、シリアスも行ける系キャラである。


内部的に一試合では4つまでしか技を使ってはいけないという事になっているらしい…? とっておきを使うという事はちゃんとそうなっているようだが、野生戦ではその限りではないと思われる。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。